仮面ライダーW/L・R   作:キャメル16世

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今更ですがエクストリームが誘拐された描写を描いていませんでした
どの段階で誘拐されたかと言われるとちょっと微妙なので、ウォーシップ戦の後に誘拐されたという事にしてください

という事で、今回もよろしくお願いします



第30話「Eの異能/永遠の灯火」

「……千束…!」

「……嘘……翔太郎さんが…」

「……ハァ…ハァ」

地面に倒れながらも千束の顔を見る翔太郎

真島には目もくれない千束

息を切らし、打開の道を探るたきな

 

「……っ」

「…よぉ、風都タワーのリコリス」

「真島…!」

今度こそ真島に目をやる千束

だが、その表情は困惑と緊張に包まれていた

 

「……皮肉なもんだよなぁ…これでも街を守ってる仮面ライダーが、こうもあっさりDAの目の敵にされるんだ」

「……クッ…」

「…仮面ライダーってのはな、自分の正義を貫いて自由を手に入れた者に与えられる称号なんだよ。お前らみたいな半分こ怪人とは違う」

「……なんだと…クッ…!」

地に身を伏しながら這い蹲る翔太郎

 

「…教えてやるよ。本当の仮面ライダーってのがどんな奴なのか」

真島は変身を解除し傍にある塀に腰掛けた

 

「仮面ライダーエターナル。あの風都タワーを破壊した張本人で、この街を震撼させた…言わば英雄だ」

「…エターナル…それさっきも言ってたよね?そんなに好きなの?」

「当然だろ。俺たちはあいつに選ばれ、テロ組織『NEVER』の一員に勧誘された。NEVERは世界の不自由を嫌い、平等な世界を求めた。全ては世界のバランスを保つ為だ」

「……世界のバランスを…保つ為……だと…!?」

翔太郎がもがきながら問う

 

「……仮面ライダーエターナル…大道克己はかつて自由を拒まれ、孤独に生活して来た。だが、その高い戦闘能力で軍の兵士のトップに返り咲いた」

「……」

「…その後、エターナルメモリを手に入れた大道は、とんでもねぇ事を企んだ」

「……まさか…」

「…そう…風都タワーを破壊し、この世界に教えこんだのさ……本当の平和なんてものは訪れない。俺たちは世界の秩序を守ったのさ」

「…何が世界の秩序だ!それで何人の人が傷付いた!?」

翔太郎は真島に向かって吠えた

這って真島の所まで到着し、真島の足首を掴む翔太郎

 

「……」

真島はそんな翔太郎の背中を踏みつけた

 

「グッ…」

「…お前らは本当の正義って何か分かるか?」

「……えっ?」

「俺には分かる。本当の正義とはなんなのか…それは…」

「……んんんん!!」

今まで翔太郎がいる手前拳銃を向けるのをやめていたたきなだが

我慢の限界が来たのか、たきなは真島に銃を向けた

 

「…たきな!」

「……たきな…!」

「……ヘッ」

「……死ねっ!」

 

 

 

第30話「Eの異能/永遠の灯火」

 

 

 

「……っ」

たきなの手を止めたのは、フィリップだった

 

「落ち着きたまえ、井ノ上たきな。彼を殺せば、重要な情報を聞き出せなくなる」

「……ご…ごめんなさい…」

千束の自宅前で目を覚ましたフィリップはすぐさまこの場所に駆け寄ってきていたのだ

 

「…井ノ上たきな、君は翔太郎を連れて逃げるんだ。いいね」

「…は、はい!」

翔太郎のダブルドライバーにジョーカーメモリが刺さっている事を確認したフィリップは翔太郎の安全を優先させた

 

「…ふっ!」

「…クッ…!」

「…悪い…たきな……」

「しっかり掴まっててください!」

真島の隙を突いて翔太郎を連れ出したたきなは颯爽と去って行った

 

「…フィリップ…あとは頼んだぜ」

「…あぁ、後は僕に任せたまえ」

その場に残るフィリップと千束

対する真島は変わらずはにかんでいた

 

「ちょ…フィリップさん!どうやって戦うの!?フィリップさん1人じゃ無理だよ!」

「問題ない。僕は一人ではないし、君もいる」

「……え?」

 

フィリップの手にファングメモリが乗っかり、それを変形させる。フィリップのダブルドライバーにジョーカーメモリが転送されて来た

 

「 FANG!」

 

「…ま、まさか……」

「そう、僕と翔太郎は二人で一人の探偵……そして、仮面ライダーだ……変身ッ!」

 

ファング!ジョーカー!

 

仮面ライダーダブル ファングジョーカーへと変身したフィリップ達

天高く咆哮を上げ、真島もドーパントに変身する

 

「錦木千束、僕らの説明は後だ!ひとまずはこの窮地を脱する!」

「ど、どうするの!?あいつ結構強いよ!?」

『心配すんな千束、フィリップに任せとけばなんとかなる』

「…その声…翔太郎さん!?倒れたんじゃ…?」

ダブルから翔太郎の声が聞こえる

千束は驚きを隠せなかった

 

『その説明も後だ!とりあえず今は奴を倒す!それだけを考えろ!』

「……っ…分かった!その代わり、私の質問には全部答えてくださいね!」

『…あぁ…そのつもりだっ!』

 

ショルダーファング!

 

右肩にショルダーファングを生成しそれをブーメランのように飛ばすダブル

 

「……その程度かァ?」

それを軽々避ける真島

すると、千束は真島に向かって銃を放ち続けた

 

「…当たんねぇなぁ……ホントに狙ってんのかぁ?」

しかし、次の瞬間真島に悲劇が襲う

 

「…ぐがぁぁ!」

ブーメランのように帰って来たショルダーファングが真島の背中に斬撃を与えたのだ

 

「……グッ…!」

「錦木千束!続けて撃て!」

「分かった!」

「…チッ…ふざけんなぁ!」

すると、真島は今度は千束を狙う

だが、その攻撃も千束には当たらない

 

『今だぁ!』

「はぁぁあ!」

 

アームファング!

 

「なっ…ぐわぁぁ!」

ダブルのアームファングが炸裂する

 

「……くっそ…!」

バンバンバンバンうるせぇ…!

 

「……やはり、君の能力が読めた」

「…なに?」

「君は常人より耳が良いんだ。それにより、僕らの動きを音によって感知している」

『なるほど、だからあえて銃声で場をうるさくして俺たちに気付きにくくしたって訳か!』

「……ヘヘッ…流石はアランに選ばれた仮面ライダーだなぁ」

『…な、なんでそれを知ってやがる!?』

「……教えるかバーカ」

真島は手の中にエネルギーを溜める

どうやら強烈な一撃を叩き込むようだ

 

『フィリップ!決めるぜ!』

「あぁ!」

 

ファング!マキシマムドライブ!

 

ダブルの左足首から白い刃が生成され、ダブルは高く飛び上がり旋回しながらキックを放った

 

『「ファングストライザー!」』

「…グッ……ぐがぁぁぁぁ!」

必殺技が炸裂し、マシンガン・ドーパントは爆散した

煙が晴れた向こうには破損したマシンガンメモリを持った真島だった

息を切らし、とてもじゃないが満身創痍だった

 

「……ヘッ…ヘヘッ…へへへはははははは!」

「…っ?」

だが、真島は高らかに笑った

その表情からは、喜びを感じた

むしろ、その感情しか感じがなかった

 

「…いいぜいいぜぇ…こうでなくちゃ、俺とのバランスが悪ぃからなぁ!」

「……っ」

真島は破損したマシンガンメモリをダブルに投げつけ、更に懐からロストドライバーを取り出した

 

『ロストドライバー!?なんでお前が!?』

「……ヘヘッ」

『……答えろ!』

「…これを見れば、納得いくか?」

真島はエターナルメモリを取り出し、ダブルに見せ付けた

 

『「…っ!?」』

『…なんでお前がエターナルメモリを持ってるんだよ!?』

「……っ」

 

「 ETERNAL!」

 

ダブルの疑問を他所に、真島はエターナルメモリを起動させ、空に掲げた

 

「……大道…お前の使命が、ようやく果たされるぜ……変身ッ!」

 

エターナル!

 

真島がエターナルメモリをロストドライバーに装填し展開すると

真島は全身は白く黒いマントを羽織り、黄色い複眼を輝かせ3つの角を持ち、緑色の炎のグラデーションがかかった両腕の超人に変化した

 

『……マジかよ…真島が…』

「……仮面ライダーに…」

「…なっちゃった……」

 

自分の姿に少し驚く真島だったが、すぐにこちらに視線を送って来た

 

「…こいつが仮面ライダーか……これで街は変えられる……文字通り、地獄にな」

真島はダブルに向けて、サムズダウンをして見せた

 

「……さぁ、地獄を…楽しみなぁ!」

 

 

「……」

「…大道…!やっと来たか!」

「真島、準備は全て整った。すぐに起動してもいいが……」

エターナルは千束を見詰めた

 

「…もうやら、地獄を見るべき人間がここにもいるようだな」

「……っ」

エターナルの圧に少し押される千束

しかし、すぐに立ち直り銃をエターナルに向けて放つ

 

「……ふんっ!」

「…グッ……」

一瞬で千束の喉にエターナルの短剣武器であるエターナルエッジの刃を押し付けた

 

「…ガキを殺す趣味は無いが…殺さない義理もない。お前が俺の仲間を殺ったんだろ?」

「……私は…」

すると、今度は別の黒い超人がエターナルに蹴りを入れた

 

「…トォ!」

「……っ!」

牽制を喰らったエターナル

スカルは千束を庇うように前に立った

 

「ガイアメモリの戦士…だと!?」

「……お前もアランの支援を受けたのか?」

「…アラン…何故お前がその名を…!」

疑問に思う真島と、スカルに質問をするエターナル

スカルは静かに答えると、エターナルに向かって走って行った

 

「…トォ!」

「……っ…なるほど、つまりお前も俺と同じって訳だな」

「……どういう意味だ」

「…俺の名は仮面ライダーエターナル。この世界を地獄に変え、腐ったこの世の中を正す。それが俺たちNEVERの目的だ」

「……腐った世の中…だと?」

「その通り…まずはガイアメモリによって汚れてしまったこの街を浄化する。その為にはまず、ガイアメモリの恐ろしさを愚民共に伝えなくてはならない……」

「……」

「…どうだ?俺と共に世界を変えてみないか?お前もガイアメモリを使う超人…つまり、仮面ライダーの素質がある」

「……」

「…仮面ライダーとは己の正義を貫き、自由を手に入れる者の事。この世界を変えて、自由を手に入れよう!」

スカルを勧誘するエターナル

徐々にスカルに近付き、右手を差し出した

 

「……」

そして、それに応えるように右手を伸ばすスカル

だが、その手は直前で止まった

 

「……っ?」

「…断る。俺はこの世界を変えたいとは思わない……ふんっ!」

その手の裏拳でエターナルを殴る

 

「……っ…」

「…だが、俺にも正義はある。それを貫くのが、漢の性だ……お前が仮面ライダーエターナルなら、俺は……仮面ライダー…スカルだ」

スカルマグナムを出現させてエターナルに向かって放つ

 

「…フッ…それがお前の答えか、ならいいだろう……真島、起動しろ」

「……あぁ」

真島は手に持っていたスイッチを押し込んだ

 

「……っ!」

次の瞬間、風都タワーのプロペラ部分が落下して来た

タワーが崩れるのが分かる

 

「…クッ…来い、千束…!」

「……っ」

千束の首裏を叩き気絶させるスカル

そのまま千束を担いで風都タワーを脱出した

 

「大道!お前も逃げるぞ!」

「……俺の事は放っとけ…だが、必ず忘れるな」

「……っ」

「…地獄に行ったら、この名を告げろ」

「……っ!」

「……大道克己……ふははは…ふっはははははは!」




次回

第31話「永遠のIを/あの子の笑顔」

これで決まりだ!

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