【ポケモン二次創作】ポケットモンスター Soul Divide   作:伊崎つりざお

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【第120話】空を交う大業、長引く応酬(vsCC)

 新たに魔杖と翼を獲得したマネネとレイスポス。

彼らはお嬢をその背に乗せ、地面のアスファルトを蹴り上げる。

瞬間、翼は大きく伸びて彼らは上空へと飛び立った。

 

 

 

「わっ……高いッ……!」

生身での飛翔は、人体に大きく負担がかかる。

「まねねっ……!」

……が、マネネがサイコパワーを働かせることにより、お嬢を落とさないように気を配っていたのだ。

本来であれば不可能な、マルチタスクの実現……SDによって思考の容量が増えたからこそ可能なテクニックなのだ。

 

 

 

 だが、それをCCが許すわけもない。

 

〔鄒主袖縺昴≧縺?縺ェ繧ゅ▲縺ィ蟇?カ翫○!!!!!〕

CCの体表から、気泡のような物がボコボコと生え始める。

無数の生命体が、CCから生まれ続けているのだ。

 

 

 

 そしてその生命体から、3筋の白い光線が放たれる。

太陽の如き熱を持ったその光線は、『ソーラービーム』と激しく類似した攻撃であった。

光線は、罪過の翼獣(デスパレイト・バイコーン)の機動力たる翼を執拗に狙って攻撃を仕掛けてきている。

 

 

 

 だが、その程度の攻撃を防げぬ彼らではない。

『来るぞマネネッ!』

「まねねっ!」

レイスポスの言葉の直後、マネネは魔杖を振り上げる。

するとその正面に、氷で出来た巨大な障壁が展開される。

障壁は光を反射させ、攻撃を見事に無効化したのだ。

 

 

 

 しかもそれだけではない。

「まねっ……ねねねッ!」

攻撃が止まった直後、マネネは魔杖を前方へ傾ける。

同時に氷の障壁が砕け、散った破片が弾丸となりCCに襲いかかる。

瞬間、CCの体表の気泡は潰れ、攻撃の手が一瞬止まった。

 

 

 

『よし……ひとまず防げたか……』

「待ってジャック!また来るわ……!」

お嬢の直感による一言の後であった。

〔鬟溘o縺帙m蟇?カ翫○縺薙▲縺。縺ォ縺上k縺ェ!!!!!〕

再びCCは咆哮し、体表の一部を隆起させる。

 

 

 

「繧阪k繧九k繧具シ!!」

するとそこからは、鳥ポケモンのような生命体が分離し、レイスポス達の側へと迫ってきたのである。

しかもその姿……お嬢には見覚えがあった。

「あのシルエットは……フリーザーッ!?」

そう、フリーザー……スエットが所持していたあのポケモンと、容姿が全く同じだったのである。

『なるほど、スエットを取り込んでいるからかッ……!』

「そうか……!CCは取り込んだものの力を使えるから……!」

 

 彼らの考察通り、CCは自身の体内にいるスエットが所持するポケモン……フリーザーを擬似的に顕現させることが出来るのだ。

 

 

 

『だがそれが出来るのがお前だけだと思うな!マネネ、迎撃しろッ!』

「まねねっ!」

マネネの魔杖が、空中に簡易的な絵を描く。

描いた絵の軌跡は直後に浮き上がり、瞬時に具体的な立体へと形を変える。

その形状はまさに怪鳥……否、目の前に襲い来るフリーザーと全く同じ形状の、氷で生成された生き物であった。

「RORRRRRRRRRRRR!」

スネムリの祭典で顕現させた怪鳥の、完全版といった感じである。

 

 

 

 氷のフリーザーは空を駆け、迫りくるCC製のフリーザーと激突する。

 

 互いの鉤爪を交え、目から射出する怪光線……『れいとうビーム』と『いてつくしせん』の打ち合いを繰り広げている。

しかしSDソウルディバイドの力は圧倒的であった。

 

「RORRRRRRR!」

「繧阪k繧……!」

勝負は一瞬にして決着し、CC製のフリーザーは翼を凍らされた。

 

 そして最後のひと蹴りで、地面を目掛けて失墜していったのだった。

 

 

 

 しかし相手の攻撃の手が止むことはない。

「ッ駄目ッ………!まだ来るわ!」

CCは今度は、両肩から多くの腫瘍を生み出し続ける。

視力の良いお嬢は、遠方の腫瘍に目を凝らす。

そこで彼女は、あることに気がついた。

「待って……あれってまさか……!」

先程から気になっていた生物のような腫瘍……その正体が分かったのである。

 

 

 

「ジャック!アレ……全部マホイップよ!!」

『なんだと……!?』

そう、そこに積み上がっていたのはマホイップ……即ち、取り込まれたステビアから盗まれた情報だ。

増殖し続けるその力を生かして、何体ものマホイップを体表に顕現させ続けているのである。

 

 

 

 しかもそのマホイップは、CCの肩の上で徐々に一つの形を形成し始めているのである。

 

 まるでうず高く積み上がったウエディングケーキのような、そんな形状に。

「まさかアレは……!」

『キョダイマックスの姿ッ……!』

そう、双肩に完成したのはキョダイマックスのマホイップ2匹。

フェアリータイプの中でも最大級のポケモンだ。

なんとCCカオスクラウンは、この短時間でダイマックスすらも学習してしまっていたのだ。

 

 

 

「蟇?カ翫○縺薙▲縺。縺ォ縺!!!!!!」

 

 瞬間、キョダイマホイップ達の全身が桃色に輝き始める。

どうやら攻撃の準備をしているようだ。

『アレは「キョダイダンエン」か……!』

『キョダイダンエン』は、キョダイマホイップのみが使える超質量の奥義。

圧倒的な物量のクリームの前に、誰も逃れられなくなる恐ろしい攻撃なのだ。

 

 

 

『マネネ!シールドを……』

「まねねっ!」

マネネは瞬時に首を横に振った。

今から受ける攻撃が、自身の障壁で防げないことを知っていたからだ。

 

 

 

「蟇?カ翫○縺薙▲縺。縺ォ縺!!!!!!」

 

 やがて両肩から、大質量のクリームが螺旋の混成軌道を描いてレイスポスへ差し迫る。

 

 

 

 こうなると罪過の翼獣は、攻撃を避けるしかない。

 

 ……が、2方向からの射撃となると、それは物理的にほぼ不可能となる。

『ッ……まずいッ!』

「落ち着いてジャック!……アタシには『コレ』があるッ!」

そしてお嬢は左手のダイマックスバンドに右手をかざしつつ、大きく叫んだ。

 

 

 

「アップリューッ!『キョダイサンゲキ』ッ!」

「RYUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU!!」

お嬢の指示の直後……アップリューのいる東の方角から、レイスポスの目の前を何かが遮った。

金色の液体……否、これは強酸だ。

 

 

 

 押し寄せてきた強酸の激流が、『キョダイダンエン』を溶解したのである。

酸によって水同然と化したクリームは、油の雨となって降り注ぐ。

『しまった!流れ弾がッ……!』

 

 

 

「ここよサダイジャッ!『キョダイサジン』ッ!」

「MISHAAAAAAAAAAAAAA!」

逆の南西の方向からは、多くの砂を含んだ突風が吹き付ける。

その風を追い風とし、レイスポスは距離を取ることに成功した。

加えて覆いかぶさる砂が、丁度防護壁の役割を果たしたのである。

「ナイスよアップリュー!サダイジャも!」

 

 

 

 そのまま風に乗って攻撃の苛烈なゾーンを抜けた罪過の翼獣は、翼を大きく広げて次の攻撃の準備に差し掛かる。

『マネネッ!まずは右肩のマホイップを射抜くぞ……!』

「まねねっ!」

レイスポスの周囲に浮かび上がったのは、黒色のエネルギー弾……無数の『アストラルビット』だ。

直後、マネネが杖を掲げると『アストラルビット』の弾が全て一瞬にして凍りつく。

しかもただ凍るだけではなく、まるでナイフのように尖った形状へと変化したのだ。

 

 

 

『発射ッ!』

「まねねねッ!」

彼らの掛け声と共に、黒色の氷刃が一斉に放たれる。

100発近いそのナイフは、一瞬のうちにキョダイマホイップを蜂の巣にした。

「蟇?カ翫○縺薙▲縺。縺ォ縺……!!!!!!」

 

 サイズに対しての火力が、あまりにも圧倒的であった。

「よしッ、右は突破した!左も……」

「その必要はないわジャック!……今よエースバーンッ!」

「NIVA!!」

 

 

 

 お嬢の言葉の後、西の方角から赤色の光が漏れ出始める。

エースバーンは隙を見計らって、攻撃のチャージを行っていたのだ。

そう、相手が『キョダイダンエン』の後の硬直で動けなくなるその隙を。

「射抜きなさい!『キョダイカキュウ』ッ!!!!」

「NIVAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

瞬間……CCの左肩のキョダイマホイップを、チャージ済み・特大サイズの火球が射抜いていく。

 

 その様子は、最早「消滅」とでも言うほど圧倒的であった。

うず高く積まれていたマホイップの身体は、断末魔すら上げずに一瞬で消え去った。

 

 

 

 

 

「よしっ……よくやったわアンタたち!」

これがダイマックスの力、そしてSDの力。

 

 地球規模の災害と、互角に戦える圧倒的な力なのだ。

〔蝟ー縺?◇鬟溘∋繧九◇繧医%縺幄ソ大ッ?k縺ェ縺薙▲縺。縺ォ縺薙!!!〕

だがそれでも、CCの攻撃の手は止まない。

 

 

 

 両肩の戦力を落とされたCCは、すぐさま別の部位からユニットを発生させる。

両腕の形状が徐々に変化していき、硬質で細長い棒状のものになる。

「縺後蟇?カ翫○縺薙▲縺。縺ォ縺!!」

 

 CCから新たに発生したポケモンは、咆哮を上げる。

 

 

 

「アレは……!」

『今度はジュラルドン……MA-Ⅰの中にいた奴かッ!!』

またしても2体、発生したのはキョダイマックスしたジュラルドンの上半身である。

先のマホイップよりも、単体殲滅に優れた火力特化のポケモンである。

 

 

 

 するとCCは、予想外の行動に出る。

 

〔縺翫↑縺九☆縺?◆霑代▼縺上↑縺?∪縺昴≧縺?!!!!!〕

「なっ……!?」

なんと今まで微動だにしなかった腕を胸の前で構え、攻撃の体勢に移行しようとしている。

今までの鈍さからは考えられないほど、動きが活発になっているのだ。

 

 

 

「く、来るわよジャック!」

『わかってるが……クソッ、速いッ!!』

ジャックとマネネは全力で対処を試みるが、機敏さが想定外にありすぎる。

どうやら腕を軽量なジュラルドンの姿にしたことで、機動性が増したのだろう。

「縺後℃蟇?カ翫○縺薙▲縺。縺ォ縺縺?>!!!」

 

 ジュラルドンは口腔にエネルギーを貯める。

その後、発射までの時間は一瞬であった。

超高圧エネルギーの『キョダイゲンスイ』が2発、凄まじい勢いで発射される。

完全に翼獣のみを狙い撃ちにした、集中砲火だ。

 

 

 

「まねっ……!」

『間に合わんッ……!』

光線が翼獣を飲み込もうとした……そのときであった。

 

 

 

「GLUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU!」

特大サイズの髪の毛が、瞬くうちに罪過の翼獣ギルティペガサスをぐるぐると巻き取ってしまったのだ。

 

 その体毛が障壁となり、『キョダイゲンスイ』は見事に砕け散る。

『これは「キョダイスイマ」ッ……ということは、オーロンゲか!』

レイスポスの言う通り。

博士のオーロンゲが、アシストに入ったのである。

彼自身はフェアリータイプのポケモンであり、ドラゴンわざの『キョダイゲンスイ』を無効化する事ができるのだ。

 

 

 

「よしっ、今よ!エースバーンは『キョダイカキュウ』ッ!サダイジャは『キョダイサジン』ッ!」

「NIVAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」

「MISHAAAAAAAAAAAAAA!!」

お嬢の指示で、両者は同じ箇所を目掛けて攻撃を放つ。

瞬間、砂嵐は火球を飲み込み、熱砂を纏った突風と化す。

「後℃縺?縺蟇?カ翫○縺薙▲>!!!!」

 

 凄まじいエネルギーの風がキョダイジュラルドンにヒットし、瞬く間に効果抜群の火花とともに溶け落ちていったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……間一髪だったわね。」

翼獣とお嬢は一度身を地に下ろし、息を整える。

『しかしどこからCCの体内に侵入すれば良いんだ?口らしき器官から入れそうってわけでもないし……』

 

 長引く戦いの中で、彼らはCCに接近を試みていた。

 

 しかしそれが叶わないばかりか、次のステップまでの緒すらも見えていないのだ。

その事実が、疲弊と合わさってより不安を煽る。

 

 

 

 その時、お嬢のインカムに通信が入った。

『ザッ……こちらB2ポイントのスモック。トレンチちゃん、無事かい!?オーバー!』

「こちら交戦中のトレンチ!えぇ、ジャックもマネネも無事よ!オーバー!」

『それはよかった。ところで……侵入経路の目処は立ったかい!?オーバー!』

無線越しに、お嬢は首を横に振る。

「駄目ね。どう見ても電脳要塞の隙間が見当たらないわ。オーバー!」

『ザッ……やはりか。どうすればいいんだ……!』

スモック博士の言う通り、防戦態勢での応戦には限界がある。

決着をつけるには、攻勢に出る必要性があるのだ。

 

 

 

 更にそこへ、別の声が聞こえてくる。

『ザッ……割り込み失礼します。こちら0ポイントのパーカーです。先程のジュラルドンが倒れた際の事なのですが、一瞬だけCCの色が落ちたのが見えました。』

 

「何ですって……!?」

戦闘を俯瞰で眺めていたパーカーから、新たな情報が入る。

『ザッ……つまり、「電脳要塞は物理的に破壊できる」可能性があります。オーバー。』

『ザザッ……そうか!だったら一点狙いで集中攻撃をすれば……「穴」を開けることが出来る……!』

 

 

 

 パーカーの情報のおかげで、方針が一気に固まった。

これならばゴールが見える。

『ザッ……ではスモック博士、トレンチさん。狙う地点は『胸の中央』としましょう。丁度ダイマックスをしたポケモンが狙いやすい箇所です。』

彼女は作戦を一瞬で立案し、メンバーに速達する。

現場の指揮官に、誰一人として異を唱える者はいなかった。

 

 

 

『防護役は私とミチユキさんから別の戦力をそちらに派遣します。ダイマックスポケモンとレイスポス達は攻撃のみに集中してください。オーバー。』

「わかったわ!……ジャック、マネネ、聞いてたかしら?」

お嬢がレイスポスとマネネに話しかけると、両者は大きく口角を上げる。

『あぁ。速攻撃破の一点突破……!簡単な話だ!』

「まねねっ!」

そうして彼らは、CCの心臓に当たる部位を見据えた。

 

 

 

『ザザッ……では健闘を……きゃっ!ちょっと……!』

通信機を切ろうとした間際、インカムからパーカーの短い悲鳴が聞こえてくる。

どうやらキャンパスの中庭で何かが起こったようだ。

『ど、どうしたんですかパーカーさん!?』

「いや、黒い鳥ポケモンが……予備のダイマックスバンドを勝手に……」

黒い鳥ポケモン……その言葉に、レイスポスとお嬢はどこか心当たりがあった。

 

 

 

「黒い鳥……こんな状況で野生ポケモンなんか居るはずないし、まさか……」

呟くお嬢の言葉を、レイスポスは短く嘶いて遮った。

『……お嬢様。今は一旦忘れるんだ。俺たちには大切なことがある。』

「まねねっ。」

「……そうね。さっさとCCを倒さないと……!」

 

 その言葉と共に、お嬢は右手でレイスポスの首筋を強く掴む。

そして左手のバンドを掲げ、ポケモン達に言葉を送る。

 

 

 

「よし……みんな!ここから畳み掛けるわよッ!!!!」

〔豁、譁ケ縺ォ譚・縺?ソ代▼縺上↑鬟溘o縺帙m閻ケ貂帙▲縺溷?縺九j縺溘>!!!!!!!!〕

お嬢らの掛け声とCCの咆哮が、同時に重なる。

 

 

 

 沈みゆく太陽が、第2ラウンドの開戦を告げた。

 

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