「ははははははははは!」
「『……クッ…!』」
仮面ライダーエターナル グリーンフレアに変身した真島はダブルに猛攻撃をしていた
エターナルはマキシマムスロットを搭載した拳銃型の武器、「エターナルバレット」を駆使し、ダブルを追い詰めていた
「おらおらァ!どうしたァ!?」
「『…クッ…!』」
『フィリップ!このままじゃマズイぞ!』
「あぁ…!早く手を打たないと…!」
「はぁッ!」
攻撃を受けながらも頭を働かせるダブルだったが、真島の猛攻撃に着いて来れなくなっていた
「『ぐわっ!』」
緑の拳が次々とパンチを喰らわし、エターナルバレットによる攻撃も強力なものだった
どうやら僕たちは、とんでもない怪物を生み出してしまったのかもしれない…
「……終わりだ」
真島はドライバーからエターナルメモリを抜き出し、エターナルバレットのマキシマムスロットに装填した
エターナル!マキシマムドライブ!
「『…グッ…!』」
エターナルのマキシマムドライブが発動すると、何故だかダブルの力が弱まっていった
「…なんだ…?力が弱まって…!」
「永遠の記憶を持つエターナルの力には、他のガイアメモリの機能を半永久的に停止させる事が出来る…」
『何っ!?』
「…まぁ、俺は完全な力を出せてねぇ…俺に出来るのはせいぜい短時間の間他のガイアメモリの力を弱体化させる事しか出来ねぇ……やっぱこのメモリを扱えるのはアイツだけだな……だが、それで充分だ!」
身動きが取れなくなったダブルを蹴り上げる真島
「……っ…あ?」
「……二人から、離れて!」
すると、今度は千束が真島に向かって銃を放った
勿論直接的な攻撃にはならず、気を逸らせることしか出来なかったが……
ショルダーファング!
「『はっ!』」
「…っ!」
ダブルはショルダーファングを投げ付けて距離を置くことに成功した
『助かったぜ!千束!』
「うんっ!」
そして更に、そこに助け舟が来た
「……はぁぁ!」
『照井っ!』
遠くからアクセルトライアルへと変身した照井竜が走って来たのだ
「左!フィリップ!ここは一旦引くぞ!俺も奴の攻撃で少ししか動けん!」
「…あぁ…残念だが、彼の身柄は諦めよう」
『…仕方ねぇ…千束!行くぞ!』
「…あ、うん!」
ダブルと千束を抱えたアクセルトライアルは颯爽とその場を去った
アクセルは去り際に真島に「決着はまた今度だ」と、言い放った
「……ったく…逃げられたぜ…ヘヘッ」
変身を解除する真島
ドライバーから抜き出したエターナルメモリをギュッと握った
「……次は容赦しねぇぜ…風都タワーのリコリス…」
第31話「永遠のIを/あの子の笑顔」
「…助かったぜ、照井」
「今回ばかりは君に命を助けられたよ、ありがとう」
落ち着いた場所で集合した俺たち
俺も傷を負っていたが、重症では無いため今は真島討伐に着いて相談をする事とした
「お前たちも怪我は無いか?」
「…は、はい」
「刑事さん、またまた助けて頂きありがとうございました!」
千束とたきなを心配する照井
二人にも目立った傷は無さそうだ
「…あれがエターナル…風都タワーを破壊した張本人か」
「…あいつが……」
俺は過去の記憶を思い出した
あの日も俺にとって、忘れられない日になるだろう
「……左、何か知ってるのか?」
「……」
俺は丁度いいと思い、あの話をする事とした
10年前、俺が見た風都タワー事件の事を……
「……風都タワー事件のあの日、俺は風都タワーにいたんだ。その日は年に一度の祭りをやっててな……でも、俺が行ったその時、風都タワーは封鎖されてたんだ。何人か警備員が配置されてて、風都タワーの入口は一切立ち入り禁止になってた…」
「……もしかして…」
「…そう、既にDAがテロリスト集団の足取りを掴んで事前に事件をもみ消そうとしたんだ。だが、それは失敗に終わったようだ」
「……」
「風都タワー内から銃声や爆発音が聞こえ、俺はいてもたっても居られなかった……」
10年前──
「おいジンさん!風都タワーが封鎖ってどういう事だよ!?」
「落ち着け翔太郎!上からの指示だ…祭りは中止、どうやら風都タワー内で危険物が見つかったらしい」
「……なんだよそれ…なんでこんな日に限って…!」
当時中学生だった俺は、まだまだガキだった
どうにかして裏道から入ろうと風都タワーの周りを周回していた
そんな時だった
「……っ!」
俺の目に映ったのは楠木に案内されるおやっさんだった
「おやっさん!」
「…翔太郎…!何故ここに居る…!?」
「おやっさんこそ何処に行くんだよ!?まさかこの中に入るのか…!?」
「……」
おやっさんは答えなかった
その目は帽子の鍔で隠れて見えなかった
ただ、俺には答えがすぐにわかった
「……っ…だったら俺も連れて行ってくれよ!あの中で何が起きてるのか知りてぇんだ!」
「……楠木、先に行っててくれ」
「…分かった」
頷いた楠木は風都タワーの中に入って行った
「……」
「……」
無言のまま時が過ぎていた
中では今だに銃声が響いていた
「…翔太郎、この街を脅かす怪物の事は知ってるよな」
「…ドーパントの事だろ?」
「奴らはガイアメモリという道具を使って人間から変身する。この街にはそういうのが蔓延ってるんだ」
「……それがなんなんだよ」
「…どうやら…ガイアメモリを使う過激派の連中が、この中で暴れてるらしい」
「…えっ!?」
俺とおやっさんはタワーを見上げた
「…俺はこの事件を解決する為に楠木に呼ばれた。俺はガイアメモリにも精通してるからな」
「……っ」
おやっさんは俺に人差し指を立て、その冷たく、優しい目で俺の目を見た
「ここはお前には危険すぎる。大人しく外で待っていろ」
「……っ」
「……」
俺が納得したと思ったのか、おやっさんは手を引っ込めてタワーに入ろうとした
「……いやだ」
「……なに?」
もちろん、俺の答えはノーだ
「俺の大好きな風都タワーにそんな奴らが居るなんて言われたら、俄然やる気が出てきたぜ……おやっさんがなんと言おうと、俺は行くぜ」
「……はぁ…やはりお前は半熟だな」
「なっ…!?」
呆れた顔で答えたおやっさんは、俺の前に立った
「分かった。そこまで言うならお前に1つ任務をやろう」
「……お、おう」
「…この中に、1人女の子がいる。その子を全力で守れ」
「…お、女の子…?」
おやっさんの言っていることが全然分からなかったが、俺はおやっさんの言う通り過激派の奴らには絡まない事を約束した
「…少女の名は千束。金髪に赤いリボンを付けてる」
「……おやっさん…何でそんな事知ってんだよ」
「……俺の友からの依頼…いや、友との約束なんだ」
「…友…?」
あぁ…楠木の事ねぇ…
「……っ…翔太郎、ここから離れて千束を探せ」
「…えっ…なんで」
「いいから早く行け!」
「…わ、わかったよぉ……」
俺はおやっさんの圧に押されてその場から去り、千束と呼ばれた女の子を探す事とした
「…ヘヘッ…どうやら迷子のオジサンが来てる見てぇだな」
「……貴様らか、ガイアメモリを使う過激派の連中は」
廊下の奥から1人男が歩いて来た
軍服のような戦闘に特化したスーツだ
「…ただでさえ変な連中に計画邪魔されてるんだ…これ以上克己の邪魔はさせねぇぜ…!」
《 IVY!》
男はガイアメモリを取り出し、全身植物のツタのようなもので毛むくじゃらな怪人へと変貌した
「俺たちNEVERの快進撃は!ここから始まるんだよォ!」
イヴィー・ドーパントは腕のツタを荘吉に伸ばす
「……っ」
それを間一髪で避けた荘吉はロストドライバーを装着した
「 SKULL!」
「…変身」
スカル!
「…トォ!」
スカルへと変身した荘吉はイヴィーに飛び込んでパンチを喰らわした
「…グッ…貴様もドーパントだったのか!?」
「……」
何も語らぬ荘吉は、次はスカルマグナムを出現させてイヴィーに光弾を放つ
「クッ…グオッ!」
「……貴様に用はない。そこを…退け…!」
「…ッ!」
「……女の子を探せって…なんだってこんな時に…」
おやっさんの元を離れた俺は言われた通り女の子を探していた
「…っ」
銃声や爆発音が聞こえタワーが悲鳴を上げているのが分かった
早く何とかしねぇと…
「…お兄さん、こんな所で何やってるの?」
「……え?」
目の前を見ると、そこには金髪の赤いリボンを着けた女の子がこちらを見ていた
「……マジかよ」
おやっさんの言ってた事、本当だったのか……
「…君、千束か?」
「……なんで私の名前知ってるの?」
「あ〜…俺の師匠が君を探せってさ…さぁ、ここから早く逃げよう」
「……うっふふ…おかしな事を言うね、貴方!」
「……え?」
その子は笑っていた
何が可笑しいのか、俺には分からなかった
おやっさんみたいに半人前の俺を嗤っているのか
それともこの状況を可笑しいと思っているのか……
いずれにせよ、俺はこの子に不快感と疑心感を持ち始めた
「…何してるの?」
「…え?」
「…逃げるんでしょ?お兄さんっ」
「…あ、あぁ……」
何故だか彼女は俺の言う通り逃げる選択をしてくれた
普通に考えれば当然の選択だ
だが、何故それが当然なのかすら、俺は分からなくなってしまった
「……」
「……」
照明が切れた暗い廊下を散歩しながら出口を探す俺と彼女
「…ねぇ、お兄さんお名前は?」
「……左…翔太郎」
「翔太郎さんか!いい名前だね!」
「……」
「翔太郎さん!初めまして!錦木千束ですっ!」
「……なぁ」
俺は足を止め、彼女に問い掛けた
「…なんでそんな悲しそうな目をしてるんだ…?」
「……」
俺は気付いていた
俺が不快感と疑心感を持ったその理由を
彼女の目は笑っていなかった
何か、無理に笑顔を作っているように見えた
その笑顔が、返って悲しそうに見えたんだ
「……なんで…分かるの?」
「…え?」
「……なんで、そんな事が分かるの?」
「……」
彼女の表情が変わった
無理な笑顔では無い
今度は何かに落胆したような、そんな虚ろな表情だった
「…俺はこの街の人達にはみんな笑顔でいて欲しいんだ。そんな悲しそうな目をしてる人が居たら、見て見ぬふりは出来ねぇ……教えてくれ、君のその
「……」
「……たとえ半人前でも、この街を愛する気持ちは誰にも負けない自信がある!」
「……面白いね、翔太郎さんは…」
すると、彼女は俺に背を向けた
「…でも、知らない方がいいよ」
「……何故…!?」
「…知らない方が幸せな事もあるんだよ…きっと……」
「…ま、待ってくれ…!」
そのまま行こうとする彼女の手を俺は引き留めた
彼女の手を引き、彼女の手首に触れた、その時だった
「……っ…脈が…」
「……っ!」
「……グッ…!」
次の瞬間、腹部や胸部に強い衝撃を感じた
まるで弾丸が当たったかのような……
だが、出血していない事は分かった
死ぬ程痛いが、致命傷にはならなかった
「……クッ…」
「……」
俺は意識が薄れながらも、彼女に手を伸ばした
おやっさんとの約束を…守らねぇと…!
「……ごめんなさい」
「……ッ」
今度は脳天に衝撃が走った
俺のそのまま気を失った
「…………っ」
目が覚めると、そこは病院だった
「…気付いたか」
「……おやっさん…」
病室のベットの横の椅子に座っていたおやっさんは、俺が目覚めるとホッと息をついた
「……っ…風都タワーは…!?」
ベットから起き上がった俺は部屋の窓から風都タワーを見つけた
「…ご覧の通りだ」
「……そんな…」
風都タワーはプロペラ部分の根元が切り落とされたように落下しており、タワー自体も酷く崩壊していた
「……っ…あの子は…!?」
「…安心しろ、信頼出来る者に預けた」
「……そっか…よかった…」
「……今回は重要な任務を任せた俺にも責任がある。だが、お前がこれ以上命を張る必要は無いだろう」
「……」
おやっさんは椅子から立ち上がり、俺に背を向けた
それがなんだか、あの子に似ている気がして嫌だった
「…これに懲りたら、もう俺にはついてくるな。早死するぞ……」
「……」
窓の縁を掴んだ手に力が入る
悔しかったんだ
俺が非力なのもそうだが、何より悔しいのが……
《……ごめんなさい》
あの子の笑顔を守れなかった事だ
「……やるよ、俺は」
「……何故そこまで…」
「この街が好きだから」
「…っ」
「……それだけじゃダメか?」
「……翔太郎…」
「……10年前、俺は一度千束と会ってるんだ。当時のあの子が君と知った時は、驚いたよ」
「……翔太郎…」
「……左…」
「……左さん…」
「……」
「…なぁ、ほんとに覚えてねぇのか?俺の事、おやっさんの事、あの事件の事……」
俺は改めて千束を問いただした
「…ごめんなさい…ほんとに覚えてないの……こんな大事な記憶、なんで忘れちゃったんだろう……」
「……記憶…」
フィリップがそう呟いた
そして、千束に身体を向けた
「…錦木千束…君は10年前から今日に至るまで、どのくらい出来事を覚えてる…?」
「…え?そう言われれば…リコリコを開店した時、初めてお客さんが来た時、仕事をした時……たきなが来た時……えぇっと〜……」
「……やはり…」
「…何が言いてぇんだ?相棒」
「彼女の記憶が、断片的に抜き取られている可能性が高いんだよ。自分の都合のいいように、彼女の記憶を改ざんしたんだ…」
その場にいた全員が驚く
当然である
「記憶を改ざんって…そんな事……まさか…!?」
「…そう、彼女の記憶を抜き取ったのは…「地球の本棚」に干渉出来る人物である可能性が非常に高い…!」
「……そんな…ウソだろ…!?」
「……これは、厄介な事になりそうだね…」
「……おやおや…私の正体に気付き始めたか…」
ジャック・ドーパントは夜街を眺めながらそう呟いた
「……そろそろ潮時かな…仮面ライダー…!」
次回
第32話「永遠のIを/あの日の全て」
これで決まりだ!