日本国召喚 × The new order: last days of europe   作:アレクセイ生存BOTおじさん

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第三十三話

中央暦1639年/西暦1963年7月1日午前7時

ロウリア王国 王都ジンハーク

 

王都にいる者は、いよいよ決戦が行われることに鼓舞をしている最中であった。

槍やクロスボウを持ちだして、戦闘準備態勢を執り行っている。

無謀ともいえる戦いであるにも関わらず、彼らの表情は明るい。

 

「国王陛下自ら参戦なさるとは……我々の事を想ってらっしゃる」

「やはり、陛下は我々を見捨てずに戦ってくださるのだ!ロウリア王国万歳!国王陛下万歳!」

「「「万歳!万歳!万歳!」」」

 

一般民衆は、国王陛下自ら出陣すると宣言したことは、新兵や動員された民間人を勇気づけた。

 

その一方で、飛竜隊に関しては王都に侵入してくるであろう敵航空勢力の排除を厳命とし、先遣隊から生き残った数少ない竜隊騎士団のトップであるアルデバランに航空戦力の全指揮権が、パタジンより委任された。

 

「アルデバラン、君に王都を含めた全飛竜隊の指揮を託す」

「はっ……謹んでお受けいたします」

「すまない、無事に帰ってきた君を再び死地に送ることになる……」

 

パタジンは声を震わせながら、アルデバランに頭を下げた。

 

ギム攻略作戦時に、アルデバランは辛うじてギムの街から脱出できた幸運な軍人の一人であった。

 

日本軍が攻撃した時、彼は前線を離れて哨戒任務を実施していたからだ。

 

ギムの街から15キロ程離れたロウリア王国側の前線補給基地にいたことで、富嶽による焼夷弾攻撃から運よく逃れることができた。

 

アルデバランの部隊は全滅し、王都の竜騎士団もムーラ、ターナケインといった爆撃を逃れる事が出来た数少ない竜騎士しかいない。

 

「いえ、頭を下げないでください将軍。私は部下をむざむざと死なせてしまい、そして一人だけ生き残ってしまった……本来なら死罪になるべきですよ」

「だが、君が見た日本軍の鉄の羽虫に関する情報は決して無駄ではない。戦い方次第では、日本軍の羽虫を倒す事が出来るかもしれん」

 

日本軍の鉄で出来た羽虫は、低空で侵入し、地上を瞬く間に制圧することができるが、轟音を奏でる鉄竜よりも速度が遅い。

 

そして、飛竜隊による迎撃高度を飛んでくることから、高高度から攻撃してくる鉄竜より撃破ができる可能性が高いと進言したのだ。

 

これを利用して、可燃性の高い高純度の魔石を飛竜ごと体当たり攻撃を敢行し、羽虫を燃やす作戦をアルデバランはパタジンに立案したのである。

 

危険すぎると当初パタジンは反対したが、もはや戦況がそれを許してくれそうにない。

 

パタジンはこの自死に近い作戦の決定を承認した。

 

「ええ、ヤミレイ閣下より王都竜騎士団分の魔石を既に調達しました。これで、心置きなく戦えます」

「そうか……何か、他に家族などに言い残したい事はあるか?責任を持って私が届ける」

「それには及びません。ここにいる者は昨日のうちに家族と別れを済ませておきました」

 

大歓声と共に自らを鼓舞をしている民衆とは対照的に、既に「死」を前提とする作戦であることが判っている。

 

これはパタジンを含めて、将官達も命を刺し違えてでも、敵に一撃を被るやり方を採用している。

 

「分かった……武運を祈っている」

「ええ、それではこれより王都竜騎士団は出撃致します」

 

アルデバラン達は、南部産のエーテル酒を飲んでから、それぞれの飛竜に騎乗した。

 

王都竜騎士団が空に飛び立った直後、空から無数の煙が接近してくると緊急の魔導通信が入る。

 

「閣下!北東の方向より無数の白煙が接近してきます!」

「白煙だと……まずい、日本軍の攻撃だ!すぐに広場にいる市民を退避させろ!」

 

鉄竜から離れた攻撃でも、白煙を挙げて魔導弾が接近してきたという報告を受け取っていたパタジンは、すぐに攻撃が来ることを見抜いたのだ。

 

そして、彼がすぐに部下に退避という判断を下したのは賢明なものであった。

 

「分かりました、ではこれより退避を……」

 

だが、魔導通信がそれより先に言葉を発することは無かった。

 

これから、彼らの頭上には科学文明によって作り出された兵器によって、慈悲なく殺される。

 

狩りつくされるのだ。

 

魔導通信が切られると同時に、パタジンのいた王城はこれまでにない揺れと爆音が炸裂した。

 

 

そして我々は進む

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