結果的に、物語の構成上オリジナルフォーム、またはオリジナル技に使用するメモリが必要と考えたので(その理由は今回で分かります)
「必要ない」にお答え頂いた方には申し訳ありませんが、自分なりに考えてみることにしました
もしかしたらオリジナル技に使用するだけかもしれませんが
そこは追々考えます
よろしくお願いします
「……10年前、風都タワーで起きた事件……俺が知ってる事でいいなら、話してやるよ」
「……」
「…あの日の夜に、何があったのか……」
最後の大事件…
10年前のある日、突如として風都タワーがテロリストによって占領された事件
しかし、一人のリコリスによって解決した
それ以降風都で大規模な事件は起きておらず
平和が保たれており、故に「最後の大事件」とも称されたものだ
今では風都タワーは「平和の象徴」として街にそびえ立っている
だが、この事件には一つ間違っている部分がある
それが…
「……っ」トゥルルル トゥルルル
「……」
俺が口を開こうとした瞬間
俺のスタッグフォンが鳴った
「…わ、わりぃ」
「いえ、私に構わず出てください」
「あ、あぁ…」
俺はたきなちゃんから少し離れてスタッグフォンをとった
「…なんだ?亜樹子ぉ」
『あ、翔太郎くん?君宛にお届け物があるよ』
「あ?俺に?」
『うんうん、なんか結構厳重なものみたいだから、翔太郎くん本人に開けてもらった方がいいと思って』
「…そうか…分かった、すぐ行く」
「…わりぃたきなちゃん、また今度な」
「……はい、ではまた今度」
夜道を歩いていくたきなちゃん
その背中は少しだけ寂しそうに見えた
「……ただいまぁ…」
「あ!翔太郎くんおかえり!」
鳴海探偵事務所に帰った俺は亜樹子が言っていた荷物らしき物に目をやる
「……何だこれ?」
ダンボールの中に入っていたジュラルミンケース
やけに重いと思ったのはこのせいか
「気を付けたまえ翔太郎、爆薬かもしれないぞ?」
「…マジであるかもしれないから怖いんだよなぁ……」
俺を煽るフィリップ
念の為距離を置いておくように言った
「……」ゴクッ
ジュラルミンケースのロックを外し、上のカバーに手を添える
「……あ…開けるぞ…!」
「……うんっ」
「……あぁ…」
「……っ!」
俺はケースを勢い良く開けた
その中に入っていたものとは……
第7話「Hの正体/仮面ライダーとは」
「……」
楠木は考えていた
この風都に蔓延るガイアメモリの噂
そして、その根源とも言えるあの事件の事を…
「……っ」
「司令、少しお話が」
「…フキか、何の用だ?」
「以前取り逃した仮面ライダー…奴を捕らえる作戦を思いつきました。その詳細について…っ」
「……」
フキの話を遮り掌を出す楠木
「…司令?」
「……フキ、あの夜の事を覚えているか?」
「…10年前のあの日ですか?…よく覚えています。あの事件で何人ものリコリスが死亡しました…」
「……そうだな」
「優秀なリコリスは何人もいたのに……それを失ってしまった悲しみは拭いきれません」
「……」
楠木は窓の外を見つめ、風都タワーが写る景色を眺めた
「…………荘吉…」
「…え?」
「……なんでもない。私は急ぎの用事がある、話はまた今度聞く」
そう言って司令室を後にする楠木
フキは司令室に取り残され、俯いていた
「……司令…」
「……」
《世の中には数えなければいけないものがある……ひとつはコーヒーを入れる時の時間、ひとつは今月の赤字金額……そしてもうひとつが…》
「……」
荘吉…私はまだ数える覚悟がない
これまでにいくつもの命が私の目の前で亡くなってきた
そんな彼女たちの視線が、私をいつまでたっても消えない
それに、今更数えたところで彼女たちの命が帰ってくるわけでもない…
もう無理だ…
手遅れなんだ…
《…お前の罪を、数えろ》
「……私の…罪……っ!?」
楠木の歩いていた通路の前
暗い場所から革ジャンを着た男が不敵な笑みで近付いて来ていた
「へへへ…見つけたぜぇ?DA総司令!」
「…なぜ私の事を?」
「あんたの事を調べてた奴がいてなぁ…そいつに情報提供させてもらったぜ?へっへっへ!」
「…っ…貴様、見張りはどうした!?」
「…死んでもらったぜぇ」
「なにっ!?」
「…俺の…毒針でなぁ!」
《 HORNET!》
ガイアメモリを右手の甲に差す男は
スズメバチの容姿を捉えたドーパントへと変貌した
「っ!?」
「グッへっへ!さぁ!祭りの始まりだァ!」
「……はぁ…」
たきなは翔太郎との会話の後、1人で時間を潰していた
リコリコに帰れば、千束やみんながいる
だが、今回のウォールナット事件でたきなは思った
千束が大事としている、命大事に
この方針にたきなは納得出来ていなかった
殺られる前に、相手を殺る
リコリスをしていて散々叩き込まれた常識を
彼女は簡単に覆した
風都一のリコリスと聞いて来たが、その全貌はとてもじゃないが、たきなが憧れとするリコリスとは程遠いイメージだったのだ
「……またDAに戻りたい…」
それが彼女の願いだった
喫茶リコリコで功績を伸ばし、DAへの復帰を望んでいた
しかし千束はそれを良しとはしない
千束の価値観も彼女とは少し違うみたいだ
「……ふぅ……ん?」
そろそろ帰ろうと思ったその矢先
道路に足をもたつかせて歩くサードリコリスがいた
「…っ!」
すると、そのリコリスはたきなを見ると倒れてしまった
よく見ると顔の半分は紫色に変色し、腕には裂傷も確認した
「ちょっと…!」
たきなは彼女に近付き、救急車を呼ぼうとしたその時
彼女がたきなの腕を掴みこう言った
「…し…司令が……ドーパントに…!」
「…っ!」
私はその言葉を聞いた瞬間にDAの本部へと足を進めた
「…っ」プルルル プルルル
千束…!
気付いてください!
千束に電話をかけるたきな
しかし……
「おらっ!よっ!」
「ほっ!なかなかやるなっ!」
「でしょ〜!」
プルルル プルルル
テレビゲームに夢中の千束とクルミ
どちらとも着信には気付いていなかった
「…もうっ!」
たきなは走るスピードを変えずに突き進む
相手はドーパント…
どんな能力を使うかも変わらない
でも…
でも、私一人でも…!
「……これは…?」
亜樹子が不思議そうにジュラルミンケースの中を覗く
「……ガイアメモリ!?」
「…っ」
「……そういう事か」
「なになに!?私聞いてない!」
送られてきたのは6本の次世代型メモリ
そして…
「……フクロウのチャーム…!」
「……ハァ…ハァ」
「はっはっはっ!効かねぇなぁ!」
「…くっ…」
銃弾をホーネット・ドーパントに打ち込む楠木
しかし、ホーネットの身体はそれを弾いていた
「どうだぁ?強力な毒にこの硬い装甲…お前たちDAなんかが敵う相手じゃねぇぜ?」
「…黙れ!」
楠木が撃った弾がホーネットの頭に直撃する
「…あぁ〜…物分りの悪いババァだなぁ…」
「…っ!」
しかし、ホーネットは平然と立っていた
「お・か・え・し・だっ!」
「ぐっ…!」
ホーネットの右腕から毒針が発射され、楠木の左肩に直撃した
「がっ…!」
「どうだ?痛いだろぉ!俺の毒針は1度刺さると全身麻痺を起こし、2度刺さると…死だ。あっはっはっ!」
「…貴様…それでリコリスを…!」
「…今更何言ってやがる?」
「…っ?」
「貴様らDAは、リコリスを殺しの道具としてしか見てないんだろ?」
「…っ!?」
《こんな小さな子を殺しの道具に使うとは……許せん》
「今更俺が殺したところで、使い捨てにされたリコリス共の命と価値は変わらねぇ……俺が殺したんじゃない…お前が殺したんだぁ!」
「…くっ…!」
《それがお前の、罪だぜ…》
「さぁ!懺悔しなぁ!?そして死ねぇ!」
「……っ」
毒針を発射するホーネット
楠木は目を閉じ最期の時を待った
「……荘吉…!」
「……あぁ!?」
「……っ?」
しかし、楠木に攻撃は当たらなかった
発射された毒針が何者かによって弾かれたからだった
「……ハァ…ハァ」
「…たきな…!?」
「司令!大丈夫ですか!?」
「…俺の毒針を…こんな容易く…!」
駆け付けたたきなが、自慢の射的力で毒針を撃ち落としたのだ
「司令!そこから離れてください!」
「それは無理だ!この俺の毒針を喰らって動ける奴はいねぇ!……それに、時間が経てば毒が回っていずれ死ぬしな」
「なにっ!?」
「……」
ぐったりする楠木を見てたきなはすぐさま銃を乱発した
「くっ…小賢しい真似を!」
ホーネットが打ち込む毒針を避けながら、たきなは楠木に近寄る
「……何しに来た」
「助けに来ました。他のリコリスが決死の思いで私に伝えたんです」
「……千束は…?」
「多分、リコリコでゲームをやってます。最近流行ってるやつを」
「…ハッ…アイツらしいな」
「…暫く眠っててください」
「……あぁ…そうするよ…」
目を閉じた楠木
それを確認したたきなはホーネットに目をやる
「…あぁ〜…イライラしてくるぜぇ…俺の邪魔をする奴は、全員懺悔しろぉ!」
発射される毒針
たきなはそれを銃で撃ち落とす
「……私はセカンドリコリス…井ノ上たきな」
「…あ?何だ急に」
「…私のプライドに掛けて…貴方を始末します!」
「……このフクロウのチャームは…!」
ウォッチャマンが言ってた、アランチルドレンが付けてたやつだ
「これが翔太郎の元に送られてきた…つまり、君はアラン機関に選ばれたってことか」
「それにこのガイアメモリ…俺たちがダブルの正体だって知ってるって事だろ…とんだ煽り文だぜ」
「アラン機関からの挑戦状…という事だね」
「…やってやるよ!…この街は俺たちが守ってみせる……この街の涙はもう見たくねぇ!」
「僕も同感だ、翔太郎」
「わ、私も!」
新たな覚悟を決めた翔太郎たち
しかし、次の瞬間…
「…っ!」
「…どうしたんだい?翔太郎」
「わ…わかんねぇ!でも…!」
身体が言う事を聞かねぇ!
ってかこれ…!?
「待ってくれ翔太郎!何処に行くんだい!?」
「わかんねぇ!身体が勝手にぃ!」
「うおっ!」
ジュラルミンケースに入っていたメモリを持って颯爽と事務所を後にした翔太郎
翔太郎の身体は流れるようにバイクにまたがり、ハードボイルダーを発進させた
「パペティアのメモリの力か?にしても、翔太郎の意識は正常だった……という事は…」
翔太郎の身体が…誰かに乗っ取られた…?
「誰か止めてくれぇ!」
俺の意思とは裏腹にスピードを上げていくハードボイルダー
車や人をかき分けてどんどんと進んでいく
「止まれぇ!」
すると、ハードボイルダーは停止した
「おっ…止まった……うおっ!」
しかし、まだ身体は自由になっていない
俺はこのまま何処に行くんだ!?
「がははは!死して償え!」
「くっ…!」
ドーパント!?…と、たきなちゃん!?
建物の窓からガラスを割って出てきたのは蜂のような見た目のドーパントと、傷だらけのたきなちゃんだった
「…っ」
そして俺は気付いた
身体が自由になっている事を
「たきなちゃん!」
「…左さん!?」
俺に気付いたたきなちゃん
しかし、まだドーパントと戦っている
「離れててください!こいつは私が!」
「そんな事言ってる場合じゃないだろ!傷だらけじゃないか!」
「ほっといてください!私は…私の願いを叶えます!」
「…っ」
俺は気付いた
たきなちゃんの瞳には、微かに涙が浮かんでいた
「小賢しいガキだ!ここで粛清してやる!」
ドーパントがたきなちゃんに毒針のようなものを発射させた
「…っ!」
「スタッグ!」
俺はスタッグフォンにキジメモリのスタッグを差し込んだ
スタッグフォンはクワガタの形状に変化し、飛行し毒針を防いだ
「…っ!?」
「スパイダー!」
続けてスパイダーショックをライブモードにしてドーパントに向けて糸を吐いた
ドーパントはスパイダーショックの糸でぐるぐる巻きにされた
「てめっ!なんだこのぉ!」
「……たきなちゃん…君にはそのぉ…我慢が足りないな」
「…え?」
俺はたきなちゃんに近寄り、肩に手を置いた
「いいか?たきなちゃん…俺も昔は我慢なんて嫌いだった……でもな、ある事を思うと…不思議と我慢出来たんだ」
「……?」
「…大切な人を思いやる事だ」
「……っ」
「だから、俺はこの街のみんなを泣かせない為に、いつも必死に我慢してきた……みんなに俺たちの秘密がバレないように、必死だった…」
「……」
「…でもな、たきなちゃん……俺はもう…」
「……」
「…我慢の限界だ!」
俺はダブルドライバーを装着した
「…もう既に目の前で一人の女の子が泣きそうになってるのを見たら…もう我慢なんか出来ねぇよ……だから…!」
俺は帽子を取ってたきなちゃんの頭に被せた
「この帽子を君に預ける。遠くに行って、助けを呼ぶんだ」
「…えっ?」
「…たきなちゃん……俺は何をやっても上手くいかない男だ…出来るのはせいぜい猫探しやペット探し……でも、俺に出来ることは少なくても、俺にしか出来ないことがあるって信じてる」
「……っ」
「…君にもあるだろ?そういうの」
「……私は…」
「えぇぇい!小賢しい真似を!許さん!」
「っ!?」
スパイダーショックの拘束を解いたドーパントは毒針を再び飛ばしてきた
「……フッ…来たか」
「なにっ!?」
俺の目の前に現れた鳥型のガイアメモリ
エクストリームメモリが毒針を防いだ
こいつが来たってことは……
「……」
「悪ぃな相棒、迷惑掛けて」
「問題ない、君は根っからのトラブルメーカーだからね」
「ハハッ…言ってくれるぜ」
エクストリームメモリからフィリップの肉体が転送される
「……あの…貴方は?」
「僕はフィリップ。初めましてだね、井ノ上たきな」
「…は、はい」
まさかこの2人の初絡みがこんな場面とはな…
「状況は呑み込んでるか?相棒」
「あぁ、大体分かった」
「そんじゃ、いつもみたいにいくぞ!」
「あぁ!」
『CYCLONE!』「JOKER!」
「「変身ッ!」」
サイクロン!ジョーカー!
仮面ライダーダブルへと変身する俺たち
そんな俺たちを見てたきなちゃんは驚いていた
無理もない
「…左さん達が…仮面ライダー…!?」
「『仮面ライダーダブル!さぁ、お前の罪を数えろ!』」
次回
第9話「Hの正体/託された帽子」
これで決まりだ!