青年の異世界珍道中〜ONE PIECE〜   作:クロイツヴァルト

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赤髪海賊団

 

 あの一件があった後、俺は周囲の反対を押し切ってルフィに行なわれている拷問じみた修行を一緒に受ける様になった。…正直に言おう。アレは子供にする所業では無いだがその地獄の様な環境下での修行で実力が伸びる物だからなおタチが悪い。

 

 そしてそんなことがある中で一年が経った頃、ある出来事が起きる。

 

 「マキノさん、こっちはこんな感じで良い?」

 

 「うん…良い感じね。じゃ、次はじゃがいもを剥いて、その後は玉ねぎね?」

 

 「わかった。」

 

 今の俺はだいぶ体力も付いて魔力操作のトレーニングも順調の一言だ。そしてそんな中で家事だけではなく村の中で出来る手伝いをしてアルバイトに精を出していた。

 

 「流石ね!カイトは飲み込みが早いわね!」

 

 「マキノさんの指導が上手だからだよ。」

 

 バンッ!

 

 そんな和気藹々として夜の仕込みをしている所に酒場のドアを勢いよく開ける村人

 

 「た、大変だ!か、海賊だ!海賊の船がこっちに向かって来てる!」

 

 「「「な、なんだってぇぇぇぇぇッ!?」」」

 

 「ッ!マキノさん、俺はルフィを回収しに行く。アイツの場合は好奇心だけで動くからもし海賊が来たなんて知ったら絶対に行くぞ」

 

 「も、目的はなんだ!?略奪か、殺しか!?」

 

 「飯食ってる場合じゃねぇ!」

 

 「マキノちゃん、悪りぃが代金はテーブルに置いておくぜ!!」

 

 「俺は村長の所に行くぞ!」

 

 酒場で屯していた男衆は慌ただしく酒場を後にする。その中にはカイトもシレッと混じっていた。

 

 「ルフィは…いた!」

 

 「あ、にーちゃん!今日はマキノんとこで働いてたんじゃ無いのか?」

 

 「んな呑気な場合じゃないっての!この村に海賊が近づいている!危険だから家に避難するぞ…!」

 

 俺の言葉は虚しくルフィは目をこれでもかとキラキラとさせる。

 

 「海賊船!?おれ見に行きてえ!」

 

 「馬鹿者!気のいい者ならいざ知らず、野蛮な者ならば殺されたって文句は言えんぞ!」

 

 「え〜!?」

 

 ルフィを問答無用で村長宅に連れて行こうとしたその時

 

 「っ!?誰だ!」

 

 すかさず手元に長杖を呼び出して気配のした方へと向ける…そこには

 

 「麦わら帽子の海賊?」

 

 「すまない、驚かすつもりはなかったんだ、悪いな坊主」

 

 そこにいたのは麦わら帽子を被った赤い髪の長身の男で肩には黒い生地のマントが風に任せてなびいていた。そしてその男の目は片目が三本線の傷が入っているがその瞳は荒々しくはなくその真逆の優しげな瞳でこちらを見ていた。

 

 「…俺は坊主ではなくカイトって名前がある。(この男、こんな近くまで来るまで気配を感じなかった?それに特徴的な髪)」

 

 「そうか、それはすまなかったな」

 

 カイトの言葉に男は涼やかに謝る。

 

 「それで、こんな村になんのようがあるんですか?赤髪海賊団船長、【赤髪のシャンクス】さん」

 

 「安心してくれ、ただの補給だ。略奪はしない、約束する。」

 

 カイトの言葉にシャンクスが真剣な表情でそう告げる。

 

 「そうか…それは何よりだな。もしその言葉違える事があればガープの爺さんに直接連絡を入れて来てもらう羽目になるから、そこの所は絶対に忘れないように」

 

 カイトの告げた名前に流石に飄々とした態度が常のシャンクスも表情が引き攣る。

 

 「うげッ、ガープ!?お前さんガープ中将に伝手があんのか!?」

 

 「ルフィの祖父にあたる人物で俺とルフィは修行をつけて貰っているからな。ま、シャンクスが約束を破らなければ問題は無いさ。」

 

 「なぁ、シャンクス!シャンクスって海賊なんだろ?冒険の話聞かせてくれよ!」

 

 「それよりも先に村に戻るのが先だ。どうせシャンクスさんの副船長あたりが村長と話をいるだろ」

 

 「流石だな、カイトの言う通りだ。俺が行くよりも副船長の方が交渉事は上手いからな」

 

 カイトの言葉にシャンクスは同意の言葉を言う。

 

 「後はウチのお姫様もいるから交渉はここ最近はいつも上手く行くんだ」

 

 「お姫様…?どこからか攫って来たのか?」

 

 「だー、違う違う!だからそのデンデン虫を仕舞ってくれ!」

 

 シャンクスの言葉を聞いたカイトは懐からガープから預かっているデンデン虫を取り出す。するとシャンクスが慌てて止めに来る。

 

 「…つまり他の海賊との戦利品の中に紛れてたって事か?」

 

 「そう言う事だ。ちなみにお前さんは歳はいくつだ?」

 

 「…?俺が十一歳でルフィ六歳だが?」

 

 「ほう?まだ十一の歳でそんなにしっかりしているのか」

 

 シャンクスの言葉に訝しつつも素直に答えると感心した様子でカイトとルフィをマジマジとシャンクスは見つめる。

 

 「どうだ、ウチの姫さんに会ってみるか?」

 

 「…そうだな、確かに気にはなるな。」

 

 「マセガキだな」

 

 「呼ぶか?」

 

 「呼ばんで良い!」

 

 シャンクスの揶揄う様な言葉に真面目な表情でデンデン虫を取り出しながら聞けば焦ってそう叫ぶシャンクスなのであった。

 

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