仮面ライダーW/L・R   作:キャメル16世

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ご無沙汰しております
後半戦も宜しくお願いします



第28話「Eの異能/新メニュー爆誕!」

「……」

風都タワーが半壊させられ、もう10年が過ぎた

 

復興の目処がたっていなかったタワーの建設も、段々と終わりが見えて来ていた

 

「……あの羽が回る日が、また来るのかな…」

この10年、あのプロペラの羽が回っている所を見た事がない

タワーが完成したら、また見えるのか…?

おやっさんが守った、俺の大好きだったあのタワーを……

 

 

 

「……」

「……」

「……えぇっと〜…たきな、これは一体?」

「リコリコの経営の危機的状況回避の為、新メニューを考案しました。左さん、試食をお願いします」

「…あ、あぁ…うん…これはその〜……」

「黙って食べてあげな、翔太郎」

「……分かった…」

気晴らしにリコリコに来た俺は、危機的状況に陥っていた

 

「…ちなみに、このう…じゃなくて、パフェの名前は?」

「寒くなって来たこの時期にピッタリな、ホットチョコたっぷりパフェです!」

「……」

この自信満々な顔をした少女から、デフォルメされたう…のようなパフェを出されてしまったのだ

ミズキがそれを呆れ顔で見ていた

 

いや、落ち着け左翔太郎

これはパフェだ。見た目こそアレだが、これは確かなパフェなんだ。匂い、色、見た目、全てホットチョコパフェにしか見えない。そう、これはパフェなのだ…

 

「……左さん?」

「…あ、あぁ…い、いっただっきまーす……」

 

俺は常にハードボイルドな探偵

こんな所で下品な事を考えてはいけないのだ…

 

「…う、うん!味は美味い!」

「…味は…?」

「コラ!余計な事言うな若造がァ!」

「痛っ!おいミズキ!せっかく良い感じに丸め込めたと思ったのにィ!」

「……???」

 

 

 

第28話「Eの異能/新メニュー爆誕!」

 

 

 

「…はぁ〜散々な目にあったぜ……」

「あ、おかえり翔太郎君」

「おー…亜樹子……」

事務所に帰った俺は昼前から疲れ切っていた

結局あのホットチョコパフェはこれから店に出すそうだ

 

なんでたきながあんな事をしたかと言うと

最近喫茶リコリコの業績が赤字続きのようで、依頼で得た金額を合算しても赤字のようだ

以降はたきながリコリコの経理を担当し、赤字回復の為にあんなパフェを考案したそうだが、当の本人にあのパフェがアレに見える自覚が無いらしく、結果誰も突っ込む事が出来ずに強行突破したらしい

 

「おつかれの様子だね〜またあの店でなんかしたの?」

「…まぁ、近所付き合いって奴だ」

帽子を顔まで被って仮眠を取ろうとした時

ふと、気になった事が出来た

 

《…左さん…店長の事を頼む間、鳴海探偵事務所を伺っても良いですか?》

 

「…なぁ亜樹子、たきなとはちゃんと話せたのか?」

「…ん?どうしたの急に〜」

「いや、先月たきながここに来たろ?なんか確かめたい事があるって言ってたが……」

「…うん。話したよ、あの夜の事…お父さんの事……それと、10年前の事」

「……そうか…」

 

 

「…本日はありがとうございました」

「ううん、またいつでも来てよ!歓迎するよ!」

亜樹子から鳴海荘吉の過去、そしてWの誕生について聞いたたきな

亜樹子は笑顔で見送っていた

 

「……っ」

と、事務所の左側にあるドアを見詰めるたきな

ドアには幾つかの帽子が掛けられていた

 

「…あの、どうして左さんは帽子に拘るんですか?」

「…え?」

素朴な質問

答えない理由は無かった

 

「…お父さんの趣味なんだ〜…「帽子が似合うのは1人前の証拠」ってお父さんに言われてたみたいでね、それからずーっと被ってるんだ。帽子が似合う、立派な大人になれるように……」

「……私も、なれるでしょうか…!?」

「…えっ!?」

すると、たきなが今度は勢いよく質問した

 

「…私も、立派な大人に…なれるでしょうか…?」

「……なれるよ」

「……」

「…だって君は、リコリスなんでしょ?」

 

 

 

「……スゥ…ハァァ…」

たきなを送り届けた亜樹子は事務所に戻り深呼吸をする

 

「…疲れたぁ……ん?」

「やぁ、所長」

「りゅ…りゅりゅりゅ竜くん!?何故ここに!?」

すると、事務所内で呑気にコーヒーを飲んでいる照井竜がいた

 

「ドアの外から全部聞いていた。すまない」

「…べ、別に良いけどさぁ〜……あぁ〜恥ずかしいぃぃ」

頬を真っ赤に照らす亜樹子

それを見て竜は彼女に微笑んだ

 

「……成長したな、所長」

「…うん、私も過去を振り切らないと……お父さんの為にも!」

 

 

 

「…でも、いい子だよね…あの子」

「……あぁ…初めに会った時は無愛想な目をしていたが、今はもう…」

「……」

「…普通の女の子だ」

 

 

「……おー…」

たきなの考案したパフェが何故か街で流行り、ここ1週間は行列が続き、業績が回復

効率化を重視し、接客ロボを購入し本日はその試運転を行っていた

 

「…ゴチュウモンオウカガイシマス」

「なかなかやるじゃんっ」

「これがIT革命か〜…」

試運転も良好

そんな時、入り口のベルが鳴った

 

「いらっしゃいませ〜」

「やぁ、みんな」

「…よ」

今日も翔太郎とフィリップが来店して来た

 

「翔太郎さん〜!フィリップさんまで〜!」

「巷で噂のホットチョコパフェを食べに来たよ!これ程までに僕の好奇心を刺激するものはないよ!ゾクゾクするねぇ」

「悪いな千束、こいつの原動力は好奇心だからさ」

「いえいえ〜こちらにどうぞ〜!」

 

畳席に案内される翔太郎とフィリップ

机に置かれたパフェを見てフィリップが目を輝かせた

 

「見たまえ翔太郎!これが噂の…!」

「あー知ってる知ってる!そう何度も言うなって子供か!」

「コラコラ〜仲良く食べられないなら没収しちゃいますよ〜」

二人の会話を見かねて茶々を入れる千束

たきなは奥でレジ打ちをしていた

 

「…大分順調のようだな」

「うん、見た目はともかくみんな美味しいって言って来てくれるんだ〜うちの業績も回復したし、たきな様々だよ〜」

「…フッ…そうだな」

「何を喋っているんだい翔太郎、全部食べてしまうよ?」

「あぁー!俺の分取っとけよ相棒ぉー!」

「あはははは……ん?」

すると、千束の携帯が震えた

 

「…げっ…山岸先生だ…」

画面を見て落胆する千束

だが、それをいつの間にかそばまで来ていたたきなに奪われる

 

「もしもし山岸先生、たきなです。千束の定期検診の件ですよね、彼女明日行きます。よろしくお願い致します」

「あぁー!」

「組員の健康管理も私の仕事です。行ってください」

「…はぁ〜い」

 

「……」

 

 

翌日

 

「……よ、たきな」

「やぁ、今日も食べに来たよっ」

「左さん、フィリップさん、いらっしゃいませ!」

 

再び二人で店を訪れた翔太郎とフィリップ

昨日と同じ席でパフェを堪能しようとしていた……が

 

「もうそのパフェ辞めます……」

「…あちゃ〜気付いたか〜……」

クルミのパソコンでネット記事を見て真実を知ったたきなは、翔太郎とフィリップに出したのを最後にホットチョコパフェの運営を辞めたそうだ

 

「…おや、そういえば今日は錦木千束は?」

「今日は遅番なんです。何か用でした?」

「……いや…」

「昨日言ってた定期検診か……ん、どうした相棒?」

「……なにか…嫌な予感がする」

「…え?」

突然考え込むフィリップ

すると、今度は店の黒電話が鳴った

 

「はい」

『山岸よ』

「山岸先生、たきなです」

『あの〜店によ、千束は居ます?』

「…いえ、そちらにお伺いしてませんか?」

『来てないのよ、携帯にも出なくてよ!』

「そうですか…私も探してみます」

たきなは電話を切って呆れた表情で今度は千束に電話を掛けた

 

「…千束?何処です?定期検診行ってないんですか?」

『ごめんごめん急用でさ〜ちょい遅れるって山岸先生にも言っといて〜』ピッ

「……ん〜?」

そこで会話は終わった

一部始終を聞いていた翔太郎とフィリップは確信に迫っていた

 

「……フィリップ」

「…あぁ、可能性は充分ある」

 

 

「……健康は大事だぜ?身体が主本だろ?俺らはさ」

「らって何、らって…銃を向ける相手に言う事?」

電話を切った千束は、目の前にいる真島を睨み続けた

真島はマシンガン・ドーパントに変貌しており、千束に銃を向けていた

 

「殺すにはまず生きてなきゃな…」バンッ

千束の頭目掛けて銃を放つ真島

千束はそれを簡単に避ける

 

「…ハッ!…凄ぇな!どうやってんだ?」

「…秘密」

「…その心臓に種があんのか?」

「なんでそれを知ってるこんにゃろー」

「…フッ…秘密だ」

身体からメモリを抜き出し人間の姿に戻る真島

そのままメモリを机の上に置く

千束に戦意が無いことに気付いたのか、それともただの怠慢なのか……いずれも千束は真島と同じ空間に居ることを要された

 

それよりも真島は机の上に置いてあったDVDを見る

 

「ガイ・ハードじゃん、好きなの?」

「え?うん…」

「誰が好き?」

「パウエル…」

「警官な、マクレーンと会ってないのに相棒になるあの感じ!」

「「それでラストシーンで…!」」

同じタイミングで話す千束と真島

 

「…っ…ハァ…あーコーヒー淹れるけど?」

「苦いのダメなんだ、他のもんない?」

「……フン」

 

 

 

「…んで?なんの用」

「お前、俺の事覚えてるか?」

「……あー?ぶん殴られた」

「もっと前だ……覚えてないのか?」

コーヒーは片手に砂糖がたっぷり入った小皿は机の上

千束は背もたれに寄りかかり完全に戦意がなかった

メモリも未だ机の上だ

 

「…んじゃ、昔話をさせてもらうか…」

「……」

「…仮面ライダー……その名が知れ渡ったきっかけとなる事件の話だ。それが、風都タワー事件…」

「…仮面ライダー……」

「…俺たちにとっての仮面ライダーはたった一人だ……それが、エターナル…!」

 

 

10年前──

 

「……クッ…」

「……西側…どうした…!?……学生?」

「…ここにも来る……」

風都タワー内部

テロリストたちは謎の存在に追い込まれていた

 

「…上だ!」

真島は他のテロリストたちに指示を出し、その場をなんとか防いでいた

 

「殲滅した…!」

「……まだだ!1人いる!」

真島の耳に聞こえてきたのは、ひとつの走ってくる足音だった

 

「何だっ!?」

「ぐわっ!」

「うわっ!」

次々と倒されていくテロリスト

真島もテロリストを倒していく『奴』を狙うが…

 

「……」

何故だ…何故当たらない…!?

 

赤い制服を着た金髪の少女は、その後も次々とテロリストを殲滅していく

 

「…がはっ!」

真島も奴の攻撃を喰らい、よもや全滅仕掛けていた

 

「…ま、真島…!」

「…た…耐えろ…!あいつの準備が整うまで…!」

 

致命傷ではない

千束の攻撃は死に至るようなものでは無いものの、確かに真島達を追い込んでいた

 

「……っ」

と、その少女は真島に銃口を向けていた

 

「……ここまでか…!」

そう思った瞬間だった

 

「…っ!?」

「…っ!」

天窓の上から、全身は白く黒いマントに特殊なジャケットを羽織った人物が振って来た

 

「……やっと来たか…大道…!」

「…あぁ…待たせたな」

黄色い複眼を輝かせ3つの角を持ち、蒼い炎のグラデーションがかかった両腕の超人が、千束に向かってサムズダウンをした

 

「……さぁ、地獄を楽しみな…!」




次回

第29話「Eの異能/究極は何処に」

これで決まりだ!
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