仮面ライダーW/L・R   作:キャメル16世

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基本リコリス・リコイル本編通りで行くつもりですが、勿論オリジナル展開やオリジナル設定があったりします。本編のイメージが崩れないようにしたいですが、仮面ライダーやドーパントが絡むとややこしくなるので四苦八苦してます。何とかクロスオーバー出来るように試行錯誤していますが、不明点などありましたら感想等で教えてください。

それでは今回もどうぞ!



第20話「進撃のR/天秤に掛けられた命」

「……ん〜…」

「……どうした?」

 

事務所にコーヒーの配達に来てくれたたきな

俺とフィリップは、たきなの表情を見て疑問に思った

まるで何か悩み事があるかのような

たきなに何か悩みでもあるのか…?

 

「勝てないんですよ、1回も」

「…は?」

「家事の分担を、今のところ全部私がやってるのはご存知ですよね」

「……あ〜…あれな」

俺は千束の家の壁に貼られたあの表を思い出した

 

「その分担をジャンケンで決めてるのですが…1回も勝てないんです」

「……ジャンケン…なるほどね」

「…何がです?」

フィリップがたきなの言葉に反応した

 

「…たきな、千束とジャンケンをする時、最初はグーでやってるだろ。それじゃ千束には勝てねぇよ」

「…えっ?」

「千束が相手の服や筋肉の動きで次の動きを予測してるのは知ってるだろ?グーから出すと、次の動きを読まれる」

「そのまま変えなかったら当然パーを出され、変えると分かればチョキを出せば絶対に負けない。つまり、あいこに出来る確率が3割、勝つ確率はゼロになる」

「……えぇ…」

千束のジャンケンのカラクリを説明する俺とフィリップ

 

「千束にジャンケンで勝つ為には最初はグーを辞めて最初の勝負で勝つしかない。あいこになったらもう勝てないし、ましてやあいこから始まったら一生勝てない」

 

俺の話を聞いて落胆するたきな

 

「じゃあまさか…千束はそれを最初っから分かってて…」

「…まぁ、それも千束の能力の一つだ。アランチルドレンと分かった今なら合点がいく、俺も前はそのカラクリに気付けなくて苦労したもんだぜ」

「……どうやって攻略したんですか?」

「え?…い、いやぁ〜…まぁ…な、ははは」

「……」

「……?」

言えねぇ…

結局フィリップに検索してもらってカラクリを解いたなんて…

 

「……フフッ」

「…っ」

くそっ!フィリップの野郎笑ってやがる!

 

「…井ノ上たきな…確かに錦木千束のジャンケンは強いかもしれないが、それ故に彼女は油断をする事がしばしばだ。そこを狙うといいよ」

「…あ、ありがとうございます……えっと…フィリップ…さん?」

「…あぁ」

 

「……」

そういえば…

この2人がちゃんと会話するの珍しいな…

 

この2人が最後に会話したのって確か…俺たちが仮面ライダーって事をバラした時だな…

 

《翔太郎…井ノ上たきなはまだ理解のある人間だったから良かったが、長年喫茶リコリコで働いてきたあの3人と、クルミ…ウォールナットに僕たちの正体がバレるのは非常にマズイ。彼女等と行動する時はくれぐれも慎重に頼む…》

 

「……」

 

 

 

第20話「進撃のR/天秤に掛けられた命」

 

 

 

たきなが帰った後、俺は早速フィリップと外出から帰って来た亜樹子に今回の事件の事を話した

 

「リコリス狩り……また始まってしまったんだね…」

「あの子達も大変だな〜…」

「大事を取って千束とたきなは共同生活を始めたらしい。だから家事の分担をしてたんだ……今のところ新たな犠牲者の話は聞いてないが、いつ何処で被害が出るか分からねぇ…」

「…今回の事件の首謀者は誰だ…?それに、どうやってリコリスを識別している…?」

難しい顔をしたがらフィリップが独り言を言う

 

「…まぁ詳しい事は分かんねぇけどよ、とりあえず千束達と一緒に居れば、なんか情報も手に入るだろ」

俺はヘルメットを持って入口のドアノブに手を掛けた

 

「…待ちたまえ翔太郎、今彼女達と共に行動するのは得策じゃない。大体、そのせいで錦木千束や喫茶リコリコのメンバーに君の正体がバレたらどうするつもりだい?」

「…っ」

俺の手が止まる

一瞬で空気が変わったのが分かった

 

「……あまり言いたくないが、君は彼女達に甘すぎる。今では僕も認めているが、やはり懸念する時もある。仮にも彼女達は暗殺者だ…しかも、僕たちが1番嫌うタイプのね」

「……っ」

「…君があの子たちを擁護する気持ちも分かる。だが、僕たちは二人で一人の仮面ライダーで、探偵だ……君の身の安全が、あの子たちの身の安全に繋がるかもしれない。翔太郎、少し考えてはくれないか?本当に今、彼女達と共に行動するメリットがあるのかどうか……」

「……フィリップ…俺には、お前にまだ話してない事があるんだ」

俺はフィリップの方に振り向き、帽子で目元を隠した

 

「…なんだい?いきなり」

「……俺と千束は、10年前に1度会った事があるんだ」

「…っ!?」

「翔太郎くん!その話は…!」

「止めるな亜樹子、これは俺とフィリップの問題だ」

「……詳しく聞かせてもらうよ…翔太郎」

「……」

 

 

千束のスマホから警報が鳴る

対不法侵入者用の警報だ

 

「……お〜チンピラだ、また来た〜」

「…ん?」

 

「…おい!居ねぇぞ!」

「でも…さっき確かにこの部屋に入った筈だ!」

「…くそっ!何処に行きやがった!?」

千束のセーフハウスに迷い込んだ男たち

千束はそんな男たちを隠し扉から覗いてニヤリと笑う

 

次の瞬間、部屋の中から銃声と男の悲鳴が飛び交い

 

更には窓からゴミ捨て場に投げ落とされる男たち

しっぽを撒いてどこかに逃げて行った

 

「……また窓注文しなきゃ〜…」

「…この為のセーフハウスですか……」

「まぁね〜あんな連中ならまだ良いんだけど…昔はリリベルも来てたからぁ」

「……リリベル?」

「あ〜…男の子版リコリス、みたいな?おっかないよ〜」

「…それ、普段何してるんですか?」

「さぁ〜よく知らなぁい…」

 

 

 

「……なんだ…こいつ…」

今の様子をドローンで見ていたロボ太

千束の男を追いかけ回すシーンを重点的に再生する

 

「…これを見せれば…真島は興味持たないか…!?」

 

すると、ロボ太の部屋の扉がテロリストの男によって破られた

 

「ドアァァァァ!?」

「……」

「…っ」

そこに真島が入って来る

呆れた目付きでロボ太に近付いた

 

「…もう3日経ったぞ…」

「ど、どうしてここが…」

「……そんで?」

「…い…いや、あの…!」

「そんで?」

「いや、ちょっと…!待って!」

テロリストの男2人がロボ太を押さえ付けた

 

「待ってくれ!リコリスが…!」

「リコリスじゃねぇよ…」

「待て!見て欲しいものが…!」

「他の奴らは死んでんだよぉ…?」

「待ってぇ!凄い映像がぁ…!」

「バランス取らなきゃなぁ!」

真島はガイアメモリを構える

以前地下鉄の時に使いそびれた「M」のガイアメモリだ

 

「待って!ビデオを見て!お願い!お願いだァ!」

「……」

「…プアァァァァァ!」

「…っ!」

次の瞬間、ロボ太のパソコンモニターに千束の映像が流れる

真島はその映像を見つめた

 

「……」

「…こ、こいつがトップのリコリスだ!DAを襲撃前に、こいつを殺しておかないと、我らは全滅されられるぞ!」

「……明日そいつを倒しに行く。すぐに作戦を考えろ」

 

部屋を出ていく真島と2人の男

取り残されたロボ太はホッと溜息をついた

 

 

「……」ゴクッ

「……」

俺の話を最後まで聴いてくれたフィリップ

ゴクッと唾を飲み込み、動揺の表情を見せた

 

「……まさか…そんな事が…」

「今まで黙ってて悪かった……だが、お前にはちゃんと教えておくべきだったな。すまん…」

「…翔太郎くん……」

頭を下げる俺、フィリップはまだ動揺している様だった

 

「…亜樹ちゃんも、この事は知っていたのかい?」

「……うん。お父さんの事を聞いた時に、翔太郎くんから教えてもらったの…」

「……解った。君と錦木千束の間にそんな過去があったとは……本人はそれを知っているのかい?」

「いや、覚えてないと思う……なんせ10年前の話だし、再開した時も俺の事すら覚えていなかった」

「……そうか…」

頭を抱えるフィリップ

 

いっその事説明しない方が良かったか…?

でも、いつまでも黙っている訳にもいかねぇ…

この話は、いつか千束にもちゃんと話さなきゃな……

 

「…ありがとう…翔太郎」

「…え?」

「…僕に話してくれて……おかげで気持ちの整理が着いたよ」

「……フィリップ…」

「……僕たちで、錦木千束を守り抜こう。それが……僕らの師匠の願いなら…!」

「……あぁ…ありがとな、フィリップ!」

「……ふふっ…やっぱり君たちはこうでなくちゃね!」

手を握り締め合う俺とフィリップ

また、こいつとは絆が深まった気がする

 

 

 

次の日

日も落ちて暗くなってきた頃に、マスターから俺たちに一報が入って来た

 

千束が狙われている、と……

 

 

 

「…どういう事だフィリップ!?」

「先程リコリコからの情報提供で、リコリスの顔が割れている理由が判明した!」

ハードボイルダーに跨り急発進させる俺とフィリップ

 

「どうやら、メモリ取引事件のあの日のDAのドローン映像が流出していて…リコリス4人の顔がバレていたんだ!」

「…待ってくれ!そのDAのドローン映像って…まさかあの日のハッキングが影響してるんじゃねぇのか!?」

「その通りだ……そして、そのハッキングの犯人は……」

「ウォールナット……クルミか…!」

「問題はそれだけじゃない…!その流出したドローン映像の中には、錦木千束の顔が映っている物もあったんだ!」

「……じゃあ…敵はその映像を元に、今度は千束を殺そうとしてるって事か!」

「相手はガイアメモリを所持している可能性が極めて高い!僕らで何とかしないと…!」

 

それを聞いてますます急ぐ俺たち

エンジンハンドルを捻り、加速する

 

「……っ!?」

しかし、急に俺の手と足が勝手に動き

ブレーキを入れて急停止した

 

「…っ…翔太郎!何をやってるんだい!?」

「わ、わかんねぇ…!でも……身体が勝手に…!」

「……この感じ…まさか…!?」

 

フィリップは思い出した

初めてDAが襲われた日、ホーネットの男と戦ったあの日

翔太郎は何者かに身体を操られていたことを……

 

「…っ!?」

「…な…なんだアイツ…!?」

俺とフィリップの視線の先にいたのは、人間の原型は残しつつも、おぞましい顔をしているドーパントだった

何処か幻想的な雰囲気を漂わせるものの、胸元の電子基板のような模様が機械的な雰囲気も醸し出す

腰には特殊なドライバーを巻いており、スカーフが夜風に靡いていた

 

「やぁ…初めましてかな?仮面ライダーのお2人…」

「てめぇ…誰だ!?」

「…君かい?翔太郎の身体を時々乗っ取っているのは…」

奴の腰に巻かれているドライバー…ガイアドライバーとは少し形状が違う…

新たなる敵組織か…!?

 

「…フフッ…流石は運命の子。その様子だと、私のメモリの正体も大体検討がついてるんじゃないか?」

ドーパントは俺たちを煽るように喋った

俺は胸ポケットからダブルドライバーを取り出そうとしたが、やっぱり身体が言う事を聞かない

コイツの能力なのか…?

 

「まだハッキリとした推測は出来ていないが、少なくとも精神を司る何かの能力を持ったドーパントである事は分かる。ナーブ、もしくはマニピュレイトか…?」

「…いい考察だ…しかし残念。正解は……」

そのドーパントは手を広げ、堂々と自己紹介をした

 

「…私の名はジャック。この街の…支配者さ……」

 

 

「あー!ちょいちょいちょいちょいちょいー!」

黄色い車に跳ねられる千束

ミカとの通話が強制的に遮断される

 

「……」

黄色い車から出てくる真島

そこに集う大勢のテロリスト

 

『今回は被害ゼロだろ!?これで文句無いだろ!?』

「分かった分かった〜…」

千束にジリジリと近付く真島

うつ伏せになっていた千束を仰向けにする

 

「……ほぉん…」

そして、リコリス制服の胸元を見る

千束の胸にはフクロウのペンダントが掛けられていた

 

「…オラァ!」

「…っ!?」

すると、急に起き上がった千束は身に付けていたポンチョを空中に広げて目眩しをした後に銃を乱射する

 

「ぐはっ!」

「どはっ!」

「……クッ…行け行けェ!」

テロリスト達を怯ませた千束は走り去る

 

「……あぁ?何だこれは…?」

真島は倒れている男の腹部に残るゴム弾の破片を拾い上げ、疑問の表情を浮かべた

 

 

 

「また吹っ飛ばしてやる!」

ワンボックスカーで追い掛ける真島達

 

「……うわっ!もうしつこいなぁ!」

「…っ?」

振り向き銃口を車に向ける千束

真島の打った弾丸を軽々避け、銃を乱射する千束

 

「……クハッ!」

千束のゴム弾が脳天に当たる真島

車から転げ落ち、車も横転した

 

「……あんたが一連の襲撃犯?」

「……」

起き上がる真島の銃を向けながら話す千束

 

「……ひでぇじゃねぇか…」

「うわっ」

脳天から血を流す真島

それを見てちょっと引く千束

 

「あ〜あ…ガキ相手に、こんなになると思ってなかったぜ……バランスが悪ぃじゃねぇか…」

「…何言ってんの?」

「……お前の使命はなんだ?」

「…?」

「……それ」

真島は千束のペンダントを指差す

それに反応した千束はペンダントを握り締めた

 

「…アランのリコリスか〜……面白ぇなぁ!」

「…っ…ぐっ…!」

突如千束を殴る真島

胸ポケットからガイアメモリを取り出し、怯んだ千束に見せ付けた

 

「…っ…それ…!?」

「…これがこの街に蔓延してる魔性の小箱……才能ある者だけが持つことを許される」

「…え?」

「……お前は、どんなメモリを使うんだろうな…?」

 

《 MACHINE GAN!》

 

ガイアメモリを首に差し込む真島

腕や背中に機関銃を背負った超人が誕生した

 

「……ハハハ…ハハハハハハ!」

 

マシンガン・ドーパントは夜空に向かって高らかに笑った




次回

第21話「進撃のR/男たちの小夜曲(セレナーデ)

これで決まりだ!
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