「やっと見つけたぜ、ジャック・ドーパント……」
「一連の事件を影から支持し、僕達にも真島やアラン機関と戦うように仕向けた…諸悪の根源!」
「それがあんただ…!」
「……フフッ」
スーツを着た男は振り返り、二人に不敵な笑みを見せたあと、すぐに無表情に戻った
「DAの総司令官にして、アラン機関の一人!虎杖純次郎!」
「…お見事、と言うべきだろうね。戦士としてでなく、探偵としても素晴らしい才能を見せてくれた。君達には敬意を表するよ」
男の名は虎杖純次郎
彼はDAの総司令でありながら
一方ではアラン機関のエージェントの一人としてガイアメモリと関わって来たという一面を持つ
「まずは二つ、質問をしよう…どうして私の正体に気が付けた?どうしてこの場所がわかった?」
二人に対して二つの質問を投げかける虎杖
「それに関しては僕が答えよう。キーワードは三つ、「アラン機関」、「ラジアータ」、そして……」
《3つ目のキーワードは……「才能」だ》
「「才能」…これで君の正体に近付く事が出来た──」
『……っ』
翔太郎の言われた通り、三つのキーワードで検索をかけたフィリップ
本棚に残された一冊の本、それを手に取ったフィリップはページをめくり本の内容を閲覧した
『……これは…!』
「僕が閲覧した本、それは「DA」についてだった。以前は鍵が掛かり閲覧不可能だったのだけど、三つ目のキーワードが鍵となり、僕はDAの情報を知ることが出来た。そして貴方の存在に気が付いた…」
「そこからは簡単だったぜ…あんたの事を調べあげ、あんたがラジアータにアラン機関の映像を隠した犯人だと分かった。これではっきりした…あんたがジャックの正体だとな!」
「……」
「そして、この場所が分かったのも、ラジアータに隠された情報の中に、かつての組織をアラン機関が支援していたという実績を発見し、そのビルはその支援のひとつ…ガイアメモリの開発予定地の一つだった……クルミの協力がなければここまで把握する事は出来なかっただろうね…」
「あとは俺が足で稼いで情報を収集…特定の所有者が登録されていない廃ビルを探し、ここを見つけた」
「……見事だ」
二人の推理を最後まで聞いた虎杖は目を閉じ少し俯いた
「…だが惜しい…肝心の私の目的を推理する事は出来なかったようだね……」
「何言ってやがる…?千束は何処だ!?」
「…フフッ…何を言っている。もう君たちの目の前に居るではないか…!」
「「…っ!?」」
すると、暗かったビルの中に明かりが灯った
虎杖の背後
ビルの中に大きな塔が立っていた
中央に輝く大きなクリスタルのような空間の中に、一人の人影を見つけた
「…千束!」
「まさかあれは……ガイアタワー…!?」
ガイアタワーの中に囚われた千束は目を深く閉じて昏睡状態にあった
「千束をどうするつもりだ!?」
「分からないかね?10年もの間千束の
「…何を言っ……まさか…!」
虎杖の言葉に反応するフィリップ
「そう…彼女はガイアメモリと同じ特性を持つ、言わばデータの存在と化したのだよ!園咲来人、君と同じようにね!」
「…っ」
更なる虎杖の言葉に息を飲む二人
「…嘘…だろ」
「……錦木千束が…僕と同じ存在…?」
「つ、つまり千束は…もう……」
データの存在になった人間
つまり、千束の身体は既に死んでいる
そもそも、フィリップは幼少期に地球の泉に転落し死亡している。だが転落死した身体が偶然地球の情報に触れた事で奇跡的にデータとして再構築されたというのが、現在のフィリップ成り立ちだ
心臓の劣化により千束の身体は死亡したが、ハートメモリの力で生き長らえた命。そしてハートメモリには地球の本棚に干渉出来るという特性を持っていた。条件は一致している…つまり、本当に千束は…
「私は千束の力で、新たなるガイアインパクトを引き起こす!」
「…な、なんだって!?」
「どういう意味だ!?」
「これこそが彼女の才能なのだよ…千束の意識は今や「地球の本棚」の中……彼女の力を最大限まで引き出し、この世界は生まれ変わるのだ」
「…っ」
天を仰いだ虎杖は腰にアランドライバーを装着した
「今私の遺伝子には「ガイアプログレッサー」が組み込まれている…その意味が、君達には分かるだろう…?」
「…ま、まさか…!若菜姉さんと、同じように…!?」
《 JACK!》
黄金に輝くジャックメモリを構える虎杖
「私はこの地球を支配し、地球とひとつになる…!それが、私の才能だ…!」
「…それがあんたの本当の目的か!!」
アランドライバーにジャックメモリを挿入した虎杖は身体を変化させた
ジャック・ドーパントの胸の基板のような模様が金色に輝き、スカーフが靡いた
「私は才能を愛している……だが、一番愛しているのは…私自身の、類稀なる才能だ…!」
第47話「Lの花束/開花する才能」
「翔太郎!」
「あぁ!フィリップ!」
『 CYCLONE!』「 JOKER!」
「「変身ッ!」」
サイクロン!ジョーカー!
仮面ライダーWへと変身する翔太郎とフィリップ
即座にジャックに攻撃を仕掛ける
「…フフッ」
「『…クッ』」
だが、攻撃が当たらない
パンチやキックを連続で繰り出すも、一向に手応えを感じなかった
だが、ここで二人は違和感に気が付く
「なんだよこれ、攻撃が当たんねぇぞ!?」
『奴は最低限の回避しかしていない筈…だがここまで攻撃が当たらないのは不自然だ……まさか、僕たちが無意識の間に攻撃を避けているのか…!?』
「その通り」
「『ぐわっ!』」
ダブルを蹴り上げたジャックは不敵に笑う
「君たちは私に指一本触れる事さえ出来ない…血管の一本一本、筋肉繊維の一つ一つ、そして君達の精神ですら、私はコントロールする事が出来る!全てを私に委ね、待っているがいい!新たなる風都の生誕を…!」
「『……クッ』」
「この街には、君達のように自身の才能を自覚せず、その才能を浪費する者が多い……私はね、人々が自身の才能を遺憾無く発揮出来る世界を作りたいのだよ…そうすれば、誰もが幸せになれる!自身の才能に気が付いたその時が、その者の人生のターニングポイントとなるだろう」
「『……』」
天を仰いだジャックは俯くダブルを見つめた
「その瞬間を、私は見守っていたい……実際どうだ?君達にメモリを支援してからというもの、君達はその才能を私に見せてくれた…嬉しく思わなかったか?君達はどこまでも強くなれる、それを君達は自身で証明してくれたのだよ!」
「『……』」
ダブルに近付いたジャックは、ダブルに手を差し伸べた
「さぁ、何も躊躇うことは無い。全て上手く行く…君達が望めば更なる支援を施そう」
「……そうすれば、ドーパントは居なくなんのか?」
「…何を言う…?ドーパントが居なくては、君達の才能が発揮出来ないだろう…?」
愚問だな、という風にジャックは答える
それに対し、ダブルは少し間を空けた後に切り出した
『…フッ…だったら答えは一つだね、翔太郎』
「…あぁ」
「……?」
立ち上がったダブルはジャックを睨んだ
「『……断る!はぁぁ!』」
「ごっ…!」
ダブルのキックが、ジャックの腹部に食い込む
「俺達もこの力を望んで手に入れたわけじゃねぇ…ただ、この街の涙を拭う為に必要だっただけだ!」
『もちろん、楽しんでダブルに変身していたわけでもない…!これ以上誰の涙も流さぬように…罪を重ねさせないように…そして、僕らの罪を償う為に戦っていた!』
「…っ」
「そもそも…お互いの罪を補い、償い合う…それが俺達の“契約”だったんだよ…」
『僕の罪は、相棒の罪。相棒の罪は、僕の罪…ってね』
「……クッ」
予想外の展開に、たじろくジャック
「…何故だ……君達は見たくないのか!?街が幸せになった光景を…!」
「あんたの言う幸せってやつはなぁ…俺達のとっちゃただの縛りなんだよ…!」
『僕達が見たいのは、人々が才能を発揮する姿ではなく、その才能を自身で見つけるまでの過程だ…!』
「それはきっと独りじゃ見つけられない…だが誰かとならきっと…!」
『誰か…自分を見てくれる人が居れば…!』
「『人はどこまでも強くなれる!』」
「…グッ」
ダブルの蹴り技が炸裂する
「…クッ…なんなんだ…なんなんだお前達は!?」
「……俺達は…」
『……僕達は…』
ジャックの質問に対し、ダブルの二人は息を合わせて言い放った
「『二人で一人の…“仮面ライダー”だッ!!』」
…………あれ…?
あそこで戦ってるのは……
翔太郎さんと…フィリップさん…?
なんで戦ってるんだろう……?
ガイアタワーと融合した千束はうっすらとある意識の中で、ダブルとジャックの戦いを見ていた
ここは何処だろう…?
早くしないと、お店が始まっちゃう……
今日は私がシフトなのに……
……
お店……なんのお店だっけ……
私のおうち…
私の居場所…
私の相棒……
相棒……?
《千束…》
《千束っ!》
《…千束》
「…………た…き…な……」
……って
「………………誰だっけ……──」
次回 仮面ライダーW/L・R
「もっと見せてくれ、君達の才能を…!」
「お望み通り見せてやるぜ!」
「僕達も二人だけで戦ってきたわけじゃない…信じ合える仲間が沢山いるんだ!」
「翔太郎、あの子を…あの子を頼んだぜ…」
「もう、あんな後悔はしたくない!」
「この街の風は、いつだって俺達の味方なんだよ!」
「『さぁ、お前の罪を数えろッ!』」
第48話「Lの花束/風の吹く街」
これで決まりだ!