日本国召喚 × The new order: last days of europe 作:アレクセイ生存BOTおじさん
また、TNO公式より次回のアップデート情報を確認したところ、日本に関する情報が更新された際、大和型戦艦の艦名が変更された為、大和型戦艦「出雲」「駿河」から「紀伊」「信濃」に艦名変更しました。
中央暦1639年/西暦1963年6月17日午後1時
ロウリア王国 北の港
北の港は極めて静かであった。
先のロデニウス沖大海戦の結果、敵に一矢報いる事なく一方的に嬲り殺しにされたロウリア王国海軍の残存船団が集結していたのだ。
首都のジン・ハークにほど近いこの港は経済的にもロウリア王国の貿易路を担う最重要拠点であったこともあり、厳重な警備体制が敷かれていた。
警戒中の兵士は、哨戒中の飛竜を含めてピリピリとした空気が張り詰めている。
シャークン海将の後任となったホエイル海将は、港に停泊している水兵に対しても、最大限の警戒態勢に臨み、少しでも異変があれば逐一報告を入れるようにとの指示があったのだ。
とはいえ、大海戦の結果を聞いた者達の多くが、この文明圏外の戦争における常識外れな結果だったことから、嵐に遭遇して船団が壊滅したのではないかと思い、ホエイル海将の言葉は話半分として聞いていただけであった。
「それにしてもよぉ、一発の砲撃で飛竜が全騎撃墜されたり、30隻以上の船を巻き込むような魔導兵器による攻撃なんて聞いたことねぇぜ」
「きっと巨大な嵐にでも遭遇して大損害を被ったのを隠すために過大に言っているに違いないさ……」
「かもなぁ……あ~っ……それにしても暇だなぁ……」
「全く……おい、北東の空から何か近づいてこないか?」
休憩時間の際に、二人の水兵が見張り塔で束の間の雑談をしている最中、ふと、一人の水兵の視界に遠くの空から何かが近づいているのが見えた。
彼は目が良かったこともあり、見間違いではないことを確認すると、単眼鏡を除いて確認を行ったのだ。
「ん?何処だ?」
「ほら、あの空の上……飛竜にしてはデカすぎないか?」
「……言われてみれば確かになぁ……念のため報告するか?」
「そうだな、海軍本部に繋いで……って、なんだありゃ!スゴイ数がこっちにやって来ているぞ!」
「いけねぇ!すぐに本部に報告だ!」
最初は黒い点のようなものが見え、それが一分も経たずに50以上もの飛行物体が接近してくるのを確認したのだ。
水兵は慌てて魔導通信を用いて、海軍本部へと連絡を行う。
「海軍本部、応答願います!こちら第四監視塔、正体不明の飛行物体が接近中!繰り返す、正体不明の飛行物体が接近中!」
「こちら海軍本部、飛行物体の数は把握できるか?」
「こちら第四監視塔、飛行物体の数は50以上です!どれも飛竜ではないですが、まるで鉄で出来ているような光沢があります!」
「くそっ、シャークン海将がやられたあの日本の鉄竜の話は本当だったか!総員!臨戦態勢を……」
海軍本部で臨戦態勢を行う通信を行おうとした時、北の港の運命は既に決していた。
空母大鳳と祥鳳から発艦した艦上ジェット攻撃機「青龍」による攻撃が開始されたからである。
船団を攻撃した時と、同じ武装を行っていた飛竜は、ジェット攻撃機特有の耳を切り裂くような爆音を奏でながら、北の港の海軍基地を地獄へと変貌させたのである。
搭載されている20mm機関砲の掃射によって、港に停泊していた船舶には大きな穴が無数に開き、数分で船が沈んでいくのだ。
さらに、上陸する日本陸軍の支援のために、障壁となる高層建築物や、クワ・トイネ公国が潜伏させている密偵からの情報を頼りに、対空防衛陣地と軍事施設を中心に600kg爆弾を次々と投下している。
北の港の守りをしていた者達にとって、僅か数分で突然前触れもなく攻撃を受けたという事実は受け入れがたいものであり、同時に戦闘に対応しようとするも一方的に攻撃されている状況では、魔導通信から聞こえるのは味方の悲鳴と断絶魔であった。
「敵の魔導兵器で一気に魔導通信船が沈みました!ああっ!また沈んでいく!」
「畜生!退避すら間に合わない!総員退避!船から飛び降りろ!奴らの攻撃で身体を裂かれたくはない!」
「海軍本部!海軍本部!どうすれば良いのですか?!応答を……」
「ああっ、魔石保管庫が攻撃で爆発しました!飛竜用の魔石が……」
「くそっ、これでは成すべきことも出来ぬまま一方的に蹂躙されるだけか……」
ホエイル海将は、海軍本部から出る間もなく、自分が指揮すべき150隻の船団が全滅していくのをただ見ているしかなかった。
僅か10分の間に、第一艦隊より発艦した攻撃機によって北の港は守るべき軍事機能を喪失し、海軍本部ではホエイル海将が陸上戦力を率いて後退を余儀なくされた。
高高度偵察任務を行った富嶽より得られた航空写真から、ロウリア王国海軍の残存艦隊の数と、主要な対空防衛兵器のある場所を割り出したのだ。
飛竜に関しては低空かつ低速では戦闘ヘリコプターでも十分脅威になり得る敵であることから、4機の富嶽による首都近郊の飛竜を管轄する竜騎士団の基地にも爆撃を敢行したのである。
「王都にも敵が侵攻してきたのか!警備兵はなにをしていた!」
「畜生!炎魔法で空から攻撃してきているぞ!早く飛竜を連れて上空に退避しろ!」
「熱い!熱いよぉ!」
「助けてくれ!息が出来ないッ!」
「一人でも多く脱出しろ!うわあああああっ!」
無数の焼夷弾による爆撃が完了し、騎士団が有していた魔石保管庫も大爆発を起こし、竜騎士団の大部分が戦う間もなく焼夷弾の炎で焼かれたのだ。
真っ先にロウリア王国本土を襲撃をした日本軍は、対空防衛兵器及び竜騎士団本部を優先的に破壊すると、それを合図に陸軍の輸送船から上陸用舟艇が出発、第七師団の戦車部隊が北の港に突入し、瞬く間に散兵を蹴散らしながら北の港を占領した。
この時に掛かった時間は僅か2時間足らずであり、陸軍の中でも迅速にロウリア王国の重要拠点を制圧したのである。
本拠地であり、首都ジン・ハークまで一直線に進むことが出来る主要港湾都市を確保したことにより、もぬけの殻となったロウリア王国海軍本部には日章旗が掲げられたのであった。
誉れの日章旗