仮面ライダーW/L・R   作:キャメル16世

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ご無沙汰しております
リコリス・リコイル、新作発表されましたね
劇場作品か、OVAか、はたまた2期か…今から楽しみです!
それでは!



第38話「Fに別れを/それぞれの道へ」

「ホントに論文から追えるの〜?」

「あんな人工心臓なんて、治験が難しいだろう」

「…まぁ、入れてみて失敗!とかだったら大事だもんな」

「非合法に実験出来る機会を、アラン機関が与えたんだ」

「なるほど…戸籍の無いリコリスにはうってつけという訳だね!」

千束の心臓について調べるクルミ、ミズキ、フィリップ、そして翔太郎の4人

クルミのいつものタンスの中の顔面を、4つの顔が覗いていた

 

「アランが研究書を見つけたきっかけが、どこかにある筈なんだけど…」

「ま、そこら辺はフィリップの検索でも引っかかんなかった事だから任せたいんだけど……」

「翔太郎さーん!先生から伝言で……」ガラッ

「うわぁぁあ!!」

すると、翔太郎の背後に千束が来た事に驚く翔太郎と、画面を必死に隠すクルミとミズキ

 

「……なに……っ」

だが、勿論完全に隠せる訳もなく

更に千束の勘の鋭さにより、状況を把握されてしまった

 

「……やっぱもう終わりにしようかね〜」

「…え?何がだ?」

「……リコリコは閉店しまーす」

「……は?」

「……ヘッ」

「……はぁぁぁぁあ!!??」

千束の衝撃的な言葉に、この場の誰もが驚いた

 

 

 

第38話「Fに別れを/それぞれの道へ」

 

 

 

「あんまり私の事で皆の時間取るのも悪いし、このお店は最後まで楽しい場所じゃないとね!」

「…本気か?お前はそれでいいのか?」

「元々そのつもりだったんですよ、むしろ考えてたよりも長かったくらい」

「……」

カウンター席に腰掛けた俺たちに千束は説得を始めた

 

「…さぁ〜!皆もたきなを見習って自分の道に戻りたまえ〜!Hey You!ミズキは何処に行きますか!?」

「えっ!?…こ、婚活サイトで知り合ったバンクーバーのイケメンに会いに行こうかしら…」

ミズキはタッチパネルを持ちながらネイティブに答えた

 

「わぁ〜!どれどれ?…うっわムッキムキだ…Heyクルミは!?」

「…ボクはこの国じゃお前がいないと命が危ない」

「あんたDAに狙われてるしねー」

「…この国からは離れるよ」

「じゃあドイツにしなよー!」

「…ドイツ?」

疑問に思ったクルミは千束に振り向く

 

「分かった!ずばりボードゲームだね!」

「そう!本場だよ?大きなコンペもあるし…」

「…ならお前も来いよ。旅券くらい作ってやるよ」

「んーふふ、それもアリだな…でも先生が寂しがるからやっぱダメー!」

「……」

クルミはマスターの顔をチラッと見た

マスターは気にせずコーヒーの在庫をチェックしていた

 

「…いつか、たきなを誘ってあげてっ!」

「……あぁ」

「Hey!翔太郎さんとフィリップさんは!?」

「……俺たちは変わらず、この街を守っていくつもりだ。それはずっと変わんねぇ」

「おほほ〜やっぱブレないね〜それでこそハードボイルド探偵だよー!」

「…フッ…ま、当然だな!」

千束の言葉を聞き、俺は誇らしげに答える

 

「……」

だが、内心では千束の提案には反対だった…

 

この店が無くなるのは、これまでここで過ごして来た思い出が無くなってしまう気がして。おやっさんの頃から紡いで来た思い出が、消えてしまう気がして…

 

「…僕は君がいなくなった後も、アラン機関について調べる予定だ。僕らを支援した本当の目的、吉松の真意、調べる価値は充分ある」

「…ふふ…フィリップさんらしいね!でもー?」

「……ん?」

「…あんまり根気詰めすぎないでね、身体を大切に!」

「…こんな時でも君は、他人の事を心配するんだね……」

フィリップがボソッ口ずさんだ言葉にクスッと笑った千束は、俺の方を向き優しく声を掛けた

 

「……翔太郎さん」

「…なんだ?」

「……私が居なくなったら、たきなを宜しくね!」

「……あぁ、でも…もうあの子なら大丈夫だろうよ」

「……」

「…あの子はもう、お前のおかげで…充分強くなってる」

「……うん、そうだね…!」

優しくも哀しくもある笑顔は、俺の胸を締め付けた

 

*

 

「4月のメモリ取引に始まり、地下鉄襲撃、リコリス殺害、警察署襲撃…これら全ての事件の首謀者が、真島と呼ばれる、この男です」

リコリスが集められる中、前方の大きなモニタに真島の顔写真が大きく映る

 

「世界中をまたに掛ける戦争屋だ…我が国でも10年前に確認されている。皆もよく知っている…風都タワー事件だ」

更にモニタに当時の千束の写真が映る

 

「全員処刑したと思っていたが…」

 

「……大道克己の手により生き延びた…か」

「おいフィリップ、目立った事するなよ?怪しまれるぞ」

その日、俺達は楠木に招集を受け、DAの本部に来ていた

 

議題の内容は、真島の潜伏場所が割れた為突入するというものだった

俺達はもしもの時の用心棒としてお呼ばれされたようだ

 

「…全力で攻撃する」

楠木の言葉に、全員が起立する

俺達も慌てて立つ

 

「……見つけ出し、殺せ」

「……」

楠木の渇いた瞳を、翔太郎は呆れた瞳でそれを見ていた

 

*

 

「……はぁ〜ん…心臓、ね」

真島は情報を抜き終えたパソコンからUSBメモリを抜き乱暴に放っとく

 

「お前らの関係は大体把握した。哀しい勘違いだな」

「……」

ここは真島の潜伏場所

真島の目の前に縛られたシンジが座っていた

シンジの事を調べあげる為、ロボ太と協力して彼を捕獲したのだ

 

「お前も罪な奴だ…憧れのヨシさんがこんな奴だと知ったらさぞかしガッカリするだろうな。奴に同情するぜ…」

「……」

「…でもよ、思い通りにならないからって手を出すのはアランのルール違反だろ?お前大丈夫なのか?」

「彼女が道を違えたのは私のミスだ。責任を果たす」

「じゃあ俺も殺すか?」

「君は、優秀なチルドレンだよ。メモリは1000本で足りたかい?」

すると、真島は立ち上がり机の上に置かれた空き缶や空き瓶を払い除けてシンジにエターナルバレットの銃口を向けた

 

「恩着せがましいな…俺のやつと同じだぜ?思うままに生きてる。だから思うままにあんたをぶっ殺すかもしれねぇ…良いのかそれで?」

「…アランの理想を果たせるなら、命だろうと捧げてみせよう」

「……ハッ」

シンジの言葉に落胆したのか、真島は椅子に腰掛ける

 

「…気色の悪いったらねぇぜったく……お前らDAと同じだわ…コソコソ隠れて手前勝手るお正義様で世界を操ろうとしやがって……DAの後はお前らだ、アラン機関」

「……」

「…本丸は何処だ…?あぁ?」

「……フッ」

「……ケッ!」

シンジの何一つ変わらない表情を見て、真島は更に気色悪るがる

 

「…お前らが使ってるドライバー…俺にも支援してくれよ」

「……君の手元にはロストドライバーが行ってると把握しているが…?」

「……やっぱり…大道を支援したのはお前か」

「…さぁ、それはどうだろうね」

 

*

 

「…今度はケースに入らず空港に行けるね」

タクシーに荷物を積み終えた千束は後部座席に乗るクルミを軽く煽った

 

「……」

「…どーした可愛い顔が台無しっ!」

解せぬ表情のクルミの頬をつねる

 

「……」

「…ん〜?」

「……世話になった」

「…なーに〜?らしくないな〜」

特に最後の言葉もなく、千束はクルミの横に座るミズキに視線を移した

 

「ミズキも達者でな!」

「…おうよ…!」

クルミの前でグータッチをする二人

 

「…じゃ、千束の事任せたから」

「……あぁ」

そんなミズキは千束の横のミカに声を掛ける

 

「あんま無理言うなよ〜千束〜!おっさんもう歳なんだから〜!」

「へいへい…」

それを最後に、タクシーの窓が閉ざされる

そのまま発車されたタクシー

最後まで彼女は笑っていた

 

「……さ、片付けを始めますか先生〜」

「……」

 

*

 

『オール・グリーン、各部隊順調に進行しています』

「……」

 

真島が潜伏していると思われる貨物船の中に侵入して行くリコリス達

俺達もそれをアシストする為たきなについて回っていた

 

「敵の状況を確認」

フキが先陣を切って指示する

 

「それなら、こいつの出番だな」

「…カタツムリっすか?」

「こういう時に役に立つんだ、こいつらは」

 

《 デンデン!》

 

デンデンセンサーを起動した俺は辺りを見渡す

狭い通路もくまなく探したが、敵の姿は確認されなかった

 

「……逃げられたか…」

少し開けた部屋に入った時、フィリップが呟いた

 

「…っ!」

すると、部屋にあったスクリーンに真島が大きく写った

 

『おぉ〜沢山来やがったな〜修学旅行かぁ?』

「…下ろせ」

スクリーンに銃を向けるリコリス達をフキが鎮める

 

「……真島」

「……」

続々と部屋に入ってくるリコリス

最後に楠木が部屋に入って来た

 

『お、おー引率の先生もいたか。何者だあんた』

「お前を殺す指揮を取っている者だ。真島」

『自己紹介は不要みたいだな〜つまりリコリスの親玉か』

「目的は金か?」

『へへっ…それもある。仲間の生活もあるしな…だがそれ以上に興味のある仕事だから引き受けた』

「…興味?マフィアに手を貸す事にか?」

楠木が一歩前に出る

その隙を見て俺はフィリップの方に振り向く

 

「……フィリップ」

「…あぁ」

 

《 フロッグ!》

 

俺は小声でフィリップにフロッグポットの起動をお願いし、フィリップはそれにすぐさま答える

 

『…正義の味方気取りの悪党がどんなに辛かった事かよ』

「……悪党はお前らだろ」

『善悪の物差しは現代に於いては法だ。お前らは法の元に存在しているのか?』

「その法が生まれる前から我々は存在し、政治体制を超えてこの国の治安とモラルを育てて来たのだ」

『…へへへへ…体制を超えて?お前ら何様なんよ…』

「それを話すつもりは無い。結果としてこの国の利益は守られている」

『マキャベリズムってやつ?古くせっ…んなもんがまかり通ってると知って世間はどう思うかね?』

「要らぬ心配だ。真の平和とは悪意の存在すら感じない世界の事だ。お前も、誰の記憶にも残らず消える」

『お得意の情報操作か…だがな、悲惨な現実を知らなければ、平和の意味さえ人々は忘れてしまうんじゃないのか〜?与えられる物ではなく、勝ち取るものだって事をな…』

「…フッ…賢しい事を言うじゃないか。悪党も自分が悪である認識には耐えられないか」

『心配してやってるんだぜ?善悪の天秤ってのはな、どっちに傾くにしてもお前らみたいな存在に操られるべきじゃねぇ…バランスを取り戻さなきゃな』

「…それが風都タワーを狙う理由か」

『ハハッ…そこまでお見通しかい!』

「いくらメモリを多用しようが、結果は10年前と同じだ」

『…どうかな?今回もあいつが助けてくれるかな?』

 

「……どうだフィリップ、逆探知出来そうか?」

「…まだ時間が掛かる。引き続き引き伸ばしてくれ」

またもや小声で会話する俺たち

その会話を聞いたのか、はたまた独断の行動なのか

たきなはスクリーンの前に出た

 

「待ちなさい!」

「たきな!」

『…おー黒い方〜、それに仮面ライダーのお二人じゃねぇか〜!』

「……チッ…真島…」

たきなを追い掛けて咄嗟に前に出てしまったが為に、俺とフィリップの存在も奴にバレてしまった

 

『おっと…その話はここではしない方が良かったかぁ?』

「問題ない。彼女達には既に正体を明かしている」

『…なんだつまんねぇの…んで、黒い方は久しぶりだな〜お前はこっちに戻ったんだな』

「…吉松は何処」

『なんだ、お前もヨシさんか?人気者だな奴は』

「私は貴方に興味は無い!吉松の居所を…!」

『…俺もお前の方には興味ねぇよ…まぁゆっくりしてってくれ、そこにあるコーヒーもまだ暖かい筈だ』

「…待て…!」

スクリーンの明かりが消え、通信が遮断された

 

「…フィリップ!」

「……ダメだ…失敗した」

「……クッ…」

逆探知には失敗し、更にそこに重い空気がのしかかる

 

*

 

解散となった俺達

フィリップは真島の足取りを辿る為にDAに残り、俺は一人で夜道を散歩していた

 

「……」

冬の冷たい空気が包む中、俺は迷うこと無く足を進めていた

何か事件で嫌な事があると、いつもこの店に来たくなる

それが例え、なくなってしまう場所だとしても……

 

「…あれ!?翔太郎さん!?」

「……よ、千束」

「…なになに〜?何か嫌なことでもあった〜?」

「…まぁな……」

店の戸締まりをしていた千束は変わらず笑顔だった

 

「……」

そして不意に、この言葉が出て来た

 

「…俺は、この店が好きだったよ……」

「……えっ?」

「…この場所は、俺にとって最高の居場所だった…マスターの選んだセンスの良い音楽。絶品のコーヒー。そして…二人の看板娘がいる、この店がな…」

「……翔太郎さん…」

「…おやっさんがこの店を気に入ってた理由が痛い程分かるぜ。今更かもしんねぇが…」

俺は微笑みながらも俯く千束を見た

 

「…これが最後なんて言わせねぇ…リコリコは、俺にとってのもう一つの居場所だ。何としても守りたい」

「……」

「…お前は違うのか?この店を守りたくはないのか?」

「……分かってる。こんなの私も良くないって事くらい…」

「…じゃあ何故…!?」

「でもこうでもしないと!…天国に行った時に、あの人に顔向け出来ないじゃん…」

またもや卑屈なことを言う千束に呆れた俺は

俺に背を向けた千束に問いかける

 

「……天国って…っ…」

「……」

「…あの人って…千束、お前まさか…!?」

だが、一つ千束の言葉に引っかかる部分があった

 

「…一つ…一つだけ、思い出した事があるの」

振り返った千束の表情からは、何か決意のようなものを感じた




次回 仮面ライダーW/L・R

「おやっさんの事…思い出したのか!?」
「ハートメモリを抜かれた事で、彼女の記憶が覚醒したんだ」
「それではこれより、風都タワー完成セレモニーを開催致します!」
「……始まるぞ」
「後は頼んだぜ…マイハッカ〜…」
「みんな、私のお父さんだよ」

第39話「Fに別れを/辿る記憶の中で」

これで決まりだ!
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