もしもなのはに姉がいて、お互いシスコンだったら? 作:先名咲亜
まだまだ悠里ちゃんには頑張ってもらいますよ!
「・……んん」
目が覚め、あたりの状況を確認しようと周りを見渡す。
視界に入ってくるのはどこまで続いているのかわからない真っ白。左も右も上も下も前も後ろ全てが白く染まっていて、距離感が全くつかめない。
この空間になにか物でもあれば距離感もつかみやすくなるのだけれど、運が悪いのかそんなものは一つも見当たらない。
仕方なく、今いる場所の確認はやめて、自分の記憶を掘り返す。
ジュエルシード事件が解決した次の日、炎髪灼眼のそっくりさんと出会って、地球に近い次元世界で戦う事になった。
そして予想通りというか、転移先の次元世界では十人程度の男が待ち構えており、年齢にバラつきこそあるものの全員がイケメンの部類に入っており、状況から見るに全員転生者だと判断した。
そして戦いは始まり、相手が殺傷設定だった事や、銀髪の仲間の転生者を活かしておいたらなのはに危険が及ぶかもしれない。なにより非殺傷設定という手加減をする余裕がなかったため、私も最初から殺傷設定で戦った。
その戦いで私は初めて人を殺した。初めて殺したときは、パニックになったりせず、逆に普段よりも冷静になれた。
そのまま一人、また一人と殺していき、転生者の数を減らしたが、途中から転生者の増援が来るようになり、戦闘時間は30分を超え、私の体の限界を超えたのか、突然今まで以上の胸の痛みで動きが止まり、その隙を突かれて両腕を切り落とされ、最後に背後から一刺しされて死んだ・……はず。
ちなみに、神様特典については転生者本人が神様特典と言っていた。
はぁ……、せめて私の体の限界が来なければなぁ……あんまり転生者も強くなかったし生き残れたかもしれないのに……。
「わしの特典をもらったやつに特典無しで勝てる奴はお主以外見たことがないぞ」
む? 今なにか聞こえたような……、
「聞き間違いじゃないぞい、わしは一応神と呼ばれておる」
えっ、神様? 神様特典持ちの転生者がいたからいるのは分かっていたけれど、どうして今頃?
「お主の妹思いとその生き様見事だった。わしが転生させた人間と対等以上に戦う人間に興味が湧き観察していた。それがお主じゃ」
観察・……? お風呂覗いてたんですか変態。元男の私でも許せませんね。
「い、いやいや、見ていたのは戦いのところだけじゃ。ほかは資料でお主の妹思いなどを知ったんじゃ。決して覗いてなどいないぞ!」
ふむふむ、そうですか。まぁいいです、今回は特別に許してあげましょう。
それで神様が私に何の用ですか? 私はテンプレ的な転生なんてしたくないですよ?
私はあの世界以外では生きたくないですから。とはいってももう死んでしまったのですが、
「む、そうかそうか、ならテンプレ転生では禁止にしている生きていた世界に生き返らせてあげるぞい」
・……生きていた世界に生き返る??
「神様っ!少し詳しく教えてくださいっ!!」
「なるほど、神様が転生させた人間の所為で私の人生が狂った事や、神様の特典無しで特典持ちに打ち勝って(最後には殺されましたが)興味がわいたから、未練たっぷりの私を転生させてくれると……」
あれから2時間ほどじっくりとお話させていただいていろいろ教えてもらったのを簡単にまとめたらこんな感じでしょうか。
「そうじゃ、わしも応援したくなったのじゃよ。というわけで特典もつけてあげるぞい」
ということは、またなのはに会えるんですね。
「あぁ、先に言っておくがお主が転生する先は少し特別でな。お主が戦ったとらいあんぐるハートの組織の研究所で造られているクローンになるぞい」
えっ、それって確か銀髪がっていたクローンのことでは・……?
「うむ、あっとるぞい。それと少しサービスで転生した直後にお主が妹と会えるようにしてやるぞい」
うーん・……特典どうしましょうか・……。
「ええと、特典の一つ目はvividでのヴィヴィオやアインハルトのように体を一時的に戦闘に最適化する大人モード?ができるようにしてください。それで普段は魔力も低下して戦闘能力を皆無に。けれど大人モードになったらフルの力を発揮できるようにお願いします。二つ目はレアスキルとして自分以外の対象の疲れなどを癒せる力をください。三つ目は、前世で死んだときみたいに胸の痛みとかが原因で死にたくないので健康な体をお願いします。四つ目はなのはの幸運度をできる限り上げて欲しいです」
「一つ目と二つ目はわかったが三つ目は意味ないぞい。お主の胸の痛みはお主のリンカーコアが自身の魔力に耐えられなくなったからじゃ。それと四つ目は原作キャラに対する特典は無理なのじゃ。それに四つ目はお主自身で幸せにしてやればいい」
なんと、私の胸の痛みは不治の病とかではなかったのですか……。
となると三つ目は少し変えて・……、
「三つ目は自身の魔力にも耐えれる頑丈な体でお願いします。四つ目はなかったことにしてください。神様の言う通り、私自身の力で幸せにしてあげようと思います」
「そうかそうか、わしはお主を見守ってるからのう、頑張るんじゃよ」
神様がそう言うと段々と意識が遠のいていった。