仮面ライダーW/L・R   作:キャメル16世

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第6話「Wを守れ!/秘策」

「姿が変わったからなんだと言うのだ…?」

『ってか、大丈夫なのかフィリップ?こいつ、ジョーカーとの相性めちゃくちゃ悪いぞ』

「問題ない、ジョーカーとの相性は最悪かもしれないが、僕の推測が正しければ……」

「はぁっ!」

ウォーシップは再び砲弾を放った

 

アームファング!

 

右腕の手首から白い刃が生える

 

「はぁっ!」

ダブルはそのままウォーシップの砲弾を一刀両断した

 

「…くっ…!」

「……ファングとの相性は最高だ」

『すげぇ!砲弾を切った!?』

「馬鹿なっ!?私の砲弾をいとも容易く…!?」

「段々メッキが剥がれて来たみたいだね、若倉和真」

「…なぜ私の名を!?」

「君の事は調べさせてもらったよ?勿論、ウォーシップの能力もね…!」

 

ショルダーファング!

 

「はぁっ!」

「ぐっ…!」

『よしっ!効いてるぞ!』

「くっ…舐めるな!」

再び全身からミサイルを発射する

 

『「はっ!」』

「なにっ!?」

それをワイルドなフットワークで避けるダブル

 

『フィリップ!一気に決めるぞ!メモリブレイクだ!』

「翔太郎!ちょっと待ってくれ…!」

『…え?』

戦闘態勢に入っていたダブルの姿勢が変わった

完全に戦意が無くなっている

 

「…どういうつもりだ」

「話を聞いてくれないか、若倉和真」

「……何故俺が」

「君を調べる上で、1つ気になることがあった。それを究明したい…」

「……」

すると、ウォーシップは腕からメモリを取り出し

変身を解除した

 

『…っ!?』

そこには眼鏡をかけてスーツを来た男が現れた

 

「……やはりね」

『一体どういうことだフィリップ!?なんでドーパントが自分から変身解除を!?』

「彼はきっと、ドーパントになって間もないんだよ。多分、今回のウォールナット殺害の依頼が、彼の初仕事だ」

ドーパントに1度なった人間は、身体に毒素が回り、それが中毒化する

そのせいで変身をやめられなくなり、狂気に取り憑かれる

しかし、今回がその初仕事なのであれば

彼が自らの意思でメモリを抜いたのも合点がいく

 

「……その通り…私はある男に依頼を受け、この力を使った…ある人物を殺せば、多額の報酬を与えるってな……」

『……なんだよ…ただ金に目が眩んだだけじゃねぇか…やっぱりこいつ…』

「待ってくれ、翔太郎…彼の話はここからだ」

『…あ?』

「……若倉和真…君には守らなければならない人がいるんだろ?」

『……守らなきゃいけない人?』

「…それこそが、彼の奥さん…若倉凛奈さんだ」

「……そうだ…」

『……奥さんを守る為に…』

「…若倉凛奈…現在彼女は不治の病に掛かり、闘病中だ。手術には莫大な金がかかる」

『だから今回の依頼で金を手に入れようと…!?』

「……若倉和真さん…今の貴方は誰も手に掛けていない…今からならやり直せる。そのまま僕たちにメモリを渡すんだ…!」

「……やり直せる…だと…?」

『…っ』

「……妻は…もう余命幾ばくもない!……このチャンスを逃せば、本当に手遅れになってしまう!…だったら私は…たとえ人を手にかけようと!……愛する妻を守る!」

「…っ…待ってくれ!」

「もう…遅い!」

 

《 WARSHIP!》

 

若倉は自分の右腕にメモリを差し込み、ウォーシップ・ドーパントへと豹変した

 

「うわぁぁぁぁあ!」

「……魂の叫びが聞こえる…」

『手遅れだったか…!フィリップ!俺たちであの人を止めるぞ!』

「…あぁ!」

 

 

 

第6話「Wを守れ!/秘策」

 

 

 

『……』

「ウォールナット〜待ってよぉ〜」

『……』

「ウォールナットってばぁ〜!」

『……』

「…無視かよぉ〜…」

千束の声を無視し続けるウォールナット

すると、千束の横を歩いていたたきながなにかに気付いた

 

「なんか……おかしくないですか?」

「え?何が?」

「だってほら……街に人が…」

「…確かに…ここは結構人歩くのにね〜」

「……」

3人が歩いていた大通りにはいつもは結構な数の人が歩いていたのに、今日に限っては人っ子一人いない

 

「近くでバーゲンセールでもやってるんじゃな〜い?」

「いや、それにしても……っ!」

「っ!」

『っ!』

すると、3人にとてつもないプレッシャーが襲う

 

「…っ!?」

たきなが道路の方を見ると、道路のど真ん中にドーパントが立っていた

人間の原型は残しつつも、おぞましい顔をしていた

 

「…やぁ、ウォールナットにリコリスのお二人」

「ドーパント…!?」

「私の名はジャック…今日は君たちに挨拶をと思ってね」

「…何?ウォールナットを改めて殺しに来たの?」

「いやいや…彼を殺すのは私の役目ではない。まぁお仕置は必要だろうが、優秀な手駒がいるものでね…」

ジャック・ドーパントは段々3人に近付いていく

 

「…っ」

『……っ』

「……」

後ずさりするウォールナットと千束

千束はウォールナットの前に腕を出して守りの姿勢に入った

一方たきなは拳銃を取りだしジャックに狙撃した

 

「ちょっ!たきなぁ!刺激しちゃダメだよ!」

「ですが…!……っ!?」

千束に振り向いたたきなは気が付いた

 

さっきまでジャックとの距離は5メートル以上あったが

今、奴は自分の真後ろにピッタリくっついていると

 

「…言っただろう?今日は挨拶に来たんだ……本気で戦うのはまた今度だ。ではね、リコリスのお二人…」

「……」

「……」

『……』

ジャックの気配が消えた

その瞬間、急に大通りの人通りが多くなった

さっきまで誰もいなかったのに……

 

「…あれ?千束ちゃんじゃないか!」

「…刃野刑事…!」

停車していた車から顔を出す刃野刑事

風都警察署、超常犯罪捜査課の刑事さんだ

 

「どうしたんだい?こんな真昼間から」

「いや、刃野刑事さっきまでいませんでしたよね?」

「…いや?20分位前からここにいたよ?千束ちゃんたちこそ、さっきまでいなかったじゃないか」

「……え?」

何一つ状況を理解出来ていない千束とたきな

すると、たきなはある事に気が付く

 

「…っ!千束!」

「なにぃ!?今頭がパンクしてて…!」

「ウォールナットが居ません!」

「…えぇ!?ウォールナットォォォ!?」

 

 

 

『……この先の茂みをくぐれば奴に会える…!』

茂みの中をスーツケースを引っ張りながら進む

 

『全く…リコリスの二人とあの探偵のせいで計画が全然上手くいかなかった……今度こそは成功させよう…!』

ウォールナットは茂みを越え、公園に出た

 

『…さぁ、ボクたちの計画を再会しようか…!』

 

 

アームファング!

 

『「はぁっ!」』

「くっ…!はぁぁぁ!」

ダブルの攻撃に反撃してくるウォーシップ

 

『うわっ!』

「まずい……メモリが彼に馴染み始めている…」

『ここままじゃメモリの毒素が若倉を侵食しちまう!』

「翔太郎、もう彼を止めるにはメモリブレイクしかない!一気に行こう!」

『…あぁ、待ってたぜ!』

 

ファング!マキシマムドライブ!

 

右足首に刃が生える

ダブルは高く飛び上がり、横に回転しながらキックと斬撃の合成技を繰り出した

 

『「ファングストライザー!はぁぁ!」』

「ぐわぁぁぁあ!」

攻撃は命中し、爆発が起こる

 

「……くっ…」

しかし、ウォーシップはメモリブレイク出来ていなかった

 

『なにっ!?』

「……僕の思っていた以上に、彼とジョーカーの相性が悪いようだね…!」

『どうするフィリップ?トリガーで行くか?』

「いや、マキシマムを放った後のあれは流石に僕の意識が保てない…!」

すると、ウォーシップはヨレヨレになりながらも

立ち上がった

 

「…こ、こうなったら…!」

ウォーシップは身体を変形させ、初めに出会った時のような軍艦の形に変わった

 

「貴様らに用はない!私はウォールナットを殺すだけだ!」

『っ!』

身体の向きを変え、遠くに離れるウォーシップ

 

「まずい!追いかけるよ翔太郎!」

『あぁ!』

 

ハードボイルダーに乗り込み、リボルギャリーでハードボイルダーのバックユニットをタービュラーユニットと交換する

ハードタービュラーとなったバイクで空へと駆け上がる

 

『待ちやがれ!』

「…っ…来るな!」

『うおっ!』

ミサイルがハードタービュラーのバランスを崩す

 

「翔太郎!君のジョーカーの力、今こそ使うべきだ!」

『あぁ!?なに言ってやがんだフィリップ!』

「君のジョーカーの力、つまり「切り札」の力を精一杯使うんだ。君の二面制のその力、見せてくれ!」

『…わかった!そんじゃ、ツインマキシマムで行くぞ!』

「あぁ!」

 

ファング!マキシマムドライブ!

ジョーカー!マキシマムドライブ!

 

『あぁー…ファングジョーカーのツインマキシマムだからぁ〜……ファングバイティングストライザーってのはどうだ!?』

「毎度言うが、名前は君の勝手にしたまえ」

『…ったく〜!つれねえまなぁ!』

ハードタービュラーから飛び上がる俺たち、今度は右足首から白い刃が、左足首からは黒い刃が飛び出した

 

『「ファングバイティングストライザー!はぁぁぁ!」』

「っ!?」

 

恐竜の頭を模したオーラがダブルを包み、回転しながらウォーシップに突っ込んだ

右足でキックと斬撃の合成技を繰り出し、左足の刃でウォーシップの装甲を傷付けた

 

「ぐわぁぁぁぁあ!」

『「……ふぅ…」』

手応えを感じ、変身を解除するダブル

 

精神が元に戻った俺はフィリップの元に駆け寄った

 

「やったね、翔太郎」

「…まぁ、何とかなったな」

「あとは彼のケアを……ん?」

フィリップは俺の後ろを凝視した

俺もそれにつられて後ろを振り向く

 

『……』

「…ウォールナット?なんでここに……」

すると、ウォールナットが近付いてきていた

そして視線を俺たちから若倉に移す

 

「…ぐっ…わざわざ自分から姿を表すとはな…」

 

《 WARSHIP!》

 

「なにっ!?メモリブレイク出来てねぇ!?」

「恐るべき耐久力だ!」

ウォーシップに再び変身した若倉はウォールナット目掛けて砲弾を放った

 

「喰らえぇぇ!」

「…っ!…あぶねぇぇぇ!」

「翔太郎っ!」

『……っ』

 

ウォーシップの砲弾はウォールナットを直撃し、ウォールナットは数メートルに渡って吹き飛ばされ、全身から血が流れていた

 

「…っ!?」

「…はっ…やったぞ…これで妻は……っ!」

ウォーシップからメモリが飛び出し、変身が解かれる

メモリはそのまま破損した

若倉はその場に倒れ込み、気絶した

 

「…ウォールナットォォォ!」

『……』

「おいっ!しっかりしろ!」

すぐさまウォールナットに駆け寄る

 

「おいっ!」

「無理だ翔太郎!即死だ!ドーパントの攻撃を生身の人間が受けて、生きている筈がない!」

『……』

「くっ……くっそぉぉぉぉぉぉぉお!」

 

 

「……」

「……ごめんなさい…私たちが目を離した隙に…」

「たきなちゃん達のせいじゃねぇ……悪いのはドーパントだ…」

そして、彼を守れなかった俺のせいでもある

 

「……」

「……」

「……」

救急車で運ばれるウォールナットを見つめる俺と千束ちゃんとたきなちゃん

車内には重い空気が流れている

それもその筈、目の前には死体があるんだからな

 

せめて、あいつが命よりも重いと言っていたあのスーツケースだけは、大切にしねぇとな……

 

『…………もういい頃合じゃないかな…?』

「……え?」

ウォールナットの声が聞こえたと思ったら、死んでいた筈のウォールナットがムクっと起き上がった

 

そして、俺はその後仰天した

ウォールナットが着ぐるみの頭を外した

 

「ぷはぁァァァァ!」

「えぇ!?」

「えっ!?」

「っ!?」

ウォールナットの正体は休養だった筈のミズキだったのだ

 

「あっつっっいぃ!ビール頂戴!」

運転席から投げ込まれたビールを豪快に飲むミズキ

 

「ミ…ズキ!?な、ななななんで!?」

「そうだ!なんでお前がその着ぐるみの中に!?」

「落ち着け、千束、翔太郎くん」

「えぇぇぇ!?先生!?」

「マスター!?」

更に、運転席にいたのはまさかのマスターだった

 

状況を整理するとこうだ

ウォールナットの正体はミズキで、着ぐるみはボーダーで血が派手に出るのがミソらしい

だからドーパントの攻撃でも平気なのか……

 

「…あ、あの!ウォールナットさん本人は?」

「そうだよ!どこ行った!?」

『ここだ』

「っ!?」

すると、スーツケースが開き

その中から少女の声が聞こえた

 

「追っ手から逃げ切る1番の手段は、死んだと思わせる事……そうすればそれ以上捜索されない…」

「…じゃあ、わざとドーパントに撃たれたんですか?」

「彼のアイディアだ」

「…フッ」

ドヤ顔で手を振るマスター

ウォールナットの正体は金髪のデコを出した少女だったのか…!ってか彼女がスーツケースに入っていたのか!?

 

「ってかミズキ!お前先に言っておけよォ!」

「だってあんた達演技下手だし、あんたの泣きっ面も見れて私は万々歳よ〜!」

「…この女ぁ!」

俺は顔を真っ赤にさせながら怒鳴った

 

「ちょちょちょ!色々聞きたい事あるけど…!つまり、予定通りで、誰も死んでないって事…?」

「そうよ〜」

「…良かったぁ……もぅ死なせちゃったとおもったじゃぁぁん……あぁぁもう!良かったぁ!」

「うおっ」

ウォールナットに抱き着く千束ちゃん

しかし、それを見てたきなちゃんは腑に落ちない表情をしていた

 

 

『…そうか…なかなかやるね、リコリスも』

「あぁ…全く、冷や汗かいたぜ…」

『ウォールナットも無事なんだろ?本当に良かった、誰も死ななくて』

「…そういえば、若倉さんは?」

『問題ない。自ら風都警察署に出頭したよ、メモリの後遺症もそこまで酷くはならないだろうね』

「…あの人も、殺人犯にならなくて良かったぁ…」

喫茶リコリコに戻った俺たち

俺は1度外でフィリップと電話をしていた

 

話を終え、スタッグフォンを閉じる

夜の風も気持ちが良かった

 

「……」

「…あ、ウォールナット…外に出て大丈夫なのか?」

「クルミ…ボクの事はそう呼んでくれ」

「あぁ…そうか、クルミ…俺になにか用か?」

「……ひとつ、確認したい事がある」

「なんだ?」

「……仮面ライダーの正体は…君か?」

「…っ」

 

この時の俺は知らなかった

 

俺たちが関わろうとしている事件が

この風都を大きく震撼する事になるとは…

 

「……っ」

「……」

息を飲み、汗が止まらなくなる

少女の目が、とても怖く見えた




次回

第7話「Hの正体/あの夜に何があったのか」

これで決まりだ!
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