仮面ライダーW/L・R   作:キャメル16世

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第4話「Wを守れ!/人を守る仕事」

「……今回の事件は、そう簡単に片付けられるものでは無い」

「分かってる……葛原柊一が死んだ…証拠隠滅されたんだ…!」

机を叩き付ける翔太郎

それを見て解せない表情のフィリップ

 

先日、ミカさんから連絡があった

 

「……え?ジャッカルの変身者が死んだ?」

『飛び降り自殺のようだ、君に依頼していた事件に関与している事だからね、一応伝えておくよ』

「……ありがとうございます…」

 

スタッグフォンを閉じて、俺はその現場に向かった

 

「……」

「…お、翔ちゃん!」

「ウォッチャマン…久しぶりだな」

独特な髪型に髭が濃いおじさん…通称ウォッチャマンが話しかけてきた

街に流れる様々な情報を噂話で把握していて、いつも事件を追う時には世話になってる

いわゆる情報屋だ

 

「だねだね!……ところで、何かあったの?」

「……ここ…」

「…あぁ〜…アランチルドレンの男が過労死した事件だろ〜?可哀想だよなぁ〜」

「…アランチルドレン?」

「匿名支援の代名詞、アラン・アダムス名義で活動している支援団体…」

ウォッチャマンは俺にスマホの画面を見せた

 

「貧困層などからあらゆる分野の才能のある子供を見つけて無償支援を行ってるってやつ、翔ちゃん知らないの?」

「…悪い…そういうの疎くてな…」

「……そしてこれが、アランチルドレンに贈られるチャーム」

「……フクロウ?」

 

 

葛原柊一、年齢29歳

早くに両親を亡くし、孤児として養護施設に入っていた

当時走る事が好きだった葛原はよくグラウンドを走っては転び、よく先生に怒られていたそうだ

高校に上がり、本格的に陸上選手を目指していた頃

彼はアラン機関に選ばれ、フクロウのチャームを渡された

 

しかし、プロとして活躍していた去年

ある日彼は事故を起こし

一生走れない足になってしまったそうだ

 

「……だからジャッカルのメモリを…」

 

アランチルドレン……今回の事件に深く関係しそうだ…

 

それにこのチャーム……何処かで見たような…

 

《これはある人に貰ったんだ〜…私の大事な人っ!》

 

「……千束ちゃん…?」

 

 

 

第4話「Wを守れ!/人を守る仕事」

 

 

 

「……ボディガードぉ?」

「今回の以来は結構命懸けだぞ?とある人物から依頼を受けてな、安全なところに移動出来るまで援護を頼みたいそうだ」

「…それっていつですか?」

「今日だ」

「今日かよ!?」

喫茶リコリコに呼び出された俺

ミカさんから依頼を受けるのは珍しくない

色んな人に耳を傾けるのも、ハードボイルドな男の象徴だ

 

「先生ー!おはよー!」

「…あ」

「あ!翔太郎さんおはよぉ!」

「おはようございます、左さん」

「……あ、あぁおはよう…」

「千束、たきな、お前たちにも話がある」

「……」

 

ミカさんは二人がリコリスって事、知ってんのかな…?

 

「…翔太郎くん…君に話さなくちゃいけない事がある」

「…ん?なんだ?マスター」

「千束とたきな、二人はリコリスだ」

「あぁ…二人がリコリスねぇ〜そんな事知って……えぇぇぇぇぇええぇえぇぇえええぇ!?」

 

それ俺に言っていいの!?

ってかミカさん知ってたの!?

 

「…君を巻き込んでしまってすまないと思ってる…だが、この事件には君の力も必要なんだ」

「……っ」

俺は思わず千束ちゃんとたきなちゃんはを見た

千束ちゃんははつらつな笑顔を、たきなちゃんはいつも通りの無表情だった

 

「…って、ちょいちょい!それ本当に言って大丈夫なんだろうな!ってかなんで俺がリコリスの存在知ってるの知ってんだよ!?」

「君はこの街の探偵だろ?リコリスの噂なんて知ってるだろう」

「そりゃ知ってるけどさぁ!」

「まぁまぁ翔太郎さんっ!これからもよろしくねっ!」

「これからもよろしくお願いします」

「……」

 

……複雑ぅ…!

 

「…そういえば、ミズキは?」

「既に逃走ルートを確保に向かっている。君たち三人には、この者の護衛を頼みたい」

ミカさんが出した資料には、英語でこう書かれていた

 

「……ウォールナット?」

 

 

「…翔太郎さんっ!車乗らなくていいのぉ〜?」

「俺にはバイクがあるからな、安心しろ!」

「おっけー!じゃあたきな、出発しん──!」

「っ!?」

車とバイクを出そうとしていた俺たちの上空から

質素な車が降ってきた

 

まぁ、厳密には物凄いスピードでジャンプして来ていた

 

『…ウォール!』

「…ナット!」

車のドアが開き、着ぐるみを着た人が電子音声で喋りかけてきて、それにたきなちゃんが応えた

 

「…え?何今の、合言葉?」

車に乗り込むたきなちゃんに質問する千束ちゃんだったが、たきなちゃんは颯爽と車に乗り込み、千束ちゃんも渋々車に乗り込んだ

 

『着いてこい、探偵…すぐに追っ手が来る、後ろに気を付けるんだな…!』

そう言って急発進する着ぐるみ人間

 

すると、俺の後ろの方で爆発が起こった

 

「…マジかよ!?」

俺もエンジンハンドルを思いっきり捻って急発進する

 

「……っ」

公道を走る車とバイク

その後ろが次々と爆発していく

ドーパントなのか!?

 

「…っ」

俺は振り向いて状況を見る

敵の正体さえ分かれば……っ!

 

「……」

 

「……あれは…!」

空中に浮いている船、いや…あれは戦艦か?

砲弾の銃口はこちらを捉えている

 

「やっぱりドーパントか!」

俺はダブルドライバーを装着する

 

「…っ」

しまった…この状況じゃ変身出来ねぇ…せめてあの三人が逃げ切れた後に…!

 

『翔太郎!どうしたんだい!?』

「フィリップ!ドーパントだ!…だがあいにく今は変身出来ねぇ!リボルギャリーで来てくれ!」

『了解した、すぐに向かうよ』

フィリップと脳内で会話をする俺たち

 

「…ぐっ!」

真横に砲弾が…バランスが崩れる…!

 

「翔太郎さん大変だよ!」

「あぁ!?どうした!?」

車の後部座席から顔を出した千束ちゃんが叫んだ

 

「この車ハッキングされちゃったみたい!」

「はぁ!?」

あのドーパントの仕業か!?

だとしたらこんな事しなくても…!

 

「…ぐっ!」

「翔太郎さんっ!」

「…大丈夫だ!そっちに集中しろ!」

戦艦型のドーパントはまだ俺たちを追い続ける

 

「……」

頼む…早く来てくれ相棒!

 

「……」バコッ!

「…っ!」

すると、戦艦型のドーパントにリボルギャリーが激突した

間に合ったんだ!

 

『翔太郎、あとはこっちに任せたまえ』

「分かった!俺はあの子たちを…!」

俺はスピードを上げて千束ちゃんたちが乗ってる車の真横に並走する

 

「…どういう状況だ!?」

『車がハッキングされた、このままでは海にダイブする』

「海…!?あと500メートルもねぇぞ!?」

『…ロボ太か…腕を上げたな…』

「どうにか出来ねぇのか!?」

『こちらの制御復帰作業終了と同時に、ネットを物理的に切れればいいんだが……』

「えぇ〜ルーター何処よ〜」

『知らん、僕の車じゃない』

「……ルーター…っ!」

俺は見逃さなかった

あのドーパントの横に飛んでいた

小型のドローンの存在を!

 

「……あれだ!」

今も後ろを飛んでいる

あれがルーターか!

 

「…うわっ!」

「…っ…!」

スピードが上がった!?

このままじゃマジでやばいぞ…!

 

「…こうなったら…一か八かだ!」

俺はダブルドライバーを腰から外し、ロストドライバーを装着した

 

『制御を取り戻すぞ…3…2…1!』

「たきな!」

「はいっ!」

窓から身体を乗り上げ拳銃をドローンに向けるたきなちゃん

銃弾は見事ドローンを撃ち抜いた

 

『制御を取り戻したぞ!』

「やったねたきな!」

「はい…ですが…!」

「…あぁ…落ちる落ちる落ちる落ちるぅ!」

制御は取り戻せてもスピードが落ちない車

あと数十メートルで海だ

 

「 JOKER!」

 

「……変身ッ!」

 

ジョーカー!

 

俺はみんなが前に気を取られているうちに

ダブルとシルエットは変わらないが、全身が黒の仮面ライダー、仮面ライダージョーカーへと変身した

これはフィリップが戦闘不能や、1人で事件を解決しなきゃいけない時用の保険の変身だ

 

「…とりゃぁ!」

俺はハードボイルダーから飛び込み、車を飛び越して車を全身で受け止めた

 

「ぐおぉぉぉ!」

 

「え!?なになになに!?」

『……まさか…』

 

「ぐおぉぉぉぉ!止まれぇぇぇ!」

俺が押さえ付けたことにより、車はスピードを落としてタイヤが半分はみ出た状態で停止した

 

「…あ」

つまり俺はそのまま海に落っこちた

 

 

「…追っても来ないみたいだね」

「そうですね、ひとまず安全でしょうか」

『……んー…』

「…とりあえず場所を変えよう…あれ、翔太郎さんなんでずぶ濡れなの?」

「…あ、気にするな」

車を捨てて場所を移した俺たち

 

「……さっきの戦車、この間仮面ライダーが戦っていたところにも来てましたよね」

「そういえばそうだね〜」

「それにさっきのは…明らかに誰かが車を押さえつけていたような…」

「……」ギクッ

「…仮面ライダーが助けてくれたのでしょうか…?」

「なーんだ〜やっぱり良い奴じゃ〜ん!仮面ライダー!」

「……」

 

仮面ライダーを絶賛する千束ちゃんと、それを横目で見るたきなちゃん

 

『……どうだかな…』

「…え?ウォールナット?」

『…場所を帰るんだろ?さっさと行くぞ…』

「…う、うん…」

「……翔太郎さん、行きますよ」

「……あぁ…」

 

 

 

身を隠しながら、俺たちは廃墟となったスーパーの中で立てこもっていた

 

『スーツケースだけは傷つけるなよ、それはボクの全てだ』

「わ…分かった…」

黄色いスーツケースを持たされる俺

この中に何が入ってるんだ?

結構重いぞ…?

 

『…重いとか言うなよ?これでも装備は最小限に抑えてあるんだからな…』

「…え!?お、思わねぇよ…!」

なんだよこいつ…エスパーかよ!?

 

『……出口はあっちだ』

ウォールナットを先頭にスーパー内を歩いていた

 

すると…

 

「…っ!?」

「なに!?」

『……奴らだ!』

「…っ!」

スーパーの壁が爆発して大きな穴が空いた

そして、入口を無視して戦艦のような見た目の二足歩行のドーパントが入って来た

 

姿が変わるのか…!?

ティーレックス・ドーパントみたいな感じか…

 

「……いたぞ、殺れ」

「…っ!」

すると、次々とサングラスを掛けた男たちが入って来た

 

《 MASQUERADE!》

 

「…っ!マスカレイド…!?」

マスカレイド・ドーパントへと変化する男たちは更に銃を持って俺たちに迫って来た

 

「…マスカレイドだけなら…!」

「はぁっ!」

「はっ!とりゃあ!」

「ぐわっ!」

「はは〜っ!…どんなもんだ!」

銃弾を避けつつマスカレイドを一体制圧する俺

 

「おー!翔太郎さんやるね〜!」

「伊達に探偵やってねぇからなぁ…!」

「それじゃあ、私達も行くよー!」

「はいっ!」

背中のバックから銃を取り出す千束ちゃんとたきなちゃん

基、リコリスの二人

 

「……」

「…うおっ!」

一心に銃を撃つ千束ちゃん

その目は確実に敵を捉えていた

俺は彼女の放つゴム弾を避ける為に身を潜める

 

先程たきなちゃんから聞いた話だ、千束ちゃんは実弾を使わずにゴム弾を使い、相手を致命傷を与えないという

 

一方、実弾を用いて敵を狙撃するたきなちゃん

さっき俺が持っていたスーツケースを盾にしていた

 

『…ちょっ…盾に使うのは無しだ!』

「たきなちゃん!それダメらしいぞ!?」

「無理言わないでください!」

変わらずマスカレイドを狙撃するたきなちゃん

 

『大事なものだって言っただろーー!』

「はぁっ!」

「ぐはっ!」

「……ふぅ」

マスカレイドを制圧した俺たち

ただ、メモリブレイク出来てないからその場に倒れっぱなしだ

 

「…っ…あいつは!?」

戦艦のドーパントを探したが、どうやら逃げられたようだ

 

「……くそっ」

「ううぅぅぅうぅ!」

「…?」

男の呻き声が聞こえ、俺はその声の主のところに行った

 

「はいはい、じっとしててね〜」

「ううぅ!」

「……何してるんだ?千束ちゃん」

「見ての通り応急処置です、じゃないとこの人死んじゃうから」

「……いや、そいつはもう…」

本来はメモリブレイクされてメモリ諸共爆発する筈だった

だが、千束ちゃんは…

 

「……貸せ、俺も手伝うよ」

「いいのぉ?ありがとうございますっ」

「…なんでこんな事するんだ?」

「え?」

「リコリスは犯罪者を抹殺する仕事だろ?なんでメモリ犯罪者を助ける?」

例えメモリを使っていたクソ野郎でも、俺は救いは無いかっていつも探していた

そして迷っていた…きっといつか後悔するとフィリップに散々言われたからだ

でも、千束ちゃんは迷うこと無く

こいつを救った…

 

「ん〜…だってー…」

「……」

「リコリスは人を守る仕事だから…!」

「……っ」

 

《探偵ってのは、ただ犯人を見つける仕事じゃねぇ……人の命を守り、人の笑顔を守る…つまり、人を守る仕事だ》

《なんでぇ?悪党は許す訳にはいかねぇだろ…!》

《……やはりまだ半熟だな、お前は》

《え!?どういう意味だよ!?おやっさん!》

《…いずれわかるさ、その意味が》

 

「……ん」

「…おっ」

千束ちゃんがそう言うと、マスカレイドの首からメモリが出て来た

 

マスカレイドの首は人間の首になった

変身が解除されたみたいだ

 

今まではこんな事はなかった……

でも、ようやくわかった気がするよ

おやっさん……

 

「これがガイアメモリかぁ……これを〜…こう!」バンッ

パリンとマスカレイドメモリが割れ、同時に爆散する

 

「はぁ〜すっきりぃ!」

「…だな……あれ、たきなちゃんとウォールナットは?」

「あ〜先行ってるって!逃走ルート確保出来たから」

「…そっちには……行くな…!」

「……っ」

すると、ぐったりしていたマスカレイドの変身者が掠れた声で話しかけて来た

 

「……うちのハッカー……ドローンが見ている……待ち伏せしてるぞ…」

「っ!」

「っ!」

その言葉を聞いてダッシュで二人を追う俺たち

 

 

 

「……」

『……』

「……え、ちょっと…」

「たきな!出ないで!」

『……』ガチャ

ウォールナットが扉を開けた瞬間だった

 

「……フッ」

 

大きな発砲音と共に、戦艦野郎の砲弾が飛んで来た

このままじゃ間に合わねぇ…!

 

「……うおぉぉぉ!」

必死に手を伸ばす俺

届きそうで届かない…

 

また……またなのか…!?

 

また俺は救えねぇのか…!?

 

「…クッソぉぉぉぉ!」

『……っ』

 

次の瞬間、辺りは爆発を起こした




次回

第5話「Wを守れ!/救えなかった命」

これで決まりだ!
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