【ポケモン二次創作】ポケットモンスター Soul Divide   作:伊崎つりざお

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【第124話】繋げる活路、希望の一閃(vsCC)

 CCと共鳴し、自身の体内に在る「獄炎」と「迅雷」の肉体を使ってSDを無理矢理発動させたブリザポス……否、「決死の双角獣」は、フウジのメインストリートを爆速で駆け抜けていく。

 

「獄炎」のおかげで脚部の発熱量が上がり、「迅雷」のおかげで神経の伝達速度が上がっている。

そのスピードは、軽く音速の数倍は出ていた。

猛スピードで彼が向かっていた先……そこには丁度、キョダイマックスをしたオーロンゲがいた。

 

 

 

 先程からダイマックス部隊の壁役を担っていたせいか、ダメージがかなり嵩んでいる。

しかし彼には、最大級に大切な役割があるのだ。

 

 まだ倒れてもらうわけには行かない。

 

 

 双角獣は軽くジャンプをすると、近くのビルの壁を蹴り破る。

高速の助走から放たれるその跳躍は、もはや飛翔と等しいものであった。

 

 

 

 向かいのビルの屋上に位置取っていたスモック博士を尻目に、彼は大声で叫ぶ。

『スモック博士ッ!!!お願いしますッ!!!!』

「わかりました!……オーロンゲ!!『キョダイスイマ』を出すんだ!!!」

「GLUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU!!!!!」

博士の指示の後、オーロンゲは全身の体毛を伸ばして攻撃の構えに入る。

 

 

 

 しかし体毛を伸ばす先は、前方のみではない。

彼はなんと、器用に脛部の体毛を地面へと伸ばしていたのだ。

それはまるで、地面へと繋がる上り坂のような形状であった。

 

 

 

 双角獣はそれを見逃さない。

ビルの屋上にて脚を僅かに畳むと、一気にそれを伸長させて飛んでいく。

目指す場所は勿論、オーロンゲに渡された足場だ。

その軌跡に爆炎が上がる様は、まさに生物ロケットとでも言うべき凄まじさであった。

 

 

 

『よしっ、着地成功……!』

オーロンゲの脚に触れた双角獣は、ほぼ垂直に近いその身体を駆け上がっていく。

 

 あっという間に股から腰、腹から胸へと伝っていき、気づけばもう肩のあたりを走っていたのだ。

200m近いその距離を重力に逆らって走る荒業は、SDの力でなくては不可能な所業であった。

 

 

 

 そしてブリザポスの到達を確認したオーロンゲは、腕を前へ真っ直ぐにかざす。

彼が指し示す方角は勿論、CCの方であった。

「いいぞ……もう一発、『キョダイスイマ』ッ!!」

「GLUUUUUUUUUUUUUUU!!!!」

ぴんと真っ直ぐに伸びたオーロンゲの腕から、前方へと体毛が伸びる。

凄まじい速度で、街の上空には腕毛の架け橋が繋っていく。

 

 

 

 その真上を、ブリザポスは駆け抜ける。

そう……これがオーロンゲに任された、文字通り橋渡しの役目なのである。

「す、凄い……まさか本当にやってのけるとは……」

あまりにも奇天烈な作戦であったが、いざ目の当たりにするとその異様性は更に増す。

だがブリザポスは、それを「実現できる」と踏んでこの作戦を立案していたのだ。

それは凄まじい胆力からか。

……はたまた、ただのヤケか。

ともかく、常軌を逸していることは間違いなかった。

 

 

 

 双角獣は2色の軌道を描きつつ、オーロンゲの腕毛の上を走る。

目指すはCCの胸の下……当初から決まっていた突破ポイントだ。

だが、それを相手が黙って見過ごすわけもない。

〔鬟溘o縺帙m霑代▼縺上↑霎槭a繧崎ァヲ繧九↑縺輔o繧九↑菴輔□!!!〕

「縺励e繧上o繧!!!」

CCの口内から生えたブリムオンが、『キョダイテンバツ』を振り落とす。

しかも降り注ぐ星は段々と精度を増したのか、オーロンゲの渡した橋を的確に狙撃しに来ているのだ。

 

 

 

 更にはCCの全身から、マホイップとジュラルドンの群れまでもが再顕現してしまっている。

周囲のダイマックスポケモン達を牽制しつつ、双角獣を確実に叩き落とす……実に適切な行動だ。

「霑代▼縺上↑霎槭!!!!」

 

「縺後℃縺弱弱℃縺!!!!」

双角獣の走ろうとする場所を目掛けて、「キョダイダンエン」のクリームと「キョダイゲンスイ」の光線が弾幕のごとく飛んでくる。

経路を塞ぐ形でその攻撃は爆散し、架け橋ごと彼を叩き落とした。

 

 

 

 重力に任せ、双角獣が落下していく。

 

 パワーとスピードがあるとは言え、翼のない双角獣では飛翔することは出来ない。

本来ならばここで手詰まりである。

『っ……流石にタダでは通してくれませんね。だがその程度、私とて把握済みだッ!!』

ブリザポスが叫んだ、丁度そのタイミングであった。

 

 

 

 

 

 

 

「……ハッ、あの馬野郎……盛大に堕ちてはるわ。アーマーガアッ!『キョダイフウゲキ』で助けたれッ!!」

『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!』

テイラーの指示が飛び、アーマーガアが攻撃の体勢に入る。

彼女が羽ばたくと、背中のユニットである羽根が風に乗って次々と双角獣の方へと飛んでいく。

 

 

 

羽根はやがて飛び飛びの足場となり、落ち行く双角獣の身体を受け止めたのであった。

『流石だ……!ナイスですアーマーガア!』

すぐに身体を起こすと、彼は再びCCを目掛けて走り出す。

アーマーガアの羽根とオーロンゲの腕を跳躍で往復しつつ、CCから降り注ぐ攻撃の弾幕を次々と回避していく。

しかもその動きは、明らかに最初よりも軽やかになりつつある。

『まるで重力が小さくなったかのようだ……走りやすい。まさか……』

彼が僅かに上空を見ると、そこには腹を空に向けて浮上しているキョダイイオルブの姿があった。

 

 

 

 そう……その理由を知っていたのは、遠くで見ていたテイラーであった。

「ふふ……どや。イオルブの『キョダイテンドウ』を、上下逆さまにして使わせたんや。そしたら反重力の働くフィールドの完成……ウチなりの跳躍射程のサポートっちゅうわけや。」

彼女の言う通り。

それはテイラーが自ら考えた案であった。

ブリザポスの考えそうなことを先に見越して打った手……聡明なテイラーだからこそ打てた一手だろう。

 

 

 

 

 

『ハハッ……助かる!おかげで数倍は避けやすいッ!!』

そう言いつつ双角獣は、自らを狙って放たれるマホイップとジュラルドンの攻撃を、何度も跳躍しながら回避する。

〔雖後□譚・繧九↑閻ケ貂帙▲縺滓擂繧九↑霑代▼縺上↑逞帙>諤悶>!!!〕

いつまでも仕留められないことに苛立っているのか、段々とCCの攻撃の手が荒々しくなっていく。

精度重視の攻撃から、物量重視の無計画な乱射へと切り替わっていった。

 

 

 

 しかしそれが仇であった。

CCは双角獣バイコーンを仕留めることに夢中になるあまり、忘れていたのだ。

 

 先程まで足止めしていた、地上のダイマックス部隊の存在を。

 

 

 

「余所見してんじゃないわよッ!!サダイジャは『キョダイサジン』ッ!!アップリューは『キョダイサンゲキ』ッ!!」

「MISHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」

「RYUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU!!!!」

サダイジャからは多量の砂を含んだ旋風が放たれ、アップリューからは黄金強酸が射出される。

ふたつの劇物は混ざりあい、そのまま重力に逆らって浮上していく。

やがてそれはCCの遥か頭上の高度で一旦停止した。

そう、そこは丁度イオルブが滞空している高度……強力な反重力が働いている場所である。

 

 

 

 お嬢はこの反重力を生かして、『キョダイサジン』と『キョダイサンゲキ』の混合物をのし上げたのだ。

その意図を、遠方のテイラーはすかさず汲んでみせる。

「おっ、でかしたで嬢ちゃん……アーマーガア!上から『キョダイフウゲキ』で叩きつけたれッ!!」

「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」

アーマーガアは高度を少しだけ上げ、片翼の大きな羽ばたきで爆風を起こす。

目的は、CCの頭上の劇物を叩きつけることだ。

 

 

 

〔帙>辭ア縺?閻ケ縺吶>縺滓ュ、譁ケ縺ォ譚・縺?繧九↑隗ヲ繧九↑逞帙>!!!〕

目論見通り劇物は破裂し、CCは頭上から強酸と砂塵を多量に浴びてしまう。

まとわりつく強酸は相手の身体を脆くし、含まれる砂塵は相手の攻撃の正確性を奪う。

CCとその体表のポケモン達は、一気に足回りを崩されたのである

 

 

 

『良い連携だ……よし、マネネ!あのブリムオンにトドメを刺すぞッ!!』

「まねねっ!!」

攻撃を畳み掛けるチャンスと悟った翼獣は、一気に構えを見せる。

レイスポスが周囲に『アストラルビット』を装填し、マネネが魔杖を持ち上げる。

周囲の黒いエネルギー弾は一瞬で凍りつき、無数のナイフに形を変える。

『発射ッ!!!!!』

「まねっ!!」

両者の掛け声とともに、ナイフは喉元のブリムオンを目掛けて雨のごとく降り注ぐ。

「縺励e繧上o繧縺励e繧!!!」

瞬間、強酸で脆くなったブリムオンの身体は細かく切り刻まれる。

これにてCCは、範囲攻撃の要となる戦力を失ったのだ。

 

 

 

「ナイスよジャック!マネネ!……よし、アタシたちも続くわよ!エースバーン、『キョダイカキュウ』ッ!!」

「NIVAAAAAAAAAAAAA!!!」

地上に待機していたエースバーンは足元の火球を蹴り上げ、それを無数の球に変換してマシンガンのように連続で蹴り上げる。

その一撃一撃が狙っていたのは、体表に生えているマホイップやジュラルドンであった。

アップリューとサダイジャのおかげで確実に守りが手薄になっているうちに、胴体の戦力を削ごうと画策したのである。

「縺励e繧上o繧縺励ソ縺ソ縺!!!!」

 

「縺後℃縺弱℃縺弱℃縺縺!!!!」

狙いは見事決まり、取り乱したCCの味方である彼らは次々と倒れて姿を消していったのであった。

 

 

 

〔鬟溘o縺帙居霑代▼縺上↑霎槭a繧崎ァヲ繧九↑縺輔o繧上↑菴輔□!!!〕

ついに主となる攻撃手段を失ったCC。

これで駆ける双角獣バイコーンを妨げる者はいない。

 

 

 

〔鮟吶l驕コ菴楢ソ代▼縺上↑閻ケ縺梧ク帙▲縺溘>繧峨▽縺剰ソ代▼縺上↑豁、譁ケ縺ォ豼?>〕

が、相手は異様に往生際が悪かった。

最後の抵抗と言わんばかりに、例の植物の弦を全身から生やし始めたのである。

その数は先の倍……否、それ以上であった。

『ッ……流石にこの数は……!』

 

 

 

「おおっと、ソイツは効かないっすよ。レジエレキ!レジドラゴ!頼む!!」

「Zizizizizi!」

「Zaggggg!」

ミチユキの指示が飛び、直後に双角獣バイコーンの周囲に登場したのはレジの2匹であった。

 

 先程までの『キョダイテンバツ』の雨の中では満足に動けなかった彼らは、主砲のポケモン達が倒れたことで再度姿を表したのである。

レジ達は双角獣バイコーンに接近すると、翼獣に施したものと同じ防壁を展開する。

 

 キョダイマックスわざは防げないが、この手の通常攻撃の防御であればお手の物である。

「これでいよいよCCは手詰まりです。……頼みますよ、ブリザポスさん!」

 

 

 

 舞台の準備はこれにて整った。

あとは最後の一撃を、ブリザポスが仕掛けるだけだ。

『狙うは一点……胸部直下をこの角で……貫くッ!!!!』

オーロンゲの架け橋の最先端まで到達した双角獣は、思い切りその足場を蹴破って跳躍する。

そして全身のエネルギーを非ん限りに湧き上がらせ、その全てを2本の角に集中させていく。

 

 

 

『喰らえッ!!!!』

弾丸の如く飛び出したブリザポスの角が、丁度CCの胸を貫く。

先端に込められていたのは『フリーズボルト』と『コールドフレア』の併せ技……炎・雷・氷の入り乱れる超科学的な攻撃であった。

2本の角が深々とめり込み、CCの体表がひび割れを起こし始めた。

〔鬟溘o縺帙居霑代▼縺上↑霎槭a繧崎ァヲ繧九↑縺輔o繧上↑菴輔□!!!〕

もう少し……もう少しで突破口が開ける。

 

 

 

『うおおおおおおおおおおッ!!!』

ブリザポスは全身に力を込め、更に攻撃の出力を上げていく。

その一部が光エネルギーとなって身体から拡散し、まるで一等星のごとく激烈な輝きを放つ。

 

 

 

 ……それが彼の提示していた『合図』。

翼獣に加勢を求めるための合図である。

「じゃ、ジャック!アレ!」

『よし来たっ……後方に回るぞッ!!!!』

「まねねっ!!」

掛け声の後、マネネは両脇を広げて魔杖を構える。

翼獣の頭上両脇からは、再度巨大な氷の手が顕現した。

『押せええええええええええッ!!』

「まねねねねっ!」

 

 

 

 氷の手はブリザポスの背後に回り、彼の身体を後ろから支える。

角をめり込ませる彼を、後押ししているのだ。

〔霎槭a繧咲李縺?擂繧九↑豁「繧√m霎槭a繧咲李縺?擂繧九↑豁「繧√m!!!!!!!!!!〕

『うおおおおおおおおおおおおッ……!!!!』

『まだだッ……最大火力で押せッ……!!!』

「まねねねっ………!!!」

両陣営の鍔迫り合いは、苛烈さを極めていく。

互いが互いの力を正面からぶつけ合い、殺るか殺られるかの応酬を交わす。

片や量、片や数の争いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかしここまで戦いを続けたCCは、遂に限界を迎える。

体表の電脳要塞のヒビが一気に広がり始め、次の瞬間………

〔代r縺茨ス?⊇縺?≠?暦ス???茨ス暦ス?ス托ス奇ス偵〓縺??縺オ??〓?悶$?包ス茨シ假シ呻ス呻シ費ス抵シ舌§縺?≧縺!!!?〕

CCは最大級の断末魔を上げ、虹色のものが粉々に砕け散る。

 

 

 

 一瞬のうちに姿形が見えなくなり、やがて2頭の馬達は虚空へと消えていった。

そこには巨人の姿も、翼獣も双角獣もお嬢もいない。

 

 あるのは夜になったフウジの街と、そこに佇むダイマックスポケモン達のみであった。

僅か……あまりにも僅かの内に、終末じみた世界が幕を閉じたのだ。

冗談じみたその落差に、作戦のメンバーたちは困惑する。

 

 

 

『ザザッ……これは……作戦成功なんすかね。』

『ザッ……あぁ。電脳要塞が剥がれてCCは我々の認識の外に行ったが……彼らは確かに体内へと向かった。』

通信機越しに、博士とミチユキが現状を話し合う。

目に見える戦いが終わったとは言え、地球の危機であることには変わりがない。

未だ予断を許さない状況だ。

 

 

 

「……ともかく、我々に出来ることは此処までです。あとはダイマックスポケモンの存在を確認しつつ、トレンチさんの無事を祈りましょう。」

そう言いつつ、パーカーは通信を切った。

 

 

 

 そんな彼女の横にいたダフが、語りかけてくる。

「……なぁパーカーさんよォ。ひとつ気になっていたんだが……いいか?」

「まぁ、今は一段落つきましたからね。どうぞ。」

凝っていた身体を捻りつつ、パーカーは答える。

「あのトレンチって、お前さんの娘か何かなんじゃねェのか?」

「………はて、何のことでしょう。私は独り身ですが。」

そう言う彼女の顔は、ダフの方を向いてはいなかった。

 

 

 

 

 

 これにてお嬢たちを送り届ける戦いは収束し、舞台ははいよいよ「秩序の外側」……CCの体内へと移行する。

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