日本国召喚 × The new order: last days of europe 作:アレクセイ生存BOTおじさん
中央暦1639年/西暦1963年8月30日午前1時
アルタラス王国 王都ル・ブリアス
アルタラス王国の人々は、魔石鉱山の利権を獲得した日本帝国の意図を探っているところだ。
元々、パーパルディア皇国側から理不尽な要求を突き付けられることが多かっただけに、日本側がパーパルディア皇国側が提示していた魔石の優先的な採掘権に関して、多額の資金を通じて鉱山そのものを購入した。
この出来事はパーパルディア皇国だけではなく現地住民からも驚きをもって知らされることになる。
既にル・ブリアスには日本の企業が進出する関係で、日本側の要請で日本人街が作られようとしている。
四井・八菱財閥を中心に環境整備が行われており、採掘した魔石の利益は日本とアルタラス王国との間で折半する契約が結ばれている。
パーパルディア側の提示した条件は鉱山利権だけではなく、王女ルミエスを奴隷として差し出せというとんでもないものであった。
当然ながら、そんなあからさまなやり方を行うパーパルディア皇国より、日本側の提示した案は遥かに良心的であり、たとえ勢力圏の拡大とそれに伴う利権目的であったとしても、パーパルディアに比べたら天と地の差であった。
採掘をより効率的に行える機械の投入。
日本企業進出に伴い、各種インフラ整備の申し出。
それから経済協定の締結と、貿易に関する優遇措置。
アルタラス王国にもたらされているのは『大日本帝国による確約された繁栄』である。
これに伴い、魔石を輸出できるように日本側に近い南西地域の港湾部は、日本の大型船が行き来できるように大量の労務者や埋立作業専用のホッパー船が行き来を繰り返しており、港湾拡張工事が急ピッチで進められている。
「日本の技術はすごいなぁ……お城みたいな船が停泊できるようにしたのか……」
「大量の機械を使って埋め立てたもんな……ありゃパーパルディア皇国でも敵わないよ」
「それに、ル・ブリアスにも多くの日本の会社が作られているからな……求人募集を見る限りでは給料も良いらしいぞ?」
「それなら日本企業に入ろうかな……」
日本側は、持ち前の工業力と資本力を活かして真っ先に取り組んだのは現地民の融和と、それに伴う
パーパルディアが狙っていた鉱山だけに、武力衝突も起こりえる事を憂慮した日本国内保守派が、警備目的の為に軍を派遣することを提案したのだ。
この提案にしてアルタラス王国はパーパルディア皇国をかなり刺激してしまうと苦言をしたことで、名目上は『軍』ではない『治安警察隊』が派遣されることになった。
ただこれは名称を変更しただけであり、治安警察隊として派遣された兵士は述べ六千人であり、陸軍一個師団に匹敵する。
最も、治安警察隊は日本兵だけではなくクワ・トイネ公国やクイラ王国といった同盟国兵士が全体の八割を占めている。
飛竜対策に九十六式二十五ミリ機銃を取り付けた5式戦車「チリ」や、携帯用対空ミサイルを搭載した17式新砲塔ホキ装甲車、九十六式十五センチ榴弾砲など、前大戦で使われた……もしくは冷戦初期に使われていた兵器で倉庫やスクラップ寸前だったものを整備して再復帰させたのだ。
そして何よりも気掛かりなのは、この治安警察隊の指揮者である。
実質的に日本軍である治安警察隊は陸軍の中でも強硬派として知られている武藤将軍が名乗りを挙げ、アルタラス王国の治安警察隊の責任者として赴任している。
日本政府としては、陸軍強硬派であり盧溝橋事件や南京事件における中心的人物であった彼をアルタラス王国に置くことに異議を唱えようにも、陸軍は第三文明圏内での治安維持を名目に彼を推し進めたのだ。
高木首相も、陸軍が過剰な反発をすればその分暴発するリスクがあった為に、止む無くこの人事に同意しているのだ。
とはいえ、少なくともパーパルディアのように露骨なやり方ではないが、日本側が企業を中心にアルタラス王国への投資と支援を開始しており、第三文明圏の覇権を手にするために官民一体となって執り行っているのだ。
近代化された工業採掘機を使い、世界五大魔石鉱山として有名なシルウトラス鉱山の採掘を行うべく、鉱山から港湾までの道のりを国鉄関係者やゼネコン大手の幹部が視察をしており、ディーゼル機関車を使い鉄道を敷設する予定だ。
かつての東南アジアや広東国のような発展が見込めるとして、政府・財閥が中心となって開発が行われる予定であり、魔石に関しては新しい電子部品として組み込むことが模索されている。
旧広東企業の帝都通信工業が中心となって実権を握った「ロデニウス国際連合商社」では、トランジスタ技術と現地の魔導技術を組み合わせた試作魔導式広域通信機「TFM-63」が開発されており、これはロデニウス大陸における初の家電製品として年内に販売する予定だ。
新興企業として既にクワ・トイネ公国のマイハークに本社を設置し、現地での魔石技術の研究と、電化が進んでいない地域が多いロデニウス大陸や第三文明圏での経済を掌握するための布石でもある。
というのも、電化が進んでいなければ電池等で充電するという手法があれど、電池の生産工場の殆どが中国大陸に移転されていた関係で、電池は戦略物資に指定されたのと、日本国内を賄う分で精一杯という実情もあった。
電池工場や電化設備が完成して、本格的な家電製品が量産・使用できるまでの間は、現地での採掘や使用が多く行われている魔石を使用する魔導式技術と現代技術を組み合わせた電化製品を生産する必要があった。
既存で既に型落ちとなっていたラジオである最初期のトランジスタラジオ「TTK-055C」の基盤は日本国内に現存していたことから、この基盤をベースに魔石を組み込んだ電化製品を作り、現地民との関係強化・技術促進の方向に舵を切った。
現地民との関係を重要視する盛田の考えが色濃く反映されており、改革派である高木も、この方針に賛成して第三文明圏における日本製品のシェアを確立すべく、急ピッチで作業が進められている。
真空管やトランジスタ技術は既に日本側が優勢であるが、魔石に関してはこの世界における豊富な伝導鉱物として注目されていることから、まだインフラ整備が未発達な第三文明圏外を中心に、庶民でも購入出来る価格帯での販売を行うつもりだ。
最も、この日本人街で働く日本人というのは、元々旧大東亜共栄圏から出稼ぎ労働者としてやってきた日本以外のアジア人が大半を占めている。
彼らは実質的に帰る家を失った漂流者であると同時に、過剰な人口を抱えている日本から進出し、日本の影響力を高めるための戦力として活動することを余儀なくされている。
新天地で働く日本人は、この世界を希望か、それもと祖国や故郷との繋がりを遮断された異世界と認識して、割り切って働くしかない。
ロデニウス大陸での進出に続いて、パーパルディア皇国への牽制を兼ねて鉱山を購入した……。
外交官がパーパルディア皇国のプライドの塊で出来上がった鼻を挫くには十分すぎる程の成果を挙げて警告も済ませてある。
理性的な対応が取れるのであれば、戦争にはならないはずだ。
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パーパルディア皇国 権力闘争の勃発
大日本帝国に対する脅威と行動に関して、パーパルディア皇国内部では外務局や省庁を超えた協議と対策が話し合われているものの、かの国や同盟国への懲罰を叫ぶ声も根強い。
少なくとも、皇国内部における権力闘争と政治的駆け引きによってパーパルディア皇国の運命は大きく変わるだろう。
皇帝の意見を聞き入れてもらうには、各省庁と軍の発言権が必要だ。
第一外務局
発言権:■■■■■■■□□□ 7/10
第二外務局
発言権:■■■■■□□□□□ 5/10
第三外務局
発言権:■■■■■■■□□□ 7/10
国家戦略局
発言権:■■□□□□□□□□ 2/10
皇国軍
発言権:■■■■■□□□□□ 5/10
パーパルディア皇国内での発言権を握ったのは……
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第一外務局(開戦を決意)
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第二外務局(膝を屈する)
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第三外務局(国内の急進派を排除)
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国家戦略局(謀略を巡らせる)
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皇国軍(クーデターにより軍政政権発足)