日本国召喚 × The new order: last days of europe 作:アレクセイ生存BOTおじさん
1963年6月15日午前9時
大日本帝国 帝都
ロウリア王国によるクワ・トイネ公国への軍事侵攻が始まって2日が経過し、大日本帝国陸海軍はこの世界において初の軍事行動を開始していた。
既にマイハーク沖に待機していた第一艦隊は、クワ・トイネ公国との同盟に則り、防衛のためにロウリア王国海軍4400隻の艦隊と交戦するために出航している。
また、航空基地からは引退したり予備機として保管されていたレシプロ機が次々と離陸しており、これはまだコンクリート舗装などがされていないクワ・トイネ公国の平地でも運用ができる機体として、キ84「疾風」や「震電」といった戦闘機を選んだのだ。
「連山」や「富嶽」といった爆撃機も離陸しており、マイハークを経由してこれらの航空機に使用する石油などが運搬され、城塞都市エジェイを日本軍の最前線基地として運用が開始されている。
日本国内でも、クワ・トイネ公国との同盟締結直後に、ロウリア王国による軍事侵攻のニュースが報じられ、ギムの町で発生した虐殺について知ることになったのである。
富嶽によって撮影された航空偵察写真には、町の至る所で虐殺が行われている現場が捉えられており、その中には魔獣を使って意図的に人を食わせている場面も映し出されたものまであった。
陸軍省では、これらの航空偵察写真を見て、ロウリア王国が意図的な虐殺を行っていることが明白となり、まさに中世のような軍規が存在しない野蛮人による暴虐の数々が明るみに出たのである。
そして、新聞やNHKを通じてテレビ・ラジオ放送でも、これらの虐殺現場を捉えた写真を公開し、同盟国であるクワ・トイネ公国で発生したロウリア王国軍による非人道的行為の数々が行われている事を強調されたのだ。
『これらの凄惨な現地の状況を鑑みても、クワ・トイネ公国の町において暴虐の限りを尽くしているロウリア王国を止めなければなりません。高木首相は、クワ・トイネ公国防衛のために第一艦隊や陸軍第7師団を派兵することを決定しました』
異世界……いや、惑星への転移という超常現象的に見舞われた日本の国民の多くが、ロウリア王国による行為は容認できるものではなかった。
少なくとも、大日本帝国は曲がりなりにも大東亜共栄圏の盟主という事を誇りに思っており、建前だったとしても民族の共存共栄を掲げていたのだ。
そうした共存共栄の最初の相手として選んだクワ・トイネ公国が、攻撃を受けたからには助太刀すべきとの声も多く、国民は首相と軍部の大陸への派兵を大いに賛同した。
横須賀、呉、佐世保といった大日本帝国海軍の主要な海軍基地に至っては、第七師団を輸送するための輸送船が次々と到着しており、その輸送船の中には戦車や装甲車、さらにはヘリコプターといった現代戦では欠かせない重装備の兵器が満載されている。
これらの師団の兵員及び兵器の多くはエジェイに向けて輸送されるが、まだクイラ王国からの石油資源採掘が間に合っていない関係上、石油に関しては国内の備蓄分から賄われており、石油を使う戦車や装甲車を使う部隊は限られている。
代わりに、航空機による援護を重視した作戦を陸軍省と軍令部が指揮しており、これらの作戦内容としてはクワ・トイネ公国に侵攻してきた地上部隊30万人を航空機による反復攻撃を行った後、疲弊したところを地上部隊を使って殲滅し、そのままロウリア王国の首都ジンハークへの逆侵攻を行うことが決定された。
軍部は新世界、及び魔法が存在する世界での戦いということもあり、容赦のない攻撃も兼ねて陸海軍の共同作戦が重要視されることになる。
クワ・トイネ公国を守る、そしてこの世界における初の戦いという事も兼ねて神世作戦と命名されたのであった。