この世界を生き抜く為に出来ることは……。   作:コクーン√

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到着、グアラクーナ城砦。気絶したままだけどね。


第八話

 

 

「んん……っん!?」

 

目を覚ますと、そこは知らない天井であった。と一度は言ってみたい言葉だが、いざ目の当たりにするとそんな考えは消し飛び、困難と驚きの渦中に居た。

 

「ここは……?」

 

確か俺は……、ドリルを触ってて……、急に体に力が入らないと思えば視界がブラックアウトしたような、、、。

 

「つまり、気絶したってことか。」

 

そうなると、あの後気絶した俺を二人が運んでくれたことになる。って事はここはフィアが言っていた『グアラクーナ城砦』ってことか?

 

「そうだ、結局進捗はどうなったんだろう。」

 

井戸は恐らく完成したのだろう。もしかすると俺を運ぶために中止にしたかもしれないが……。

 

紙を開き、中を確認すると、

 

 

No7.水不足に陥った原因を見つけ、解決させよう! ★COMPLETE★

 

「よかった、無事達成出来たんだな……。」

 

自分のせいで駄目にならなくて一安心だ。これで今回は達成だな。さて、次は……。

 

 

new.人助けをしよう!

 

 

「なんだ、この随分とアバウトな目的は……。」

 

何を指しているのかよく分からず、詳細を見る。

 

『困っている人はまだ沢山!?仲間と協力して解決を図ろう!』

 

「これは、つまり……井戸の時みたいに悩みや問題を解決していけばいいのか?」

 

今回の様に未だに村では困った事が多々あるのかもしれない。それを助けろって事だよな?いや、村だけでは無いかもしれないが。

 

「……一先ず、腹減ったな。」

 

空腹であることから、そこそこの時間は経っていると思われる。水を飲んでから食料を口に付ける。

 

「今更ながらだが、腐らないんだな……中の物って。」

 

長期的に持ちそうなのを選んだが、駄目になっていてもおかしくない物もある。と言うかどのくらいで食べれなくなるかの試しで買った節もあったりする。

 

「俺が思っていたより、ちゃんとサポート面に気を遣ってくれてたのかもしれないな。」

 

何処にいるかよくわからない女神に向けて、手を合わせておく。南無。

 

「お、起きたか?」

 

飯を食っていると、アヴァロが来た。

 

「色々を申し訳ない。世話になってしまったみたいで……。」

 

「ははは、いいよ気にしなくて。確かに急にぶっ倒れた時は驚いたが、特に異常がないならいいさ。」

 

こちらに気を遣わせない様に笑いながら話す。兄貴って呼びたくなる。

 

「ここは城砦……で合ってるのか?」

 

「ご明察、ここはグアラクーナ城塞だ。ここに連れてくるのが良いかと思ってさ。」

 

動く城塞だっけ?あのデカさの物体が動き回るって、この世界大丈夫か?

 

「それは非常に助かった。寝泊まりする場所とか無かったからさ。」

 

「なら良かった。あ、ちょっと待っててな、今フィアも呼んでくる。」

 

そう言ってアヴァロが席を外す。少しすると、走ってくる音が近づいてくる。

 

「目を覚ましたっ?どこかおかしい箇所とかあったりする?」

 

勢いよく女神さまが突撃してくる。どうやら結構心配してくれていたみたいだ。

 

「ご心配おかけしました。おかしい所は特に無いですね。」

 

腕を持ち上げ、問題無いとアピールする。

 

「よかったぁー。魔力切れで倒れただけだから問題は無いってわかってはいたけどね。」

 

なるほど、あの気絶はどうやら魔力切れが原因らしい。

 

と、考えていると視界に青い物体が飛び込んでくる。

 

「ぶぶっ!??!?……っ!?がほっ!!」

 

「ああっ!!だから顔は駄目だってっ!今ようやく起きたのにまた眠っちゃうよ!」

 

顔面から引きはがす様に張り付いた物体を離す。正体は連れ帰った水精だったらしい。

 

「……殺されるかと思った……。でも、心配してくれたって事だよな?ありがとう。」

 

膝の上に乗っかている水精を突くと嬉しそうにこちらに体を擦りつけてくる。……うん、嬉しいのは分かるんだけどな?服が水分吸いまくってしまっているんだが。

 

「その子も心配していたんだよ。良かったね、目を覚まして。」

 

目の前のフィアも同じように水精をツンツンと触る。良いシーンに思えるのは俺だけじゃないと思う。

 

「あ、そうだ。あの後井戸は無事に終えましたか?」

 

「大丈夫だ、ちゃんと仕事をこなしてきた。」

 

「そうそう、完成した井戸を使って皆でかんぱーいっ!ってしてきたよ。」

 

「村の人にとっては死活問題でしたし、無事終えて安心しました。」

 

達成していたのは知っていたが、本人たちから直接聞けたことで終わった事を実感する。

 

「本当にうれしそうだね、アヴァロ。」

 

「ああ、そうだな。」

 

俺が安堵している様子を二人が嬉しそうに見てくる。や、やめろ。恥ずかしい。

 

「うん、やっぱり私決めたっ!」

 

「俺も賛成だ。」

 

二人で納得した様子を見せるが、何に対してだろうか?

 

「ねぇ!旅人さん!名前を聞いてもいいかな?」

 

「え?名前ですが……?斉藤って言いますが?」

 

唐突に聞かれ、咄嗟に口に出す。

 

「サイトウねっ。お願いあるの。」

 

「お願い……?なんでしょうか?」

 

これはもしかして、人助けの依頼が転がり込んでくるパターンか?なるほどなるほど。

 

「えっとね、私達の仲間になって欲しいの。」

 

と、思ったが、流石女神と言うべきか、予想外の事を言い始めた。

 

 

 

 

 

 

「えっと、つまり二人はその『神響の霞廊』って場所を目指していると……?」

 

「そうなるな、正確にはフィアの為に一緒に目指しているって感じだけどな。」

 

「記憶喪失で、その記憶を取り戻せるかもしれない可能性がある……あのデカい竜巻がある場所に?」

 

「うん。人助けをしているのは、私の力で城砦を動かすために必要な信仰力?みたいのを貯めていることになるかな。」

 

それでわざわざ人助けを……。

 

「因みにですが、これはあそこに辿り着くまでに何度も繰り返していくってことですよね?」

 

「力を貯める必要が出るたびに今回みたいなことはしていくつもり。勿論困っている人が居たら関係ないけどね!」

 

なるほどねぇ……。これは寧ろ好都合なのだろう。

 

「お二人の目的は分かりました。協力するのはやぶさかではありません。」

 

「それじゃあっ!」

 

「ただし、一つだけこっちからも提示したいお願いがあります。」

 

「……そうだよね、無償って訳にはいかないもんね。うん、私達にできる事ならなんでもするよ?」

 

ん?今(ry

 

「協力するにあたって、ここを拠点とするので住む場所が欲しい。可能なら水辺の近い場所が好ましいのですが。」

 

「ん?え?そんな事でいいの?」

 

「実は行く当てが碌にない根無し草生活を送っていて……安住出来る場所が欲しいと考えてたんです。」

 

「そんなの当たり前だよっ!ね?アヴァロ。」

 

「だな、手伝って貰うって事はこの城砦と一緒に進んでいくってことになる。そうなると必然的にここに住んで貰う。」

 

なんだ、既に織り込み済みか。

 

「それなら他は特に無いです。とは言っても、手伝えることがあるか分からないんですけど……あ、採取程度ならやりますよ?」

 

「そんなに気を張らなくて平気だよっ、その気持ちだけでもうれしいんだから。」

 

そうか?いや、住まわせて貰うからには役に立たないといけないな。出来ることがあるか考えておこう。

 

「よかったなフィア。晴れて一人目の住人だぞ。」

 

「うんっ。しかもすっごく良い人だから嬉しいよ!私の目に狂いはなかったっ!」

 

嬉しそうにくるくると回る女神を使徒さんが苦笑いで見つめている。ん?俺か?勿論目を逸らしたよ。あんな服装の人間を直視出来るかって。

 

「それじゃあサイトウさん、これから宜しくね!」

 

「こちらこそ、役に立てるように頑張るよ。よろしく。」

 

二人と握手を交わし、城砦で住むことになった。

 

 

 

 

「夜の風が気持ち良いな~……。」

 

あの後、外に出たがすっかり夜となっていた。一度は寝ようかと思ったが、寝付けず風に辺りに外に出て来た。散策していると近くに水汲み場があった。

 

「……ここに居たのか。」

 

水場、だからか水精が居た。

 

「お前もここに住むで良いのか……エンジョイしてるもんな。」

 

楽しそうに水汲み場で浮かんでいる。

 

「まぁ、懐かれてしまったんだし、ちゃんと責任は取るから安心しな。」

 

嬉しそうにこちらにすり寄ってくる水精を手で押さえながら、瓶に持っている水を与えた。嬉しそうに震えているのを見てその場を離れた。

 

「……ん?あれはアヴァロ?」

 

夜の城砦を歩き回っていると、アヴァロが座っていた。

 

「こんな所で居て良いのか?女神さまと一緒に寝てるかと思ったんだが?」

 

「サイトウか……。いや、ちょっとな。」

 

言い辛いのか、少し濁しながら顔を手で扇いでいる。顔が熱いのか……?つまり何か恥ずかしい事があって……、いや深くは考えないでおこう。

 

男女が同じ寝室で寝るのだ。起こりえる事など幾らでも……くそっ!

 

気にしたら負けだと思いながら隣に立つ。

 

「今日は、フィアの誘いに乗ってくれてありがとな。」

 

「こっちとしても魅力的な提案だったし、断る理由も無かったから受けるのは当然だと思う。やりたい事も出来そうだしな。」

 

「やりたい事?そういえば、俺たちの事も手伝ってたし、何か目的があるのか?」

 

目的……、目的か?今はあの女神からの指令を受ける事か?何のためかはさっぱりだけど。

 

「そうだなぁ……人助けをしたいのかな?」

 

「人助けを……か。それはフィアみたいな必要だからか?」

 

「どうだろう。必要と言われればそうなんだが……、何の為と言われると、難しいな。」

 

「ただ人助けをしているってことか?」

 

「かもしれないし、違うかもしれない。困っている人を助けて行けば分かると思うんだけど……。」

 

なんせ、人助けをしよう!なんて曖昧な目的だ。先なんか分かる訳ない。

 

「……探している途中ってことか。」

 

こちらに聞こえない様にボソッと呟く。聞き取れなかったが、聞き返さない方が良いのだろう。

 

「でもよかったのか?俺たちに同行するってことは、危険を伴うって事だ。なんせ目指す場所はあの神響の霞廊だ。」

 

何があの、なのか分からないが、見れば一目で分かるだろう。

 

「そりゃあ、危険って事は分かるさ。それにこの城砦だってな。でも……、神様が困ってるなら助けてやった方がご利益ありそうだろ?」

 

多分フィアのお願いも指令に含まれているのだろう。いや待てよ、神様は人で良いのか?

 

「ははは、そうだな。………改めて、これから宜しく頼む。」

 

「こちらこそ、こっちが頼る事が多そうだけどな。……ところで気になったんだが。」

 

「どうかしたのか?」

 

「フィアさんって分類的には人なのか?神なのか?ほら、人助けだろ?」

 

俺の質問にアヴァロは目を逸らした。





心はきっと人です()

清らかな乙女の……。
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