やあ、私の名前はウォン・シャンティ。
G.Fに入隊した春光拳使いであり、元フィガロ王国の兵士さ。
そして、同時にキュアウーコンと呼ばれる伝説の戦士・プリキュアでもある。
G.Fの中で唯一のプリキュアだけど、また新しくG.Fに入隊するプリキュアが来たんだ。
~~~~~カーウェンの町~~~~~
この町は、ウォルス国の北方に位置する港町で、風のクリスタルが砕け散って以来、風を吹くことが無くなり、船を出す事ができない為、漁師が困っていた。
クリスタルが復活してからも、強力なモンスターが棲みついている為、仕事にならないようだ。
その為、ウォルス国とタイクーン国、フィガロ王国がカーウェンの町が抱えている悩み、先程説明した通り、危険なモンスターがこの近海に棲みついており、漁業もできない状態の為、支援をしていた。
「いや~、今日も一儲けしたぜ~・・・」
ベンチに座ってポケーっと弛んでいるのは、サムワン・リンポーである。(詳しくは『禁じられた春光拳 前編』にて)
「青い空、白い雲、広い海、そしてこの潮の匂い、海を愛する俺達海賊にとっちゃあ、爽やかな気分だぜ~・・・」
サムワンはゆったりしていた。
その時・・・
バコッ!
「!?いってぇ~!?」
サムワンが突然殴られ、頭を抱える。
「いつまで寝そべってんだ!?」
「へっ!?」
サムワンは痛がりながらも目を凝らして目の前をよく見る。
目の前にいるのは、海賊の服を纏った紫髪の女性だった。
彼女はファリス・シェルヴィッツである。
本名はサリサ・シュヴィール・タイクーン。
シェルヴィッツ海賊団の船長ではあるが、同時にタイクーン国の王女レナの姉、つまり、彼女もタイクーン国の王女である。
火のクリスタルに選ばれた戦士で、バッツ、レナ、クルルと共にエクスデスを倒し、平和を取り戻した。
「お、お頭!?」
「俺もいるぞ!」
「あっ!スイープ!」
ファリスの隣にいる髭面の男・スイープもいた。
「こんな所で油売ってんじゃねぇ!さっさと持ち場に戻れ!」
「へ、へい~っ!」
サムワンはファリスの指示に従い、海賊船に戻った。
「ったく・・・」
「子分の為に怒ってくれるなんて・・・やっぱり、お頭好きだ~・・・」
スイープはファリスに対して惚気たように思っていた事を口に零す。
その直後にファリスに殴られるスイープ。
「痛ったた~・・・」
「気持ち悪い事、言ってんじゃねぇ!テメェもさっさと持ち場に戻れ!」
「あ、アイアイサー!」
スイープはファリスに怒鳴られながら、海賊船に戻る。
~~~~~船の墓場~~~~~
ここは、カーウェンの町の北にある船の墓場。
風のクリスタルが砕け散り、風が止まった後、シェルヴィッツ海賊団の船でトルナ運河を超えてウォルス国へ向かったが、その最中にカーラボスと遭遇し、船を引っ張ったファリスの相棒・シルドラがファリス達を助ける為、カーラボスと道連れにした。
それ以降、ファリス達が乗っていた船は船の墓場に流れ着き、そこでセイレーンと戦った。
その船の墓場で二人の男女が何かを探しているかのようにキョロキョロしていた。
「この墓場にいる魔物がカーウェンの町に現れたんだよな?」
「うん。ウォルス王から話を聞いたわ。」
その男女はバッツとレナだった。
二人がここにいたのは、ウォルス王国の王からカーウェンの町でアンデッド系のモンスターが出現されたそうだ。
カーウェンの町に周りには、アンデッド系のモンスターはおらず、ビッグホーンやバンダースナッチのような魔獣系のモンスターしかいない。
なので、アンデッド系のモンスターが出没するなど、有り得ない話である。
原因を調べるため、二人はアンデッド系のモンスターの巣窟になっている船の墓場に訪れたという事である。
付け加えると、二人が船の墓場に来れたのは、レナの姉であるファリスの船に乗せて貰ってきた為なのだ。
当然、タイクーン王国の兵士も十数名引き連れている。
「大分奥へ進んだな・・・」
奥へ奥へと進むバッツ一行。
「!レナ!」
「!」
バッツ達は何かを発見したのか、立ち止まる。
バッツ達が見たのは、骸骨型のロボットだった。
~~~~~G.F本部~~~~~
その頃、G.F本部で、入隊希望を志願している者がいた。
その人物は、マヤだった。
そして、そのマヤと面談しているのは、眼鏡をかけた紫髪の女性・レティ・ロウランである。
「G.Fに入りたいと?」
「私がしてきた事、許される事じゃない事は分かっています。でも、こんな私を受け入れてくれた人達、一緒に戦ってくれた人達を報いる為に、私が持つプリキュアの力を使いたいんです。」
「確かにあなたのしてきた行為は許される事じゃないわ。でも、デニーズ・ポーカーの差し金とはいえ、フェイスワールドのプリキュア達と戦った事に関しては実力は申し分ないわね。あなたには平和を願い、その力を正しく使えるかしら?」
「私はもう間違えません。この力は大切な人達を守る為に使います。」
マヤは入隊を懇願する。
その途中、レティに通信が入った。
「失礼。」
レティは通信を繋げる。
「はい。ロウランです。」
『エドガー・フィガロだ。先程レナ姫とバッツが何者かに囚われたらしい。カーウェンの町に戻ってきた重症の兵士からの報告だ。それを聞いたファリスが船の墓場へ向かっている。』
「本当ですか?」
『あぁ。二人を捕らえる程の強敵と判断し、G.Fからの応援を要請する為、連絡させてもらった。』
「はい、分かりました。」
通信の相手・エドガーからの連絡でバッツとレナが敵の襲撃に遭われた模様。
G.Fの戦士を派遣するよう願いを出され、レティはそれを了解し、通信を切る。
「マヤさん。今から伝える任務を入隊試験とします。バッツさん達の救助に向かって下さい。」
「了解しました!」
マヤは任務を受諾する。
~~~~~船の墓場~~~~~
骸骨型のロボットが白衣を着た鼻が大きい老人に変わった。
その老人の名はルゲイエ。
ゴルベーザに仕える科学者である。
エブラーナ国のエッジの父親と母親とも言えるエブラーナ王と王妃をモンスターに改造した。
「ヒャヒャヒャヒャ・・・まさかこんな所でクリスタルの戦士に会えるとはなぁ・・・」
「ここで何をしているの!?」
レナはルゲイエに質問する。
ルゲイエはレナの質問に答えるように、手に持っているスイッチを押す。
すると、ルゲイエのすぐ傍に魔法陣が現れ、そこから翼の生えた黒い竜人が跪いた状態で姿を現す。
「こいつは竜魔人キリトと言ってな。あらゆるドラゴンを操る対プリキュア用の生物兵器よ。これを・・・」
ルゲイエは先程押したスイッチとは別のスイッチを出し、それを押すと、今度は八体の竜が現れる。
その八体の竜は伝説の八竜と呼ばれている。
レッドドラゴン、ブルードラゴン、イエロードラゴン、スカルドラゴン、フリーズドラゴン、ストームドラゴン、アースドラゴン、ホーリードラゴンの八体いて、どれも強力なドラゴン系のモンスターである。
ケフカが三闘神の力を得て、世界が崩壊した後、地上に蘇った。
「伝説の八竜・・・!?」
バッツとレナは八竜を見て慄く。
伝説の八竜が竜魔人キリトの肉体に吸い込まれるように入っていく。
「伝説の八竜の力を注ぎ込む事で、竜魔人キリトが完成する!ヒャヒャヒャヒャ・・・こいつをここに持ってきたのはワシではないがな・・・」
ルゲイエの話からして、竜魔人キリトを船の墓場に持ち込んだのも、伝説の八竜の魂を持ち込んだのもルゲイエがやった事ではないとの事。
その時、竜魔人キリトの隣に黒い糸が繭のように絡まり、その中から緑色の帽子と紫色の仮面が特徴の紫色の髪の怪人が現れた。
名前はブラックファング。
バレリーナを目指すつむぎの足を動けなくし、不幸のどん底に陥れた幻影帝国の幹部である。
つむぎから抽出された不幸のエネルギーを利用してクイーンミラージュに取って代わろうしていた。
「ブラックファング・・・だと・・・!?」
「あなたはハピネスチャージプリキュアに倒されたはず・・・!?」
バッツとレナはブラックファングの登場に驚く。
レナの言う通り、ブラックファングはドール王国でハピネスチャージプリキュアによって倒されたはずだったのだ。
「どこでその情報を得たのか知らんが、答える必要はない。お前達はこの竜魔人キリトの手でここで死ぬのだからな。」
ブラックファングはそう言って、その場から去って行った。
「ヒャヒャヒャヒャ!では早速試してみるかのう。さぁ、動け!対プリキュア用の生物兵器!竜魔人キリト!」
ルゲイエがそう言うと、先程まで跪いた竜魔人キリトが立ち上がった。
「プリキュアの抹殺・・・それが・・・私の使命・・・」
竜魔人キリトは青龍偃月刀のような槍を出す。
その直後、竜魔人キリトの背中に強力な雷が直撃される。
「だ、誰じゃ!?」
ルゲイエは突然の出来事に驚き、振り向くと、海上に紫色の体をした海竜の頭の上にファリスがいた。
紫色の海竜の名はシルドラ。
シェルヴィッツ海賊団の海賊船を牽引したファリスの相棒である。
カーラボスとの戦いで道連れになり、ウォルスの塔が海に沈んだ所をバッツ達を助けた後、力尽きた。
「レナ!バッツ!」
「姉さん!」
「ファリス!」
「大丈夫か!?」
ファリスはバッツとレナに心配かけるが、そんな余裕はなく、竜魔人キリトに襲われる。
ファリスは辛うじて躱した。
「なんだ、こいつは!?」
「私は対プリキュア用の人工生命体・・・キリト!」
竜魔人キリトは手から黒光りするエネルギーを頭上に掲げると、エネルギーが8つに分かれ、着弾した後、8体の竜が現れる。
レッドドラゴン。
ブルードラゴン。
イエロードラゴン。
スカルドラゴン。
フリーズドラゴン。
ストームドラゴン。
アースドラゴン。
ホーリードラゴン。
伝説の八竜が揃う。
「伝説の八竜だと・・・!?」
「まずは貴様からだ。」
8体の竜がファリスを追い詰める。
「イージス・サウザンドソード!」
その時、1000本の光剣がスカルドラゴンとフリーズドラゴンを貫く。
今の攻撃でスカルドラゴンとフリーズドラゴンが消滅する。
「なんじゃと!?」
「誰だ・・・!?」
ルゲイエと竜魔人キリトは突然の出来事に驚く。
それは、バッツとレナ、ファリスも同様だった。
その時、ファリスの前に降り立つ女戦士が現れた。
キュアイージスだ。
「お前は・・・!?」
「正義の盾、キュアイージス。プリキュアの名にかけて、敵を討つ!」
(こいつが・・・キュアイージス・・・)
イージスは竜魔人キリトを前に身構える。
「ヒャヒャヒャヒャ!まさかユグドラシルの戦士であるキュアイージスが来るとはのう・・・ちょうどよいわ。このキリトの相手にさせておこうではないか!」
「プリキュアの抹殺・・・それが・・・私の使命・・・」
「プリキュアを倒す為の生物兵器か・・・私がユグドラシルにいた頃、噂には耳にしていたけど・・・絶対に負けない!」
「キュアイージス、俺も手ぇ貸すぜ!」
「ありがとうございます!」
ファリスはジョブチェンジで竜騎士に変身する。
竜魔人キリトは槍を構え、イージスとファリスに襲い掛かる。
それに続くように残る6体となった伝説の八竜も動き出す。
イージスとファリスも向かってくる敵に立ち向かう。
~~~~~G.F本部~~~~~
「それでは、エディスさん。行ってきます。」
「えぇ、行ってらっしゃい。」
銀色の鎧を纏った銀髪の女性がユミナと別れる。
ユミナは彼女をエディスと呼んだ。
ユミナはこれから、リオ、コロナ、ミウラ、ジーク、ヴィクター、ハリー、エルスと共に妖精学校へ行く事になった。
妖精学校でプリキュアパーティが開催する事になり、後程シャンティと合流しに行く事になった。
ユミナと別れを告げた後、エディスが持つ通信機から呼び出しの連絡を受け、司令部に向かった。
エディスを呼んだのは、レティである。
尚、レティに呼ばれたのは、エディスだけではなく、ジャッキーとアルベルト、他に金色の毛皮をしたマントを羽織った人狼と、長靴の履いた猫のような表現をしていた軽装備のシャムネコの獣人も司令部にいた。
「あれ?アビドスとバステトも呼ばれたの?」
「あぁ。」
「相当厄介事みたいよ。」
金色の人狼をアビドス、シャムネコの獣人をバステトと呼ぶ。
「さて、揃ったわね?」
レティの言葉に振り向く5人。
レティの口から報告を伝える。
「ゴッドアイズからの情報によると、バッツ・クラウザーさんとレナ・シャルロット・タイクーン王女が囚われた。これはすでに耳に入っているわね?」
「はい。二人を攫ったのは、ルゲイエであることも。」
「そのルゲイエの事で新しい情報が入ったわ。バブイルの塔でセシル陛下達に倒されたはずのルゲイエを生き返らせたのは、幻影帝国の幹部・ブラックファングだと分かったの。」
ジャッキー達はレティからの報告を聞いて驚く。
「ブラックファングだと・・・!?」
「確か奴はドール王国で・・・」
「えぇ。ハピネスチャージプリキュアに倒されたはずよ。」
バステトの言う通り、ブラックファングはルゲイエ同様、すでに倒されたはずである。
「ザナルカンド遺跡で、カゲミツとやらがプリキュアに倒された敵を蘇らせた事があったが・・・」
「誰がブラックファングを・・・?」
ジャッキー達は疑問を浮かべる。
カゲミツは忍法・反魂の術が使え、それでジョーカー、クモジャキー、カレハーンを蘇らせたが、当時、ザナルカンド遺跡でキュアコアトルに倒されたので、ブラックファングの復活はないはずなのだ。
「兎に角、ブラックファングに蘇らせたルゲイエがプリキュアを倒す人工生命体を作り上げたらしいの。更に、その生命体が伝説の八竜を操ってるわ。」
レティは状況を説明する。
「伝説の八竜か・・・」
「厄介ね・・・」
ジャッキー達は『伝説の八竜』の名を聞いて唸る。
「ブラックファングはすぐに船の墓場から離れたみたいだけど、ルゲイエ、伝説の八竜、そしてルゲイエが作った人工生命体がキュアイージスとサリサ王女と交戦しているわ。あなた達も至急現場に向かい、フォローしてほしいの。」
「了解です!」
ジャッキー達はレティからの指示を聞いて、すぐに船の墓場へ行く準備に向かう。
「こうして共に戦うのは久しぶりだな、アビドス。」
「あぁ。パラメキア帝国との戦争以来か・・・」
アビドスはアルベルト達と共に戦った日々を思い出す。
「ケルガー様、ガラフ様、ゼザ様、ドルガン様、ブラスカ様、ダンカン様、アレクサンダー様、リチャード様、暁の四戦士と、その同志達の意思を受け継いだ。決して負ける事は許されん。」
アビドスは拳を握り締め、決意を固める。
「本当に久しぶりね。こうして5人揃って戦いに行くっての。」
「楽しくなりそうだわ。パラメキアとの戦いの為に反乱軍を結成した時、仲間探しの旅をしていた頃、同じコテージで会話していた時の事を思い出すもの。」
バステトは5人で戦ってきた事や、互いに話し合っていた事の思い出を脳裏に耽っている。
そして、首に掛けているペンダントを見る。
そのペンダントはロケットペンダントになっており、当然中には写真が入っていた。
写真に写っていたのは、ピンク色の体毛をした猫だった。
「それに、学校を通っているあの娘の為にもね・・・」
バステトは写真の猫を優しい目つきで見て決心する。
準備を終えたジャッキー達は直ちに船の墓場へ出撃する。
『G.F(ガーディアン・フォース)ショートドラマ』は『ウルトラリリカルキュアファイト《リメイク》』でのみ執筆させていただきます。