Liellive! TRINITY-リエライブ! トリニティ- 作:海色 桜斗
※読者の皆様へ、諸連絡
Prologue前書きにて、サニパ弱体化の表現ありと書きましたが、作者が今現在までTVアニメを視聴した限り、特に何の描写も描かれないサニパを出す程(それが主な原因で作者があまりサニパに興味を持てなかった)必要性を感じなかったので、多少時間軸が狂っても良いのを条件に代理を引っ張ってくることにしました。ご了承ください。(※神モブ三人組も独自解釈の性格になっています)
投稿時間的に、今日リアタイで最終回を見た人の口直し(さらに酷い展開になった場合を見込み)になれれば幸いです。
……そうならなかったら、ごめんなさい。
Ⅰ「音楽科の落第生」
PiPiPiPiPiPiPi......PiPiPiPiPiPi......!
「――うーん、後5分・・・・・・って、うわあぁぁぁ、寝過ごしたぁぁぁぁ!?」
朝。昨日、夜更かしをした影響で寝ぼけ眼で起きた私の意識を一気に覚醒へと導いたのは、時計に表示された時刻。午前8:10・・・・・・不味い、完全に寝坊してしまった。まさか入学式早々に遅刻するなんて。ただでさえ本来行きたかった路線から落ちて、別路線で合格したと言うのに。これじゃあ、私の記念すべき高校生活が初日から残念な事になってしまう・・・・・・!
「ととと、取り敢えずドライヤーと整髪剤!それから、制服ーっと」
寝ぐせによりボサボサだった髪の毛を整え、結ヶ丘の《普通科》の制服に袖を通して、ふと正面に置いてあった鏡に映った自分の姿を見る。
「はぁ・・・・・・普通科、かぁ」
音楽が人一倍得意で、歌うことが何より好きだった私が。幼少期に抱えてしまったトラウマのせいで人前で歌うことが出来なくなって。でも、音楽との繋がりはどうしても断ち切りたくなくて。だからこそ私は結ヶ丘の音楽科を志望した。まぁ、まさかその結果が、自分のトラウマとまた再び向き合う事になってそれに敗北してしまったというのは、我ながらざまぁない話ではあるが。
「・・・・・・まぁ、今更過ぎる後悔してても時間の無駄か」
自分の中にある後悔の念が、また変に拗れて襲い掛かってきて「あー、学校行くの怠い」等とやさぐれ状態になってそんな身も蓋もない事を宣ってしまう前に、私は自室を飛び出した。
「お母さん、お父さん、ありあ。おはよう、行ってきまーす!」
そして、居間に集合していた家族全員に一先ず声を掛け、いってらっしゃいの返答を聞かぬままで私は食パンを頬張り、お気に入りのワイヤレスヘッドホンを付けて玄関から勢いよく出ていった。朝の諸々の準備を終え、鞄を片手に下の階へ駆け下りる迄僅か5分半と、我ながら朝の登校準備速度の最高記録を更新した瞬間である。
「いってらっしゃい――ってもう出て行っちゃたわね、あの子」
「ねー、おかーさーん、結ヶ丘の入学式って時刻ズレるんじゃなかったっけー?」
「え、そうだったかしら・・・・・・あら大変、本当だわ。あの様子じゃ、あの子もすっかり失念してたみたいね」
「まー、いいんじゃない。別に早く付く分には、損はない筈だからさー」
「・・・・・・まぁ、それもそうね」
自分達の家族への信頼が深いからこそ出来る、実にドライな反応なのだった。
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「・・・・・・よしっ」
家から出て、都会にしては閑散とした路地を抜け、歩くこと数分。家を出た時に頬張った食パンを飲み込み、鞄の中にあった水筒に入れてあったお茶で喉の奥に流し込む。
そして、フラッと原宿の町のメインストリートへ足を踏み入れた瞬間――急激に視界が人混みで溢れ、都会に住まう人々の話し声や道路を行きかう車の音、最新の広告スタイルを取り入れたビル群にあるモニターからの過度な情報量溢れる雑音が私の耳を一気に襲ってくる。
故に。私は鞄からワイヤレスヘッドホンを取り出し、装着する。親から貰った月々のバイト代と称した小遣いやお年玉を粛々と貯金して、昨年末に漸く買えた最新鋭のノイズキャンセラーシステムが付いたかなり高額な代物だ。
『♪~』
ヘッドホンから聞こえてくるお気に入りの音楽たちが、都会の雑踏を掻き消し、私だけの世界を装着している間だけクリエイトしてくれる・・・・・・至福の一時。
――が。その一時の油断が、ほんの少しの災いの引き金になってしまう事もある。
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ、退いて退いて退いてぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「♪~」
街の雑踏に負けじと大声を出した女性が此方に猛ダッシュを掛けてやって来る。当然、その時の私の聴覚はヘッドホンによって完全に塞がれていたし、何よりノイズキャンセラーが働いて普通のヘッドホンよりも数倍聞こえにくくなっていた為、気付かない。
「ちょ、ちょっと! そこの前の人ぉぉぉーどーいーてーぇぇぇぇぇぇ!?」
「・・・・・・」
如何やらその女性も何か訳があって途中で止まると言う事が出来なかったらしく、そのままの速度で私に向かって突っ込んでくる。そして、その結果は勿論。
ドーーーーーーーーーーーーーーン!!!!
「わーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
「うえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
まごう事なき、正面衝突。回避行動すら取れなかった私は、そのまま女性に覆いかぶさられる形で道路に倒れ伏した。
「「痛たたたたたたたた・・・・・・!」」
辛うじて受け身は取ることに成功したので、大した損傷は免れた・・・・・・が。
「はっ・・・・・・!?すっ、すみませんすみませんすみませんすみません!!!」
「いえ、こっちもこっちで前方不注意だったんで――」
「「――あ」」
顔が近い。その距離僅か数センチメートル、下手をしたら初対面のその人とキスをしていたかもしれない、そんな距離。すると、私が体をのけ反らせて距離をとろうとしたところ、それよりも早くその女性はまるで漫画の一コマの様な機敏さですぐさま後ろに飛び退いて、距離をとる。
危なかった・・・・・・何かこう、色々な意味で。
「本ッッッッ当にっ、すみませんでした!!!」
「あ、あはは・・・・・・しゃ、謝罪はもういいので、顔を上げてください」
「ゔゔっ、ずびばぜん(すみません)・・・・・・!」
瞳を涙で潤ませながら、此方に顔を向ける女性。そこで私は初めて彼女の顔や容姿を俯瞰することが出来た。
アッシュブラウンのロングヘアに、キリリとしたまつ毛と真紅の瞳。端正な顔立ちをしていて、先ず思いついた言葉は『美人』。全体的に見てもスタイル抜群だし、第一印象としては全く文句のつけようがない。そして、その綺麗すぎる容姿がそう錯覚させていたのか。よくよく見ると、彼女が今着ているものは何処かの会社の制服・・・・・・などではなく、私と同じ「私立結ヶ丘女子高等学校」の『普通科』の制服だった。えっ、こんな綺麗な人がウチの学校に来るの、しかも同じ学年に!?
「えっと、あの・・・・・・あなたも結ヶ丘の生徒、なんですか?」
「あっ、はい! えっと、初めまして!結ヶ丘女子高等学校1年、フレン・E・ルスタリオです!!」
今泣いたカラスがもう笑った、と言わんばかりのけろっとした快活な笑みを浮かべて、彼女が軽く自己紹介をする。え゛えっ、まさかの外国の人!?
「あ、フレンさん・・・・・・ですか。あの、日本語お上手ですね」
「へっ???」
何処の国の出身かは分からないが、日本語が達者すぎる。が、それを指摘した私を一瞬キョトンとした顔で見た後、彼女は特徴的な笑い声と共に言葉を続けた。
「あっはははははははは! えっと、よく間違われるんですけど。私、根っからの日本人ですよ?」
「嘘ぉ!?」
えっ、だって名前からして誰も日本人とは思わないじゃん、意外過ぎるよ!?
「ほ、本当に・・・・・・?」
「はい!」
彼女の天真爛漫な笑顔に嘘はない。理解は追い付かないが、間違いなく事実なのだろう。
「そ、ソウデスカ・・・・・・あ、因みに私は澁谷かのん、です」
「かのんさん、ですね。はい、バッチリ覚えました!」
そう言えば名前を名乗っていなかったな、と気づき、私も軽く自己紹介を済ませる。うーん、それにしても笑顔の絶えない人だ。身近にこういう人がいたら、きっと毎日が楽しいんだろうな、きっと。
「あ、それでフレンさん」
「はい、何でしょう」
「フレンさん、さっきは凄く焦ってるみたいでしたけど、何をしてたんですか?」
ふと、私がさっきまでのフレンさんが何をそんなに必死になって走っていたのかが気になり、訊ねる。すると、今まで満面の笑みだったフレンさんの顔がサーッと青くなり、勢い良くその場から立ち上がって辺りをきょろきょろと見渡し始めた。・・・・・・何か、探し物だったのかな?
「そうだった、バンちゃんのことすっかり忘れてた・・・・・・!」
「バンちゃん?えっと、もしかしてフレンさんの飼ってるペットとか、ですか?」
「あ、えっと・・・・・・ま、まぁそんな感じです、ハイ」
私の問いに対して、フレンさんは何故か答え辛そうな様子で、若干濁したような返答をした。何だろう、凄く怪しいなぁ・・・・・・。
「――・・・・・・とっ、とにかく! そういう事ですんで、お先に失礼しますねっ!」
「あ、ちょっ、フレンさん!?」
もっと詳しく話を聞こうと私が身を乗り出そうとした時、流石にこれ以上の事を聞かれたくなかったであろうフレンさんは、素早くその場で立ち上がると同時にものすごいスピードで、あっという間に人混みの中に紛れて行ってしまった。くうっ・・・・・・やっぱり難しいか。
「・・・・・・というか、私もこんなことしてる場合じゃなかった。早く学校に行かないと!!」
このままフレンさんの行方を追ってもいいけど、そしたら今度は私が学校に間に合わなくなってしまう。それに、フレンさんとは奇しくも同じ学校の同じ普通科の生徒同士なのだ。学校に通ってさえいれば、幾らでも問い詰めるチャンスはあるだろう。そう言い聞かせ、自分の中に芽生えた少しばかりの好奇心を押さえつけ、私は再び学校まで至る道筋をしっかりと歩み始めた。
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「さて。先ずは、入学生の皆さん、改めて本校へのご入学、誠におめでとうございます」
「皆さんご存じの通り、我が『結ヶ丘女子高等学校』は前身である『神宮音楽学校』の旧校舎をベースに新校舎を取り入れた新設校であり、同時に――」
「ふわぁぁぁ~・・・・・・」
――時は進み、結ヶ丘の体育館にて。学校の理事長が祝辞を述べている最中、話の長さも相まって私はつい大きな欠伸をしてしまっていた。
「かのんちゃん、大丈夫?」
「あ、あはは・・・・・・何とか、ね」
すると、その場面を隣に座っていた中学で同じクラスだったななみちゃんに目撃されていたらしく、心配そうな声を掛けてくれた上に、私を見つめてくれている。私はななみちゃんに無難な返事を返すと、恥ずかしさの余り彼女にそっぽをむくような感じになってしまう。
「ふふっ、そっか。でも、無理する前にちゃんと相談してね?」
が、彼女の方はそんな私の気持ちを何となくだが察してくれたようで、「私達、友達なんだし」と付け加えるように発言した後、声を掛ける事はしてこなかった。うぅっ、ななみちゃんの優しさが心に沁みる・・・・・・!
「――故に。皆さんには是非、この学校の一生徒であることに誇りを持って頂くと共に、此処で過ごす実りのある3年間を楽しんでいただける様、我々教員一同が精一杯サポートさせて貰う事をお約束いたします」
「以上。この私、結ヶ丘理事長による新入生の皆様に向けての祝辞を終わります。ご清聴、有難うございました」
長い長い祝辞が終わり、直ぐに号令が掛けられ、体育館に集まった生徒達を筆頭にして、来賓の人々や生徒の保護者達が次々と体育館から整列して退場し、無事に入学式は幕を閉じたのだった。
入学式を終えて、普通科の教室について担任の先生から説明を受け。その次に私を待っていたのはクラス内での恒例の自己紹介だった。そして既に私の番は来ている。とっ、取り敢えずは無難な感じに名乗っておこう・・・・・・!
「外苑西中学から来ました、澁谷かのんです」
予定していた通り、極めて無難な自己紹介をしている途中で。私はその場で自分だけが立っている事を理由にクラスメイト達に気付かれないように教室の中をぐるりと見渡した。何を目的にしているのかって?当然、朝に私が出会ったフレンさんが同じクラスかどうかを確認する為だ。
「・・・・・・」
しかし、あの一度見かけたら嫌でも覚えてしまうような美人さん(※それ以外のクラスメイトが美人じゃないと言っている訳では決してなく)の姿はクラス内の何処にもいなかった。うーん、流石にそう上手くはいかないかぁ・・・・・・。
「澁谷さん?自己紹介の途中ですが、どうかなさいましたか?」
「あ、すみません。なんでもないです、あはは・・・・・・」
「それでえっと。夢は、猫を飼う事・・・・・・です。よ、よろしく」
人探しでボーッとしていた時間が長すぎて、先生にツッコまれてしまった。が、それとなく自己紹介を続けて誤魔化した。後で追及されたとしても、緊張してたと言えば問題ない・・・・・・ハズ。
「――はい、ありがとうございました、野沢さん。では続いて・・・・・・葉加瀬さん」
私の自己紹介から少し飛んで。続いて名前を呼ばれたのは、葉加瀬という人物だった。
「はいぃ!霊峰付属中学から来ました、葉加瀬冬雪です」
「得意料理はオムライスです、よろしくお願いします!」
わ、わぁ、何て元気のいい人だ。でもそれが逆に近寄りがたいかも。
「はい、ありがとうございました。次は・・・・・・平安名さん」
「平安名すみれです、よろしく」
次に紹介された平安名さんはその二言だけ言い切ると直ぐに席へ座り直した。心の中で「えっ、もう終わり!?」とツッコミを入れて、私が驚いた顔をしていると。
「・・・・・・何よ」
「ゔえ゛っ!?」
如何やら、彼女自身に向けられた視線に気付いたらしく、その視線の送り主である私に対して「何か文句ある?」とでも言いたげな不機嫌そうな表情を向けた。同時にクラス内の注目も平安名さんにつられて自然と私に集まり出す。うっ、不味いな・・・・・・下手に注目を集めてしまった。
「イ、イエ、ナンデモナイデス」
「・・・・・・ふん」
動揺し過ぎてカタコトになってしまった私の返答を聞くなり、平安名さんは興味を失ったかのように次の瞬間には再び席に着き、此方に顔を合わせようとはしてこなかった。うん、これは完全に嫌われてしまったみたいだ。
「やっほー、かのん」
「あっ、やっほー、ここのちゃん」
それから、クラス内での自己紹介と先生からの明日からの諸連絡事項が終わった、その日の放課後の事。私に声を掛けてきたのは、ななみちゃんと同じく中学の頃の友達だったここのちゃんだ。
「いやぁ、さっきは盛大にやらかしたな、かのんさん」
「うぅ・・・・・・止めて。出来る事なら忘れて」
「流石に無理」
「あはは、災難だった・・・・・・ね?」
「平安名さん、初めて見た時は凄い美人さんだなって思ったけど。何かとっつきにくいね」
ここのちゃんが意地悪そうな顔をして私を弄っていると、そこにななみちゃんとやえちゃんも集まってきて一気に顔馴染みが増える。あ、やえちゃんもななみちゃんやここのちゃんと同じで中学からのお友達ね。
「やっぱ美人だからお高くとまってんのかね? はーヤダヤダ、これだから美人はさぁ」
「そうかな? でも、ここのちゃんも見る人から見たら美人かも知れないよ?」
「えっ、嘘、マジ!?」
「「いや、それはないかなー」」
「かのんにななみぃ・・・・・・お前らホント、容赦ないな」
そして、このように馴染みの顔ぶれが揃えば、示し合わせる必要もないくらいにくだらない世間話のようなものが自然と繰り広げられるものである。
「それよか、かのん達はもう入る部活とか決めたの?」
「うーん、予め決めてはないかな。この後の部活勧誘見て決める予定」
「まぁ、普通はそうなるよね・・・・・・」
「掲示板とかは見た? テニス部と吹奏楽部とバスケ部と演劇部とエトセトラ・・・・・・そんな感じだったよ」
「へぇ・・・・・・あ、そう言えば面白そうな部活1つ見つけたよ。購買部っていうんだけどさー」
「えっ、何それ何それ、めっちゃ気になる!」
そのままの流れで次は部活動の話へ。やっぱり最初から「これだ!」と心に決めている人はいなくて、この中の全員が全員、校門前と中庭でやっている部活動勧誘を一通り見て決めるらしい。部活動かぁ・・・・・・私が向いてる部活って、あるのかなぁ。
「あ、それとさ。ちさちゃんも此処の学校に入学したっぽいよ、かのんちゃん知ってた?」
「えっ、そうなの!? 知らなかった・・・・・・」
「おいおい、幼馴染みが聞いて呆れるなぁ。千砂都、音楽科受かってダンス部入ったらしいよ」
「・・・・・・へ、へぇ~そうなんだ」
――嵐千砂都。私が「ちぃちゃん」と呼んでいる、昔からの幼馴染みの女の子だ。小学校の頃のちぃちゃんはそれはそれは凄く気の弱い女の子で、いじめの標的にされることも多かったから、その輩を私が追っ払って救い出した・・・・・・それが最初の出会い。
それから、ちぃちゃんは「かのんちゃんは私を救ってくれたヒーローだ」と言ってよく私の後を付いてくるようになった。けれど、小学校を卒業する頃になって、本人の考えに徐々に変化が現れたらしく。私に絡んでくるのは兎も角、ずっと傍で後を付いてくる・・・・・・なんてことはなくなっていて、寧ろ積極的に私の前へ前へと自ら進んで歩くようになっていった。ヒーローとは言え、彼女の全てをこの目で見てきたわけではないので、こんな気持ちを抱くなんて言うのは甚だおかしいとは思うが。
――何となく、一抹の寂しさと言うか。そう言うものを覚えた・・・・・・そんな気がした。
「・・・・・・私、今日の所は帰るね」
「えーっ、かのんちゃん部活動紹介見て行かないのー!?」
「う、うん。別に今日中に決めなきゃいけないって訳でもないし、さ」
私の口から出たのは、真実寄りの嘘。本当は皆と部活動勧誘の場を見て回りたいけど、《音楽科》を受けて落ちて《普通科》に入った私には、どうも面倒くさいコンプレックスが芽生えてしまった様だ。さっきのちぃちゃんの話で音楽科の話題がチラっと出た時でさえ、心の奥に燻ぶっていた感情が思わず出かけてしまいそうになり、慌てて心に蓋をした。
大丈夫、ちぃちゃんもななみちゃんもやえちゃんもここのちゃんも・・・・・・皆、悪くない。
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「――成程ねぇ。そう言う経緯で拗ねて帰ったら、途中で私と、偶然にもバッタリ会っちゃった訳だ」
「うっ・・・・・・す、拗ねては無いけど!」
「ただ、いつまでもモヤモヤしたままだと周りに迷惑かけるかもだから・・・・・・」
学校から抜けて、帰路に着く途中。少しばかりなら、と甘い誘惑に負けて寄り道をし、夕方頃になって慌てて帰りの道を目指していたら、その道中でたこ焼き屋の屋台でバイト中のちぃちゃんとばったり遭遇。素通りするなんて薄情な真似は出来ず、そのまま話し込んで現在に至る。
「うんうん、かのんちゃんは相変わらず優しいなぁ。けど、そういう時は、別の道通らないと」
「まぁ、ここら辺はちょっと近寄りがたいところもあるから、必ずしも安全とは言えないけどね」
夕方の時間帯とは言え、もう周囲も徐々に暗くなってきている。確かにこの状態で人目を避けて裏路地でも行こうものなら、悪い人に絡まれてしまわなくもない。親には一応、少し遅くなると連絡は入れておいた。部活動見学してるって嘘は吐いたケド・・・・・・。
「それで? かのんちゃんは何かやりたい事、見つかったの?」
「い、いや、それがまだ・・・・・・」
「ふーん、そっか。でも、そういうのは早めに決めた方が後腐れなくて良いよ、きっとさ」
ちぃちゃんが鉄板の上に空いた無数の窪みの中のたこ焼きを、器用にひっくり返しながら微笑む。因みに、この屋台の店長さんはこの後のラッシュ時に備えて裏で一服しているらしい。
「そうかな」
「そう言うものだよ。ま、あんまり取り急ぎで決めても後悔する事って多いから、ほんの少しの慎重さは必要だけどねー」
やがて、屋台周辺にたこ焼きのほんのりと香ばしい匂いが漂い始め、道端を通りかかった数人が足を止めて、興味ありげに屋台へと視線を注ぐ。うっ・・・・・・歌っているわけではないし、自分自身に注目が集まっているわけではないにしろ、やっぱり人の視線が集まる場所と言うのはどうも意識してしまう手前、苦手だ。
「・・・・・・そう言えば、かのんちゃん。歌は兎も角、ギターは今もやってるんだっけ?」
「え、うん。人前じゃ無ければ歌えはするし、最近は家で調整ついでに弾いてみたりはしてるよ」
とは言え、昔よりかは大分触れる時間が短くなって、オリジナルの作詞・作曲なんかも中学卒業時以来、ずっと滞ってたりする。
「じゃあ、歌う事じゃなくて
「えっ・・・・・・?」
「かのんちゃん自身は、まだ音楽自体から完全に離れたわけじゃないんでしょ?」
「そりゃあ・・・・・・まぁ、ソウダケド・・・・・・」
ちぃちゃんが投げかけて来た質問に、若干渋ったような笑みを浮かべながら、ぎこちなく答える私。我ながら何とも情けない反応である。
「なら、そう言う道もまだ残されてるんじゃないかなって――幸いにも、ウチの高校は音楽全般に強い訳だし、さ」
極めて当たり前の指摘ではあったが、それ故にかのんにとっては盲点だった。
確かに、前身が音楽学校で音楽と言うジャンルほぼ全てに精通しているのが強みであるならば、歌わないという選択肢・・・・・・つまり、楽器を奏でるというポジションを選んだとしても何の問題もない訳で。寧ろ、自分から進んで人前で歌おうなんて人の方が少ない筈である(※あくまで作者の主観による偏見です)。
「そっか、そう言う考え方も出来たんだ・・・・・・」
「えへへっ、少しは参考になった?」
「うん、ありがとう、ちぃちゃん。私、もうちょっと考えてみる」
「どういたしまして! ・・・・・・って、真剣な話してる間に、いい感じに出来上がっちゃったね」
「はいよぉ、ちぃちゃん印のまんまるたこ焼き、おあがりよっ!」
生粋の江戸っ子風な言い回しをしつつ、ちぃちゃんが手渡してきた、袋に入っている状態の焼きたてアツアツのたこ焼きを受け取る。丸いものが大好きなちぃちゃんだからだろうか。とても今日仕事を始めたばかりの新人バイトとは思えない程の、プロ顔負けの綺麗な仕上がりだ。
「あ、そうだ。それと一緒にかのんちゃんのお母さん達にも、宜しく伝えておいて」
「うん、分かった。それじゃあ、ちぃちゃん、また明日」
「うむうむ。幼馴染みとしてこれからもキミの行く末を応援してるのだよ・・・・・・なーんて。またね」
悪戯っぽく「にへへ」と笑うちぃちゃんに手を振りながら、その日の私は急いで自分の家まで戻ったのだった。
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「・・・・・・」
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「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ちぃちゃんと出会った日の放課後から、約1週間程経過した。
その日のちぃちゃんとの会話をきっかけに、まだ諦めるには早いと自ら奮い立ち、ギターの腕前を以て音楽関連の部を掛けて、片っ端から回ろう・・・・・・とはした。が、過去に大きな挫折を味わってその事に対するトラウマまで抱え込んでしまった人間が、早々その期間内で完全に立ち上がれる筈も無く。「ギター系の演奏目的で入ったのにちょっとした手違いで歌の才能を見出されて、シンガー路線を薦められたらどうしよう」とか「音楽科に一度落ちている事を手玉に取って、同じ部内にいる音楽科の人達に変に目を付けられないか」と気に病んでいるうちに。気付けば、中庭で行われていた部活勧誘の開催期間をとっくに過ぎてしまっていた。
――要するに、いつものへたれ癖が出てしまったのである。
「どうしよう、折角背中を押してくれたちぃちゃんに今の現状を何て言えば・・・・・・!」
昔の挫折とか知らなかった時で、ちぃちゃんを含め他の同級生の子達の相談事に乗っていた、幼かった時期の私が羨ましい。せめて、ほんの少しだけあの時の勇気がわたしにもあれば、どれ程良かっただろうか。
「でも、本当にこのままでいいのかな、私」
諦められるものなら、すぐさま全てを諦めて何処かへ逃げてしまいたい。けれど如何にトラウマやコンプレックス、はたまたそれらが揮う逆風の嵐に飲まれていようと。如何に一生やさぐれていたいと言う甘い誘惑に騙されかけようと。彼女は、彼女自身の潜在的ポテンシャルでもある、底意地の悪さと強い信念を頼りに、びびり倒しながらではあるが、何とか前へ進もうとしていた。
そして、そんな彼女が突破口を見つけようと中庭を闊歩していた、まさにその時――運命の出会いは、突然として訪れる。
「ん、あれは・・・・・・?」
部活動勧誘期間が終わり、ガラリとした雰囲気の放課後の中庭の中心部に近い渡り廊下、かのんは口論をしている女子生徒二人の姿を目撃した。・・・・・・いや、正確には一人の女子生徒ともう一人の後方で険しい表情をしている何処かの部活の顧問の男性教師が、だ。
「(あの子達、二人共音楽科の制服・・・・・・かな)」
開校してまだそんなに経っていないと言うのに、内輪で揉め事とは穏やかではない。その光景が気になってしまったかのんは、そそくさとその3名の立っている渡り廊下付近の物陰に滑り込み、何を話しているのか聞き耳を立てる事にした。
「――ですから、私の好きなようにさせてくれてもいいでしょう!?」
「ええい、話の分からない奴だな、君は。葉月恋、君はその亡き母君から貰った稀有な才能を活かす為に音楽科に入ったのだろう。ならばこそ、この私が指導する部で安定した道を行けばいい」
「それが最適解だと言うのに、何故君は態々不確定的な方向へ進もうとする!?」
「私は私なりのやり方で母の遺志を継ぐまでです」
「それに、貴方のそのやり方ではいずれこの学校に学科の差による差別を生みかねない。そして、それは私の母も決して望んではいない。だから私は・・・・・・!」
「由緒正しき名門校であった、かの『神宮音楽学校』を前身にしている故、それは当然だろう。普通科等と言う専門性もなく曖昧な道しか歩めない者とは違う、我々音楽科の人間は選ばれし人間だ」
教師側も女子生徒側もお互いに一歩も譲る気はなく、正面からぶつかり合っている。成程、大体の事情は分かった。恐らく、教師と口論を繰り広げている彼女は音楽科でも秀でた才能の持ち主・・・・・・と言うか、葉月という名前に聞き覚えがあると思えば、なんとこの学校の創設者の名前だった。
亡き母の意志が残ったこの学校に通う葉月家の一人娘・・・・・・一体、どれ程の覚悟を以て彼女は此処にいるのだろうか。今のかのんには考えたところで直ぐに解かる筈もない。だが、教師側の意見に若干の危険思想が見え隠れしている事くらいは分かってしまった。
「・・・・・・」
漫画やドラマに登場するヒーローのように、目の前で発生した問題の根源を今すぐに解決できる力がなくてもいい。せめて、せめてこの場を穏便に凌ぎ切る何かの一手が必要だ。そうでなければ、あの葉月と言う子に何かが襲い掛かるとも限らない。
「(すぐ傍にいるあの子が動いてくれればいいけど・・・・・・あんまり期待は出来なさそう。でも、だからと言って自分であの現場に首を突っ込みに行くのは、正直怖い)」
こういう言い方をすると、あまりにも不謹慎であるのは承知の上だが。たった今、偶然にも目の前で誰かが何かしらの被害を受けそうなタイミングに居合わせてしまった。
幼馴染みである嵐千砂都と直近に遭遇していたせいもあるのかもしれない。普段の澁谷かのんであれば先ず取らないであろう「人助けをする」という選択肢が、「争いごとに巻き込まれたくない」と願う諦観の気持ちと心の中で凌ぎを削る。
何故、と悠長に問答してる時間はなかった。私は――
→・彼女を助ける
→・そのまま身を潜めて事が過ぎ去るのを待つ
「私は、貴方が言うその《音楽科》と《普通科》の生徒の間で広がりつつある心の壁を出来る限り無くしていく為に、この活動を信念をもって取り組みたいのです・・・・・・!」
「まだ戯言を並べ立てるか・・・・・・ならば、多少強引な手を使ってでもッ――」
「そこまでにして下さい!!」
「!?」
「――な、何ッ・・・・・・!?」
彼女と先生の間に空いた僅かな隙間に、私は両手を広げた状態で割込み、彼女を守るように立ち塞がった。無謀ともとれる勇気が、恐怖心に一瞬だけ打ち勝った・・・・・・そんな刹那の出来事。
「・・・・・・! 貴女は確か・・・・・・」
「・・・・・・盗み聞きしていたのか、不埒者め。お前は何者だ」
「《普通科》1年の、澁谷かのん、です・・・・・・!」
勢いよく飛び出して関わってしまったが故に、再び襲い来た恐怖の感情で脚がガクガクと震えた。それでも、何も考えていない状態でないだけマシだと心を奮い立たせ、私は真正面から向かい合う。
「澁谷かのん・・・・・・そうか、お前があの噂に名高い『音楽科の落第生』か」
「・・・・・・そうですが、何か」
相手の、こちらを卑下したような視線が突き刺さる。『音楽科の落第生』、か・・・・・・分かってはいたけど、ここまでマイナスな評価をされて付けられた不名誉は、聞いていて不愉快だった。だから私は、その不愉快さを含めた恨みがましい目で相手を睨みつける。
だが、相手はそれすらも特に気にしていないと言う風に、すまし顔のまま口を開いた。
「本来であれば、この事をお前如きに話したところで無駄と判断して、この場から引かせるが」
「邪魔をされた後では何をしても興醒めだな。今日の所は、これで失礼させてもらおう」
そして、此方に対する興味を持たずに早々に背を向けて立ち去ろうとしていた。その態度が気に入らない私は、その背中に向かって叫ぶ。
「・・・・・・っ、葉月さんに謝って!」
「何をだ」
「貴方の信念は、ある意味では正しいかもしれない。でも、だからって他人の意志を捻じ曲げて迄押し付けていい訳じゃない・・・・・・!」
「葉月さんだけじゃない。貴女にそう言われて傷付いた人だっている筈、だから――」
これ以上押し付ける事はしないとここで誓って。そう言おうとしたが、彼はやれやれと言った様子で肩を竦めると。
「その必要性は無い。行くぞ、刑部」
「は、はい・・・・・・」
今までの流れをただ呆然とした様子で聞いていた、彼が顧問をしているであろう部の部員であるその子を連れ、此方の返答を全て聞き終える前に渡り廊下の向こう側にある扉の内側へと姿を消したのだった。
「・・・・・・」
「あ、あのぉ・・・・・・澁谷さん?」
勇気を振り絞って来たと言うのに、向こうにまるで相手にされていなかった。その事実に項垂れてその場に立ち尽くす私に、おずおずと言った感じで彼女・・・・・・葉月さんが話しかけて来た。
「すみません、態々見も知らぬ私の為にあそこまでして頂いて。感謝してもしきれませんね」
私と向かい合うような形でぺこりと一礼した葉月さんは、そう言うと「ふふっ」と柔らかく微笑んだ。
ああ、助けたのが彼女で本当に良かった。素直にそう思える、礼儀の正しい人・・・・・・それが、私が葉月さんに対して抱いた、初めての印象。
「あっ! そう言えば、自己紹介が遅れました。私、《音楽科》F-Bの葉月恋、と申します。以後、お見知りおきを」
「葉月、恋さん」
「はい」
彼女が自己紹介を始めた辺りで、そろそろ私も項垂れた状態から立ち直って、葉月さんと向き合わないと失礼だと思い、自分の頬をぺしぺしと叩いて、自分自身に喝を入れる。
「私は・・・・・・さっき聞いたと思うけど。《普通科》1年の、澁谷かのんです」
「はい、存じております」
「あ、あはは。ごめんね、何か締まらなくて」
「いいえ、澁谷さんの先程の行動は誇るべきものです。恥じる事など、何もありませんよ」
顔を上げて、漸く気を取り直した私。
・・・・・・ふと、向かい合った葉月さんの手に持っている、『仲良し大作戦執行部(仮)、入部希望者募集中!!』と書かれたプラカードが気になって、私はすかさず尋ねてみる事にした。
「と、ところで、葉月さん」
「はい、なんでしょう?」
「その、仲良し大作戦執行部・・・・・・って、何?」
先ず他校では見られないであろう、何とも不思議な名前をした部活だ。もしかして、これが葉月さんがさっきの先生と揉めている時に言っていた、信念をもってやりたい、事・・・・・・?
「・・・・・・! あ、あのっ、もしかして。私の部活動に、ご興味がおありですか・・・・・・!?」
当然、質問などしてしまえば、如何に自分宛で宣伝を謳っていたわけではない葉月さんも目を輝かせて食いついてしまう訳で・・・・・・こうなってしまっては、もう逃げるという選択肢は取りようがない。
「ゔぇっ!? い、いや、ただ少し珍しい部活名だなー、なんて思ったり・・・・・・」
「やはり、興味を持ってくださったんですね! 嬉しいです!」
若干興奮気味の彼女の後頭部に束ねられた、黒髪のポニーテールが動きに合わせて、ゆらゆらと激しく左右に振れている。えぇ・・・・・・この子、凄いポジティブシンキングじゃん。
「あの、助けて頂いた上にお願いするのも何ですが」
「な、何?」
「澁谷さん、お願いします。私と一緒に、この部で学校全体をより良いものにしていくお手伝いをしてくれませんか!?」
「え、えぇ~・・・・・・?」
――斯くして。入学して早々に、『音楽科の落第生』という烙印を押された澁谷かのんの物語の歯車は、此処から動き始めたのであった。
~本話の登場人物紹介~
澁谷 かのん(CV:伊達さゆり)
この作品の主人公。実家がカフェを営んでいる、澁谷家の長女。結ヶ丘へは一度音楽科で志願したものの、課題項目の歌唱実技の会場にて過去のトラウマが災いして、歌うことが出来ずに終わり、失格となる。が、その後に普通科の試験を難なく突破して入学してきた。前述の通り、自分が人前で歌う事に抵抗はあるが、歌う対象が自分で無ければ大丈夫なようで、自室に引き籠っては徹夜でギターの演奏や自作曲の作詞作曲を行う等、音楽への情熱は失っていない様である。性格は情に熱く、頑張り屋。偶にトラウマが拗れてやさぐれモードになる時もある。
葉月 恋(CV:青山なぎさ)
この作品のもう一人の主人公。自身が所属する結ヶ丘女子高等学校の創設者が彼女の母親。残念ながら、母親はもう既にこの世から去ってしまったが、そんな母が死に物狂いになりながらも守り抜いたこの学校を誰よりも誇りに思っている。幼少期から複数の習い事をして来た為、何でも卒なく熟せる程度には器用。性格は、真面目で大和撫子。それでいて、やや天然が強い気色があり、初対面の相手との会話も得意ではない。自身は音楽科に身を置くが、所属先と普通科の生徒の中が余りよろしくないという由々しき事態を解消すべく、音楽科と普通科の生徒の中を繋ぐ懸け橋になる為の第一歩としてとあるプロジェクトを個人的に立ち上げるが・・・・・・?
平安名 すみれ(CV:ペイトン尚美)
今は神主をしている祖母が、昔はTV業界の賑わせた凄腕のアイドルだった為か芸能界(本人曰く、ショウビジネスの世界)に憧れを持っていて、街中を徘徊してはスカウト待ちを期待するが、ほぼほぼ徒労に終わっている。スクールアイドルにはあまりいい印象を持っていない(というか、アマチュアであるのを良い事に軽く見下している)。幼少期に、一応子役で抜擢されていた事はあるようで、その経験則から来る美容や流行ものに対するプロ意識は人一倍に鋭い。性格は、面倒見はいいが多少天邪鬼なところがある、ちょっと面倒くさい女感が出ている。
嵐 千砂都(CV:岬なこ)
かのんの幼馴染みで、昔の泣き虫だった自分を克服する為に始めたダンスレッスンの努力が実を結び、結ヶ丘の音楽科に合格した。当初はかのんと同じ音楽科でやっていける事を期待していたが、かのんが音楽科の試験に落ちた事を知ると、幼少期の頃にお世話してもらったお礼に、今度は自分が彼女のサポートに回ろうと誓い全力を尽くす。性格は、努力家で明朗快活。丸いものに異様な執着心を持っていて、かのんの喫茶店にいるフクロウの「まんまる」が凄くお気に入りの様だ。因みに、かのんへの愛も重い。
フレン・E・ルスタリオ
入学早々、結ヶ丘剣道部のキャプテンに選ばれる程の実力を持った人物。試合や練習時の態度は正に真剣そのものだが、それ以外においては総合的にポンコツという、かなり致命的な欠陥を持っている。
葉加瀬 冬雪
科学部を自身の根城にしている、自称・実験大好きっ娘。薬学系にかなりの情熱を注いでいる学校きっての変人として有名であり、何処のかの所属であっても基本彼女に近寄ろうとする者は少ない。
ななみ(CV:和氣あずみ)/やえ(CV:富田美憂)/ここの(CV:白石晴香)
かのんの中学の頃からの幼馴染み3人組。かのんが親しげに話せるのは、現状では千砂都を含めてこの4人だけ。気遣い上手だけど偶に毒を吐くななみ、のほほんとしているが状況の客観視が上手いやえ、少し男勝りだがミーハーなここの、と三者三葉の性格をしている。
理事長(CV:朴槿恵)
結ヶ丘女子高等学校の理事長を務める女性。創設者である葉月花とは何か接点があるようだが……?
かのん母(CV:能登麻美子)
かのんの実家である喫茶店を営む。娘達とはある意味深い信頼で結びついている。
澁谷 ありあ(CV:松永あかね)
かのんの妹。受験に失敗してやさぐれたかのんを学校に行けるまでに持ち直したのは彼女のお陰と言っても過言ではない。眼鏡をかけている。