期末試験が終わったので投稿速度上がると思います!
第二話
day1 03:00 quarter “archer”
一方通行は古びたアパートのバルコニーで、覚醒から今までに自分が行った検証について考えていた。
(まずこの「世界」には学園都市が存在しねェみてェだが)
学園都市が存在しないということは、能力どころか自身の生活に不可欠な
ミサカネットワークもこの世界には存在しないということになる。が、
(能力が問題なく使えるッつーことはこの『聖杯戦争』とやらが始まる前に
いけすかねェ『監督役』とやらが言ってたことの信憑性が俄然増すなァ…)
『監督役』。
一方通行がこの『世界』に現れた瞬間に目の前にいた眼鏡をかけた柔和な風貌の男。
『聖杯戦争』のルールや、自分のもとにいた世界に戻るには『聖杯』を手に入れる最後の一組となり、『聖杯』に帰還を望む他ないということを告げた聖杯戦争を引き起こした張本人かもしれない男。
(奴には俺の出せる全力をぶつけても相手にすらならなかった)
day0 ??:?? quarter “archer”sideM
「あ?」
どこだここは?
俺‐一方通行はあのガキと黄泉川に頼まれて買い物に出ていたはずだ。なのに…
なぜ俺はこんな‐ぼれェアパートにいる?
「体の調子はどうだ?人間の少年」
「ンだテメェは?」
俺の前には刀を逆手に持った眼鏡を掛け、気味の悪ィ薄ら笑いを顔に浮かべた
男がいた。
「あのガキを何処へやった?」
俺は思わず語気を強める。
あのガキに何かあったと判断すれば…
俺は迷わず。
こいつを殺す。
「さあ?何処だろうね?」
決めた。
こいつを殺さねぇ程度に痛めつけて吐かせる。
俺は首元の演算補助デバイスに手を伸ばし、通常モードから能力使用モードに
スイッチを切り替える。
眼鏡の男が何かブツブツ言ってやがッたが俺はもうそンなもン聞いていなかった。
能力が作動する。
ボロアパートの畳を足で蹴り、眼鏡の男に手を伸ばす。それだけで終わるはずだった。なのに‐
「話くらいちゃんと聞いたらどうだい?」
俺の一撃は全く奴に効いていなかった。
どういうことだ?あの野郎ォみてェに俺の能力を無効化したのか?
俺はもう一度、次は相手を殺すつもりで攻撃を繰り出す。
だが結果は変わらなかった。
「君の攻撃は僕には通用しないよ。」
男は相変わらず気味の悪ィ薄ら笑いを浮かべていやがる。
「君をここへ招いたのはとある戦争に参加してもらうためでね」
戦争?第三次世界大戦みてェなものか?
「君は…『聖杯戦争』というものを知っているかい?」
03:00 quarter “archer”
(『聖杯戦争』…か。全く信じられねェが現にマスターの証拠だッつー令呪とやらが左手に浮かびやがるし、ステータスウィンドウとやらが視えるし…なにがなんだか全く分からねェが…)
と考えていると、彼にしては珍しく、大きな欠伸をする。
「俺も一眠りするかァ」
この古びたアパートには今のところ住人が住んでいないようだったので、仮の寝床として使用している。現に一方通行のサーヴァントであるアーチャー‐佐々木千穂は室内でぐうぐうと眠っている。
(あんな号泣してたのにこんだけぐっすりと寝られるとはなァ…繊細なのか図太ェのか…)
一方通行は考えることを辞め、部屋に戻り、横になる。
その際少女と十分な距離をとることを彼は忘れない。
この辺がツンツンヘッドの某ヒーローとの違いなのかもしれない。
06:00 quarter“caster”
やけに騒がしい‐そう感じ、自称男の中の男‐リクこと市ノ宮行は目を覚ます。
「俺はどこに…」
彼は数時間前の事を思い出す。
(『監督役』とかいう胡散臭いいかにもって感じのな眼鏡の男に『聖杯戦争』
とかいういかにもって感じなもののルール説明をされ、固いコンクリートの上で
自称陰陽術師の電波少年の隣で目覚め、その少年が呼びかけるとケモ耳美女と
片腕しかないでかいおっさんが現れて…)
「お!やっとおっさん気が付いたか」
「おっ、おっさん!?」
とひょうきんな声をあげるリク。
「悪いんだけどちょっと隠れててくれない?今アンタに構っていられるほどの余裕がないんだ‐角行鬼、『敵』の迎撃に向かってくれ。俺もすぐに向かう。飛車丸、お前はこのおっさんを安全なところまで連れて行っておっさんを護衛していてくれ」
「まったく、鬼使いの荒い主君様だな」
「しかし春虎様、それでは春虎様が…」
隻腕の大男‐角行鬼が不満を言いつつ姿を消す一方、ケモ耳美女‐飛車丸が主君に異を唱える。
「大丈夫だって。角行鬼だっているし、いざとなったらお前を呼ぶから安心しろって」
「そういうことでしたら…さあそこの男!ついてきなさい!」
「おいちょっと待て!俺はまだおっさんって年齢じゃな…」
おい待て待てと『おっさん』発言を咎めるリクを強引に引っ張っていく飛車丸。
稀代の陰陽師・土御門夜光の生まれ変わりであるキャスター‐土御門春虎ははぁ…と深いため息をつくと
「俺もそろそろ行くか…」
と言い、消えた。
角行鬼のいるところ‐あるいは『敵』のいるところへ。
06:03 quarter“caster”
「おいでなすったか…」
角行鬼のいるところへ無数の紙‐聖書の一ページ一ページが吹き荒れる。
そこから現れたその大男は。
凶悪にして狂悪な笑みを浮かべていた。
「我に求めよ。さらば汝に諸々の国を嗣業として与え地の果てを汝の物として与えん。
汝、黒鉄の杖をもて彼らを打ち破り、陶工の器物のごとくに打ち砕かんと。
されば汝ら諸々の王よさとかれ、地の審判人よ教えを受けよ。
恐れをもて主につかえ、おののきをもて喜べ。
子に接吻せよ。恐らくは彼は怒りを放ち、汝ら途に滅びん。その怒りは速やかに燃ゆベければ。
全て彼により頼む者は幸いなり。」
男はこう呟きながら角行鬼に近づいていく。
その男の気迫と殺意は。
本物の『鬼』である角行鬼ですら身震いを禁じ得ないほどのものであった。
「我らは神の代理人。神罰の地上代行者。我らが使命は、我が神に逆らう愚者を、その肉の最後の一片までも絶滅すること。」
角行鬼が自分の全力をいつでも振るえるように身構える。
「AMEN!!」
その男の雄叫びによって戦いが始まった。
最初の血戦の火蓋が、切って落とされた。
最強で最恐で最凶で最狂の神父、登場。
この戦いはどうなるのか…!?