それでは続きをどうぞ
「……人を怪物のように描写するな」
「実際バケモンだよ」
10年前の事を一頻り語った真島は再びコーヒーを飲んだ
まだ苦かった為角砂糖を2、3個追加した
「…それで?そのエターナルって奴が風都タワーを壊したの?」
「……まぁ、そんなとこだな。あいつが具体的にタワーを壊した方法なんて知らねぇが、これだけは言える」
「…ん?」
「あいつは自分の正義を貫き、この街を地獄に変えた。とんでもねぇ奴だったって事だ…」
「……ふーん」
「…あれ?興味なし?」
「だって覚えてないし……興味もない」
「……はっはっはっはっはっ!だよな!」
真島は懐からフクロウのペンダントを取り出し千束に見せ付けた
「…俺も持ってるぜ〜」
「っ!?じゃあなんでこんな事してんの!?」
「…は?」
「それ持ってるからには、なんか凄い才能があるんでしょ?人を、幸せにするような…あんたがやってる事は逆でしょ!」
「お前だって殺し屋じゃねぇか」
「…っ…一緒にすんな!私はちゃんと人助けしてるぅ!」
真島は呆れた顔でペンダントを胸ポケットに仕舞う
「…お前、アランを平和推進機関みたいに思ってるのか?」
「あんた以外はみんなそういう結果を残してるでしょ」
「私もメダリストみたいに世界に感動を与えたい!…ってか?ハッ!おめでたい奴だなぁ」
「……っ」
「…お前、アランはそんな連中じゃねぇぜ」
「…なんと言おうと、私にはヨシさんとの約束がある。これはその証……」
千束は自分の胸に掛かったペンダントに触れる
先月、自分に人工心臓を与え、このペンダントをくれた人物が吉松シンジと知った千束
その事を受け入れ、今では吉松シンジに尊敬の意を表している
「ヨシさんって…アラン機関の奴か?」
「あんたには関係ない」
「…アランと接触してるのか?お前」
「あんたが私より何知ってるか知りませんけどね!私はやりたいようにやりますぅ!」
「…良いねぇ、やっぱ俺とお前は同じだ」
「……っ」
少しだけはにかんだ真島は、机の上のメモリを取り上げた
「殺しの腕を買われて支援されたのさ」
「絶対そんなんじゃありませぇ〜ん」
「…アランの連中は純粋なんだ。俺たちの殺しを肯定できるくらいにな……」
立ち上がる真島
メモリを懐に閉まって出口に向かった
「…えっあ帰るの?」
「……お前の仲間が来たからな…」
「…え?」
「……っていうかホントに居るのかよ…?」
「確証は無いが、何かしらのトラブルに巻き込まれている可能性は高い」
「……開けますよ」
「…おう」
千束の家に様子を見に来た翔太郎、フィリップ、たきな
たきなが千束の部屋のドアノブに手を掛けた瞬間だった
「…っ!」
「…ふっ!」
「がはっ!」
ドアが内側から勢い良く開き、ドアの隙間から真島のキックがたきなの腹部に直撃した
「たきな!」
「…ヘヘッ」
「……お前が…!」
フィリップや俺の間をすり抜けてベランダから逃げ出す真島
「…クッ…バットショット!」
《 バット!》
すぐさまバットショットを起動させて真島を尾行させるフィリップ
「…たきな、大丈夫か!?」
「は、はい……二人は真島を追ってください…!」
「分かった!行くぜフィリップ!」
「……あぁ!」
第29話「Eの異能/究極は何処に」
「「変身ッ!」」
サイクロン!ジョーカー!
仮面ライダーダブルへと変身した俺たちはハードボイルダーに跨り真島を追った
「…うわっと……」
倒れるフィリップを受け止めホッと息を着くたきな
「…うわっ!たきな大丈夫!?ってかフィリップさん!」
そこで部屋から千束が飛び出して来た
倒れているフィリップを見て相当驚いていた
「どうしたの!?」
「…あ、いや…真島に襲われて……」
「えぇ!?大変じゃん!救急車…あ、でも大事にはしない方が良いか…えぇっとえぇっと〜……!」
「……はぁ」
千束が無事な事を確認したたきなは、二人にその後を委ねる事とした
「……ハァ…ハァ…ヘヘッ……ん?」
逃げ出した真島だが、後ろに気配がして振り返った
「……チッ」
空からコウモリ型のメカが追って来ていた
《 MACHINE GAN!》
「耳障りなんだよォ!」
真島はマシンガン・ドーパントへと変貌し、バットショットを撃ち落とした
「……ヘッ!……ん?」
すると今度はバイクに乗った仮面ライダーが突っ込んで来た
「ぐわっ!」
真島に直撃するダブル
バイクから降りて真島の前に立ち塞がる
真島は地面にうつ伏せになりながらもダブルを見ていた
『これ以上逃がす訳にはいかない!』
「観念しろ!真島!」
「……ヘッ…仮面ライダーのお出ましってわけか…!」
立ち上がる真島はダブルに向かって銃を乱射した
「…クッ…フィリップ!ルナトリガーだ!」
『あぁ!』
ルナ!トリガー!
ルナトリガーへと姿を変えるダブルはトリガーマグナムで真島に向かって光弾を発射した
「…ぐわっ!」
「よしっ!」
『…いや、まだだ!』
「……っ」
真島は今度はロケットランチャーのような武器を生成し、ダブルに向かって放った
「『ぐわぁぁ!』」
直撃は避けたものの、足元に被爆した為ダブルはバランスを崩す
それを真島が逃す筈もなく、真島はダブルの懐に入り込んだ
「なにっ!?」
「…ヘヘッ…はァァ!」
「『ぐわぁぁぁあ!』」
ダブルの懐で銃を連発する真島
攻撃の影響でダブルは吹き飛ばされる
「……クッ…こいつ、強ぇ!」
『あぁ、照井竜が苦戦した相手だけはある』
「おいおいどうした?風都を守った仮面ライダーの実力はこんなもんかぁ?」
ダブルを煽る真島
「んだとぉ!?やってやるよ!」
ヒート!メタル!
「はぁぁぁあ!」
ダブルはその挑発に乗ってしまった
『翔太郎!落ち着け!』
「落ち着いてられるか!こいつのせいで風都署も、街の平和も…!」
メタルシャフトを左手で乱暴に振り回すダブル
『翔太郎!』
「…ダメだなぁ…左右のバランスが悪い。それじゃあ俺には勝てねぇぜ?」
「……なんだとぉ!?」
メタル!マキシマムドライブ!
「ふざけんなぁァァ!」
『翔太郎!』
攻撃を自制するダブル
「なんで止めるんだよ相棒!上手く行けば奴を捕えられんのに!」
『逆だ!奴は僕らの調和が乱れた隙に逃げるつもりだ!今のままでは、奴の言う通り僕たちは勝てない!』
「じゃあどうすんだよぉ!?」
『……“彼”を呼ぶんだ』
「…彼?」
メタルシャフトに灯った炎が消えた
「…まさか…エクストリームを!?」
『そうだ』
「…でも、エクストリームは今…」
『知っての通り、彼は以前から僕たちの前に姿を表さなくなっている。だが、きっと僕らの思いが通じれば、彼はきっとまた現れる…!』
「……そんな上手く行くもんなのか?」
『…僕を信じてくれ、相棒!』
「……分かった!」
サイクロン!ジョーカー!
サイクロンジョーカーへと再び変化するダブル
「……なんだ?降参でもすんのか?」
「冗談じゃねぇ…俺は、俺たちは今から……『究極』になるんだよ!」
「……究極…?」
ダブルは手を天高く挙げ、その名を叫んだ
「『来い!エクストリーム!!』」
「……っ」
「『……』」
しかし、待てど暮らせどエクストリームは現れなかった
「…なんでだよ…なんで来てくれねぇんだよ!?」
『今の僕らの絆は相当な筈だ…なのに現れないのは……』
「…よく分かんねぇけど、今度はこっちの番だ!」
真島は素早い速さでダブルの目の前に来る
「はぁぁ!」
「グッ…!」
至近距離からの射撃攻撃
ダブルは再び劣勢に追い込まれた
「こうなったら仕方ねぇ…別のメモリで対応するぞ!フィリップ!」
『…あぁ…考えるよりも、今は勝つ事を優先する!』
『 PIRATES!』「 METAL!」
パイレーツ!メタル!
ダブルは左手半身が銀色、右半身がシアンカラーのパイレーツメタルへと変身した
メタルシャフトを手に持ち、メタルシャフトの先端には水で出来た旗のような物が出現し、真ん中にはパイレーツのロゴが現れていた
まるで海賊旗のような見た目だ
「『…さぁ、お前の罪を数えろ!』」
「真島は!?」
「…今、左さんが追ってるところです」
「助けに行かなきゃじゃん!行こうたきな!」
「…あ、待って下さい!」
「…えっ?」
千束の目は疑問に満ちていた
当然である。ただの人間である翔太郎がドーパントに対抗しようとしていると、千束は思っているためである
しかし、翔太郎がダブルだから心配はいらないとは言えないたきな。更にあながち心配要らないという訳でもない。現にアクセルは苦戦を強いられていた。ダブルが勝つ保証も無い為、たきな本人も心配で様子は見に行きたいのである
「…たきな!」
「…っ」
「……行くよ!」
「……っ!」
しかし、千束にはそんな事は関係ない
困っている人を助けるのが、リコリスの仕事…
だったら私のすべき行動は……!
「クッ…へぇ〜なかなかやるじゃねぇか…」
「『……』」
パイレーツの変則的な攻撃により、真島は少しだけ押され始めていた
膝を付き、少しだけ息を荒くしていた
『…元より機関銃の記憶を司るマシンガン・ドーパントの能力は単調で、変則的なパイレーツとは相性が悪い。この勝負、このままいけば勝てるよ!』
「…あぁ…でも油断は禁物だ…!」
「……」
すると、ゆっくりと膝を立たせる真島
「…ヘヘッ…おもしれねぇなぁ……お前も」
「……なにっ?」
「……フッ」
真島は人差し指をクイックイッとこちらに動かし、更には目を閉じた
「…ほら、攻撃してみろよ」
『……どういうつもりだ…?』
「……ヘッ」
「……クッ…!」
ダブルは言われた通り、メタルシャフトで真島を狙った
「はぁぁ!」
「……ヘヘッ」
『なにっ!?』
しかし、真島はダブルの攻撃を避け、更には的確に反撃もしてきたのだ
『…一体…どういう仕組みだ…!?』
「……まさかこいつ…!」
メタル!マキシマムドライブ!
危機を察知したダブルはメタルシャフトにメタルメモリを装填した
メタルシャフトの旗の水が変形し、メタルシャフトにまとわりつく
水のオーラと合わさったメタルシャフトはまるで錨のようになり、ダブルはそれを持ち上げた
「『メタルアックスドロップ!』」
ハンマーのように掲げたメタルシャフトを真島に向けて打ち込む
「……ハハッ!」
「何っ!?」
しかし、真島はその攻撃をも避け、ダブルの胸部に向かって強力な弾丸を放った
「『ぐわぁぁぁあ!』」
強力な攻撃を受けたダブルは変身解除に追い込まれた
「…クッ…くそっ!」
だが、翔太郎に更なる悪夢が襲いかかる
「……翔太郎さん…?」
「……っ……っ!」
振り向くと、息を切らしたたきなと千束が立っていた
「……嘘…だろ…」
千束に…俺たちの正体が……バレた…
しばらくの間、時の流れが遅く感じた
「……フッ…あれが彼の力か」
真島とダブルの戦いを見ていた吉松シンジ
「…彼らの事が心配かい?」
シンジの隣には、小さい檻が置いてあり、その中の物が暴れていた
「……小鳥くん」
『……』
檻の中で暴れるエクストリームメモリ
これが、新たなる波乱を産むこととなる……
「…あとは、『心臓』だけだな……」
次回
第30話「Eの異能/永遠の灯火」
これで決まりだ!