もしもなのはに姉がいて、お互いシスコンだったら?   作:先名咲亜

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09 ほんとうに転生できたんだ

 

 管理局の医療棟にある一つの病室には、私とはやてちゃん、フェイトちゃんがその病室のベッドで眠っている少女のお見舞いに来ている。

 

 いつもなら私一人で来ているんだけれど、私たちが来る前に一度意識が戻ったそうなのではやてちゃんとフェイトちゃんも話し合いのために来ている。

 

「なあ、なのはちゃん。この子を引き取るということは親になるっちゅうことや、フェイトちゃんとは違って責任もフェイトちゃん以上に大きくなるんや。なのはちゃんはまだ16歳なんやで―――――」

 

「うん、この子を引き取るっていうことが、この子の親になるっていうことがどんなことなのかはちゃんとわかってるよ。その上で私はこの子の親になりたいの」

 

 はやてちゃんが心配してくれているのはすごくわかる。けれど、それでも私はもう決めたから。

 

 小さい頃私はずっとお姉ちゃんに頼ってばっかだった。困ったときはいつも助けてくれたお姉ちゃん。

 そんなお姉ちゃんの背中を見ながらいつも思っていたこと、いつか私がお姉ちゃんを助けれるように、力になれるように、守ってあげれるようになりたい。そう思っていた。

 

 けれど、そのお姉ちゃんはもういない。七年前、私が魔法と出会うきっかけになったジュエルシード事件、それが解決した翌日、お姉ちゃんは今現在次元広域犯罪組織、とらいあんぐるハートのメンバーの死体とともに地球の近くの次元世界で死体となって見つかった。

 

 そして今目の前で眠っている小さな女の子、年齢は3歳前後でいずれ成長したらお姉ちゃんにそっくりになるだろうその容姿。

 

 この子の遺伝子を調べてもらった結果、この子はお姉ちゃんのクローンであることがわかった。

 

 この子をお姉ちゃんと重ね合わすことはいけないとわかっているけれど、お姉ちゃんにできなかった分、お姉ちゃんの分までこの子を幸せにしてあげたい。

 

「はやて、なのははもう決心しちゃったみたいだよ。こうなったなのははカートリッジ使って攻撃しても動かないってはやてもわかってるよね。私はいいと思うよ、なのはなら育児放棄とかしないだろうし、それにこの子はなのはのお姉さんのクローン、もしかしたら襲われる可能性も0じゃない。けれどなのははこの子を守れる力もある」

 

 私を援護してくれるフェイトちゃんはそう言いながら寝ている女の子の頭を軽く撫でる。

 

「はぁ……、これじゃあ私が悪者みたいやん。私もできる限り協力するわ」

 

 フェイトちゃんの援護射撃のあとはやてちゃんは少し考え込んで首を横に振りながら認めてくれた。

 

「・……ぅん」

 

 

 

 

 

「・……ぅん」

 

 目が覚めると覗き込むようにな姿勢でいる我が妹とあったことはないけれど知ってはいる人物2人がいた。

 

 

 ふと、なのはと目が合った。

 

「え、えぇ!? だ、大丈夫だよ、怖くないよ」

 

 突然三人とも焦った表情になり、その表情を見た直後視界が真っ暗になり、なのはの小さい子を慰めているかのような声が真上から聞こえる。

 それと同時になんで三人があんな表情になったのか理解した。

 

 今私は泣いていた。視界が真っ暗になったのはなのはが抱きしめてくれているらしく、私を慰めてくれている。

 

 けれど、私は怖くて泣いたんじゃなく、なのはを見たときに、また出会えた事が思った以上に嬉しかったらしく。気がつかないうちに涙が出ていた。

 

 

 

 数分後、やっと落ち着いてきた私はなのはの包容から解放され、三人が私が寝かされてい他ベッドの右側に立っている。

 

 ・……恥ずかしい。実の妹に泣いているところを見られるばかりか、あろうことか慰められるなんて・……。

 

 

「えっと、落ち着いたみたいだし、まずは自己紹介からかな? 私は高町なのはって言います」

 

 なのはがそう言うと、それに続くように二人の女性も続く。

 

「私は八神はやていいます」

「私はフェイト・テスタロッサ・ハラオウンです。よろしくね」

 

 むむ? これって私も自己紹介したほうがいい流れ??

 

「え、えっと、ゅ・……」

 

 思わず悠里っていうところだった。咄嗟に言うのをやめたんだけれど、最初の方少しだけ聞こえちゃったかもしれない。

 

 私は一度死んじゃったから悠里って名前はもう使えないんだよね・……。

 

 でもお父さんととお母さんがつけてくれた名前だから捨てたりなんてしたくはない。けれどその名前で行くわけにもいかない。

 

 うーん、どうしよう・……。

 

「だ、大丈夫?」

 

 ただどうしようか悩んでいただけで大丈夫なので縦に首を振りながら自己紹介を再開する。

 

「・……名前はないです」

 

 ちゃんといろいろ名前考えたりもしたんだよ? けれど、クローンとして作られていたのに名前がちゃんとあるのっておかしいと思うんだよね。

 

 なので仕方なくそう答えたのだけど、三人は地雷を踏んだと勘違いしたらしくとても暗い雰囲気が漂っている。

 

 自分で名前も考えたりもしてたけれど、どうせなら―――――

 

「名前つけてくれませんか?」

 

 妹に名づけてもらうのもいいと思う。

 

 

 

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