「…それが真島か?」
「「はい!これが真島です!」」
千束とたきなが楠木に同時に見せた似顔絵
どちらも特徴が一致せず、DAの機密を指揮するAI「ラジアータ」によって導き出された似顔絵とも合致していなかった
「全然似てねーじゃねぇか!」
2人の画伯に対し、フキが激怒する
「……」
「…仕方ない…小僧、頼んだぞ」
「……はいはい、分かりましたよ〜」
この日俺は、先月起こったリコリス襲撃事件の首謀者とされる真島と呼ばれる男について
楠木から万が一の事があると言われて来ていたが…
まさか似顔絵を書けなんていう依頼だとは思わなかった
俺自身は真島という男を見た訳じゃないが、照井からも話を聞いている
それを踏まえて、俺は千束とたきなの証言に耳を貸し
似顔絵を完成させた
「……ほぉ…こいつが…」
「そうそう!正にこんな感じだよ!」
「左さん、絵描けたんですね!」
完成した似顔絵を見て3人が感心する
「……君は…何者だ?」
千束は俺の描いた似顔絵を見て
そう呟いた
「……」
『…避けてんのかな?あんたの射撃が下手なんじゃないのか?』
「いいや、この距離で外すわけねぇ…」
真島は拠点にて、ロボ太と千束の映像を見返していた
真島が車から千束の頭目掛けて撃った弾
千束はそれを避けていた
「しかもこの後迷い無く撃ち返してるだろ?当たらないと分かってなきゃ出来ねぇ事だ……」
真島はガイアメモリを銃のように構えてモニターに向ける
「……お前は…何者だ?」
モニターに映し出される千束を見て
真島はそう呟いた
第22話「Sとの関係α/リコリコ閉店の危機?」
「…この男が真島…リコリス襲撃事件の首謀者か…」
フィリップは俺の描いた似顔絵を眺める
「そいつはマシンガンのメモリを使っていた…だが、身柄とメモリの所在は不明だ。何処かに逃げたと考えるのが妥当だな」
そう言って自分の淹れたコーヒーを飲む照井
「うわっ…なんか目付き悪ぅ…」
亜樹子も真島の似顔絵を眺め、真島の真似をし始めた
「照井竜、奴は何か手掛かりになるような事は言ったかい?」
「…いや、特にこれといった手掛かりは無い…ただ…」
普段質問するとキレる照井だが、事件解決に必要な質問はいつも引き受けてくれる
「…なんだい?何かあったなら教えてくれ」
「…奴は、「使命」という言葉に反応していた気がする」
「……使命?」
それがなにか関係あるのか分からないが、フィリップの検索に必要なキーワードとしては有力かもしれない
「サンキューな、照井」
「…当然だ」
「……やべ、閉まってる…」
扉に掛けられた「CLOSE」の看板
俺はいつも通り憩いの場で安らごうと喫茶リコリコを訪れたが、どうやら営業時間を過ぎてしまったようだ
最近夜に普通に店に来ること多々あったしなぁ〜…
営業時間の事さっぱり忘れてたぜ〜…
そんな事を考えながら帰ろうとした時、後ろで声を掛けられた
「おや、翔太郎くん」
「マスター…何してんだ?」
「今から買い出しに行くところだ。今日はどうしたんだい?」
「いや、今日もマスターのコーヒー飲みたいと思ってたんだが…営業時間超えてるの忘れててさ〜…」
「なんだ、そういう事なら店で待っててくれ。まだみんないる筈だ、帰ったらコーヒーを淹れてやる」
「ホントか!?ありがたいぜぇ!」
慈悲深いマスターに感謝しながらも、俺は店内に堂々と入った
「……ん?」
営業時間外だからだろうか…店内はやけに暗く、しかし奥に微かな灯りが見える
「……ん〜…?」
誠に遺憾な事ではあるが、俺は扉越しに千束、たきな、クルミ、ミズキの会話を盗み聞きしてしまった
その会話の中で、「閉店」「楠木」「合い挽き」「愛人」などといった意味不明なキーワードが出て来ていた
そして……
「Bar Forbidden」という会員制のバーの名称も…
「…バーフォビドゥン…?」
「Bar Forbiddenは、街外れにある会員制のバーだ。『禁断』を名乗るからこその最高級のサービスを売りにしている」
「…そこ、入れるか?」
「原則として、新規の会員は既存の会員の紹介のみとなっているけど……」
「…よし、じゃあ入れるな」
フィリップにそのバーについて調べてもらい、俺は早速会員の手続きを進めた
「…げっ!入会金高っ!亜樹子に言ったら怒られるんだろうな〜…」
「…ところで翔太郎、どうして急にそんな高いバーに行くんだい?合い挽きでもするつもりかい?」
「んなわけあるかぁ!…ちょっと気になる事があってよ」
「……?」
頭にはてなマークを浮かべるフィリップ
俺は帽子を深く被り、表情を悟られないようにした
「…このバー…おやっさんがよく行ってたんだよ…いつも「用事がある」、「半熟が来るような場所じゃねぇ」って言って詳しい事は教えてくれなかったけど……でもある日さ、凄い形相で帰ってきた事があって…」
「……」
「…その日以来、おやっさんはそのバーに行く事は無くなった……だけどある日、おやっさんは俺に何も言わずに事務所から居なくなった」
「……」
「またあのバーに行ったのかと思ってたんだけどよ…そしたら1本の電話が来たんだ」
「……誰からだい?」
「…シュラウドだ」
「…っ!?」
シュラウド…1年前まで俺たちを何かと助けてくれていた謎の女。でもその正体は園咲文音…フィリップの実の母親だったんだ。夫である園咲琉兵衛を酷く憎み、その憎しみから生まれた復讐心で照井をアクセルへと仕立て上げ、園咲琉兵衛への報復を目論んでいた
「……まさか…その日とは…」
「…そう…俺たちの全ての始まりである、あの悪夢のような事が起こった日だ」
「……ビギンズナイト…」
「…あのバーとおやっさんには何かしらの関係があった。そして、そのバーに今度マスターが行くみたいなんだ」
「……まさか君は、ミカと鳴海荘吉との関係を解き明かす為に…?」
「…マスターの仮面ライダーへの憎しみは、きっとおやっさんから来ている。その理由を俺は知りたい…そして、そのきっかけとなったのはきっとあの日が原因だ。10年前のあの日の事を、俺はもっと知りたい」
「……10年前…」
「……」
『おい、関係あるかもしれない情報を見つけたぞー』
「…んー?」
真島はノートパソコンに写った千束の写真を眺めながらガイアメモリで手遊びをしていた
そのノートパソコンには、ロボットのキーホルダーが付いたUSBメモリが刺さっていた
『風都タワー事件は知ってるだろ〜?』
「あぁ〜斬ったの俺達だからなぁ…」
『…え?どゆこと?』
「…んで?情報ってのは?」
『…あ〜テロリストはこいつ1人に倒されたとか…』
「ん〜…間違っちゃいねぇが……でもあん時はちっちぇのが…」
『……?』
「……ハハッ…あいつかっ!」
真島は思い出していた
10年前のあの日の記憶を…
『なんだよ…んまぁ嘘くせぇな!こういうのは尾鰭が付くから』
「……まさか同じ奴とは……手も足も出なかった。唯一対抗出来たのはアイツだけだったなぁ…」
真島は手を銃の形にしてモニターの千束に向けた
「……こいつは…『運命』だな……ん?」
すると、モニターに「COMPLETED」と表記された
真島はノートパソコンからUSBメモリを抜き出した
「…なんでこんなもん直接差しに行かなきゃならねぇの?」
『あのね…DAのシステムは、規格外のAIが制御してるんだけど…入口を物理的な手段で内側に用意しないと、アクセスするだけでこっちがバグられるわけ』
「んあ〜よく分かんねぇけどとっくらちょちょいとやれねぇのかよ?世界一のハッカーなんだろ?」
すると、スピーカーの先で台パンの音が聞こえた
『なっ!?これを作れるのは僕だけなんだぞ!?DAのAIに仕掛けることが出来る奴なんて、この世界にもう1人だって居やしないんだ!それを成し遂げれば!僕がトップハッカーとしてこの街に…!』
「あ〜わかったわかった…お前さんの夢が掛かってるわけね」
『僕に出来ないことは、世界の誰にも出来ないと思ってくれ?』
「頼もしいこって…こいつを署長のパソコンに差して来れば良いんだな?」
『そう、それが君の計画を達成させる為にまず必要な事だ』
「「俺たちの」、だろ?…通信ジャミングに逃走経路の確保、よろしく頼んだぜ……トップハッカー…」
真島は仲間を連れて行動を開始した
「……さぁて〜…5分で終わらせろよ〜」
そして、ロボ太もまた
行動に出ようとしていた……
「……なに?街にテロリストらしき人物が…?」
『はい!すぐに監視カメラの映像送るんで!よろしくお願いします!』
「分かった…真倉刑事、十分注意して操作に当たってくれ」
ビートルフォンに送られて来た監視カメラ映像を確認し、すぐさま現場に向かう
監視カメラ映像はリアルタイムで流れている
1番近場にベンチに座っている男が映り込んでいた
「……っ?」
現場に到着したが、男の姿は見えない
監視カメラ映像を確認すると、確かに男はベンチに座っている。そして、そばには俺も……
「…ダミー映像か…やられた…!」
ビートルフォンを取り出し、真倉刑事に連絡を取る
「狙いは風都署だ!すぐに戻る!」
バイクを走らせ、風都署に超特急で向かう
「……よぉ…遅かったなぁ、刑事さんよ…いや、仮面ライダー…」
「…貴様…!やはり生きていたか!」
風都署を襲って来ていた真島と対峙する照井竜
「ヘッ…勝手に殺すなよ……」
《 MACHINE GAN!》
マシンガン・ドーパントへと変貌する真島
「…変…身ッ!」
アクセル!
照井は仮面ライダーアクセルへと変身し、すぐさま真島に有効なトライアルメモリを取り出した
「…っ!」
しかし、真島の弾丸によりトライアルメモリは弾かれてしまった
「…しまっ…!」
「もっと注意深くしねぇとなぁ…!」
「…っ!」
機関銃をアクセルに向ける真島
「…はァァァ!」
「…クッ!……っ?」
銃弾を放つ真島
しかし、真島はアクセルの足元を威嚇射撃するだけでアクセルに実害は無かった
「……チッ…」
煙が晴れた向こうには1人も人影は無かった
どうやら逃げられたようだ
「……さーてと、千束…準備は良いか?」
「うんっ…モチのロンっ」
ドレスアップした翔太郎と千束
ホテルの一角の隠し扉が開き、千束が口ずさんだ
「……ミッションスタート」
次回
第23話「Sとの関係α/大切な夜」
これで決まりだ!