虚飾の魔女に憑依した事に気付いていないおバカ一般女性 作:ヤン基地
この森広いなぁ...すぐ抜けれると思ったけど予想以上だったわ...この身体、割とすぐ疲れる..家の近くにこんな森ないし本気で変なとこに来たっぽいな..まあなんとかなるか。
そういえば今気付いたけど靴履いてないじゃん...服も際どいし...買わないとなぁ〜、正直歩きにくいし寒い...こんなんじゃ森から出る前に凍え死ぬ..!
「あーあ、なんか都合良く『服と靴が落ちてたらなあ』...」
いやまあこれで本当に落ちてたら事件性があって怖いけど。...いや待って本当に落ちてるくね?なんか木の下に落ちてら...真っ白な靴に..真っ白なドレス?こんな森の中に綺麗なまま捨ててあるの怖っ...でも私が思ってた通りの服なんだよなぁ。...よし着るか!捨ててあるなら要らないってことだし大丈夫でしょ。
にしても私の腕綺麗だし髪もすっごい綺麗だな、めっちゃ白が映えるやん。着替えたしそのおかげでちょっと冷静になってきたぞ。こりゃあれだな、ガチで異世界来た感じだな。うわー遂に私も異世界デビューですか、いやね?異世界モノの小説とか読んだことあるけどさ、普通そんな受け入れる?みたいな主人公居たから割と疑心暗鬼だったけどいざ自分が体験してみるとさ、受け入れるというより戻りたくないって思っちゃうわ。
...だってさ、今私会社員だけど戻って働く毎日とダラダラ異世界生活どっち選ぶかって言ったら絶対異世界じゃん?てなわけで探索再開じゃあ!
で、結構歩いたわけですけど、一向に抜けられないんですが?足疲れた、もうマジ無理...
「あの〜大丈夫?」
うおわぁ!?ビックリしたあ!足元見ながら歩いてたから人居たの気づかなかった...人間の癖よね、足元見ながら歩くの。
銀髪、黒いドレス、そして顔...めっちゃ美人さんだぁ...あっ、戸惑ってらっしゃる、とっとりあえず会話しないと!営業マン舐めんな!
いやぁちょっと迷ってましてねぇ〜貴女のような美人さんがいて安心しましたよ!
「ふふっ、お世辞が上手いのね。迷子ならこの近くに村があるから案内するわ、私は『サテラ』。貴女は?」
...やっべどうしよ、異世界ならなんか名前決めとくべきだったわ、いきなり山田ですとか言えねー!何でもいいから適当に偽名決めなきゃ...
私『パンドラ』って言う者ですぅ〜宜しくお願いしますね!
「ええ、宜しくね。ところで貴方、『魔女』だったりする?」
あっぶね、なんとか偽名思いついた...はて?魔女とは何ぞや。え何?知らないうちにその魔女ってやつになってたパターンなの?私。でも魔女ってなんかかっこいいイメージあるなあ。
貴女が言うなら魔女じゃないんですかねぇ私。
「あら!じゃあ私と同じなのね!今度皆に紹介しないと!あっ、案内しなきゃね、付いてきて」
なんか同族扱いされたけどまあいっか。かっこいいし、いやーやっとひと段落出来るわーサテラさんマジ救世主!
里のはずれから気配がした。友達と同じような魔女の気配。私は誰だろうと思いながら、その方向に向かう。
見つけたのは俯きながら歩く純白のドレスを着た少女。...疲れてるのかな?間違いない、この気配はこの人から出てる。優しい人だと良いなと思いながら私は話しかける。
「あのー大丈夫?」
その人は驚いた様子で顔を上げた。近くで見るとすっごく美しくてちょっと見蕩れちゃったけど...バレてないよね?
「すみません、私この森で迷ってしまいまして。貴女のような美しい方に出会えて私は幸運ですね」
迷子だったなんて、でもなんでこんな森に?...きっと私では想像もつかない何かがあったんだろう。
鈴のような美しい声に魅了されそうになりつつも私は話を続ける。
「ふふっお世辞が上手いのね。迷子ならこの近くに村があるから案内するわ。私は『サテラ』。貴女は?」
「私は『パンドラ』と申します。宜しくお願いしますね、サテラさん」
「ええ、宜しくね。ところで貴方、『魔女』だったりする?」
気配から確信に近いものがあったけど、一応聞いてみる。
「ええ、貴女と私の認識が違い無ければ、そうかもしれませんね」
「あら!じゃあ私と同じなのね!今度皆に紹介しないと!あっ、案内しなきゃね、付いてきて」
やっぱりそうだ!ふふふ、今度のお茶会にこの人を紹介しよう。エキドナ達驚くかな?これからの事を思い浮かべながら私は彼女を案内した。
...これが私とパンドラの運命の出会い。他の魔女達よりも仲が良くて、楽しい思い出しかない日々だった。でももし、私が『嫉妬の魔女』に人格が呑まれた時、辛い思いをさせてしまうかもしれないけれど、お願い、その時は私を殺してね?
基本的におバカちゃんは人をすぐ信じる傾向にあります。死亡フラグしかないリゼロ世界ではとんでもないハンデですが悪運が強すぎるので割となんとかなったりします。