仮面ライダーW/L・R   作:キャメル16世

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今回の「H」には、「Hacker(ハッカー)」、「はんぶんこ怪人(左翔太郎)」の意味合いがあります。

今回オリジナルフォームが出てきます
苦手な方は閲覧に注意してください

よろしくお願いします。



第9話「Hの正体/託された帽子」

「…左さん達が…仮面ライダー…!?」

「『仮面ライダーダブル!さぁ、お前の罪を数えろ!』」

「…そうか…貴様が仮面ライダーかぁ!」

毒針を連発して射出するドーパント

 

『翔太郎、奴は「ホーネット」。スズメバチのドーパントだ!』

「毒針ってわけね…だったらこいつだ!」

 

「 METAL!」

 

サイクロン!メタル!

 

左半身が銀色へと変化するダブル

メタルシャフトで射出された毒針を弾く

 

「っ!」

『どうしてDAを襲ったんだい?……君は誰だ』

「…ヘッ!…噂の仮面ライダー様でも、俺の正体は分からねぇとなぁ!いい気味だぜぇ!」

『…あいにく、君のような邪道な人間とは話したくもない。さっさと正体を教えた方が君の身の為だと思うけど?』

「おい、フィリップ…少し興奮しすぎだぞ」

『…ここに来る途中、何人ものリコリスが道中で倒れているのを見た。毒に犯され、とても苦しそうだった…』

「そうさ!俺は奴らにはとことん苦しんでから死ぬようにしといてやったのさ!俺の毒針は1度刺さると全身麻痺を起こすが、時間が経てば毒が身体を回って徐々に蝕んでいく……想像しただけでワクワクするだろぉ!?」

『クッ…このっ!』

「落ち着けフィリップ!」

『…あぁ…一刻も早くこいつを倒して毒の効果を無くさないと…!』

「あぁ!」

 

『 HEAT!』

 

ヒート!メタル!

 

「…たきなちゃん!君はこいつにやられたリコリスの応急処置を!」

『君なら毒が回らないようにする方法も知っている筈だ!』

「…分かりましたっ!」

たきなちゃんは建物の中に走り去って行った

 

「俺を倒すだとぉ?笑わせるな!俺はこれまでに、何人ものリコリスを殺してきたんだ!今更てめぇなんかに殺られるか!」

「『……』」

「あいつらは罪を背負った人間だ…生きている価値なんてねぇ!だから俺が制裁を下すんだよ!邪魔すんな!」

『…罪を背負った人間だからこそ、それを償う責任がある』

「…それだけで充分、彼女たちには生きる価値がある!」

 

メタル!マキシマムドライブ!

 

「散々人の命を奪ってきたからこそ、人の命の尊さを誰よりも知っている。それがリコリスだ!」

『僕が彼女たちを毛嫌いしていた理由が分かったよ…昔の僕と似ているからだ……でももう、彼女たちに対する憂いは全て晴れた!』

「…っ!?」

「『メタルブランディング!はぁぁあ!』」

メタルシャフトの先端から炎が吹き出し、炎の勢いのまま俺たちはホーネットに必殺技を打ち込んだ

 

 

 

第9話「Hの正体/託された帽子」

 

 

 

「……どうだ!?」

『……』

「…だははは…なかなかやるじゃねぇか…仮面ライダー」

「なにっ!?」

『なんという装甲の硬さだ…メタルブランディングの攻撃をものともしないとは…!』

「はっはっはっ!お返しだァ!」

右腕から毒針を射出するホーネット

 

「ぐっ!」

『翔太郎っ!』

「かはははは!まずは1発だァ!」

毒針がダブルの腹部に刺さる

全身に何かが血流に逆らって流れてくるみたいで気持ちが悪い

 

「くっ…!」

『翔太郎っ!しっかりしろ!翔太郎!』

「…くっ…フィリップ…!」

『翔太郎!交代だ!ファングで行こう!』

「…いや…そんな事してる暇はねぇ…2人とも死んじまうぞ!」

『…じゃあ一体どうすれば…!……そうだ…!』

ダブルの右腕は懐からピンク色のメモリを取り出した

イニシャルは「T」

 

「…フィリップ…それは…!?」

『アラン機関が送って来た、新たなメモリさ!これで君の身体を…!』

「…やめろフィリップ!…そんな事したら…敵の思う壺だぞ!」

『…君の命が最優先だ!』

 

『 THERAPY!』

 

フィリップはセラピーメモリを起動させ、マキシマムスロットに差し込んだ

 

セラピー!マキシマムドライブ!

 

「がぁぁぁぁあ!」

『少しの間、我慢してくれ…!』

ピンク色のオーラがマキシマムスロットから溢れる

それがダブルを包容した

 

「『……』」

「…死んだ…か?」

「『…いや、生きてるさ…!』」

「っ!?」

 

ダブルはメタルシャフトでホーネットを攻撃する

怯んだホーネットを見て俺は少し驚いていた

 

「…すげぇな…マジで治っちまったぜ…」

『「治療の記憶」を持つセラピーメモリ…とても強力なメモリだ。しかし、何故それをアラン機関が…?』

「今はそんな事良いだろ?相棒」

『…あぁ、考え事は勝った後にね』

「あぁ!?」

 

続いてダブルはオレンジ色のメモリを取り出し起動させた

 

「 DRILL!」

 

ヒート!ドリル!

 

ダブルは左半身をオレンジ色へと変化させ、左肩にはドリル型の武器、「ドリルクラッシャー」が生成された

仮面ライダーダブル ヒートドリルが完成した

 

「ドリルのメモリか…これならあいつの殻も破れそうだぜ…!」

『これもとても強力なメモリだ!気を付けて使いたまえ!』

「あぁ!」

「…ほざけぇ!」

「…今度こそ…!」

「『…さぁ!お前の罪を数えろ!』」

 

 

「……あれ、たきなから着信来てるや」

「たきなの方からあんたに電話なんて、よっぽど急ぎの用事だったんじゃなーい?」

「まーさかまさか!たきなもきっと私の声を聞きたくなったのさ〜!」プルルル プルルル

たきなからの不在着信に気付いた千束

折り返しの電話をかけると、たきなの息切れした声が聞こえた

 

「あ!たきなぁ〜?どうしたのさぁ〜こんな時間に電話なんか掛けてきて〜私の声でも聞きたく──」

『DAがドーパントに襲われました!』

「っ!」

 

その声を聞いた瞬間、千束は喫茶リコリコを後にした

 

「…早っ」

置いていかれたミズキは何処にいるのかも分からないミカに電話をかけた

 

「あ、もしもし〜?ミカァ〜?……大事件よ」

 

 

 

「たきな!今どういう状況!?」

『何人ものリコリスが襲われ、司令も傷を負いました』

「楠木さんも!?…待ってて!今そっち向かってるから!」

『それと、ひだ……仮面ライダーがドーパントと交戦中です!』

「オッケ!たきなは負傷者の応急処置をお願い!」

『今やってます!』ピッ

 

たきなとの電話を切った千束は全速力で街中を走った

すると、路駐していた車の窓が開き

声をかけられた

 

「何か困り事かな?千束ちゃん」

「ヨシさん!?」

車の中から吉村シンジが声を掛けて来たのだ

 

「ヨシさんお願い!連れて行って欲しいところが!」

「…良いだろう。出してくれ」

「はい」

千束が車に乗ったところで車を発車する姫蒲

 

「……ところで、一体どんな用事なんだい?」

「え?あ、あぁ…ちょっと塾があってぇ〜…」

「…そうか。こんな時間から大変だね…あまり今期詰めすぎないようにね」

「は、はぁ〜い…」

 

 

 

「……司令……司令っ!」

「…なんだ…もう少し静かに出来んのか…?」

「す、すみません!」

眠っていた楠木を起こしたのはフキだった

 

「……フキか……たきなは…?」

「今、他のリコリスたちの応急処置に向かいました。それと、仮面ライダーがドーパントと交戦しています」

「……そうか…余計な事をするもんだな」

「奴がドーパントを倒したところで、捕らえますか?」

「…いや、今回は見逃してやろう…私もこの状態だ。生き残るのかどうかも分からん…最悪死ぬかもな」

「そんなっ…!」

「そんな事にはさせませんよ」

すると、傷だらけのたきなが2人の前に現れた

 

「っ!たきな…!」

「……」

「…貴方には、色々と言いたいこともある。ここでくたばってもらっては困ります」

「……そうか」

楠木の肩を持って運ぶ2人

 

「…しっかり支えろよ?司令になんかあったら私がお前をぶっ殺す」

「これでも最大限守ったつもりですが……貴方も来るの遅かったですよね?」

「…あぁっ!?」

「やめんか…こんな状況での喧嘩はあまりにも不毛だ」

「…す、すみません…」

「……」

「…それよりたきな…ずっと気になってたが…その帽子はなんだ?」

「…っ」

たきなは翔太郎から預かった帽子の鍔を持った

 

「……これは…」

「……」

「……約束の証です」

「…そうか。似合ってないぞ」

 

 

「おらっ!」

「ぐっ!」

「もういっちょ!」

「くはっ!」

右手に持ったドリルクラッシャーで炎を纏った攻撃を繰り出すダブル

 

「おのれっ!」

「はっ!」

「なにっ!?」

毒針をドリルクラッシャーで弾き飛ばすダブル

 

「……さてと、ここまでだぜ?」

「…ふざけるな…ここで終わってたまるかぁ!」

「『…っ!』」

ホーネットは羽をばたつかせて飛び立とうとしていた

 

「…へへへ…お前らとはおさらば……あぁっ!?」

しかし、何者かがホーネットの羽を撃って動きを封じた

 

「誰だっ!?」

『…っ…彼女は!?』

「……ふぅ…」

ホーネットを撃ったのは千束ちゃんだった

 

「おつかれ様!仮面ライダー!」

「何でここに!?」

「私の相棒が呼んでくれたの!貴方はあっちに集中!」

「…あ、あぁ!」

「このっ…小娘がぁ!」

「…っ」

千束ちゃん向けて毒針を何本も発射するホーネット

 

「…っ…危ねぇ!」

「……っ」

千束ちゃんの顔目掛けて発射された毒針

しかし、千束ちゃんはその全てを避けきった

 

「なにっ!?」

『…ほぉ…興味深い…』

「貴様…よくも俺の毒針をぉ!」

「…うちの相棒の方が、もっと正確に撃てるけどね……仮面ライダー!トドメやっちゃって!」

『翔太郎!メモリブレイクだ!』

「あぁ!」

 

ダブルはドリルクラッシャーにドリルメモリを差し込んだ

 

ドリル!マキシマムドライブ!

 

ドリルクラッシャーのドリル部分が回転し、そこに炎が纏う

 

「よぉ〜し!技名は「ドリルスマッシュレイン」でどうだ!?」

『了解した!』

「『ドリルスマッシュレイン!はぁぁあ!』」

ドリルクラッシャーに纏った炎のエネルギーがそのままホーネットの方へと発射される

ダブルはその後を追い、炎のエネルギー攻撃とドリル攻撃の2連撃でドーパントを倒した

 

「ぐわぁぁぁあ!」

ホーネットの正体は革ジャンを着た男だった

男の近くには破損したメモリが落ちていた

 

「…ぐっ……」

『…それじゃ、あとは頼んだよ?リコリス』

「いいのかよ相棒、リコリスに任せて」

『…彼の後始末を彼女に任せるのが適任と思うのは、僕だけかい?』

「…ハッ…そうだな〜……あとは頼んだぜ?リコリス」

「うんっ!仮面ライダーも気をつけて!」

「『…あぁ!』」

 

ダブルは変身した状態のままハードボイルダーにまたがった

 

「…ここまで来れば大丈夫か」

ダブルはダブルドライバーからメモリを抜き出し

変身を解除した

 

「…ドリルメモリ…強ぇな…」

「あのっ!」

「うわっ!?」

すると、そばに来ていたたきなちゃんが声を掛けてきた

 

「た、たきなちゃん……」

「…貴方が…仮面ライダーだったんですね…」

「…あぁ…この事は内密に…」

「凄いです!」

「…え?」

予想していた反応とは違った事に俺は驚いた

 

「人知れずドーパントと戦う超人…やはり凄い人だったんですねっ!」

「い、いやぁ…それほどでもぉ…」

若い女の子に褒められて嬉しくないわけが無い

 

「…私は…早くDAに戻りたいんです……だから、司令を助ければ復帰に近付くと考えたのですが……」

「……仲間を見殺しにしたのか?」

「……はい」

「…それが君の罪か?」

「…はい」

「……それが分かってるのなら、いいと思うぜ」

「…え?」

俺はヘルメットを被り、バイクのエンジンを入れた

 

「…でも、きっと君にはまだまだ罪がある。それを今から数えるんだ」

「……私の…罪を…」

「…さぁ…君の罪を数えな……」

 

俺はそう言って颯爽と去って行った

決まったぜ

 

 

 

「……あ」

帽子……返すの忘れてた…

 

「……フフッ」

 

 

事件は終わった

ホーネットに襲われた人々も身体から毒素は抜け、今は正常な健康状態になっているらしい

ただ、それでも間に合わなかった人もいる

その人たちの命は、俺たちが報いるしかない

 

この街のために死んで行ったリコリスたちの命を…

 

「…こんにちは〜!」

「お、来たか千束ちゃん」

「いつも通り差し入れに来ましたよぉ〜」

コーヒーの配達に来てくれた千束ちゃん

そして…

 

「こんにちは」

「……たきなちゃん…」

すると、たきなちゃんは俺に耳打ちで伝えて来た

 

「…貴方達のこと、まだ誰にも話してませんから……でも、DAは貴方達のことを躍起になって探しています。気をつけてください」

「……あぁ、忠告ありがとうな…たきなちゃん」

耳打ち終わって彼女の顔を見ると、少しだけ不服そうだった

 

「……たきな」

「…え?」

「…私の事は、たきなって呼んでください」

「…そうか…たきな」

「はいっ!」

「いや食い気味!」

食い気味に返事をしたたきなに俺はツッコミを入れた

 

「え!?なになに!?2人ともいつの間にそんな仲良くなったの!?翔太郎さん!私の事も呼び捨てで呼んでよ〜」

「分かった分かった!千束、たきな」

「…うんっ!」

「はいっ!」

「…これからもよろしくな!」

 

 

 

『……検索を始めよう……キーワードは…』

「地球の本棚」にて検索を始めたフィリップ

彼の頭の中で、ひとつの仮説が生まれていた

 

『……ガイアメモリ…取引……そして…』

フィリップは最後のキーワードを言い放った

 

『……アランチルドレン』




次回

第10話「勝敗はMで/元相棒の決意」

これで決まりだ!
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