日本国召喚 × The new order: last days of europe   作:アレクセイ生存BOTおじさん

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第三十五話

中央暦1639年/西暦1963年7月1日午前7時25分

ロウリア王国 王都ジンハーク

 

『鶴6がやられた!繰り返す、鶴6がやられた!』

『こちら鶴3、こっちにも飛竜が飛んできたぞ!ミサイルで打ち返せ!』

『くそっ、鶴4、あいつら鶴6に突っ込んで来やがった!』

『剣3、左後方から飛竜に狙われている!高度を上昇しろッ!緊急回避だ!』

『駄目だっ、こいつら突っ込んで……うわああっ!』

 

第七師団第一飛行隊は混乱状態に陥っていた。

 

富嶽の爆撃によって壊滅させたと思われていた航空戦力が残存していたからだ。

 

それも、飛竜は26騎ほど残存しており、ロウリア王国は残存航空戦力の全てを投入して、ヘリコプター部隊に狙いを定めて攻撃を敢行してきたのである。

 

第一飛行隊の偵察ヘリ「庄和 R5D」には簡易武装として対空ミサイルが搭載されているものの、それ以外の攻撃用武装はなく、防護力は無いに等しい。

 

攻撃ヘリである「キ-269 火星」は対地攻撃用の92式13ミリ重機関砲と、60ミリロケットポッドが搭載されているが、対空戦闘用の武装は無かった。

 

『剣5から剣1へ、こっちにも敵飛竜を確認!クソッ、狙ってきやがる!』

『剣1から剣5!回避しろ!全力で逃避行動を行えば間に合う!』

『やってみます!ああっ!後ろに張り付いてきて……』

『剣5?!どうした剣5!』

 

偵察ヘリが「鶴」攻撃ヘリに「剣」と割り振っていた部隊だが、自殺をも厭わないロウリア王国軍王都騎士団の攻撃によって一気に5機もの機体を失う。

 

それでも、第一飛行隊の隊長機である「剣1」は、すぐに冷静になるように無線で叫んだ。

 

『剣1から各機、編隊を乱すな!敵の目的は俺たちだ!少なくとも本命の地上部隊じゃない!俺たちが引きつけている間に、地上にいる味方に援護を要請するッ!』

 

第一飛行隊の目下には、地上にいる機甲部隊には対空攻撃にも使用可能な、10ミリ機関砲を装備している20式装甲輸送車が数台先行していた。

 

また、20ミリ機関砲を搭載している26式戦闘歩兵車両も随伴していたこともあり、第一飛行隊を救うためにこれらの地上部隊は低空で接近する飛竜に向けて機関砲による攻撃を敢行した。

 

それと同時に、ハーク城攻略の切り札である14式戦車「チヲ」と最新鋭の23式戦車「チワ」で編成された戦車部隊が飛竜に向けて機関砲を発射する。

 

『何としても輸送ヘリに飛竜を近づけさせるな!撃って撃って撃ちまくれ!』

『あいつら、まだ飛竜を隠し持っていたかッ!』

『これ以上ヘリ部隊をやらせるな!高射砲は良く狙って撃てッ!』

 

地上の機甲部隊が援護射撃を行う。

 

1騎、また1騎と機関砲が竜騎士団ごと、飛竜の身体を撃ち抜いていく。

 

竜騎士団も、地上にいる部隊から攻撃を食らう事をある程度は覚悟していたが、無数の光弾となって飛竜の身体を穴だらけにしていく。

 

ヘリコプターに突撃を敢行しようとした飛竜は、両脇に積んでいた可燃性魔石に着火して、火を噴き上げながら地上へと落下する。

 

その光景は、線香花火みたいにバチバチと火花を散らしながら竜と人であった部位がバラバラに落下していくのだ。

 

突撃の奇襲攻撃で混乱していたヘリコプター部隊も、態勢を立て直してから機関砲や対空ミサイルで応戦を開始した。

 

アルデバランは、次々と落ちていく飛竜を前に、既に奇襲攻撃がこれ以上効果を発揮できない状態であることを悟った。

 

「あああっ、隊長!!!地上からも敵がっ!!!」

「くそっ、やはり……これ以上は無理か……」

「どうします?!」

「鉄の羽虫は編隊を立て直している……であれば、地上で攻撃してくる敵を叩くのみっ!全竜騎士、あの鉄の地竜に突っ込むぞ!!!」

 

生き残っていた竜騎士団13名は、ヘリコプター部隊から目標を変更して地上目標への攻撃に切り替える。

 

アルデバランは自分に従っている竜騎士に申し訳ないと感じたのか、一番初めに狙いを定めて地上攻撃の姿勢を取り、20式装甲輸送車に狙いを定める。

 

「俺が先にいく!続け!」

 

装甲車から下車した日本軍兵士が15式自動小銃をアルデバランの身体目掛けて撃ち込んでいく。

 

身に着けている走行から穴が空き、血が噴き出していく。

 

それでも、信念と敵を道連れにするという意志を貫いた彼は、飛竜諸共絶命するまで輸送車に狙いを定めて突っ込んでいった。

 

アルデバランに続くように、他の飛竜も一斉に急降下攻撃を敢行する。

 

しかし、急降下をしてもなお機関砲や機関銃、歩兵銃による一斉射撃によって、次々から次へと飛竜は目標から逸れて墜ちていく。

 

「隊長!」

「ターナケイン!なるべく意識を乱すな!しっかり目標に集中を……うがぁっ?!」

「ムーラさんッ?!うわぁっ!!」

 

爆発する輸送車に続いて、ムーラ、ターナケインといった竜騎士も日本軍の装甲車目掛けて突っ込んでいったが、両名の飛竜が途中で頭部を機関砲で撃ち抜かれたことにより、敵に突入する寸での所で行動不能となり、二人は辛くも投げ出されたのだ。

 

「相棒!!!」

 

相棒と親しんでいた飛竜が、最期の別れのように鳴き声を奏でながら敵の鉄車目掛けて落ちていき、爆発していく。

 

(これで……これで少なくとも……マシにはなったかな……)

 

それを見たターナケインは、少なくとも自分の相棒が敵に対して一矢報いることが出来たことに満足し、地面に叩きつけられた。

 

幸運にも荒地の中でも砂場の部分であったことからクッションの代わりとなり、また鎧が銃弾を食い止めたお陰で二人は生存していたのだ。

 

最も、投げ出された衝撃で動けない所を、すぐに日本軍の兵士が二人を駆けつけて捕虜として捕らえた。

 

こうして、日本軍はこの世界での戦闘において、初の戦死者と少なからぬ損害を出したのであった。

 

【戦況被害報告】

 

・ロウリア王国軍王都騎士団 ムーラ、ターナケインを除き全員戦死。

 

― 全飛竜全滅 航空戦力全滅

 

・日本軍 第七師団

 

― 偵察ヘリ4機 攻撃ヘリ1機 撃墜 パイロット・観測員12名戦死

 

― 20式装甲輸送車 2両 撃破 操縦士・搭乗員7名戦死

 

― 26式戦闘歩兵車両 1両 撃破 操縦士・戦闘要員5名戦死

 

― 随伴歩兵 6名戦死 20名負傷

 

― 14式戦車「チヲ」 1両小破 操縦士1名負傷

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