魔法少女まどか☆マギカ×超・電王トリロジーEpisodeyellow 時間遡行者と時間警察 《凍結》 作:ガルウィング
はい、病みほむら復活します。
次回こそはバトル回に……!
第四話
あれから、どれ程泣いただろう。
今ほど自分を恨んだのは何時ぶりだろう。
初めて彼と出会ったときちゃんと話し合えば見逃してくれたかもしれない。
でも私はそれができなかった。
どうして?
何故私はあそこで話をしなかったの?
警察という肩書きに怯えたの?
逮捕されるのが怖かった?
いえ、違うわ。
じゃあ何故?
ああ。分かった。
プライドが許さなかったんだ。
暁美ほむらという一人の人間のプライドを守ろうとしたんだ。
ということは
私は
そんな下らないもののために
友達を救うチャンスを逃してしまったの?
バカだ。
大馬鹿者だ。
最後まで救えないまま終わるの?
ごめんね
まどか
本当に
ごめんなさい
「―――こんばんわ」
ほむらは泣いていた。涙が枯れても泣いた。それでも世界はほむらを殺してはくれない。彼女がいくらこんな自分を殺して欲しいと願っても。世界は彼女に残された最後の逃げ道さえも破壊した。彼女は声にならない謝罪を繰り返し泣いていた。すると鉄格子の向こうから低く、落ち着いていてどこかミステリアスな雰囲気の声が聞こえた。声の方向に目を移すとそこにはステッキを地面に突いて立つ初老の男性がいた。その男性からは表現しがたい、謎をそのまま具現化したようなイメージをほむらに持たせた。
「……どなた?」
すると男性はステッキを右手で器用に回し近くにあった凸に引っ掛け、左手で胸をポン、と叩くと胸ポケットから名刺が飛び出し右手に収まった。
それをほむらに手渡すと自らの正体を明かした。
「デンライナーのオーナーをさせていただいている者です。」
ほむらは手渡された名刺を覗き混むとそこには星空を走る新幹線のような列車の絵とただ一言「オーナー」と書かれているだけだった。
「……そのオーナーさんが私に何か?」
「いえ、ただ貴女に少しお話がありまして、」
「……話?」
オーナーはええ、と肯定の意を示す。するといつからそこにあったのか、椅子に座りテーブルの上にある旗付きのチャーハンを棒倒しよろしく回りから食べ始めた。
ほむらがその行動に疑問を持つとオーナーはゆっくりと語り始めた。
「魔女……それは絶望した魔法少女の成れの果て、というのは貴女はもう知っていますね?時間を繰り返してきた貴女なら徐々に魔法少女のことも理解し、今ではその全貌を知っているでしょう。ですが貴女はまだ知らない、とある魔法少女がとてつもない魔女になってしまう理由を。」
それを聞いたほむらはハッとした顔で問う。
「それってまさか、まどか?」
「その通り。この事実はあなたとまどかさんに密接に関係している話でしてね、」
オーナーがチャーハンを口に運ぶ。
「まず、魔法少女には素質がある。これはとても解りやすいハイリスクハイリターンな事実でしてね、素質を持った者が魔法少女になれば魔女の驚異から一般人を守れるし、手を組めばグリーフシード回収にも拍車がかかる。しかし裏を返せばその魔法少女が絶望したとき強力な魔女が産まれてしまうということです。」
しかし問題はそこではない、と彼は言う。
「それではその¨素質¨というのは何を基準に決定付けられるのか、答えは過去の因果に関係しています。」
「因果……?」
「ええ、その因果が強ければ強いほど素質と言うものが出てきます。」
チャーハンが柱状になっていく。
「その因果を何よりも強く持つ少女……鹿目まどかさんなのです。」
「ッ!?」
ほむらは驚愕を隠せなかった。確かに彼女が強力な魔法少女になることは知っていた。しかし彼女は今気がついた、そういえば、次の時間軸、また次の時間軸と繰り返していくうちに、
キュゥべぇのまどかについての表現が¨大袈裟¨になっていってる……?
「これはあくまでも予想ですが、貴女が繰り返してきた時間軸にいた鹿目まどかの因果が重なりあって説明がつかないほどの素質が手に入ったのかもしれませんねぇ……」
その瞬間、ほむらの思考は停止した。何故なら彼女の素質、そしてワルプルギスを軽く越える魔女になってしまう原因が
自分が時を繰り返してきたことだったからだ
「そ……んな……」
パタッ
ほむらが壁にもたれかかると同じタイミングでチャーハンの旗が倒れ、オーナーは驚きを逆ムンクで表した。するとオーナーはステッキを持ち軽くテーブルを叩くと椅子もテーブルも綺麗に消えた。胸ポケットからナプキンを取りだし、口を拭うと淡々と語り始めた。
「貴女が犯してしまったのは間違いなく時間の破壊。このままでは貴女の世界が破壊されてしまうでしょう。ワルプルギスによって絶望させられ生まれる最悪の魔女¨クリームヒルト・グレートヒェン¨によって……」
ポタッ
また涙が流れる。もう枯れたはずの涙が。
ほむらは気づいてしまった。
自らの過ちに。
だからこそほむらは泣いた。
ほむらはもうズタズタの心で何度も叫んだ。
ごめんなさい、ごめんなさい、と。
「だからこそ、時を越えてはならないのです。このようなことになってしまう前に本来は気づいておくべきでした、が……」
オーナーは新しいナプキンを取り出すと鉄格子の奥のほむらの涙を拭う。その後、今までの低く、今にも圧倒されてしまいそうな口調ではなく、ほむらに希望の灯をともすかのように優しく語りかける、
「とある人が言っていました。『人の罪は消えない、だが、自らの罪を数え、それを背負うから人は強くなれる』と。」
「貴女に自分の罪を数え、償える覚悟があるなら、貴女はきっと強くなれます。」
「安心してください。生憎私は貴女をここから出すことはできません。しかし、レイジ君もきっと、いえ、必ず貴女に手を差し伸べてくれるでしょう。」
ほむらの涙は止まっていた。
そうだ、何を私は迷っていたんだ。
たしかに私は許されない罪を犯した。
だけど私は決めたんだ、
どんな罪を背負っても彼女を助けると。
裁かれる覚悟などとっくにできていたことを
忘れていた。
「……ありがとうございます。オーナーさん。」
「いえ、とんでもございません。私『達』も出来る限りの協力はしましょう。もうすでに」
『手』は打ちました。
そういい残してオーナーは消えた。
ほむらはしばらくその場に立ち尽くしていたが。すぐに我を取り戻し、決意を目に写し鉄格子から見える夜空を見た。
もうすぐ、夜が明ける。
オーナー登場!
キャラちゃんとオーナーでしたか?
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