日本国召喚 × The new order: last days of europe 作:アレクセイ生存BOTおじさん
1963年6月15日午後1時
ロデニウス沖
(これが……大日本帝国の鉄で出来た戦艦艦隊……まるで海上に複数の要塞が浮かんでいるようだ……)
YH-6ヘリコプターに搭乗しているクワ・トイネ公国の観戦武官であり、クワ・トイネ公国第二艦隊参謀のブルーアイは、大日本帝国海軍の圧倒的ともいえる海軍力を目の当たりにすることになった。
クワ・トイネ公国に砲門外交をしてきた相手だけに、その実力は確かであると確信できるだけの自信があったのだ。
かれこれ一週間以上もの間、マイハークの沖合に待機していた大和率いる第一艦隊は、主砲をマイハークではなく前方に移動させてロデニウス沖まで出港し、後方に待機していた大鳳型空母「大鳳」「祥鳳」と共に駆逐艦の護衛の元で輪形陣を維持している。
しかも、普通の船よりも遥かに速い速度で移動している事実を鑑みても、ブルーアイが有している海軍知識を覆すほどのものである。
(これほどまでに大型でありながら、陣形を崩さずに真っ直ぐ海上航行を行うのは難しい……にもかかわらず、波の影響を殆ど受けずに突き進んでいるだけでも恐ろしいものだ……)
当初は第二艦隊の総司令官であるパンカーレ提督が搭乗する予定ではあったが、万が一戦闘が発生した際に、艦隊の指揮官がいない状況ではまずいという事になり、作戦参謀のブルーアイが観戦武官として階級も適任という事になり、派遣されたのである。
並行して海上を航行している大和型戦艦「大和」「武蔵」の二隻の戦艦だけで全長は300メートルを超えており、護衛の駆逐艦に関しても100メートル以上になる大規模戦闘艦隊だ。
クワ・トイネ公国としても、今回の戦争による日本側の軍事面での調査を探るように言われていることもあり、彼は日本がどんな戦いをするのか、とても気になっているのである。
(これまで参謀として、各国の海軍能力を把握していたつもりではあったが……日本に関しては別格すぎる……パーパルディア皇国ですらこれ程の海軍力は持っていないだろう……)
YH-6は第一艦隊旗艦である大和の後部ヘリコプター甲板に着艦し、大和の水兵がブルーアイを大和の指令室まで案内したのである。
ブルーアイは指令室にいた司令官の伊藤と副官に敬礼する。
「クワ・トイネ公国より派遣されました第二艦隊参謀のブルーアイと申します。この度の武官派遣に際し、快諾してくださった事感謝しております」
「初めまして、私は第一艦隊の艦隊司令官を担っている伊藤です。こちらこそよろしくお願いします」
「大和艦長の海原です。早速ですが、クワ・トイネ公国側が入手しているロウリア王国の情報をお伝えしてもらってもよろしいでしょうか?」
ブルーアイは伊藤との挨拶を交わし、現在判明しているクワ・トイネ公国の戦況報告を行う。
魔導通信により、曲がりなりにも通信技術に関しては第一次から第二次大戦までの戦間期に匹敵する通信技術を有していたクワ・トイネ公国により、日本側よりも早く情報を得ることが出来ていたのである。
まず、ロウリア王国に潜入させている密偵やギムの町から退避した避難民からの情報を元に、ロウリア王国が陸上と海上からクワ・トイネ公国に殲滅戦を仕掛けていることを伝えた。
陸上で起こったギムの町の悲劇に関しても語られたのである。
「ロウリア王国軍は東方討伐軍を組織し、我が国を完全に滅ぼすべく軍事侵攻を開始しております。すでに国境の町として栄えていたギムの町は壊滅し、逃げ遅れた市民及び最後まで戦った軍人合わせて六千人以上が死亡しました……」
「六千人……その話は我々も耳にしております……痛ましい、それにギムの町のあらゆる場所で暴力と虐殺が行われた……」
「ロウリア王国による許し難い暴挙、それに加えて非戦闘員の虐殺を行っている件に関しては、我が国でも情報収集の一環で判明しております。貴国の国民と勇敢に戦った軍人の無念を晴らすためにも、同盟国として共に戦いましょう」
「……ありがとうございます」
ブルーアイは、少なくとも日本側が寄り添う姿勢を見せてくれたことで安堵した。
ただ、日本側も全く知らなかった訳ではなく、既に富嶽による航空偵察によってギムの町での惨状が判明していたこともあり、その惨状を知った第一艦隊の軍人たちはクワ・トイネ公国に同情的である。
ブルーアイは続けてロウリア王国がマイハークを包囲するために大船団を出航させている事も明かした。
「敵の海上戦力に関しては4400隻を率いている大艦隊です。飛竜に関しても地上から援護のために飛来してくるものと推測されております」
「4400隻……やはり偵察機が報告した数と同じですね」
「飛竜か……貴国の保有している飛竜と同じ種類ですか?」
「いいえ、ロウリア王国の飛竜に関しては列強国であるパーパルディア皇国からの軍事援助によって輸入されたものではないかと推測されます」
「うむ……では、先に飛来してくるであろう飛竜を片付けることを最優先したほうがいいな……艦長、主砲に対空砲弾の装填を行うのを優先してほしい。それから、全対空装置を稼働させて、万全の体制を執るように」
「はっ!総員、対空戦闘用意、及び一番砲塔と二番砲塔は対空砲弾の装填を実施せよ。各艦にも対空戦闘に備えるように指示を出せ!」
ブルーアイの報告を受けて、伊藤と海原はこの世界における初の戦闘に備えて各員に準備を行うように指示を出したのであった。
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