ACE WITCHES COMBAT EXPEDITION 作:海老天饂飩
空戦描写がここまで難しいとは・・・・
2017/07/25 1100
グアム島周辺海域上空
テロを危惧したアメリカと日本の合同演習がここに始まろうとしていた。
<<スタンドアイドリーより日米全機に通達、その前に今回の演習オペレーターを担当するスタンドアイドリーだ。よろしく頼む。さて諸君も知っての通り、今回の演習の目的は昨今の勢力が増しているテロリスト達への威嚇と牽制だ。よって演習と言えど結果を残さなくてはならない。そして諸君にはそれを遂行する実力があると信じている、期待しているぞ。>>
燦燦と降り注ぐ太陽の光の中、航空自衛隊の国籍マークが入ったF/A-18F型が一機E型が二機の合計三機でデルタ飛行を組みながら作戦領域へと向かっていた。
「はぁ、せっかく有給取って教えて貰ったグアムの可愛い子がいるバーに行こうと思ったのに。なあ笹倉ぁ、俺を慰めてくれよぉ。」
と、厳つい顔をした男が顔に似合わない凹んだ顔をしながら、自分の後ろで機器と睨めっこをしているパートナーに話しかけた。
「伊藤二佐、今は作戦行動中です。私語は慎むべきかと。それに何処から仕入れた情報ですか?」
笹倉と呼ばれた男は、機器を睨み付けたまま自分の前で操縦桿を握っている上官にそう返した。
「笹倉ぁ、背中を預け合う相棒なんだから階級は付けなくて良いっていつも言ってるじゃないか。それと何だかんだ言ってお前、興味あるだろ?....ハハハッ、お前みたいな童顔が行っても追い返されるのが落ちだろうな。まぁ、ジョージ・ワシントンのクルー達から聞いた話と言う事だけ教えといてやるよ。さぁ~て、今日もお仕事がんばっちゃうぞ~」
そう言い終えると伊藤は今までのおどけた態度から顔を引き締めた。
「了解しました。それとその掛け声はやめてください。」
笹倉も顔は見えないが伊藤の変化を感じ取ったのか、今まで以上に顔を引き締めた。
そして、伊藤は自分達の左右斜め後ろを飛んでいる。僚機に通信を入れた。
<<シャクンダ1よりシャクンダ2,3 まもなく作戦領域だ。我々は今回の演習のために組まれた任務編成部隊だ。よって互いの連携が取り辛いかもしれない、しかも日本はF/A-18E/Fを導入して間もないので扱いにも慣れていないだろう。だが、だからと言ってそれを理由に甘えるわけにはいけない。よって我々は我々がする事にベストを尽くすだけだ。分かったか?>>
<<シャクンダ2 了解!>> <<シャクンダ3 了解>>
僚機の気合の入り方に確認した伊藤は、満足そうに操縦桿を握り直した。
「伊藤二佐、今回共同で演習を行うウォーウルフ隊との通信可能領域入ってますが?」
「そうだな、ここは一つ挨拶をしておこう。」
笹倉から報告受けた伊藤は今回、共に演習を行うウォーウルフ隊に通信を繫いだ。
<<シャクンダ1よりウォーウルフ隊 アフリカでの反政府運動に終止符を打ったウォーウルフ隊と共に飛べることを光栄に思います。>>
<<ウォーウルフ1よりシャクンダ隊 そちらは自衛隊のTOPGUNだと聞いている期待しているぞ。>>
<<TOPGUNなんて恐れ多い。私たちは唯の寄せ集め部隊ですよ。>>
<<ハハッ、そんなに謙遜しなくても。唯の寄せ集め部隊ならこんな所にいないでしょう?>>
<<シャクンダ3よりウォーウルフ2 私達は今回の演習のために急編された部隊という意味ですよ。>>
<<なるほど、じゃあ腕試しも兼ねて今回一番多く落とした隊の方に酒を奢るってのはどうでしょう、大佐?>>
<<今回は演習だし構わないだろう。俺は乗ったぞ。そちらは?>>
<<いいでしょう、私も乗ります。お前たちは?いやなら別に構わないぞ?>>
<<ええ、乗りますよ!>> <<そう言われたら乗るしかないでしょう。>>
<<よし!決まりだな。何時もよりがんばr.....>>
と、談笑していたが突然途切れたので、通信状態を確認してみるとOFFLINEとなっていた。それもウォーウルフ隊とだけではなく、本部とも自分の後ろを今も飛んでいる僚機ともOFFLINEとなっていた。
「おい、笹倉どうなっているんだ?」
「分かりません。が、通信系統とIFFが故障しているだけで飛行には問題はありません。」
「今すぐ、リカバリーを試みろ。それでも駄目だったら、燃料投棄をしたのち緊急着陸を行う。」
「了解。」
「ったく、どうなってやがるんd?!」
すると、突然空が夕焼けより紅く閃光した。それが収まると先ほどまで話していた男の声が聞こえてきた。
<<おい!全員聞こえているか!?>>
<<ああ、聞こえるぞ。その様子だとお前も通信が出来なかった様だな。>>
<<スタンドアイドリーより全機 突如、作戦領域より30km北部に所属不明機が出現した。その領域に最も近いウォーウルフ隊とシャクンダ隊は直ちに警告を行いもしそれに応じない場合やむを得なしとして撃墜してくれ。そして、航空待機中に全機体は急行してくれ。>>
<<との事だ、シャクンダ隊行けるか?>>
<<ええ、行きましょう。>>
伊藤達は警告しろと命令されたので所属不明機の所属を見分けるため、敵が目視できる距離まで詰めることにした。そして、それまでの間恐らく中国の機体だの、ロシアのミグ野郎だのと話していたが、黒色に所々赤色と言うカラーリングで形がブラックバードにも似ているが推進器が付いていないという奇妙な見た目に全員言葉を失ってしまった。
<<な、なんだあれは?!>>
<<俺は夢を見ているのか?まるでSFじゃねえか!>>
<<しょ、所属不明機に告ぐ。所属を明かせ。尚、応答がなき場合は貴機を撃墜する!>>
と、各々驚きの声上げた後、警告した。すると返事でもするかの様に所属不明機(ボギー)が赤く閃光した瞬間、シャクンダ2の機体が火を噴いた。
<<ブレイク!ブレイク!>>
<<おい!!澤田!大丈夫か!?>>
<<くっそ!!エアインテークが吹っ飛びやがった。イジェクトする!>>
<<武装制限解除。撃墜しろ!>>
<<了解!>>
各自散開し、戦闘を開始した。
<<シャクンダ3 FOX2>>
<<ウォーウルフ2 FOX3!>>
F-18EとF-15の放ったAIM-9 サイドワインダーとAIM-120 AMRAAMがボギーに喰らいつき火焔を沸き立たせ、無数の破片を飛び散らせた。
<<やったか!!>>
<<いえ、ボギーは高度はそのまま直進しています!>>
<<何?あれを喰らって飛び続けているだと?!>>
<<全機、一旦距離を取れ!>>
<<了解>>
伊藤達はボギーが放って来る雨の様に降り注ぐ赤い光線を振り子の様に機体を動かしてかわしつつ距離を取るとボギーを中心に円を描くように飛んだ。
するとあちらも攻撃して来ないという事が分かったのか。先までの猛攻が嘘の様に止んだ。
<<発光している?>>
そしてボギーが発光しなくなると、そこには先ほどまでの変わらない姿のボギーがまるで何事もなっかたかの様に悠々と飛び続けていた。
<<自分で修復したってのか!?>>
<<ますます分からん....>>
「伊藤二佐、一つ分かった事が。」
「なんだ?言ってみろ。」
「はい。ボギーが発光している間にサーモグラフィで解析した結果、ボギーの中心部から高熱源反応が感知できました。」
「つまり...奴の弱点はそこだと?」
「断定はできませんがその可能性はあるかと。」
「なるほど....良いだろう。面白い、それに賭けてみるか.....中心部が弱点ならここは下行くか?」
すると伊藤は作戦を思いついたのか悪い笑みを浮かべながら僚機に告げた。
<<シャクンダ3 耐Gスーツの中はドライスーツでも着ているか?>>
<<いえ、インナーだけですが。>>
<<そうか、それは災難だったな。>>
<<何をするんですか?>>
<<ああ、そうだな。とりあえず、海面スレスレで飛んでその後にボギーの下っ腹にミサイルを叩き込む。お前は俺のケツについて来い。分かったか?>>
<<了解>>
<<ウォーウルフ隊 そう言う事なんだが援護を頼めるか?>>
<<良いだろう。任された。>>
<<引き付けときますから、安心して突っ込んできてください!>>
そして、ウォーウルフ隊はボギーの周りを舐める様に飛び、赤い光線を危なげなく避けていた。その姿は素人目で見たとしても歴戦のエースだと言うだろう。
<<さあ、俺たちも高みの見物をするのが仕事じゃないからな。行くぞ!空と間違えて海に突っ込むなよ?>>
<<フフッ、そちらこそ>>
そう軽口を叩き合い、二機のF-18E/Fは50フィート以下に高度を下げ、それを保ちつつ機首をボギーに向けて突っ込んでいった。
<<うわー、自分にはあんな事絶対にできないっすよー>>
<<どうやら、TOPGUNって言うのも本当のようだな>>
といった様に赤い光線を避けながら、伊藤達の飛ぶ様を見て各々の感想を言ってたとか言ってなかったとか.....
<<シャクンダ3 俺が先に突っ込んでボギーの下部を抉るから合図をしたらお前は至近距離でそこにミサイルをぶち込め。分かったか?>>
<<了解>>
<<じゃあ先に行くぞ!>>
伊藤は操縦桿を手前に強く引き同時にA/Bを吹かした。すると高機動飛行と急加速をした時特有の脚に血が溜まって行く感覚と、座席に体が沈んでゆく様な感覚に耐えつつボギーの下部をレティクルに合わせ、M61A1 20mmバルカン砲の引き金を引き絞った。
<<シャクンダ1 FOX3!>>
伊藤が放つ火箭がボギーの機体を徐々に削っていった。
<<こいつを喰らえってんだ!!FOX2!FOX2!>>
伊藤は自分が機銃で削った場所に二発のサイドワインダーを叩き込んだ。脆くなった場所に二発ものサイドワインダーを受けたボギーはルビーの様に輝く物体を晒しながらふらふらと飛び始めた。しかも流石に効いたらしく、修復が追いついてない様だった。これを好機と見た伊藤は僚機に合図を出した。
<<今だ、やれ!!>>
<<了解! FOX2!>>
シャクンダ3が放った一発のサイドワインダーは吸い込まれるかのように突き刺さり、今までの何倍もの大きさの火焔にボギーは包み込まれた。そしてボギーは機内に居ても分かるほど大きく不気味な音を撒き散らし、錐揉み回転をしながら落ちていった。
<<やった!やったぞ!!>>
<<シャクンダ1 一つ宜しいでしょうか?>>
<<なんだシャクンダ3言ってみろ。>>
<<はい。今回一番落としたのは、私ですから奢って貰えるんですよね?>>
<<ハハッ、そうだったな。良いだろう奢ってやるよ。しっかしお前が一番、隊の中で飲むからなぁ。どうやって金を工面しようか.....>>
<<あ~あ、今ならあれが十機でも二十機でも落とせるn?!>>
すると今度は目の前が真っ赤に染まるほどの光に覆われた。そして次に現れたのは、さっきのボギーに似た機体が二十機とミニッツ級空母に固定翼を付けたようなのが一機だった。
<<ッ本当に来やがった...>>
<<しかもあれは.....なんてデカさだ!?>>
<<おい!敵は待ってくれやしないぞ!さっさと散開しろ!ブレイク!ブレイク!!>>
<<ッりょ、了解!!>>
伊藤たちは散開し、敵からの怒涛の攻撃を紙一重に回避し始めた。しかし、相手の攻撃をかわし切れなかったウォーウルフ3は赤い光線を受けてしまった。
<<クッ、右翼に風穴を開けられちまった!戦闘の続行は困難と判断!離脱する!!>>
<<クソッ、このままじゃジリ貧じゃねぇか!>>
<<デカイ奴からも出てきやがった!あいつだけでも如何にかしないと!!>>
「笹倉!あのデカ物に弱点はないのか?!」
「今調べてます.....分かりました。後部より高熱源反応が検知されました!それにあの大きさなので比較的浅い所にあるかと。」
「よし分かった!」
そう返事をし、伊藤は今もなお必死の回避行動を取り続けている仲間に問いかけた。
<<オイ、この中でサイドワインダーをまだ積んでる奴はいるか?>>
<<ああ、俺は後三発あるぞ。>>
<<良し、それではウォーウルフ1俺の後についていてくれ!>>
<<また突っ込むのか?>>
<<ああ、そうだ。今度は、あのデカ物の後ろを叩く。俺が先に傷を付けるからそこにありったけブチ込んでくれ!>>
<<了解した!>>
伊藤達は敵の猛攻を潜り向けつつ航空母艦の後ろを取りに行き、他の僚機達はなるべく敵の注意をひきつけるように飛んだ。
そして、如何にかして後ろに付いた伊藤達は攻撃を開始した。
<<よし、行くぞ!FOX1!FOX1!>>
伊藤は別の所に狙いを付けさせないめNOLOCKのままのAMRAAMを航空母艦打ち込んだ。幸い的が大きいだけに外れることなく航空母艦の後部を吹き飛ばし、鉄が喘ぐ音が奔騰した。狂騒から冷めるとそこには太陽のように赤く輝く物が覗いていた。
<<今だ!やれ!!>>
<<FOX2!FOX2!>>
ウィリアムが放ったサイドワインダーは唸りを上げ火箭を引きながら、航空母艦のコアを貫いた。すると、航空母艦のいたる所から火焔が噴出した。
<<よしッ、やったぞ!!>>
<<よし一旦引くぞ!ん?!操縦が利かない!?>>
「くそっ!このままじゃ落ちちまう!!笹倉イジェクトだ!!」
「こんな敵の懐でして良いんですか?!」
「このままじゃどの道落ちちまう!四の五の言わずにしろ!!」
「はッ、はいっ!!.....イジェクトできません!!」
「何だと!?...クソッ!俺もだ!!」
その間にも航空母艦は火焔を噴出し続け、遂に耐え切れなくなった航空母艦は巨大な火球へと姿を変え文字通りその空間から掻き消えていた.....伊藤と笹倉を乗せたF/A-18Fとウィリアムを乗せたF-22を巻き込んで....
最後あたりは完璧に力尽きてました。
では、今回はココまでです。有難う御座いました。