日本国召喚 × The new order: last days of europe   作:アレクセイ生存BOTおじさん

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第五話

クワ・トイネ公国視点

 

クワ・トイネ公国所属の飛竜部隊は、通常の哨戒任務をしていた最中であった。

 

対立が深まっているロウリア王国との軍事的衝突を警戒し、陸と空……そして海での三軍による厳重な警戒体制下に置かれていた。

 

複数の飛竜を保有しているクワ・トイネ公国軍は、上空からの警戒任務を最も重要とし、防衛体制を強化していた。

特に経済都市「マイハーク」は、クワ・トイネ公国における大陸北部の重要な経済拠点であり、その分戦略的重要性から軍による厳重な警備体制下に置かれていた。

 

「こちら第6飛竜隊!国籍不明騎がマイハークに向かっている!」

「こちら飛竜管制塔、第6飛竜隊……国籍不明騎に関する情報はどうなっている?」

「羽ばたいていない!まるで外見が鉄で出来ているようだ……それに、大きな風車のようなものが二つ、翼の両方に付いて回っている!飛竜のケツに鞭を入れて飛ばしているが、それでも追いつくのがやっとだ!」

「そんな飛竜は今まで聞いたことが無いぞ……」

「それに、凄い轟音だ!滝の傍にいるぐらいに五月蠅くて大声で話しても全然通じない!いずれにしても、進路はマイハークに向かっているッ!」

 

ロウリア王国との軍事衝突の懸念が持ち上がっていた最中、マイハーク近郊を飛行していた第6飛竜隊が所属不明の飛行体を確認した。

 

彼らからしてみれば、異形ともいえる姿をした飛行体が訳の分からぬ轟音を響き渡りながらやってくることに恐怖しただろう。

 

鉄のような外見。

 

羽ばたかない翼。

 

そして何よりも轟音で動いているのだ。

 

見たことも聞いたこともない異形の飛行体。

 

どう対応してよいのか分からず、半ばパニックになりつつも、飛竜隊の兵士達は職務を全うした。

飛竜管制塔に至っては飛竜隊に対して魔導通信を使って、彼らにこう返答したのである。

 

所属不明の飛行体がマイハークに接近をしてきた場合、撃墜を許可する!第7飛竜隊も迎撃に向かえ!

 

マイハークに待機していた第7飛竜隊は、管制塔の指示に従って基地を離陸し、その間に追撃を試みていた第6飛竜隊はマイハークに進路を変えようとしない飛行体に対して、威嚇射撃を行ったのだ。

 

「駄目だ、進路変更なし……止むを得ん!導力火炎弾を発射する!前方に目掛けて威嚇射撃を行え!」

「あの国籍不明騎の前方にですか?!」

「少なくとも魔導弾なら300メートルぐらいなら真っ直ぐ飛ぶ!それで引き返すはずだ、構え!……撃てッ!」

 

第6飛竜隊の隊長の言葉を合図に、一斉に飛竜の口元から導力火炎弾が放たれた。

 

最初期のロケット砲のように、ほぼ真っ直ぐに飛んだ導力火炎弾であったが、その火炎弾が空気抵抗によって飛行体の両翼についていた動力装置に、入り込んでしまったのである。

 

動力源に高熱を放つ火炎弾が入り込んでしまうと、大きな炸裂音と共に飛行体から炎が吹き上がったのである。

 

「火だ!翼から火を噴いたぞ!」

「もしや……こいつは生物ではないのかもしれないな……」

「……ですが、以前進路変わらず!マイハークに向かっています!」

 

管制塔の司令官には二つの選択肢があった。

このまま飛行体が離脱するのを待つか、それともマイハークに到着する前に撃墜するか……。

 

火を噴き上げてもなお、飛行を続けている異形の国籍不明騎。

 

もし、マイハークを襲撃しようものなら、取り返しのつかない事態になるのは明白だ。

管制塔の司令官は後者を選択したのであった。

 

「第7飛竜隊、第6飛竜隊と同時に導力火炎弾による攻撃で仕留めろ!」

「了解、見えた……接触まで残り約20秒!」

「いいか、同時攻撃によって確実に仕留めろ!」

 

それぞれの飛竜隊がカウントダウンを行い、同時に導力火炎弾を放つと、飛行体の左側に集中的な攻撃を開始したのである。

カウントダウンが0になった瞬間に、16もの飛竜から火炎弾が飛行体に次々と着弾し、飛行体の腸から黒煙と炎が吹き上がった。

 

「やったぞ!国籍不明騎、確実に損傷を与えました!」

 

飛竜隊から歓声が上がったが、それでもなお高度が落ちながらも飛行を続ける飛行体。

 

「駄目です!ヤツは墜ちません!」

「これだけ火炎弾を喰らってもまだ耐えていやがる!」

「撃てッ!攻撃を続けるんだ!」

 

黒煙を噴き上げ、導力火炎弾による集中砲火を受けてもなお、飛行体はそのままマイハークまで飛行を続けたのである。

 

「あれが国籍不明騎か?!火を噴いているぞ!」

「うわぁっ、こっちに来るッ!」

「城壁にぶつかるぞぉっ!避けろ!」

 

ついに飛行体はマイハークに達してしまい、マイハークの要塞の城壁に翼の左部分がえぐれるようにぶつかり、そのまま楕円曲線を描いた直後に市街地の中心部に落下。

飛行体は断絶魔を挙げるように、大きな爆発と共に四散したのである。

飛び散った残骸と共に、瞬く間にマイハークの市街地が火の海と化したのである。

 

マイハークは地獄を見た

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