TSした綾小路ちゃんを転生オリ主が愛でまくる話 作:妄想癖のメアリー
「あはは……いや。ちゃんと紹介しようと思ってたんだよ? ただタイミングが合わ「そうですか。私との約束を丸1日忘れておいて言うに事欠いてそれですか」……ごめんなさい」
目の前いる2人、水無瀬と坂柳と名乗った女が楽しそうに語っている。
というより、1つ聞き逃せない言葉があった。
「
そう。この女は、最近までホワイトルームに居た私に対して、『お久しぶり』といったのだ。
外の世界で会った人間なら、こんな特徴的な人間はまず忘れない。記憶力は結構いい方なのだ。
「そのままの意味ですが、私はあなたの秘密を知っています。綾小路さん」
やはりホワイトルーム時代か。
……と言っても、水無瀬の知り合いの時点で敵ではないだろう。
ただ、私はこいつに聞いておかなければならないことがある。
「……水無瀬とはどんな関係なの」
「僕から紹介するよ。彼女は坂柳有栖さん。僕がホワイトルームから抜け出した後、お世話になったここの理事長の娘さんだ。クラスは違うけど、僕ら三人は同級生となる」
……理事長の娘? ああ、なるほど。そういう事か。
「4年前何も言わずに出て言った理由が、今はっきりわかったよ。水無瀬」
私がジト目で見つめると、困ったように水無瀬は笑う。
八つ当たりなのは分かってる。けれどあれだけ寂しい思いをしたのだ。これくらいは許してほしいな。
「あなたのことは常々水無瀬君から聞いていますよ、綾小路清楓さん。これからよろしくお願いします」
「……よろしく。一応言っておくけど、水無瀬を渡す気は無いから」
私が坂柳を睨みつけると、彼女も好戦的な笑みでこちらを見つめている。……生意気。
「あなたは一体彼の何でしょうか? 私が聞いた限り、ホワイトルームの中に彼女が居ると聞いたことは一度もなかったのですが」
「奇遇だね。私も4年間の間に彼女は居なかったと聞いているけれど、あなたこそどんな関係?」
「紹介にあった通り彼とは深い関係です。毎日同じ屋根の元暮らし、同じご飯を食べてきました」
かなり語気を強めて言っているハズなのに、坂柳は一歩も引こうとしない。
……手ごわい相手。油断してはいけない。
「私だって10年近く一緒に過ごして同じご飯を食べた。……だからあなたとは違う」
「あら? 貴方と彼との付き合いは5年ほどだと聞いていますが? それに私は毎日彼の手料理を食べていました。あの部屋の給食とは比べ物になりません」
────手料理、だと?
「……負けた。寝取られた。こんな小さな子供に」
「……喧嘩なら買いますが。それに、同い年です」
くっくっく。プロポーションなら負けるつもりはない。
「仲良くしようよ? ほら、上がってあがって」
「元はと言えば、あなたが私との約束を忘れたことが原因なのですが」
「約束? 一体何の約束をしたの?」
話についていけていない私に、水無瀬はバツの悪そうな顔をしている。
あー。これは水無瀬がやらかしたパターンだ。
「昨日解散したら一緒に生活用品を買いに行くと約束して、水無瀬君にはそれを無視されてしまいました。鬼畜です」
「いや、終わったら連絡するって言ってくれたじゃないか?」
「端末を渡されたのは、私たちが朝解散した後ですよ? その年で呆けてしまったのですか?」
怖いな、この子……まあでも。
「この件に関しては、水無瀬が悪い。ちゃんと謝るべき」
「……そうだね。ごめんよ、坂柳さん」
そう言って頭を下げる水無瀬。最初からこうしてればめんどくさい事態にはならなかったのに、意外と頑固なところがある。
「……まあいいでしょう。条件付きで許して差し上げます」
「条件って?」
一体何をされるのか、びくびくしながら聞く水無瀬。
確かにこの手のタイプの人間は、怒らせると怖そうだ。
しかし、その予想に反して坂柳が提案したのは、随分と可愛げのあるものだった。
「さっき帰りに水無瀬君と合流して、食材を買ってきました。見た感じ鍋料理のようですが、これは綾小路さんの提案でしょうか?」
「……? うん。今夜食べたいって連絡入れた」
そう言うと何かいたずらを思い出したと言ったように、ニヤニヤと笑みを浮かべる坂柳。
「私もお邪魔させていただきます。それが条件です」
ビシ! という効果音が付きそうな様子で、水無瀬に指をさす坂柳。
……何となく今後の展開が予想できるかも。
「元々そのつもりだったけど、そんなことでよかったのかい?」
「……そうですか。分かりました」
あ、坂柳が照れてる。可愛い。
────そんなこんなで私たちは3人で鍋をつついた。
ホワイトルーム時代の水無瀬の話や、中学校の時の話でパーティーはかなり盛り上がった。
昔から憧れはあったが、やってみるとこれが想像以上に楽しかった。
「坂柳。いろいろあったけど、これからよろしく」
「ええ。同じ天才、よろしくお願いしますね」
2人目の友達ゲット!
私の差し出した右手を取る坂柳を見て、「うんうん」と嬉しそうに語っているが、そもそも私たちが喧嘩をしていた理由に気が付いているのかな?
いや、気が付いているだろうね。そんなに鈍感な男じゃない。何なら、人の感情を読み取ることに関しては、右に出るものは居ないだろう。
きっとそれには、彼の
────坂柳は、それを知っているのだろうか
しんみりしちゃったな。まあ、これから時間はいくらでもあるし、ゆっくりほぐしていけば大丈夫かな。
いざとなったら、無理やり襲っちゃえばいいし。優しい水無瀬のことだ、責任は取ってくれるだろう。
そんなやり取りをしていると、時間はもう夜遅くを回っていた。
「じゃあね、気をつけて帰るんだよ? というか、部屋まで送ってくよ。荷物も多いみたいだし」
「私も行く」
玄関に向かった坂柳に対し、私は別れの挨拶を告げる。
……というか、鍋を食べに来ただけにしては荷物多くない?
何となく嫌な予感がした。出来れば外れてくれればいいんだけど……
「何を言っているのでしょうか。これは私がここで暮らすために持ってきた道具ですよ? 父に言って、これから広い部屋を用意してもらう予定です。今までと同じですよ。水無瀬君」
「」
「」
────は?
「水無瀬どいて! そいつ殺せない!」
清楓は激怒した。必ず、かの邪知暴虐の坂柳を除かなければならぬと決意した。
「あらあら、恐ろしい。余裕のない女は嫌われてしまいますよ?」
目の前の裏切り者が何か言っているが、何も聞こえない。
というかおかしくない? なんで家主である水無瀬に伝えなかったの? 絶対驚かせる気満々だったじゃん。
「ちょ、綾小路さん。落ち着いて……」
ドタバタと音を鳴らし暴れる私を抑える水無瀬。
その様子を見て楽しそうに笑う坂柳、性格が悪い女だ。
「力強すぎだろ……ちょ、危ない!」
「え? きゃ!」
玄関側に立つ坂柳と、部屋側にいる私。水無瀬はその中間で、私の猛攻を抑え込んでいた。
そこで私がバランスを崩してしまったらどうなるだろうか。
答えは簡単だ。
立っていた位置関係が悪かったのだろう。私と水無瀬に巻き込まれる形でバランスを崩す坂柳。水無瀬は驚異的な身体能力で彼女を抱え、ドアに寄りかかる。
私は2人の上に重なるように覆いかぶさっていた。私がドア前で2人に壁ドンをするような体制になっている、
「……大丈夫? 2人とも」
「……助かりました。ありがとうございます。その、ですので早くどいて頂いてもよろしいでしょうか……?」
「……大丈夫」
坂柳の顔が赤くなっている。って、多分私も同じだ。
それを見て安心したのか、ため息を吐いてやんわりと叱る水無瀬。
「全く。ドアがあって助かったよ。ほら、2人とも戻って。泊ることについてはもうちょっと後で話し合おう」
「……分かりました」
そう言って体をもぞもぞと動かす坂柳。ってまずい! ドアノブが……
「ん? ……っが!?」
偶然ドアノブが引っかかって動いてしまったのか、私たちは廊下に完全に倒れこんでしまう。
結構良い音したけど、大丈夫かな水無瀬。
「水無瀬。大丈夫?」
「いっつつ……ちょっと強く打っただけさ。2人とも、大丈夫かい?」
「私は大丈夫です……すみません。少しふざけすぎてしまいました」
「……私も。ごめん……」
口では大丈夫と言っているが、めちゃくちゃ痛そうにしている。
そりゃそうだろう、3人分の体重が一気にかかったのだ。下手したら死んでいた。
それを坂柳も理解したのだろう。私たちは素直に謝った。
「二人に怪我が無くて良かったよ。とりあえず戻ろうか? こんなとこ見られたら大変だ」
傍から見たら水無瀬に私たちが覆いかぶさっている形になっている。
2日目にしてこんな状況を見られてしまったら、一巻の終わりだ。
「そうですね。夜遅いとはいえ、人が来ないとも限りませ『ピンポーン』……」
ん?
「いやーあの映画クッソおもろかったよな! また見に行こうぜ! じゃあな! って……え? なにこれ、どういう状況?」
「や、山内君。えっと、これはね……」
エレベーターから出てきたのは、同じDクラスの山内だった。
……終わった。水無瀬も過去一で焦っている。
「……俺これ知ってるぞ! お取込み中ってやつだな! 大スクープだ! 池に教えてやんねえと!」
「ちょ! まっ……行っちゃった……」
数秒間、気まずい沈黙が流れる。
なんと言うか、不運の連続だ。
「……いったん中入ろうか?」
「……うん」 「……はい」
────明日からどうしよう……
山内が言いふらすんじゃないかと心配していたが、どうやら杞憂に終わったらしい。まあ、なにせあの山内だ。噓だと思われてるんだろう。
午前中の授業を終えた私達3人は、食堂にて集合。購入した学食を食べながらそれぞれクラスについて情報を交換していた。
「話を聞く限り、やっぱりそっちのクラスは、皆落ち着いている人が多い印象だね。やはり、学校はクラス間で異なるタイプの生徒を集めているみたいだ。
現状、サンプルがAとDしかないから、どのような基準かはわからないけど」
「そうですね。私のクラスは基本的には優秀そうな人が多いです。そしてそちらのクラスは中々癖のある人材が多いと。例えばどのような人なのでしょう?」
これはDクラス不良品説が濃厚になってきたかも。堀北にどう伝えればいいんだ……
「まあそうだね、僕が目を付けたのは主に3人だ。1人は平田洋介。彼は総合的に非常に優秀といえるだろう。
話し方からは確かに知性を感じるし、彼のコミュニケーション能力、ひいては周りをまとめ上げる力は、目を見張るものがある」
「平田は自己紹介の場を設けてくれた。いい人」
その私の発言を聞いた水無瀬は、一昨日の発言を思い出しゲッソリとしていた。
ふふ。完璧な自己紹介だったもんね。
「そして櫛田桔梗。彼女は洋介のようなタイプとは少し違って、他人との距離を詰めることが非常に上手い。
今後、僕らが想定しているような
「……やはりありますか。クラス間の闘争は」
坂柳も同じ結論に至っていたのか。確認するように水無瀬に話した。
最初は考えすぎだと思っていたが、あり得ない話でもない。
「ああ。クラス間のヘイトが、普通の高校に比べて高すぎる。教室で須藤がぼやいてたのを聞いたんだ。『不良品のDクラスの時点でお先真っ暗だって言われた』ってね。
それに、一度落ちこぼれと認定した生徒を、そのまま3年間通わせるのは、余りに健全じゃない。僕は有栖ちゃんのお父さんが、そういう事をする人じゃないことは良く知ってる」
「実力ごとに生徒を配分させて、争わせる。確かに、効果的かもしれませんが、AクラスとDクラスで、果たして勝負になるのでしょうか?」
……確かに。坂柳の話によると、Aクラスはかなり粒ぞろいに思える。
正直、Dクラスが一致団結して競争するビジョンが浮かばない。どんな内容にしても。
「……今のままでは、ならないだろうね。だが不良品ということは、裏を返せば、欠点を直したら良品になりうる。というものだ。実際、さっき言った2人の他に僕が注目しているのは、もう1人いる。それも有栖ちゃんや綾小「さやか」……清楓ちゃんに並ぶくらいの、大物がね」
サラッと訂正したけど、水無瀬は坂柳のことを名前で呼んでいたらしい。
昔は名前で呼ぶと父に怒られていたけど、今はその邪魔も入らない。
「高円寺六助。初日バスで来るときに見た。確かに
「それはそれは……退屈しなさそうですね」
私と水無瀬の評価を聞いて、楽しげに語る坂柳。
私もそう思うけど、正直言ってそこまで楽しむ余裕があるかと言われたら、また微妙なものだ。
「……でもDクラスには私と水無瀬がいる。二人そろえば最強。間違いない」
「あら? 水無瀬君は積極的に参加するおつもりで?」
確かに。多分首を突っ込むことはせずに、後ろでアドバイスを出してニヤニヤしてるだろう。
「さあどうだろうね。現状、僕の考えとしては積極的に戦うつもりはない。一歩身を引いた状態でいるつもりだよ。ただ……どうこう言っている暇もない可能性もある。うわさ話によれば退学の可能性のある試験があるらしいからね。そこを突いてくる可能性は高いだろう」
「……綾小路さんの父親ですか」
「ああ。君のお父さんにも言ったが、あの人は間違いなく干渉してくるだろう。早くても今年中。どんなに遅くても、来年の新入生に、ホワイトルーム出身者が来るのは間違いないだろう。あの人はそういう人だ」
「……水無瀬はその時は守ってくれる?」
あまり考えたくない事実だ。私はこの生活に非常に満足しているし、もう水無瀬と離れたくない。
そんな不安が自然とこぼれてしまう。
「当たり前じゃないか。君をあんな所に戻したりはしない……僕は愛する人をもう
なんと言うか、まるで今まで愛した人を失ったかのような雰囲気を感じる。
まあ、十中八九私の知らない彼の話なんだろう。力の籠った瞳で水無瀬は続ける。
「
────それが今、私がこの世に生まれてきた意味であり。存在意義なんだ」
────左手で頬杖を突き、笑いながら語る水無瀬の目は、酷く昏く淀んで見えた────
「有栖ちゃん。ところでなんだけどさ」
「はい。どうかしましたか?」
「昨日言ってた。お父さんに広い部屋を用意してもらうって話。結局どうなったの?」
「……実は、あれは嘘です。まだ話してません。そもそも水無瀬君の許可を取ってませんでしたし」
「意外。坂柳は、許可とか気にせず無理やり転がり込むと思ってた」
「同感」
「……」
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これから3人が一緒に暮らすかどうかのアンケートです。
将来的にはそうする予定なのですが、リメイク前だと元々広い部屋が用意されていて、そこに住む形だったのですが、流石にご都合主義かなと思いとどまりました。
ご協力お願いします。
3人の同棲について
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最初から部屋用意されててもいいと思う
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ポイント貯めてから部屋買って同棲しよう