GIRLSCOMBAT   作:スフィラ

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趣味と妄想100%
文句は受け付けておりますが改善する気はないです


メイジ1

「トリガー」の第一印象はちっこいのが来たな、だった

基地の奴が迷子だと勘違いするくらいには幼く見える、そもそもこんな基地しかない島にどうやって迷子が出てくるんだか

まぁ俺も事前の情報がなけりゃ迷子かと思ったりしたかもしれないが

 

同時に入ってきたもう1人の新人「ブラウニー」と仲がいいのかいつも一緒にいた、でもあいつは無口だったからブラウニーの後ろをトコトコくっついているだけ、その様子をみて飼ってた犬みたいだと言ってた奴がいた、まぁパーソナルマークは銃を咥えた狼だからあながち間違いではないな

 

一週間ほどトリガーを見ていて、ブラウニーにライバル視されていることに気づいた、まぁでも仲は良い、2人で戦闘機動について話し合ってるところも見た、トリガーは模型を使っての身振り手振りでの会話だったが

 

ブラウニーの他には特に食堂の奴らと仲が良かった、お菓子作りが好きでよくキッチンに入り浸っては俺らに配り歩いてたからな

そんなわけで他の奴らとの関係も良好で犬を飼ってた奴は無性に頭を撫でたくなったらしい、とてもじゃないが養成学校での空戦の成績がいつも真面目なブラウニーが2位で、ほんわかしてるトリガーがトップだとは思えなかった、でも初の実戦でアイツが何故トップなのか理解したよ

 

第二次大陸戦争、『灯台戦争』でな

 

レーダサイトが破壊され、基地も攻撃された俺たちはスクランブルに上がった

 

「トリガー、君のコールサインはメイジ2だ。確認し、復唱せよ」

 

編隊長のノッカー、ブラウニー、ボガート、フットパッド、俺、トリガーの順に空へ上がりエレメントを組む

 

ノッカー、ブラウニー、ボガート、フッドパッドのゴーレム隊

 

俺、トリガーのメイジ隊

 

メイジ1は俺だがこの時はトリガーの腕前を見ようと後ろについた

AWACSスカイキーパーから敵の情報が伝達されトリガーに「行くぞ」と言おうとした時には、アフターバーナーを点火させ急激に増速しながら敵の爆撃機を追うトリガーが目に入った

急いで追いかけ始めた時にはトリガーは既に爆撃機を墜としてた、右の主翼を根本からぽっきりと折られた爆撃機が海面に吸い込まれていく

 

そんなのを気に留めずにトリガーは次の爆撃機の集団へと向かっていく

だが今度は護衛機もいる、先に攻撃を始めたボガートとフットパッドのミサイルを避け、1番前に出ていたトリガーへミサイルを放った

一瞬最悪の事態が頭をよぎるが、迫り来るミサイルをトリガーは自分の身体や機体への負荷を考えていないような急旋回で交わした

敵はトリガーの後ろを取ろうとするが、さっきの急旋回を繰り返され追跡を諦める

トリガーはその隙を見逃さず反転すると、薙ぎ払うようにして並んでいた2機に機関砲弾を浴びせた

1機は主翼を砲弾に食い破られ炎に巻かれながら墜ちていき、もう1機は尾翼に命中し、機動力が落ちたところをブラウニーが仕留める

 

護衛機を失った爆撃機はノッカーが墜とした

 

《全部隊、ターゲットが来たぞ、爆撃機だ》

 

「トリガーお前の腕なら十分やれる」

 

《クラウン、ひよっこを持ち上げるな、そういうのは終わってからにしろ》

 

ノッカーはそういうが、アイツならやれる、たった一回のドッグファイトを見ただけでもそう思えた

 

今度は爆撃機ではなく護衛機のほうに襲いかかる、上方からの不意打ちの機関砲で機体の至る所から炎と煙を吹き出し護衛機が墜ちていく

 

《メイジ2、機関砲残弾0!》

 

ここまで使い続けてきた機関砲の弾がとうとうなくなったことが、モニターしていたスカイキーパーから伝えられた

 

だが6本のミサイルがトリガーの翼に残ってる

 

1機をやる間に後ろについていた敵の背後をあっという間に取り返すと、逃げる敵の後ろをピッタリと張り付く、ミサイルが確実に当たる瞬間まで

敵のコックピットではロックオンアラートが鳴り響いているんだろう、どうにかしてトリガーを振り切ろうと急旋回を繰り返すが振り切れない

 

そして敵の方が限界を迎え、旋回をやめた瞬間、トリガーのミサイルが敵にに突き刺さり、機体を爆砕した

 

爆発炎の中からキャノピーだけが上方に打ち上げられる、脱出しようとしていたのだろう

 

既にトリガーは爆撃機を2機とも墜として次のターゲットへ向かっていた

 

結果、その戦闘でトリガーの撃墜数は爆撃機が3、戦闘機が5、文句なしのエースパイロットだ

俺か?俺はトリガーが護衛機の相手してるときに爆撃機を一機墜としただけさ

 

基地に戻った後、煤や敵機の油で汚れた機体をタラップで降りてくるトリガーを眺めた、あの小さい身体がどうやってあの急激な機動に耐えているのか

ずっと見てくる俺に気づいたのか、トリガーはこちらに笑顔を向けて手を振ってきたよ

正直ゾッとしたね、戦争とはいえ人殺しをしてきた直後に笑顔になるのは俺には無理だ

 

だけど同時にその笑顔にホッとしたよ

 

その後、ユージア大陸のIUNの基地とオーシアの軍港が爆撃を受けて戦争が始まったと知った、トリガーは驚きもしていなかった

 

そんなトリガーが取り乱したのは、初めてアーセナルバードと戦闘した時だな

敵の戦闘機を全滅させた後、急に現れたアーセナルバードと大量の無人機に参加していた部隊はどんどん疲弊し、被撃墜機まで出始めた

無人機と渡り合い、アーセナルバードに被害を与えていたのはトリガーだけだったな

 

そしてトリガーが初めて取り乱した出来事が起こったんだ

 

《こちらゴーレム3、ゴーレム2が被弾した!》

 

限界が来ていたブラウニーが被弾した瞬間、トリガーはアーセナルバードから離れてブラウニーに取り付いていた敵機を追い払った

直後にAPSが作動して巻き込まれたスケルトン隊が全滅、そこでやっと上が撤退指示を出した

 

《ゴーレム隊!メイジ隊!UAVを墜とせ!仲間をやらせるな!》

 

《ガーゴイル1!ゴーレム2をエスコートしろ!》

 

被弾したゴーレム2を下がらせ残った俺たちはUAVに取りつかれたガーゴイル隊の支援へ向かう

 

ブラウニーはトリガーへの対抗心からか残ろうとしたがノッカーに一喝されガーゴイル1と共に撤退を始めた

 

今となっちゃ遅すぎるがあの時ブラウニーのエスコートがトリガーだったらって思ったよ

 

異変が起きたのはUAVが少なくなってきた時だった

 

たった一機でこの空域に飛び込んで来たSu-30がいたんだ

そいつはあっという間にガーゴイル1を墜とし、ブラウニーの後ろを取った

 

無線からブラウニーの急激なGに耐える声がする

 

スカイキーパーが状況を伝えるように言うと、Su-30はブラウニーの後ろを取ったままミサイルも撃たずに、ずっと付いてくると言う

 

強気だったブラウニーの声がだんだんと怯えた声になってきた

 

その並々ならぬ状況にトリガーがブラウニーの援護に向かおうとするが、雲の中から新手のUAVが飛び出し、ガーゴイル隊に再び取り付いた

 

その為ブラウニーの援護に向かえず、ガーゴイルのエスコートに戻る

 

3回しかトリガーの戦闘を見てないが格段にトリガーの動きが良くなった、早く終わらせてブラウニーの援護に向かいたかったんだろうな

俺らも死ぬ気でUAVを墜としていった

 

だがUAVの数が減っていくのに比例してブラウニーの状況も悪化していく

 

《捕食者だ》

 

《弱い者が喰われる》

 

「落ち着け、ゴーレム2!」

 

《敵から離れろ!ゴーレム2!》

 

《メイジ2!援護を!》

 

《ッ‼︎》

 

《誰か》

 

《援護を!》

 

《ブラウニー‼︎》

 

UAVを全機墜としトリガーがブラウニーを呼ぶのと、無線機から破砕音が聞こえ、レーダーから光点が消えたのはほぼ同時だった

 

ビーコンは確認できない脱出できなかったってことだ

 

《うわぁぁぁぁあああああっ‼︎》

 

《ゴーレム2…ロスト》

 

無線からトリガーの叫び声が響く

 

《スカイキーパー、ブラウニーをやった奴は?》

 

《離れていく、追える者はいない》

 

《知るか‼︎墜としてやる!絶対に墜としてやるっ‼︎》

 

それでも追おうとするトリガーをスカイキーパーが止める

 

《無理だメイジ2!武器も燃料もないのにどうやって戦うんだ!》

 

《〜〜〜〜ッ‼︎》

 

バゴンと何かが壊れる音が聞こえ、直後にトリガーとの無線が途切れる

 

でも、トリガーはSu-30を追いかけようとはしなかった

ブラウニーの機体の残骸が燃えている上空を基地に戻れる燃料ギリギリまで旋回を続けていた

 

1番最後に戻ってきたトリガーを心配して基地でこれる奴は全員エプロンに来ていた

エンジンの音が聞こえなくなった機体からトリガーが降り、フラフラとした足取りでこちらへ向かってくる

 

「トリガー…大丈夫か?」

 

厨房の奴が声をかけるがそれを無視して更衣室へ向かっていく

誰もそれを追える奴はいなかった

 

しばらくしてデブリーフィングの為トリガーの自室へ呼びに行くと

中から泣き声が聞こえてきた

 

「トリガー、デブリーフィングだがどうする?」

 

そう言ったら部屋からもそもそと何かから這いずる音が聞こえて扉が開き、いつものフライトジャケットにスカートという私服のトリガーが出てきた

虚な目は泣いていたから真っ赤に腫れていて、無理なら来なくても良いぞと言おうとしたんだが、その前にすたすたとブリーフィングルームに向かっていった

 

危なっかしい状況だが上はそんな事考えてるわけもなく新しい任務が入ってくる

軌道エレベーターにいたハーリング元大統領の救出

一機だけで敷き詰められたレーダーを掻い潜ってエレベーターの下にある対空火器を排除して救出部隊のLZを確保、元大統領を救出するって作戦だった

 

その先陣を切る役はトリガーが任命された、大丈夫かと思ったが他にやれる奴もいなかったよ、不甲斐ないことにな

 

そしてトリガーは見事に救出部隊のLZを確保した、ここまでは良かったんだが救出部隊は全滅、元大統領は部下と一緒にエルジアの輸送機奪って逃げ出したがそこにアーセナルバードのUAVまでやってきて戦場は大混乱だ

 

その時だった、元大統領の乗った輸送機が被弾してコクピットはめちゃくちゃ、操縦していた元大統領の部下は死んだはずなのに、急に旋回して軌道エレベーターの方向へ飛び始めたんだ

 

護衛対象に逃げる気がないなら守りきれないがそうは言えないからな、必死こいて輸送機に取り付くUAVを追っ払ってたが

 

《メイジ2!メイジ2!》

 

輸送機が撃墜されたんだ

他の機体は全員トリガーのミサイルが当たったって言ってた、ゴーレムの奴らもだ

俺もトリガーはやってないって言う確信は持てずにいた、だから庇いきれずにいた

 

レーダーは乱戦すぎて証拠として役に立たなかったが目撃証言が多かった、結局トリガーは査問会議で懲罰部隊への転属になっちまった、ハーリング元大統領の殺害の罪でな

 

あいつが無実だって事はロングレンジ部隊の隊長としての活躍を聞いてからだった

 

もしもう一度会えるなら謝りたいよ

 

 

 

 

 

 

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