特典が発動する度にトラウマと胃痛が増えるのだが・・・ 作:修道女は正義
「どっちに票入れる!? どっち!?」
「あの子? 昨晩の倉庫で暴れサードリコリスって?」
「セカンドリコリス昇格試験・・・急すぎない」
「アイツならもしかしたら・・・」
「サードリコリスの意地を見せろ!!」
(何でこんなことになったんだっけ・・・)
私、遠山 金衛は現在訓練室にて・・・ファーストクラスのリコリスと対峙していた・・・。
「すごいギャラリーだね?」
「・・・そうですね」
こんなことになった現況は貴女だよね、という言葉を必死で飲み込み、私は目の前の少女の会話に応じる。
「そんじゃまあ、自己紹介から」
軽めの準備運動を終え、目の前の金髪系の白髪をした少女が私に声をかけてくる。
服の色は『赤』。
組織内での実力が一番上を示す色だ。
そして、
「私の名前は錦木 千束、よろしくー」
緩い感じで話しかけてくるが、『リコリス歴代最強』をしている少女だ。
『ではこれより、遠山 金衛のセカンドリコリス昇格試験を行う。両者、構え』
なんで私がこんなことに巻き込まれたかを説明するためにはほんの数分前に遡らなければならない。
そう、あの『司令室』で何があったかを・・・。
「失礼します。遠山 金衛です。」
「ご苦労、そこに掛けなさい」
そう指示され、私はソファへと腰を掛けた。
まあ、ここまでは順調だ、と信じたい。
目の前にいる女性、私が所属するDA(Direct Attack)の司令官である楠木は、表情一つ変えることなく自分の椅子に座てっいた。
いつものように表情を一切変えずに、こちらを値踏みするような・・・というか観察するような目を向けてくる。
正直、昨日の事で何をどう話せば良いのか分からない。
ただ、気を付けなくてはいけないことは3つある。
①私は前線に行きたくない。
②HSSのことがバレてはいけない。
③何より厄介ごとに巻き込まれたくいない。
この3つを念頭に置きながら会話を進めなくてはいけない。
しかし、
(プレッシャーやべえよこの人やっぱ怖いよこの人ちゃんと話せるかなてか何話すの・・・)
その前に私のメンタルと体もつかな・・・。
楠木が目の前の少女、サードリコリスの遠山 金衛を直接見て得た印象は『弱い』だった。
小柄な体系で若干猫背。
ブラウン色の前髪を少し伸ばし、目を隠している。
(伊達メガネか? 確か身体検査の記録では視力に問題はなかったはずだが?)
そして気づいたことがある。
(映像の時と印象が異なる、いや、別人といっても良い・・・)
何故だ? どうなっている?
観察を続けながら楠木は彼女に対し質問をすることにした。
「お前は昨日の倉庫での戦闘に参加していたな?」
「・・・はい」
「サードリコリスとは思えない戦闘能力だった。実力を隠していたのか?」
「いえ。昨日の事は・・・その、運が良かっただけです。」
予想していた回答。
楠木は昨日の倉庫での戦闘映像をスクリーンで再生した。
「素晴らしい動きだ。人間業ではない。これどうやっているんだ?」
「・・・偶然です。」
(そう答えるしかないじゃない・・・)
(とでも考えているのだろうな。理由は分からんが)
「ここ、銃弾に銃弾を当てている、次は跳弾で敵を撃破。しかも全員無傷で。これが偶然だと?」
「・・・」
「話し方まで違うが、アレが素の話し方か? 中々気取った話し方をするな。」
そっちの話し方のほうでも良いぞ、と言いながらもう一度少女の顔を見る。
全くと言って表情を変えず無言のまま。
しかし今までの話から分かってきたことがある。
(映像のサードリコリスと目の前にいるこのリコリスは同一人物)
映像を見ているとき瞳が微かだが動揺したかのように動いていた。
間違いない。
(動揺している? 実力を隠しておきたかったのか?)
理由は分からない。
しかし目の前の少女は『あの』千束が強く関心を持つ少女だ。
(あの案を採用するのは癪だが、やってみる価値はある)
「単刀直入に言おう。貴様にはセカンドリコリス昇格試験を受けてもらう。」
「私には荷が重すぎます。」
瞬間で返答を返してきた。
「これは命令だ貴様にはテストとしてある人物と戦ってもらう。」
「繰り返すようですが・・・私には」
「このテストは『私が納得するまで続けさせてもらう』」
手を抜いたら分かっているな?、と暗に彼女に言った。
(黒歴史と恥ずかしいセリフを知られた上に強制テスト!? しかも逃げられない状況に追い込まれた・・・)
気を付けなくてはいけないこと①~③全く守れていない!!
キリキリとお腹のあたりがまた痛くなる。
(最前線は嫌だ・・・。けど手を抜いたら?)
このDAという組織の構成員のほとんどは私と同じように戸籍を持たない子供たちだ。
つまるところ『死んでも問題がない』というわけだ。
(機嫌を損ねたら・・・最悪『死』!!)
どうする。
どうする!?
『千束』
「どうしたの? 先生」
『聞かないようにしておこうかと思ったんだが・・・なぜ今回の依頼を引き受けた?』
今回の依頼。
それはとあるリコリスの昇格試験の相手をすること。
ただし、
『「スパイの可能性がある場合は自己判断で殺すこと。」お前、この意味・・・』
「大丈夫。『絶対殺さない』」
ただ、
「確かめたいだけなんだ・・・『私と一緒かどうか』をさ」
昨日のリコリコで興奮が収まりきらない作者です。
着物姿の千束、可愛いを飛び越えて尊すぎます・・・。
興奮を収めるため別のアニメ見まくってたら今更ながら「Rwby」にドはまりしました・・・。