Liellive! TRINITY-リエライブ! トリニティ- 作:海色 桜斗
この作品は、現在放送中のアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」の1期の内容をクロスオーバー用作品として、再編集した物語になっております(2nd Seasonも現在検討中)。以下の要素も含まれますので、苦手な方はご注意ください。
・アニメ軸での大幅な改変
・Vtuber出演アリ(Prologue以降の話で、本編にがっつり絡んできます)
・虹ヶ咲1期~2期と同時系列扱いのクロスオーバー要素
・サニパ等アニメ軸でのライバルユニットの実力、若干の弱体化
――私の家は、裕福だった。
いえ、この言い方では単なる嫌味にしか聞こえないでしょう。でも、私にとっては本当の事だったのです。
幼い頃から父と母の両方に大事にされ、多芸な母の教育方針によって多くの習い事を卒なく熟し、海外や他地方への単身赴任で家を空けている事の多かった父からはそれらを続けていく為の支援金を惜しみなく注いで貰えて。だから、私はそんな教育熱心な二人に負けじと、様々な習い事を続けては、得意だと言えるものをどんどん増やしていきました。勿論、私の得意なものが増える度、両親は我が事のように喜んでくれるのです。
それから月日は流れ。父は、海外支部への長期的な滞在の為に家を空け。母は、かつての自身の母校が廃校になるとの知らせを受け、思い出の公舎を都市開発の権利者たちに奪われ取り壊させまいと各方々に掛け合い、時に頭を下げてでも青春を謳歌した聖地を後世に残すべく東奔西走していました。その当時、中学生になったとはいえ両親の行っている事の是非が分かる程まだ思考が成熟しておらず、次第に私は自分に構ってくれない両親に少しばかりの恨みがましい気持ちを一時的ではありながら持ってしまうのです・・・・・・これはあまり人様に向けて言えるような話ではないのですが。
程無くして。父の海外遠征は幾つものトラブルも相まって長引き、母は忙しさの合間を縫って私を気遣ってくれたりしていた。やがて、母の努力は実を結び、私が中学を卒業するのと同時期に懐かしの校舎と新たに新設された新校舎の入り混じった「新設校」として、私の母の学校は蘇ったのだ。
創設者の母と、一企業のトップを務めるまでとなった父。私の両親は、ここからが我が家の新たなスタート地点だと言い、母が権利を奪還した新設校の直ぐ近くに私達の新たな生活の拠点・・・・・・世でいう所の「大豪邸」を経てて、使用人の方々を雇うようになりました。メイドのサヤさんとのお付き合いも、丁度そこからの話になりますね。
波乱万丈の末に掴んだ順風満帆な生活、しかし、幸せはそう長くは続かなかったのです。そこに辿り着くまでの精神的及び肉体的疲労が限界を突破してしまっていたのか。元々病弱だった母は、新設校の創設者として世に名を遺した後、不治の病に倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。
母が倒れたことにより、今の私が住んでいる自宅や母が創設者となった学校が、資金難によって全てを失う前に大切なものを守る為、父は援助代わりの資金を増額。その代償として、前よりももっと家に滞在している期間が少なくなり、今ではもう最後に会ったのが何時だったのか。それすらもう薄っすらとした記憶の彼方の出来事になってしまいました。
ですが、そんな父のお陰で家は今でも無事に過ごせる住まいとしてそこにあります。流石に、使用人の方々の大半はお給料の関係上で雇えなくなって、次々と辞めて行かれましたが。それでも、サヤさんだけは今でも熱心に務めて頂いて。
あ、そうでした。広々とした大豪邸に私とサヤさんだけでは賑やかさに欠けて、私が寂しい思いをするとでも思ったのでしょうか、母がこの世を去ってすぐの私の誕生日に父がプレゼントしてくれたのが、今では我が家の愛犬となっているチビです。あの子も立派な私達の家族の一員なのです。
そんな、両親には何かとお世話になりっぱなしの私ですので、母の思い入れの詰まったあの高校に入ったのならば父と母の努力の結晶を私自身の全力を以て守っていきたいと思うのです。恐らく、それが金銭面での解決が図れない学生の身である自分に出来る最大限の恩返しになれると信じているので。
「――見ていてください、お母様、お父様」
「私は・・・・・・葉月恋は、あなた方の期待に添える様な立派な人間になって見せます・・・・・・!」
部屋のベランダから空を見上げ、その中で最も眩く光り輝く星がある方角に向けて手を伸ばし、握り拳を作って、その星を掴んだかのような体勢で夜空に固く誓う。
頑張りましょう、何としてでも。葉月家と結ヶ丘の命運は、今や私が握っていると言っても過言――いえ、流石にそれは都合のいいように捉え過ぎでしょうか?
「うーーーーーーーん・・・・・・???」
・・・・・・斯くして、亡き母の使命を背負った娘・葉月恋の前途多難かもしれない学生生活の幕は無事(?)に開かれたのであった。