日本国召喚 × The new order: last days of europe   作:アレクセイ生存BOTおじさん

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第三十四話

中央暦1639年/西暦1963年7月1日午前7時15分

ロウリア王国 王都ジンハーク

 

ジンハークの街に、無数の巡航ミサイルが着弾していく。

 

日本海軍第一艦隊の旗艦である「大和」その同型艦である「武蔵」から放たれていく。

 

偵察機からの情報を照らし合わせて、王都劇場や中央広場など、一般人が()()()している拠点を叩くために発射したのだ。

 

他の巡洋艦である「伊吹」などからも白煙をあげてジンハークの都市部にミサイルが吸い込まれていく。

 

着弾すると同時に、周辺には赤い炎と爆風が飛び交う。

 

それまで最後まで戦ってやると意気込んでいた市民は、無慈悲に吹き飛ばされていく。

 

瓦礫に押しつぶされる。

 

破片であるレンガやガラスが突き刺さる。

 

巡航ミサイルによって老若男女問わず、平等に殺していった。

 

出血が止まらずに死んでいく。

 

悲鳴、絶叫、うめき声、おびただしい赤色の血……。

 

全てが……潰されて、蠢いていく。

 

その光景は、王都に向けて進軍をしているヘリ部隊や機甲師団からでも観測している。

 

複数の偵察ヘリと攻撃ヘリで混成された【第七師団第一飛行隊】が王都上空に先行しており、海軍の支援攻撃である巡航ミサイルの攻撃が完了次第、地上目標の破壊を命じられていた。

 

『こちら観測機「鶴6」、第一艦隊からの巡航ミサイルは目標に命中しております』

『鶴6へ、他に接近する機影は確認できるか?』

『こちらからは確認できません。飛竜に関しては警戒を厳にしております』

『飛竜を発見したら対空ミサイルを容赦なく叩き込め。軽武装とはいえ、接近されてブレスを吐かれたらエンジンをやられるぞ』

『了解』

 

観測機「鶴6」のパイロットからしてみれば、地球にいたころに派遣されたアジアのゲリラ戦よりも楽な仕事だと感じていた。

 

抗日パルチザンは、アメリカからの支援を受けて対空ミサイルや対空砲なども配備されていたことがあった。

 

それに比べたら、第二次世界大戦どころか近世にすら劣っている軍隊を相手にするなど、赤子の首をひねるよりも簡単だと思っていた。

 

ちょっとした油断もあってか、鶴6のパイロットと観測員はまるでテレビ映画をみているみたいに感想を述べている。

 

「それ見てみろ、瞬く間に王都に降り注いでいくぞ」

「こりゃすげぇな……大規模演習でも見ない光景だな」

「まさに戦争……いや、一方的に都市を焼き払うだけの仕事だよ」

 

見ているだけでも、圧巻の光景である。

 

中世ヨーロッパの街並みが、無慈悲に迎撃すらできないまま巡航ミサイルが着弾していくのだ。

 

まるで、流れ星が空から落ちていくみたいに、次々と目標に着弾して炎が炸裂している。

 

着弾地点では、きっと数十人から数百人の人間がバラバラになり、爆風の破片等で二次被害がもたらされているに違いない。

 

それでも、鶴6のパイロットと観測員たちの目には『降伏を無視した相手が一方的に現代兵器によって蹂躙されているだけの光景』にしか見えない。

 

これでは勝負にもなっていないとタカを括っていたその時であった。

 

「ん?丘の陰から何か……動いて……あッ?!飛竜だとッ!!」

 

観測員が周囲を見てみると、数十騎もの飛竜が超低空で飛行しており、そのうちの一騎の飛竜が近づいてくるのを目の当たりにした。

 

太陽を背にして進軍をしていたのだが、王都近郊の荒野の小高い丘が影となっている影響もあり、ヘリコプターからは気が付きにくい。

 

生き残るだけの技量を持っている竜騎士だけに、地の利を生かして低空飛行で飛ぶのは慣れていたのだ。

 

丘の陰に沿って超低空でアルデバラン率いる王都竜騎士団が接近を試みたのだ。

 

そして、その目論みは見事に成功したのだ。

 

「よしっ!太陽のお陰でこちらに気がついていないぞ!」

「隊長!あの羽虫が一番近いです!俺にやらせてくださいッ!」

「分かった、あれはまだ気がついていないはずだ。頼むぞ!」

「了解ッ!仲間の無念をここで晴らせてやるッ!!!」

「鉄の羽虫たちも無敵ではないはずだ。竜騎士の力を思い知らせてやる!」

 

先陣を切るように、1騎の飛竜が鶴6に向かっていく。

 

観測員は直ぐにパイロットに退避行動を行うように進言する。

 

「左から飛竜を確認!数……約25!うち2騎が接近中!」

「くそっ、まだ航空戦力を隠し持っていたかッ!」

『こちら鶴6、南東方向より敵飛竜部隊を確認!総数26騎!我々に攻撃をしてくるつもりですッ!』

「鶴6へ、直ちに退避しろ!」

『うわぁっ!飛竜が突っ込んでくるぞッ!畜生!!!』

 

回避行動を行った鶴6のパイロットが目の当たりにしたのは、猛スピードで自機に突っ込んでくる飛竜の姿である。

 

飛竜はブレスを吐く際に、一時的に減速を行う癖がある。

 

しかし、そのような行為は見受けられない。

 

飛竜の両脇には大きな樽が詰められている。

 

これは可燃性魔石であり、強い衝撃が加わると爆発する仕組みだ。

 

「ロウリア王国万歳ッ!!!!!」

 

勇敢な竜騎士団の一人が鶴6に対して飛竜ごと体当たり攻撃を敢行したのである。

 

燃料タンクの近くに飛竜が吸い込まれるように叩きつけられると同時に、積んでいた魔石が爆発を引き起こす。

 

ヘリコプターは空中で飛竜諸共爆散し、鶴6の機影がレーダーから消えると同時に第一飛行隊は、世界初の飛竜との空中戦を戦うことになる。

 

戦争が始まれば、どこにいても誰であっても、故郷を守り敵を撃退する義務がある。犠牲を払う覚悟を持たねばならないのだ。-蒋介石-

 

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