終盤でははっきりさせておきますので・・・
これが、キュアコアトルの誕生した瞬間。
しかし、もう一人のプリキュアはキュアコアトルが誕生する前に覚醒した。
それは、ユグドラシルが動き出す前、つまり、ウルトラマンゼロをはじめ、ウルトラ六兄弟やウルトラ十勇士がプリキュアの世界に現れてから暫く経った頃・・・
~~~~~アダマン島~~~~~
アダマン島、ここは超高度金属・アダマンタイトと呼ばれる鉱石が発掘されており、セシルが使用している伝説の剣・エクスカリバーの素材にも使われていた。
そして、このアダマン島にはセシルの息子であるセオドアの訓練の為に使われていたこともある。
しかし、このアダマン島に事件が起きていた。
「私達、どうなるのかしら・・・」
「いつまでこんな所にいなきゃいけねぇんだよ・・・」
「怖いよぉ・・・」
「パパァ・・・ママァ・・・」
広い部屋に閉じ込められたのか、怯えている人や妖精達。
「黙ってろ!殺されたいか!?」
鉄格子の外から銛を持ったカメのような魔物・サハギンの喚き声が響き渡る。
閉じ込められた人や妖精達は今の声に怯む。
「おい、もうすぐ交代の時間だ。鍵は持ってるな?」
「あぁ。心配いらねぇよ。」
「よし。広間に戻るぞ。」
サハギンの近くに二本の鉈を持つトカゲの魔物・リザードマンがいて、見張りの交代の時間が経っている事を知り、鉄格子から離れた。
状況からして、この部屋に閉じ込められている人や妖精達は魔物に捕らわれていた囚人達である。
「僕達、魔物に食べられちゃうのかな・・・」
「ユミナお姉ちゃん・・・」
「大丈夫だよ。きっと助けが来るから。」
ワンサイドアップの長髪の女の子は一緒にいる子供達の頭を撫でて慰める。
彼女はユミナ・アンクレイヴ。
聖ヒルデ魔法学院中等科のクラス委員長であり、ナカジマジムのバイトリーダー兼選手部門マネージャーである。
整体二級の資格を持っており、ヴィヴィオ達のマッサージやストレッチをよくやっていた。
尚、このユミナはヴィヴィオ達が知るユミナではないようだが・・・
魔物達が牢獄のドアから離れた後、ユミナ達の前に空間の歪みが発生した。
囚人達は突然の出来事に怯え、ユミナは子供達を守るように後ろに下がらせる。
空間の歪みから現れたのは、ショートの黒髪と八重歯の少女と、キャンディを模した髪留めをしたツインテールの少女、そして、見た目が幼く男の子に見える少女が現れる。
「な、何がどうなってんの~?」
「ナカジマジムに着いたと思ったら目の前がグニャグニャして・・・」
「なんだか、急に体が浮いた感じです・・・」
最初に紹介するのは、黒髪の八重歯の少女、リオ・ウェズリー。
ルーフェンに伝わる春光拳の使い手で、電気と炎の二つの魔力変換資質を持つインターミドルの競技選手である。
三岩窟でアインハルトと共に力の試練を受けていた。
次にキャンディの髪留めをした少女、コロナ・ティミル。
ゴーレム創生ができるマイストアーツとネフィリムフィストの使い手である。
三岩窟でタオ・ライカクの悩みを解決させた。
最後に男の子に見える少女、ミウラ・リナルディ。
戦技披露会でヴィヴィオと交戦した抜剣の持ち主である。
八神家道場の門下生だったが、戦技披露会終了後、ナカジマジム所属となった。
「な、なんだ!?」
「何なの、今の!?」
囚人達は突然の出来事にただ驚くしかなかった。
「ユミナさん!?」
リオ達も囚人達を見て動揺するが、ユミナを見て冷静になった。
「えっ!?どうして私の名前を!?」
「へっ!?」
リオ達はユミナの返答に再び動揺する。
「何の騒ぎだ!?」
鉄格子の先から怒鳴り声が聞こえる。
やってきたのは、巨大な手裏剣を持つ人狼の魔物・ノールと骸骨を象った装備をしている魔物・トロールである。
「人間共が!よっぽど殺されてぇみてぇだな!?」
トロールが囚人達に向けて声を荒げる。
囚人達は怯えるしかなかった。
その時!
「がっ!?」
「ぐふっ!?」
ノールとトロールが後ろから攻撃されたのか、一瞬で消滅され、監獄の鍵だけが落とされる。
その鍵を赤髪のショートヘアーの少女が拾う。
右頬に黒子が付いている少年も一緒である。
「大丈夫ですか?皆さん!」
「あなたは?」
「フィガロ王国国王エドガー陛下の命令により救助に来ましたチャオ・メイリンです!」
「ロン・ポウです!皆さんを助けに来ました!」
赤髪の少女と黒子の少年は自らをチャオ・メイリン、ロン・ポウと名乗る。
「シャンティちゃん!?」
「!?ユミナ!?」
ユミナはメイリンの事をシャンティと呼び、メイリンはユミナの顔を見て驚く。
「君も捕まってたの!?」
「う、うん!エスタに帰る途中、魔物に襲われたの。」
「そうだったんだ・・・とにかく、無事でよかったよ。今、開けるから待ってて。」
メイリンはすぐさま監獄の鍵を開ける。
「皆さん!退路は確保しております!ですが、魔物達に気付かれないように、声を立てず付いてきてください!」
ロンはリオ達にそのように指示を出す。
リオ達は指示通りに同行する事にした。
「?見かけない娘達もいるけど?」
メイリンはリオ、コロナ、ミウラを見て首を傾げる。
「私にもわからないんだ。突然現れたとしか。」
「突然現れた?」
メイリンはユミナの言っている意味が分からず頭を斜めに傾く。
リオ達は目の前にいるユミナは自分たちの知っているユミナとは別人だと悟り、事情を説明する。
リオ達はミッドチルダと言う別の世界から来た事、空間の歪みの影響でユミナ達がいた監獄に現れた事を。
「じゃあ、最近起こっている空間の歪みに巻き込まれたんだね?」
「そのミッドチルダにも私がいたなんて。」
「私達もビックリです。」
「異世界に飛ばされて、目の前にユミナさんがいたものですから。」
「ボクもです。」
「とにかくこの話は後にしましょう。ここから脱出するのが先だよ。」
メイリンはリオ達と囚人達を外へ連れて行った。
洞窟から出て数分、もうすぐ船が停めている所に着く所、太ったバンダナの男に腕を掴まれるメイリン。
メイリンは直ぐに引き剝がし、倒そうと拳打するが、見た目の太った体型に似合わず躱すのが早かった。
「虎心掌!」
しかし、メイリンは一瞬のスキを逃さず、相手の腹に一撃を与える。
メイリンは虎心掌を使った直後、「しまった!」と思い、動揺する。
「今のは!?」
「春光拳!?」
リオ達はメイリンが使った技を見て、春光拳だと気付いた。
春光拳はルーフェンの地に代々伝わる、所謂中国拳法に似た武術である。
ヴィヴィオ達がルーフェンで旅行に行った時、体験させて貰った。
バンダナの男はメイリンの技を受け、仰向けに倒れた直後、ロンに抑えつけられる。
いや、ロンだけじゃない。
5人程の仲間が我も言わんばかりに圧し掛かる。
「ちょ、おい!待て!俺だ!サムワンだよ~!」
「えっ!?」
「サムワンだと!?」
バンダナの男はどうやらメイリン達の知り合いのようだ。
「知ってるんですか?」
「うん。サムワン・リンポー。ファリスさんが率いるシェルヴィッツ海賊団の子分だよ。」
「海賊!?」
「あ、でも、他の船を襲ったり、盗みに入ったりしていなかったから悪い海賊じゃないんだ。」
ユミナは太ったバンダナの男をサムワン・リンポーだと紹介する。
「でも、どうしてここに?」
「お頭の頼みでな。力になるように言われたんだよ。ジャッキーはどうした?」
「まだ中にいる。すぐ戻るつもりだ。」
「なら、急がねぇとな。いつバレるか分からねぇ。」
サムワンはそう言って、一足先に洞窟に向かう。
「ジャッキーを助けに行く。メイリン、一緒に来い。」
「うん!」
「モラン、人質をみんな船に乗せろ。奴らの飛空艇と船は焼き払え。あとは一目散に逃げろ。」
「あ、でも、ロンさん達は?」
「待たずに早くいけ。俺達は俺達で何とかする。」
ロンはメイリンともう一人の仲間のモランに指示する。
「ユミナさん。シャンティさんが使ってた技って・・・」
「うん。春光拳だよ。お父さんから教わったんだって。」
「この世界にも春光拳ってあったんだ・・・」
リオ達はメイリンが使ってた技の事をユミナに聞くと、春光拳だと言い、春光拳の存在がプリキュアの世界にもあったんだと感心する。
メイリンはユミナ達の会話を聞いて複雑そうな顔になる。
その後、ユミナ達の会話を遮るようにユミナに話しかける。
「ユミナ。私はこれから戦場に行く。多分、私はそこで死ぬかもしれない。帰ったら家族や同門の子達に伝えて。立派に戦って死んだって。」
「ダメだよ!お父さんとお母さんの為にも生きなきゃ!」
「私はもう勘当されたんだ。もう後戻りできないよ。とにかく無事に帰るんだ。」
メイリンはユミナにそう言って、ロンの後を追おうとする。
「待ってください!私達も行きます!」
リオ達はメイリンに自分達も同行するようお願いする。
「ダメだ。民間人に戦場には連れて行けない。」
「大丈夫です!」
「私達、魔法が使えるんです!」
「なんだって!?」
メイリンはリオ達の言葉に驚く。
「私もあなたと同じ、春光拳の使い手ですから力になります!」
「ゴーレムを作るのが得意なんです!」
「ボクも格闘技には自信ありますから、お手伝いさせてください!」
リオ達はメイリンに懇願する。
「時間がない。やるしかないな。行こう。」
「はい!」
リオ達はメイリンとの同行を許し、ロン達と合流する。
「君達!?」
「なんで来たんだよ?」
「私達も協力します!」
「大丈夫です!私達、強いんですよ!」
「頑張ります!」
「・・・仕方ない。無理だけはするなよ。」
ロンはリオ達に忠告する。
「ロン。これを。」
「あぁ。持ってろ。」
「これ、トンカチ?」
「手榴弾だ。」
メイリン達は洞窟の中に入る。
メイリン達の仲間は今、広間にいる。
「なんだと!?人間共が逃げられただと!?」
「はい!カオスクロー様!」
人質が解放された事の知らせを聞いて驚く鳥の嘴をした赤い魔物・カオスクロー。
このカオスクローがユミナ達を監獄に閉じ込めた張本人である。
「何をグズグズしている!?すぐに捕まえてこい!」
隣にいる黒騎士は魔物達に命令する。
魔物達はすぐに囚人達の捕獲に向かう。
「そこまでだ!」
ロンとメイリンはライフルを魔物達に向ける。
魔物達は臨戦態勢を取る。
ロンは銃口をそのまま魔物達に向け、メイリンは背後に取られないようライフルを反対側に向ける。
「この中にジャッキーさんが紛れ込んでるんですか?」
「あぁ。あの黒いのがジャッキーだ。声を立てるなよ?バレちまうからな。」
サムワンは悟られないようにリオ達を注意する。
「カオスクロー!観念しろ!島の周りは討伐隊が包囲した!」
「嘘を吐くな!包囲する船もないくせに!」
「仮に包囲できたとしても、俺の魔物軍の敵ではない!」
「人間を嘗めないで!」
メイリンも銃口を魔物達に向ける。
「ロン、ジャッキーは無事みたい。早い所ここから引き揚げよう。」
「よし、やってみよう。」
ロンとメイリンは戦闘を開始しようとする。
「みんな、ジッとしてろ!船と飛空艇を爆破する!」
ロンはその言葉を言った後、外から爆発した音が鳴り響く。
モランが魔物軍の飛空艇や船に爆弾をセットし、それを爆破させたのだろう。
これにより、魔物軍は袋のネズミとなった。
だが、それは同時にメイリン達の窮地でもあった。
「殺せ!」
カオスクローは魔物達にメイリン達を皆殺しにするよう命ずる。
魔物達は一斉に襲い掛かる。
近付いてくる魔物達をロンとメイリンはライフルで牽制する。
魔物が接近してきた所をライフルを投げ捨て、怯ませる。
「通路を爆破しろ!応援を断つんだ!」
「分かった!」
ロンとサムワンは短剣を構え、メイリンは腰の三節棍のような折り畳み式の棒を連結して戦闘態勢に入る。
リオとコロナとミウラはすでにバリアジャケットを纏っており、いつでも戦闘可能になっている。
向かってくる魔物達をロンとサムワンはリザードマンの鉈攻撃を躱しながら短剣で突き刺し、掻き分けていく。
メイリンは棒でサハギンに打撃を与えつつ、通路に向かう。
リオとコロナとミウラもロン達と同様にサハギン、リザードマン、ノール、トロールの相手をする。
ノールとトロールはメイリン達を追う。
黒騎士は自分も戦闘に参加しようと前に出るが、カオスクローに止められる。
「引っ込んでいろ!俺が片付けてやる!」
カオスクローはそう言って、ロンとサムワンに近づこうとする。
すると、黒騎士が足払いでカオスクローを地に伏せさせる。
その直後、ロンとサムワンが相手をしているトロールを蹴り飛ばし、その勢いでノールを抱え、横に投げる。
「貴様!魔物ではないな!?」
「その通り!」
黒騎士は兜を取り、素顔を見せる。
その顔はカンフー映画の俳優にそっくりな少年である。
「俺はジャック・イー・イェン。G.Fの一員だよ。」
少年は自らをジャック・イー・イェンと名乗る。
ロン達が呼ぶジャッキーはジャックの愛称のようだ。
「騙したな!?」
カオスクローは両手の爪でジャッキーを斬り裂こうとする。
ジャッキーはカオスクローの攻撃に得意の格闘術で牽制する。
リオとコロナとミウラはサハギン達を一掃し、ロンとサムワンが相手をしているノールとトロールを蹴り飛ばす。
その時、通路から魔物達が攻めてくる。
ロンは腰に携えている手榴弾の紐を引き抜き、魔物達の方に投げる。
その魔物の中のトロールは槍で叩き落そうとすると、爆発が起こり、魔物達は全滅する。
ロンとサムワンはジャッキーの許へ行く。
リオ達はメイリンの許へ行く。
その頃、メイリンは最後の一本となった手榴弾であと一ヵ所となった通路に投げた直後に地面に伏せる。
通路は手榴弾による爆発で落盤が発生し、完全に行く手を阻んだ。
「これで通路は塞いだ。急いで広間に戻ろう。ジャッキーを助けないと!」
メイリンは急いで広間に戻ろうとするが、突然、何かにぶつかったのか、壁が崩れ、海が見える程の穴が開いた。
その穴から翼の生えた青い体と緑の体の魔物2体が入ってきた。
その2体の魔物はアブダクター。
エクスデスの配下の魔物である。
青い体のアブダクターはバッツ、レナ、ファリスをエクスデス城に連れて行き、緑の体のアブダクターはバル城に攻めてきた。
「ここまでだぜ、人間!」
「アブダクターか!」
メイリンは棒で牽制するが、空を飛んでいるアブダクター相手では棒による攻撃が当たらない。
アブダクター達はハリケーンを放つ。
メイリンはハリケーンに怯み、棒が吹き飛ばされてしまう。
メイリンは接近してくるアブダクター(青)に気付き、辛うじて躱した。
「シャンティさん!」
「君達!」
「新しい魔物!?」
「気を付けて!」
メイリンはリオ達を庇うようにアブダクター達の前に立ちはだかる。
アブダクター達はメイリン達を襲い掛かる。
対してリオは虎心掌、ミウラは空牙でアブダクター達にダメージを与える。
「話は聞いたけど、本当に春光拳が使えるんだ・・・」
メイリンはリオを体術を見て、彼女も春光拳使いだと納得する。
「コロナちゃんだっけ?私の棒があいつらに吹き飛ばされたの。取りに行ってくれないかな?」
「え?ユミナさん、シャンティさんは春光拳が使えるって聞きましたけど?」
「悪いけど、使うわけにはいかないんだ。父さんに禁止されてるの。」
コロナはメイリンの言葉に違和感を感じ、サムワンを突き飛ばした時のように春光拳を使わないのか聞くが、メイリンは春光拳を使うのに躊躇っていた。
「コロナ!シャンティさん!」
コロナとメイリンはリオの声に反応し、振り向くと、アブダクター(緑)のハリケーンが襲い掛かる。
二人はそれを躱すが、躱した先にある棒がバラバラになってしまう。
「しまった・・・」
メイリンは自分の武器が壊されて、攻撃手段を失った事にショックを受ける。
「ぶっ殺してやるぜ!」
「食い殺す!」
アブダクター達は舌なめずりしながら言う。
アブダクター達はリオ達を攻め続ける。
メイリンとコロナの後ろから複数の魔物の声が耳に入る。
サハギン、リザードマン、ノール、トロールだ。
(やるしかないのか・・・)
メイリンは自分の武器が失った為、格闘家らしく身構える。
近付いてくるサハギン、リザードマン、ノール、トロールの武器を搔い潜りながら、パンチやキックをお見舞いする。
背後からアブダクター(青)が襲い掛かるが、メイリンはそれに気づき、炎を纏った足でアブダクター(青)にダメージを負わせる。
「おお~!炎の魔力変換資質だ~!」
リオは目がキラキラしながらメイリンの戦いぶりに興奮する。
メイリンは構え直すが、前に突き出した左腕から湯気が湧き出て、それを見たメイリンは焦りを見せる。
(早く終わらせないと!リオちゃん達まで!)
メイリンは早めに魔物達を倒そうと切り込むが、先程、メイリンの左腕から湯気が出てきた事に焦ったのか、アブダクター達に攻撃を当てれなかった。
(急いで倒さないと!抑えられなくなる!)
メイリンは両手に炎を纏わせ、サハギンとノールに拳打し、2体の魔物を倒す。
近付いてくるリザードマンとトロールも、メイリンの炎を纏った足による回し蹴りによって倒される。
しかし、メイリンはアブダクター(青)の攻撃を喰らい、更にはアブダクター(緑)のハリケーンによって吹き飛ばされる。
「シャンティさん!」
メイリンは手榴弾で塞がった落盤にぶつかる。
「次はお前らだ、人間共!」
アブダクター達は標的をリオ達に変え、襲い掛かろうとするが、突然、勢いの強い蒸気がアブダクター達を包み込む。
アブダクター達は振り向くと、先程ハリケーンで吹き飛ばし、落盤にぶつけられたメイリンが立っていた。
そのメイリンの体から湯気が異常な程に噴き出している。
「まだ生きていたか!?」
アブダクター(青)はメイリンを攻撃しようと接近する。
しかし、メイリンはアブダクターの攻撃を紙一重に躱し、胴体に掌打し、僅かに距離が開いた直後、拳打の連撃でアブダクター(青)にダメージを負わせる。
「今の技は!」
「うん!フーカさんが初めてスパーの相手にした時にやった技だよ!」
リオ達はメイリンの技を見て、フーカがナカジマジムで最初の仕事、つまりナカジマジムの競技選手のスパーリングの相手をした時に使った技を思い出す。
「○△□×~!!」
メイリンは音読不能な声を発声し、止めと言わんばかりにアブダクター(青)に接近する。
「絶招!織炎虎咆!」
メイリンは両手に炎を纏わせアブダクター(青)に掌打する。
アブダクター(青)はメイリンの技によって吹き飛ばされ、そのままアブダクター(緑)にぶつかり、共に消滅される。
しかし、安心するには早かった。
何故なら、メイリンはそのまま、リオ達を襲ってきたのだから。
「うわっ!?シャ、シャンティさん!?」
「シャンティさん!私達です~!!」
「お、落ち着いてください~!!」
リオ達はメイリンに声を掛けるが、止める様子はなかった。
それどころか、メイリンの動きが増々激しくなっていった。
「暴走・・・なのかな!?」
「お父さんに禁止されてるって聞いたけど・・・!」
「僕達の声が届かないほどだなんて・・・!」
リオ達はメイリンの攻撃に対し、避け続けるしかなかった。
追い詰められたコロナ達だが、先程、アブダクター達が突撃して開けた壁の穴を見てコロナは閃く。
メイリンはコロナに向かって走り、炎を纏った拳でコロナを殴り飛ばそうとする。
しかし、コロナは後ろに倒れるようにメイリンの攻撃を躱し、自分の足をメイリンの胴体に押し上げて、そのまま壁の穴の先にある海に放り出す。
「コロナ!」
「大丈夫ですか!?」
「う、うん、なんとか・・・」
コロナは危なかったと息を吐く。
コロナ達はメイリンが心配になり、穴から顔を出して覗き込むと、メイリンが気を失ったまま海面に浮かび上がる。
「シャンティさん!」
リオとコロナは海に飛び込み、メイリンを拾い上げる。
ミウラはメイリン達を引き揚げる。
その頃、ジャッキー達の戦いも終わりを迎えてきた。
「残るはお前だけだ!カオスクロー!」
「おのれ、人間共・・・!」
カオスクローはジャッキー達を襲い掛かる。
サムワンはカオスクローの爪攻撃を格闘技で防ぎ、カオスクローの腹に一撃を与える。
ロンはカオスクローを捕らえ、腹に膝蹴りをし、その直後に跳び回し蹴りを喰らわせる。
「炎龍!雷龍!」
ジャッキーは両足から炎の龍と雷の龍を召喚する。
「これで止めだ!天翔双龍波!!」
ジャッキーは炎龍と雷龍をカオスクローにぶつける。
「グオォォォォォォォッ!!!!」
カオスクローは火達磨となり、そのまま消滅していった。
ジャッキーは息切れするが、しばらく経った後、深呼吸して、息を整える。
「ロン、まだ歩けるか?」
「あぁ、大丈夫だ。」
「サムワン?」
「通路は塞がってる。どうやって外に出るんだ?」
「まだ一本ある。」
「行こう。シャンティ達も連れて行かないとな。」
ジャッキー達はコロナ達と合流し、残る一本の手榴弾で通路の落盤を爆破させ、通路を空けた後、外に出た。
外に出た後、シェルヴィッツ海賊団の船が到着しており、そこにはユミナもいた。
なんでも、ジャッキーとメイリンが心配の為、海賊の頭に無理を言って助けに戻って来たそうだ。
ジャッキーはその事をユミナに叱るが、これでアダマン島から脱出する事ができ、島に残っている魔物達も海賊達によって全滅した。
リオ達はジャッキー達と一緒に海賊船に乗り、アダマン島を後にする。
~~~~~フィガロ王国~~~~~
「フィガロ王よ。何故妾をここに連れて来たんじゃ?」
タロットは玉座にいる青い騎士服を身に纏う金髪の男性に溜息吐きながら質問する。
その金髪の男性は、エドガー・ロニ・フィガロ。
砂漠の国フィガロの国王であり、地下組織リターナーの一員である。
女性を口説く軟派でキザな性格だが、オートボウガンやウィークメーカー等の機械を使いこなす。
「なに、あなたが探しているプリキュアに変身する可能性を持つ少女を見つけるのに、協力しようと思ってね。」
「協力した所でそう都合よく見つかるものではない。キュアシルフィーが誕生してから1年間探し回ったが、テイルズハートチップには何の反応もなかった。正直お手上げじゃぞ?」
タロットは頭に手を置いて溜息を吐く。
「そのチップが反応した件だが、レン君がキュアシルフィーに変身する時、何かをトリガーにして変身できたのではないかと思うのだが・・・」
「何に反応したというんじゃ?」
「例えば、誰かを助けたい。大切な人を守りたいという願いかな?」
「・・・確かにシルフィーのテイルズハートチップはレンの想いに反応しおったが、そんな自分の命を投げ出す覚悟を持つ人間がおるのか?」
エドガーとタロットが話しているのは、プリキュアの事のようだ。
「そのチャンスを握っている娘に心当たりがある。ウォン・シャンティ。今はチャオ・メイリンと名乗っているが、彼女なら可能だと思う。」
「確かに条件は整っておるが、魔力に問題があるのだろう?変身できる器とは思えんが・・・」
「今はね。しかし、彼女の抱えている悩みを解決する為の手は打ってある。私の予想が間違っていなければ、シャンティはプリキュアになれるはず。」
(根拠のない言い分だが、実際、レンに関してはフィガロ王の予想した通り、テイルズハートチップが人の想いに応えた。賭けてみるしかないのう・・・)
タロットはエドガーの言葉に信じてみる事にした。
「それに・・・」
「それに・・・なんじゃ?」
「このままレディの悲しんでいる姿を見ているのは、私にとっても心苦しいからね。」
「・・・」
タロットはエドガーの言葉に眉間に皺を寄せる。
自分が思っている事を撤回しようとも思ったが、テイルズハートチップの事もある為、エドガーの言葉は聞かなかった事にした。
タロットは王の間から出て行った。
今回の話に登場したユミナですが、なのはの世界にいるユミナとは別人と言う設定にしております。
あと、バトルシーンの表現、難しいですね・・・(汗)
まぁ、そこは生暖かい目で見ていただけると・・・(汗)