ただ、ダブル方面には力を入れた回です
「ふっははは!」
「このっ!ちょこまか動きやがって!」
「ほら〜!こっちだこっち〜!」
館内を動き回るトラップ・ドーパント
ダブルは奴を必死に追い掛けた
『……』
「…このぉ!」
『 LUNA!』「 TRIGGER!」
ルナ!トリガー!
仮面ライダーW ルナトリガーへと変化するダブル
トリガーマグナムから放たれる光弾には追尾機能があり、標的を必ず射撃する
「これでも喰らえ!」
「ぐはっ!」
光弾が着実にトラップに攻撃を与える
「…へへへ…やるね〜」
「随分と余裕そうだなぁ…そんなに楽しいのか?」
「あぁ〜せっかくの休日だからね〜思う存分楽しまなきゃ損だ!」
『……』
「…その通りだ…お前のせいで滅茶苦茶だけどなっ!」
「ぐはっ!」
トラップの戯言に構わず攻撃するダブル
「…さて、観念してメモリを渡すんだなぁ」
『待ってくれ翔太郎!何か様子が変だ…!』
「あ?何がだ?」
『…僕らがいるここ、さっきまで人が沢山居た筈だ』
「そりゃぁ…逃げたんじゃねぇのか?ドーパントが現れたから…」
『…いいや…それにしても静かすぎる!まるで…何処かに消えてしまったかのようだ!』
「…なにっ?」
「…くくく…くふふふ…くははははは!」
ダブルの会話に、トラップが反応した
「てめぇ…ここの客に何しやがった!」
「…あいつらは餌食になったのさ……俺の罠のなぁ!」
「なにっ!?」
「俺の能力は相手を落とし穴に落っことして二度と出てこれなくする事だ!」
『…落とし穴?』
「ここの客は全員俺の落とし穴に落っこち…俺が作り出した亜空間の中にいる……つまり
「…テリトリーだと!?ふざけんな!」
『翔太郎!それ以上進んだら…!』
「なっ!?」
ダブルが左足を出した瞬間、ダブルの周りの地面がバラエティ番組のような落とし穴のようにパカッと開いた
「くっ…あ、あっぶねぇ!」
何とか間一髪で縁を掴む事で出来たが…
「…ははは!滑稽だな!仮面ライダーがよぉ!」
「くっ…ふざけんな…!」
見下すトラップ
ダブルの縁を掴んでいる左手を踏み潰す
「ぐっ…!」
「俺にはな…誰にも手出しは出来ねぇ……精々穴の中で、一生悔やんでなぁ!」
「よ、よせ!やめろォ!」
「はぁっ!」
「『わぁぁぁぁぁ……!』」
ダブルが掴んだ手を引き剥がしたトラップ
ダブルは穴底に消え、地面の穴が塞がった
「…ははは…これで邪魔者は居なくなった……さぁ!楽しもうかぁ!ははははは!」
第14話「休日のT/仕組まれた罠」
「……確かに同じですね」
たきなは千束から預かったフクロウのチャームと、ネットの記事に載っているアランチルドレンが身に付けているネックレスを見比べた
正しく同じ柄、同じ造形のチャームだった
このチャームを送られた者には、何かしらの才能があると言われているのと同じ…
つまり、千束にも才能が…
「…なんの才能があるんですか?」
「わからな〜い?」
千束は決めポーズをして背後のセクシーポスターと見比べさせる
「それじゃないのは分かります」
「…自分の才能が何とか分かるぅ?」
「何かあるといいですけど…」
「そんな感じでしょ?」
「んで、見つかったんですか?これくれた人」
「…いいやぁ〜?」
「……10年も探して?」
「…もう…会えないかもね」
たきなからチャームを返してもらった千束
だがその表情は曇っていた
「……ありがとうって言いたいだけなんだけど…」
「……」
千束……
「……っ…いててて…どうなってやがる?」
目を覚ました翔太郎は辺りを見渡す
見渡す限りの暗闇
真っ暗な空間が翔太郎を覆っていた
「……フィリップ…聞こえてるか?」
『あぁ、そっちは問題ないかい?』
「あぁ…まぁ、なんとかなぁ……そっちも大丈夫か!?」
左肩をならして調子を戻す翔太郎
すぐさまフィリップの心配をする
ドーパントの傍で変身したいうことは、あいつの身体はドーパントの傍にある…
なんかされてなきゃ良いが…
『問題ない、どうやらトラップも姿を隠したようだ』
「…そうか…俺を落っことして油断してんのかもな……」
『トラップ・ドーパント…まさかこんな力があったなんて…トラップはトラップでも、まさか落とし穴を司る方とは…予想外だった…』
「なんとかここを脱出出来ねぇかなぁ?検索頼めるか?相棒」
『あぁ…』
俺はダブルドライバーを腰から外して亜空間の中を見る
無闇に動くと危ない
しかし光もないから先も見えない
「……こういう時に便利なんだよな…コイツらは」
《スタッグ!》《バット!》《スパイダー!》
《フロッグ!》《デンデン!》
俺はメモリガジェット一式をライブモードにして捜索を頼んだ
「なんか見つけたら教えてくれ〜…」
まぁ、何も見つからねぇと思うが…
「……」
「…あれ?フィリップくん翔太郎くんは?」
「ドーパントに襲われた……今奴が作った亜空間の中にいる」
「えぇ!?それ大丈夫なの!?」
「…心配さ…でも安否は確認した。まずは相手の事を検索する」
フィリップは鳴海探偵事務所へと帰り、ガレージへと行き「地球の本棚」の中に入る
『……検索を始めよう。知りたい項目は、亜空間からの脱出方法……最初のキーワードは、落とし穴』
本棚が移動していく
『…暗闇……亜空間…』
なかなかに定まらない…
一体翔太郎は何処にいるんだ?
やっぱりファングで戦ってメモリブレイクするのが妥当なのか…?
でも、それは僕の勘がやめろと言っている
あいつ自身を攻撃してはダメな気がする
『…追加キーワードは、攻撃』
本が残らない…やっぱりこの方法では翔太郎は救えない…
『…追加キーワードをリセット……次のキーワードは…』
《…あいつらは餌食になったのさ……俺の罠のなぁ!》
《ここは俺のテリトリーとなった!》
僕はトラップのその言葉と、ペンギンが飼育員に餌を貰うシーンを思い浮かべ、閃いた
『……そうか!……追加キーワードは、食事だ!』
「……ん」
俺がメモリガジェットの帰りを待っていると、スタッグフォンが何かを見つけたようだ
俺は急いでスタッグフォンの後を追い、そこには人影が見えた
「おい!あんた!」
「……あ」
「…っ…君は!この間のリコリスぅ!?」
そこに居たのは、前にマーキュリーから助けたオレンジ髪のリコリスだった
「あ、貴方は…!」
「この間は大丈夫だったか?その後も」
「はい、お陰様で…でも……またやられちゃいました」
「…今度も厄介なドーパントみたいだな……ってか、なんで君がここに?」
「ドーパントの落とし穴に落ちて…私以外にも……」
エリカが振り向くと、翔太郎は彼女の目線の先を見た
そして目が慣れてきた翔太郎は仰天した
「……こ、これは…」
「あの水族館に来ていたお客達です…みんなドーパントに襲われて……」
「……っ」
亜空間に来ていたのは少なくとも百人はいる一般人だった
あいつが作り出した亜空間ってのはひとつなのか…!
って事はあいつを倒せばここの全員が助かるって訳か!
そうなったらファングジョーカーの出ば……!?
すると、俺の肩に何か温かい液体のような物が掛かった
「……えっ?」
次の瞬間、亜空間が歪み揺れだした
「なっ!なんだぁ!?」
そして俺の目には光が見えた
そして、安心する相棒の声も
「おかえり、翔太郎」
「…フィリップ!?ここは…!?ドーパントは…!?」
「水族館の中さ…そして、ドーパントはそこにいる」
「…っ!?」
「うぐっ…貴様ァ!よくもこの俺にあんな不味いもんをぉ!許さねぇ!」
状況が呑み込めずパニックになる翔太郎
フィリップはそんな彼の肩を持って立ち上がらせる
「翔太郎、簡潔に言おう…僕は彼を文字通り、罠にはめたのさ!」
『よし!翔太郎を助け出す方法を見つけた!』
僕は「地球の本棚」から出てある場所を目指した
「…いらっしゃい……あぁ、君は確か…」
「改めて…僕はフィリップ、翔太郎の相棒だ」
「あぁ…何の用だ?フィリップくん」
僕は喫茶リコリコに足を運び、店主であるミカに話し掛けた
「唐突で申し訳ないが、貴方の作ったコーヒーが欲しい」
「…コーヒーか?それなら今すぐ淹れて……」
「そのコーヒーじゃない…貴方が以前まで作っていたコーヒーだ」
「…まさか、あの作り方でやれと?」
「今の僕はそれが欲しいんだ」
「……」
「……」
真剣に見つめ合う僕とミカ
「…分かった……数年前の作り方だから上手く出来るか分からんが……やってみよう」
「…感謝する」
ミカに例のコーヒーを作らせた僕
テイクアウトで持ち帰り、水族館を目指した
「のこのこ戻ってきたのか〜?仮面ライダーの片割れ!」
「……っ」
僕が水族館に足を踏み入れた瞬間だった
床に穴が開き、それに咄嗟に気が付いた僕はニヤリと笑った
「掛かったな!」
「なにっ!?」
僕は宙を舞い持っていたコーヒーを穴の中に投げ入れた
「…なっ!?」
「……フッ」
落とし穴が閉ざされると、トラップは苦しみ出した…と言うよりかは悶え始めた
「…なんだ…!?この味は…!?」
「…そう、以前翔太郎から聞いていた…喫茶リコリコの店長、ミカが数年前まで淹れていたコーヒーは、とてもじゃないが飲めるものでは無く、翔太郎の淹れたコーヒーに匹敵する不味さを誇ると!」
「…ぐっ…ううぅおおおろろろろろろ!」
すると、水族館全体が呻き声を上げるような奇声に襲われ
床の中から次々と客が飛び出して来た
そして翔太郎も、ドーパントも姿を表した
「…つまりどういう事だってばよ!?」
「つまり…トラップの本当の目的は、客を捕獲する事ではなく、捕食する事だったんだ!」
「…捕食!?」
「そもそもトラップとは、対象を捕獲もしくは捕食する為に作られた技術だ。あいつはトラップの能力を後者に使った」
「…じゃあ…俺たちが閉じ込められていた亜空間ってのは…?」
「…彼自身の、胃袋の中さ」
フィリップはトラップに指を差した
「彼はトラップの落とし穴の能力を使って客を全員胃袋の中に入れて空腹を凌いでいたんだ…だけど、丸呑みだったのが唯一の救いだった!」
「……丸呑み?」
「翔太郎、君はペンギンの食事を見た事があるかい?」
「…あぁ〜…魚を丸々1匹丸呑みにするんだよな…」
「そう…彼も同様、君たちを丸呑みしていたんだ。そのおかげで、消化される前に助け出す事が出来た」
「……でも、なんで俺たちは外に!?」
「それは、僕が彼に最高のスパイスを与えたおかげさ…君たちを助け出す方法はただ一つ、トラップ自信に嘔吐させる事だった……そこで、不味さに特化したコーヒーを彼の胃袋に流し込んだのさ…落とし穴の扉自体が彼の口の役目をしていたおかげで、味覚があるのも確認出来た」
「…はは〜ん…つまり俺の肩に掛かってきた液体はマスターのコーヒーだったって訳だぁ…」
「…僕はわざと彼に落とし穴を展開させ、コーヒーを流し込む事に成功した…彼は僕の罠に掛かったのさ!」
「やるじゃねぇか、相棒!」
翔太郎はダブルドライバーを腰に装着する
僕の腰にもダブルドライバーが出現した
「…ハァ…ハァ…人を散々おちょくりやがってぇ!」
「…行くよ、翔太郎!」
「…あぁ!」
『 CYCLONE!』「 JOKER!」
「「変身ッ!」」
サイクロン!ジョーカー!
仮面ライダーダブルへと変身する僕と翔太郎
「『さぁ!お前の罪を数えろ!』」
次回
第15話「休日のT/動き出す街」
これで決まりだ!