アラガミちゃんちゃん猫ちゃんちゃん   作:偽馬鹿

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空気を読まないツバサちゃん。
空気の読めないジュリウス隊長。
空気を読めるナナちゃん。
3人でお送りします。



ブラッドウィングブラッド3

実地訓練。

ジュリウスはそう言ってナナとツバサを連れてアラガミと実際に戦わせることにした。

 

両者ともに既に戦えるだけの技術は持っている。

後はきっかけを与えるだけだ。

そう考えたからである。

 

「見ろ、あれがアラガミだ。俺達の敵、人類の天敵だ」

「……」

 

ギリギリという歯の鳴る音がする。

その出所は、当然のようにツバサであった。

 

「隊長、ちょっと」

「なんだ、ナナ隊員」

「はい。ナナ隊員、ちょっと提案があります!」

 

そう言うと、ナナ隊員はジュリウス隊長の耳を引っ張り耳打ちをする。

 

「ツバサちゃんが怖いので、早く終わらせたいです!」

「む、それはどういうことだ?」

「気付いてないの!?」

 

ナナ驚愕。

それはともかく、暴走直前のツバサを放置して話をするなど言語道断であった。

つまるところ。

 

『あ、ツバサさんが飛び出しました』

「む?」

「やっぱりー!!!」

 

独断先行である。

 

 

 

「は……あああああああ!!」

 

跳躍、そして縦回転。

ドレットパイクの外皮を食い破る。

その際に、砕けた外皮が跳ねて、まるで羽が飛んだように見えた。

 

「次っ!」

 

動きを縦から横に。

まだ全身を貫いていなかった神機がドレットパイクの身体をL字に断ち切り、次の獲物へと標的を定めた。

 

「だああああああああああっ!」

 

跳躍、そして接敵。

次は神機を突き出しながら飛び掛かり、貫通させた。

その際にドレットパイクの身体を足場にして更に跳躍し、斬り上げる。

 

着地した瞬間、動きを止める2体のアラガミ。

そこから留まることなく、ツバサは攻撃を続ける。

新しい敵に向かって特攻する。

 

 

 

「……うわぁー……」

「中々やるな」

「あの惨状を見てそれ!?」

 

ジュリウス隊長、豪胆っすね。

それはともかく。

ツバサは次の標的に獲物を定めた。

 

相手はオウガテイル。

彼女の最も嫌いなアラガミであった。

 

捕喰形態に移行させた神機を無理矢理振り回し、オウガテイルにたたきつける。

そして、そのままギリギリと全身を鳴らして持ち上げた。

 

 

 

「死っっねえええええええ!!」

 

 

 

そして空中に持ち上げて捕喰。

地面へと落ちるのはオウガテイルの欠片だけであった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 

肩で息をするツバサ。

今のでスタミナを使い切ってしまった様子。

そこに、新たなオウガテイルが迫ってくる。

 

「っ!」

「先程までの戦い。見事だったが……ペース配分に難あり、だな」

 

あわや喰われるといったところで、ジュリウス隊長が割って入り、オウガテイルを斬り伏せた。

綺麗な剣筋に、ツバサは一瞬だけ見惚れるのだった。

 

「……いや、なんでもない」

「?」

 

しかしそんなことにジュリウス隊長が気付くわけもなく。

そこからは3人で連携してアラガミたちを倒したのだった。

 

 

 

「恰好よかったねーあのブラッドアーツって奴!」

「うん、まあ、ね」

 

その後、ジュリウス隊長が先に帰投し、残った女子2人がガールズトークをしていた。

いやまあ、もっぱら喋っていたのはナナであり、ツバサは相槌を打っていただけだが。

 

そう、ツバサは考えていた。

ブラッドアーツの事だ。

断じてジュリウス隊長当人の事ではない。

絶対違う。

断固とした意志を感じた。

 

そう、ブラッドアーツ。

あのような強力な力があれば、きっと私も……。

 

 

 

そう考えたところで、むぎゅっと何かが頭に当たる。

ナナの胸だ。

がっしり抱き着いて離れない。

 

「ツバサちゃんは……どうしてそんなに頑張るの?」

「……?」

 

不思議な質問だった。

頑張るというのはどういうことだろうか。

ツバサ本人は普通にしているつもりだったのだ。

あれで。

 

 

 

「む……どうした? 何かあったのか?」

 

どうしようか悩んでいたところで、ジュリウス隊長が空気を読まずに現れた。

どうやら汗を流していたようだ。

水も滴るいい男である。

 

「……」

 

ぶんぶんと首を左右に振るツバサ。

どうにも調子が狂うツバサ。

そのまますたすたと歩いてその場を後にするのであった。

 

 

 

「もうっ! ジュリウス隊長空気読んで!」

「???」

 

 

 

 

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