特典が発動する度にトラウマと胃痛が増えるのだが・・・ 作:修道女は正義
みたいになっていました。
案の定体調崩してしまいました。
皆様、絶対に仕事最高の状態になったら気をつけてください。
地獄への片道切符です。
あけましておめでとうございます。
覚えている方がいれば見ていただけると幸いです。
『金衛ちゃんはさ、人を殺さず、人を守る仕事をしたいんだよね』
『そうですね』
『私だったらその願いを叶えてあげられる』
『・・・申し訳ないのですが、具体的に言えばどのような形で叶えていただけるのでしょうか?』
私がそう彼女に質問すると、彼女は優しく微笑みながら私の頭を撫で始めた。
『人を殺さず、人の役に立てる仕事に就かせてあげる』
(後方勤務で命の心配をする必要がない職場でしょうかッ!?)
心の声が出かけたが、ギリギリのところで押しとどめる。
『た・だ・し』
私に勝てたらだけど。
(あの人に勝てば転職できる)
そんなこんなでいつもの隠れ家(男性トイレ)で作戦タイムである。
(あの人に勝てば転職できる)
錦木さんが提案した条件。
それを達成するにはどうすれば良い?
(あの人に勝てば転職できる)
第一彼女は赤服。つまるところリコリスの中でトップの戦闘能力を持っている。
『普通なら』勝利するのはまず不可能。
(あの人に勝てば転職できる)
しかし、『私』なら・・・
(あの人に勝てば転職できる)
「一回黙ろうか!? 私の脳!!」
誰もいないトイレの中で女子特有の高い声、より正確に言うと釘○ボイス(に近いのでは?と個人的に思ってる)が響く。
ブラック企業円満に辞めることができるかもしれないという興奮を釘○ボイスという声で中和する。
気分は『風穴空けるわよ!?』を食らったみたいだ(なんじゃそりゃ)。
こっそりと職員のお菓子置き場から拝借した酢昆布を口に含みながら思考を続けることにする。
うん酸っぱい。
酸っぱさを下に感じながら、錦木さんに勝つ方法を考える。
まず大前提として、
通常のHSSは使えない。
あれ原作登場人物、特にキンジにも当てはまるけど『女の子に極端に優しくなっちゃうんだよね』。
私の場合は特に。
こう女の子に桜花放てと? それなら自分にはなって死ぬわ!? とは普通にありえる。
(アレ、しかないか?)
あのHSSならまあなんとか・・・勝負にはなると思う。
ただ、通常のHSSよりも精神的ダメージが大きい。
主になるまでが。
(背に腹は変えられん・・・だって転職できるし!?)
やけくそである。
主に罪悪感とかストレスとかでお腹と頭が重くなってくるが無視(したらしたらで後でもっとひどいことになるが)である。
一旦HSSの問題は解決したことにして、現実逃避も兼ねて戦術のことを考える。
先程の戦闘を思い返す。
銃弾普通に躱す相手にどう勝てと?
お前が言うなと言いたいところだが・・・ん?
(アレ? なんかこれ似たような状況なかったか?)
緋弾の初期の方。
無双モードと思っていたHSSキンジが一方的に負けた回。
(・・・弾避ける理屈はまあ私と一緒でしょ?)
銃口と態勢から弾道を予測。
まあHSS状態だと撃たれたあとも距離さえあれば反応できるけど・・・。
(・・・銃の講習で使ったよなアレ)
いける、いけるかもしれへんでこれ!?
(恥をバラ撒かずに)短時間で、かつ確実に、転職への切符を手に入れることができるでこれ!?
錦木 千束からの提案。
①錦木 千束が勝った場合:遠山 金衛はセカンドリコリスに昇格とし錦木 千束のバディとし共に任務を勧めていくこと。
②錦木 千束が負けた場合:遠山 金衛はサードリコリスのままリコリコ所属とする。
「魅力的すぎる提案だな」
「受けるの? 受けないの? どっちですか?」
管制室にて。
ミカ、楠木、そして千束は剣呑な雰囲気を醸し出しながら話し合いをしていた。
「①は確実だと思うが、千束、本当にいいのか?」
①が達成されるということは千束はDAに戻ってくる。
そう考え楠木は千束へと問いかける。
「だから、さっきからこの条件で良いって言ってるじゃないですかあ」
楠木からの圧を歯牙にもかけず千束は飄々と答える。
「私が勝てばあの子は私のバディ。負ければリコリコ、シンプルで良いでしょ?」
『良いのか千束?』
「先生、私が負けるって思ってるの? 先生まで・・・」
『そうじゃない。楠木は本当にあの条件の意味わかってるのか?』
ミカからの問に対し、ニコッと笑いながら千束は答える。
「条件を飲んだのは向こうでしょ?」
『・・・誰に似たんだか?』
マイクから嬉しそうな、ちょっぴり悲しそうな声が聞こえてくる。
先生にだよ、という言葉を飲み込み千束は戦闘場所へと踏み出す。
『なあ千束』
「どしたの先生?」
『お前が、あの子に入れ込む理由ってなんだ?』
その問いに対して千束は思わず足を止めてしまった。
「・・・私さ。今は幸せなんだ。」
そう、今は。
胸に手を当てる。
鼓動がない、機械仕掛けの心臓がある胸に。
「けどさ、後は?」
私が生ききった後は?
「先生達と皆で作ってきたリコリコと、縁・・・」
どれもかけがえの無い、私の宝物。
けど、
「それだけじゃ、なんか嫌でさ」
私を。
錦木 千束を。
生きた、生きてきた証を残したい。
残し続けていきたい。
私がいなくなった後も、ずっと。
「
『・・・』
「そういうときってさ個人的主観だけど弟子とか自分の子供とかが残し続けていってくれると思うんだ」
『千束』
「先生」
私、昔から妹とか欲しかったんだ。