仮面ライダーW/L・R   作:キャメル16世

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第26話「Sとの関係β/怪物の夜」

「……やっぱり、あの時マスターもおやっさんの正体に気付いたんだな」

「…君もあの時気付いたのかい?」

「あぁ…まさか風都で噂になってた骸骨男がおやっさんだったなんて…ってな……でも、そんな暇もねぇくれぇ…あの夜は……」

「…ね、ねぇねぇ!じゃあ10年前の風都タワーを壊したのって、翔太郎さんの師匠さんだったの!?」

「……まぁ、それは追々説明するさ…翔太郎くんが知りたいのは、その後の話だろう?」

「…あぁ…おやっさんの正体に気付いて、あんたはその後どうしたんだ?」

「……」

 

 

スカル!マキシマムドライブ!

 

スカルマグナムにスカルメモリを装填するスカル

 

「……っ」

スカルマグナムをマキシマムモードに変形し、銃口から強力な破壊光弾をタブー・ドーパントに向けて撃つ。スカルパニッシャーを放つ

 

「……っ!」

タブーも破壊光弾を圧縮しスカルに向けて放つ

 

互いの攻撃が直撃し、タブーは下階に落ちた

 

「……クッ」

戦いを一段落終えたスカルはドライバーからメモリを抜き出し、変身を解除した

 

「……やはり慣れないな……「変身」は…」

壁にもたれながら翔太郎の元を目指す荘吉

するとそこに、1人の人影が行く手を阻んだ

 

「……」

「……ミカ…」

 

 

 

第26話「Sとの関係β/怪物の夜」

 

 

 

「ねぇねぇ!2人とも聞いてるの!?」

「あ、あぁ…すまねぇ千束、お前の質問にも答えてやらねぇとな…」

「もぉ〜そうだよ〜…で、翔太郎さんはそのスカルって奴の事知ってたの?」

「あぁ、スカルの正体を知ったのはあの夜が初めてだが、俺は何度かスカルに助けられた事があってな」

「……へ〜…」

「……その話、詳しく聞かせてくれないか?翔太郎くん」

「…あぁ……あれは、俺がまだ中学に上がる前…10年よりも前の話だ……」

 

 

 

「……へへっ…今日もおやっさんいるかな〜?」

まだガキだった俺は、よく学校帰りに鳴海探偵事務所を訪れていた

かもめビリアード場の2階に上がり、大きな扉を開く

 

「……ちぇっ…居ねーのか…」

もの家の空だった事務所、俺はいつもどうりソファに座り、大人の空気を思い切り吸い込んだ

 

「……あ」

すると、扉の向こうから足音が聞こえて来た

もしかしておやっさんか!?

と思い、意気揚々と扉を開けて迎える事にした

 

「おかえり!おやっさ──っ!?」

「……ん?」

扉を開けると、赤毛の短髪の女が立っていた

死んだ目をこちらに向け、謎のプレッシャーを掛けて来た

 

「…ゲッ!」

「…年上に対して「げっ」…とはなんだ小僧」

「…だ、誰!?」

「名乗る必要があるのか?そこをどけ」

「い…いやだ!不審者をこの場所に入れる訳にはいかねぇ!」

「…つくづく生意気な糞ガキだな…もう一度子宮からやり直したらどうだ?」

「それも嫌だね!そんな事したら今までの風都での思い出が無くなっちゃうじゃないか!」

「……っ」

そんなやり取りをしていると、後ろから声が聞こえた

 

「…翔太郎…そんなとこで何やってるんだ」

「お、おやっさん!……そこに居たのか…!」

おやっさんはいつも幽霊が出ると言って触れさせなかった扉から出て来た

 

「……楠木か、何の用だ」

「荘吉、新たに依頼したい事がある。聞いてくれるか?」

「……あぁ…翔太郎、お前はもう帰れ」

「え!?で、でも…!」

「小僧聞こえなかったのか?ここからは大人の時間だ」

「……クッ…!」

俺は勢いに任せて事務所を出て行った

もうすぐ日が暮れる時間だった

 

「……翔太郎…」

そんな彼の背中を見て、荘吉はそう呟いた

 

 

「……」

 

《ここからは大人の時間だ》

 

「……はぁ〜…俺も大人になりてぇな〜!」

楠木に言われた言葉を反芻する翔太郎

 

公園のベンチに寄れかかり、暮れてきた空を見上げる

 

「……今日は…風が吹かねぇなぁ〜…」

 

その瞬間だった

 

「…うわぁ!」

空から何者かが落ちてきた、と言うよりかは物凄い勢いで降ってきた

周囲には砂煙が舞い、翔太郎は目を凝らしてその正体を掴んだ

 

「……フッフッフッ…手頃な食事がこんなところにあったとはなぁ…」

「…っ!?」

その正体は、大きな目をし手には大きな鎌を持つカマキリのような怪物が翔太郎を見ながら嘲笑っていた

背中には羽もあり、少しだけばたつかせ砂を払っていた

 

「…だ、誰だお前!?」

「…俺か?俺はそのうちこの街のキングとして君臨し、人間に崇められながら生きる、そんな存在だ」

「……なんだって…!?」

「俺の名はマンティス!俺の鎌によって葬られた命は多数だが、その全てが尊い犠牲…いや、生贄として扱われるようになるだろう!」

「……」

マンティスと名乗った怪人は徐々に翔太郎に近付いて行った

 

「おいガキ、貴様は今日の俺のディナーだ…せめて最期の言葉くらいは親に伝えておいてやる。まぁ、その後にその親も俺への生贄になるがな…」

「……残念だけど、俺に親はいない。だけどな…」

「……んぁ?」

「…今は、この街のみんなが俺の親だ!」

「……は?何言ってんだ貴様」

「いいかカマキリ男!お前みたいな奴がいる限り、俺は決して屈しない!…心を捨て、街を泣かせるような悪党は…俺たちが許さない!」

「……舐めた口をきくなぁ!」

翔太郎の言葉に反応したマンティスは鎌にエネルギーわ溜めて鎌形のエネルギー弾を翔太郎に向けて放った

 

「わぁっ!……グッ…」

ギリギリ避けたが、エネルギー弾のひとつは翔太郎の足を掠っていた

足から血を流す翔太郎

それを見てマンティスはまた不適に笑った

 

「…ガキは所詮ガキだ……貴様に出来る事など何も無い。お前は静かに、安らかに俺の胃袋に収められればそれでいいんだ」

「……クッ…確かに俺に出来る事は少ないかもしれない……実際この街の人達に助けられてばっかだ…だけどな!」

「……」

「…いつか必ず、その恩を返す為に…今からでも立派な男になれるように…立派な大人になれるように……」

翔太郎は荘吉の顔を思い浮かべた

 

「…おやっさんを、ギャフンと言わせるような…そんな大人に…!」

翔太郎は近くに落ちていた大きめの石をマンティスに投げ付けた

 

「…なってみせる!」

「……っ」

その石を簡単に否すマンティス

しかし、その表情は怒りに包まれていた

 

「…何度言ったらわかる…貴様は今から!俺のディナーになるんだよォ!」

今度は特大のエネルギー弾を出現させ、翔太郎に向かって放つ

先程とは違い軌道は確実に翔太郎を捉えていた

 

「……っ!」

「……フッ」

翔太郎の周りで爆発が起こる

勝利を確信したマンティスだが、次の瞬間意表を突かれる

 

「……翔太郎、自分の命を自分で守れない奴が…立派な大人になれると思うなよ?」

「…だ、誰だ!?」

別の男の声が聞こえ、更にはクワガタのようなメカがマンティスを襲った

 

「…グッ……誰だ貴様!?」

「……鳴海荘吉……この街の探偵だ」

「おやっさん!」

荘吉が来た事で喜びを隠しきれなくなる翔太郎

 

「…楠木、翔太郎を連れて逃げろ」

「……だが、荘吉は…」

「いいから行け、俺なら大丈夫だ」

「……そうだな…分かった」

翔太郎の手を掴む楠木

 

「行くぞ、小僧」

「待って!俺今足ケガしてる!」

「知るか、行くぞ」

「ちょっ…いてててて!」

強引に翔太郎を連れていく楠木

荘吉は2人の姿が見えなくなった事を確認してロストドライバーを装着し、スカルメモリを取り出して起動させた

 

「 SKULL!」

 

「…変身」

 

スカル!

 

スカルへと変身した荘吉は、マンティスに指を指した

 

「貴様のような怪物を放っておく訳には行かない…この街の迷惑だ」

「…き、貴様も怪物じゃねぇか!」

「…フッ…そうだな……だが…」

「……」

「俺は俺の愛する者を、愛するこの街を…そして、この街を愛する者を守る。それが俺だ…」

「……何っ!?」

「俺は常に、俺の罪を数えながら戦い続ける…例え俺の中の何かが変わろうと……この街の為なら…!」

すると、さっきまで吹かなかった風が急に吹き始め、スカルのスカーフが風に揺れる

 

「……さぁ、お前の罪を…数えろ」

「…な、何が罪だ!俺はこの街のキングになるんだよォ!」

エネルギー弾を放つマンティス

スカルはそれを避け、マンティスにパンチを繰り出した

 

「…トォ!」

「ぐわぁぁ!」

強烈な一撃を喰らったマンティス

スカルはすかさずパンチなキックを叩き込む

 

「ぐあぁぁ!」

「……」

「…クッ…舐めるんじゃねぇぞォ!」

マンティスは羽根をばたつかせ、空からエネルギー弾をスカルに向かって放った

 

「…っ……っ…!」

それを走りながら避けるスカル

一瞬の隙を突いて、スカルマグナムでマンティスの羽根を狙撃した

 

「ぐわぁ!」

「……」

地面に落下したマンティスは、這いつくばりながらもスカルに訴えた

 

「…何故だ!何故あんなガキを守る!?」

「……」

「あんな奴はなぁ…死んでもこの街にはなんの影響も与えない!俺はそういう奴しか喰って来なかった!俺がいくら人を喰おうと、この街は何一つ変わらなかった…それがこの街の現状だ!死んでも影響のない命を喰って何が悪い!?貴様もドーパントなら、俺の気持ちが分かる筈だ!」

「……確かにあいつは、まだまだ半人前だ。俺に及ぶには10年早い……だが、俺は知っている。あいつには、あいつにしか持っていないものを持ってる…あいつが持っているからこそ、輝けるものがある。俺は、それを守りたいだけだ…!」

「……あんな奴は…俺に喰われればいいんだよォ!」

 

エネルギー弾を無造作にばら撒き暴走するマンティス

どうやらメモリの力を制御しきれていないようだ

 

「……ここまでか」

スカルはスカルメモリをドライバーから抜き出し、マキシマムスロットに装填した

 

「…悪いが、()()()()のは貴様だ」

 

スカル!マキシマムドライブ!

 

スカルの胸部から骸骨型のエネルギーの塊が飛び出す

それが空へと飛び上がり、スカルもそれを追うように飛び上がる

 

「……トォ!」

エネルギーの塊をマンティスに向かって蹴り飛ばすスカル

骸骨型のエネルギーの塊は口を大きく開けてマンティスを喰らうように噛み付き、爆発した

 

「ぐわぁぁぁあ!」

爆発の中から破損したメモリと男が飛び出して来る

 

「……」

スカルは自分の掌を見つめ、その拳を握った

 

 

「…俺が知ってんのはここまでだ」

「…そうか…やはり彼は何年も前から……」

「でも…翔太郎さんの師匠さん、嬉しかったと思うな」

「…え?なんで?」

「だって!自分は怪物って自覚を持っていたのにも関わらず、翔太郎さんはずっとそばに居たんでしょ?私だったら嬉しいと思うけどなぁ〜」

「……」

千束の言葉に、ミカはまた数年前の事を思い出す

 

「…マスター…さっきの話の続き、聞かせてくれ」

「……あぁ」

 

マスターはその後も語った

おやっさんの正体を知ったその後の話を……

 

今日の夜は、特別長く感じた




次回

第27話「Sとの関係β/全ての始まり」

これで決まりだ!
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