最弱無敗の神装機竜と大阪日本橋の住民   作:MrR

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闇乃 影司の異世界生活

 Side 闇乃 影司

 

 燃え盛る政府の極秘施設。

 

 横たわる大量の死体。

 

 誰もが俺を化け物と言った。

 

 実際そうだ。

 

 特殊部隊だろうと戦車だろうと戦闘機だろうとミサイルだろうと毒ガスだろうと俺は死ねなかった。

 

 それでも権力者は一度振り下ろした拳は戻せない。

 

 無駄だと分かっても次々と殺しに来る。

 

 その生活が終わったのは――あいつらと出会ってからだ――

 

 

 

 

(何やってんだろうな俺は……)

 

 地球のしがらみから解放された、天国のような異世界。

 魔法はない、いわゆるナーロッパ的な世界観。

 そこの王立士官学校と言う名のパワードスーツの動かし方を学ぶ女学院で用務員の仕事をしていた。

 

 地球には居場所がないのでこの異世界暮らしは渡りに船だった。

 

 正直言うとクール系のキャラクターを演じるのは疲れるが、だからと言って年頃の女の子相手にハメを外すのは気が引けるがそこは我慢だ。

 

 だが自分の容姿――長い白髪、白い肌、女性のような華奢な体つき、赤い瞳。

 その背格好のせいで女子達に色々と噂されている。

 

 実は没落した貴族の人間だとか、他国から亡命した王族だとかそんな噂だ。

 

 時たま、ドラグライドを試しに動かさせてもらった時にセリス先輩やら何かやたら突っかかってくるサニア、藤崎に谷村、安藤、トライアドの3人にリーシャとか色んな人間に付き合って貰っている。

 

 戦績はまあ相手によるだな。

 

 セリス先輩が強すぎる。

 

 リーシャも強い強い。

 

 谷村と藤崎、安藤は化け物の域でもうセリス先輩より強いんじゃないのか?

 

 とまあそんな風に模擬戦やりまくったり、勉強教えたりとか、簡単なトレーニングに付き合ったりとかしていくウチに何かラノベの主人公みたいな立ち位置になって来ていた。

 

 それに今、この王立士官学校は日本の文化が流れ込んできてそれに詳しい事もあり、それがキッカケで話が弾んだりするのも大きかったりする。

 

 まあそうなった大きな理由は――

 

「これで何件目だ――」

 

 倒れ伏す男たち。

 王立士官学校の女子は貴族令嬢ばかりだ。

 そんな彼女達を狙って悪行を働く輩がいる。

 

 谷村も藤崎も安藤もそう言うケースに何度か遭遇しているらしい。

 

 かく言う俺もそう言うケースに何度か遭遇している。

 

 谷村と藤崎はドラグライド持ち出してようやく戦闘が成立するかどうかの化け物だ。

 

 何気に工藤の奴もこの世界に迷い込んでひと暴れしている。

 アイツ、平和島 静雄の転生体とかじゃねえよな。

 

 かく言う俺も化け物ではあるが。

 どちらかと言うと下手に殺しなんかやって助けようとした女子生徒に嫌われないかどうかを気にする余裕すらある。

 

 警備兵の方とも、顔見知りになって頭を下げられる御身分になってしまった。

 

「しかし凄いですね。生身でドラグライドを相手にするなんて――」

 

「それはともかく、もう少し治安を強化した方が――」

 

 警備兵に愚痴を零すように言うが――

 

「それが中々難しくて。旧帝国派の人間がこの城塞都市にいて手引きしているだけでなく、上の方で暗躍していると言う話も聞きますし――」

 

「確かにな――」

 

 5年前のクーデターを生き延びた旧帝国派の残党が未だに暗躍しているらしいとは聞いているが、こうして何度も事件に遭遇すると近いウチに一波乱あるかも知れない。

 

 

 

 

 最近ルクス・アーカディアと言う何でも屋をやっている旧帝国の皇子様と知り合った。

 ルクスも休憩らしく、公園のベンチで座って雑談する流れになった。

  

「今学園そんな事になってるんですか?」

 

「まあな」

 

 流石に異世界の事は話さず、異国の文化とオブラートに包んで話した。

 

「しかし自分より一個上なのにそんなに働いて――働くなとは言わないがそのウチ体壊すぞ――」

 

「ハハハハハ……」

   

「ハハハハハじゃねえよ――」

 

 正直言うと17歳の年頃と言う割にはとてもシッカリしていて日本の学生どもに是非とも見習ってほしいとも思う反面、働き過ぎではないかとも思った。

 

「つかトーナメントでの戦いみたけどどう言う戦い方してるんだ? 政治的なあれこれであんまり勝っちゃいけないのは分かるが」

 

「ああ、見たんですね僕の戦い」

 

「防戦一方でカウンターもせずに引き分けに持ち込んでの泥仕合とか、処世術にしたってもっとやりようがあるだろう」

 

 実際そんな戦い方だった。

 ある意味闘技場の名物になっているらしいが自分からすればとても退屈だった。

 防御のセンスは凄まじいのだが、みせ物として観た場合、最悪である。

 

「すいません」

 

「謝るぐらいならやんな」

 

「それは――」

 

「……まあ何かそれも事情があるんだろう。その黒いソードデバイスが関係あるのか?」

 

「えーと」

 

「……悪いな。まあ俺もあんまり人様にどうこう言える立場じゃないしな」

 

「それはどう言う」

 

「知らん方がいい」

 

 正当防衛とは言え、大量に人を殺してるんだ。

 そんな過去を言いふらしてカッコつける悪趣味はない。

 それに知られるのが恐かったのもある。

 

 俺は学園に戻って仕事に戻る事にした。  

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