アラガミちゃんちゃん猫ちゃんちゃん   作:偽馬鹿

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猫の伸び悩み。
本物は凄い伸びるとかいうのは置いておいて。


私はこの世界で初めて人間を見た

「にゃあん」

 

この日から、私はアリサの頭の上や膝の上に乗りながらセラピー猫として活躍している。

流石ゴッドイーター。

私が乗った程度ではびくともしない。

 

「ああっ駄目ですよクロ! そこに乗ったら日記が……!」

 

カタタタン。

見事なステップで日記をぐちゃぐちゃにする。

 

「あああもう……ふふっ」

 

でも笑って許してくれる。

最初期のアリサでは考えられないくらい柔らかくなった。

これが本来のアリサなのだろう。

いい子だ……。

まあツバサの方がいい子だったが!

 

 

 

それはともかく。

神薙ユウと一緒にリハビリをしているアリサ。

そしてその間にも、雨宮リンドウの行方を捜索している。

何か腕輪にはビーコンが付けられていて、居場所を把握できるのだとか。

 

 

 

「……?」

 

 

 

……ちょっと前に死にかけていた奴がそこにいるんだが。

 

 

 

まあいいか。

 

とにかく、私も色々とやりたいことがあるわけで。

時々アナグラを抜け出して外へと出ていく。

 

 

 

今日はオウガテイルと戦う予定だ。

とはいえその辺に都合よくオウガテイルがいるわけではない。

わけではないが、この身体は特別性。

アラガミの種類くらいなら嗅ぎ分けられるのである。

 

「ふんふん……」

 

匂いを探ってオウガテイルを探す。

すると、都合よく一匹がはぐれているようだ。

早速狩りの時間である。

 

 

 

「にゃあああああああ!」

「!!」

 

奇襲の一撃。

頭上から、脳天へと叩き込まれる爪による攻撃。

それが直撃することで、オウガテイルは若干ふらつく。

 

そのまま跳ねるように宙を舞い、着地と同時に疾走。

足に牙を立てる。

そのまま食いちぎり、速度を上げて通り過ぎる。

 

かつては噛みつくだけで精一杯だったが、最近になって細い部位を噛みちぎるくらいならできるようになった。

繊維結合が強くなったのだろうか。

いい変化だ。

 

 

 

そのまま転がっているオウガテイルに対して、何度も何度も爪を立てる。

決定打がないせいで遊んでいるようにも見えてしまうかもしれないが、こちらは本気である。

本気で倒すつもりで攻撃しているのである。

 

 

 

「なぁご! ……はぐはぐ」

 

暫く攻撃を続けて動かなくなったところで、捕喰タイムである。

オラクル細胞は早くしないと空中に飛んで行ってしまうので、ガツガツ掘り進めてコアを探す。

 

今日はちゃんと発見した。

そのコアをガブリと噛んで、そのまま飲み込む。

これでパワーアップだ。

中々良い感じに狩りができたと思う。

 

 

 

真夜中の、誰もが寝静まった時間帯。

私のような形の動物はほぼ存在しない世界の中で、私は生きている。

生きている実感がある。

 

 

 

しかしだ。

どうにも先程から誰かに見られているような感覚がある。

振り向いても誰もいない。

辺りの匂いを探ってもそれらしい気配はない。

 

 

 

……いや、逆だ。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

「なあああああああ!!!!」

 

叫ぶ。

ただ大きな声を出したわけではない。

音波振動を捉えるために叫んだのである。

それにより、背後の物陰に違和感を感じ取ることができた。

アラガミの感覚を司る部分が良く働いてくれた。

 

敵か味方か。

あるいはただの観測者か。

いやまあ何でも構わない。

 

私にできることはただ一つ。

それから全力で、迅速に逃げることだけだった。

 

 

 

「にゃああああ……」

 

全力でアナグラに駆け込んだ私は、急いで寝床に潜り込む。

戦わないのか、だって?

いや無理無理。

性能が違い過ぎる。

 

第一にこちらが相手の気配を感じ取れないということは、そいつと私の次元がかけ離れているからである。

この場合、私は最弱クラスのアラガミであるオウガテイルを観測できていることから、相手がその逆である高次元の存在であると当たりを付けたわけだ。

 

そりゃ逃げる。

逃げるしかない。

気まぐれに殺されなかっただけありがたい。

 

 

 

しかし、最近漸くオウガテイルを楽に倒せるようになってきたのだ。

そろそろもう一段階上のステップに挑んでもいいのではないだろうか。

シユウ……いや、コンゴウか。

 

 

 

というわけで実戦へ。

強くなるためにはやはりアラガミのオラクル細胞を摂取するのが一番早いのだ、

多分だが。

 

実際私の身体の質量が増えているという結果が出ている。

まあ私が他のところからアラガミを喰べているため、内容に齟齬が出てしまうのだが勘弁してほしい。

早く強くなりたいのだ。

 

 

 

「!!!」

「にゃぎー!」

 

現在、戦闘中。

コンゴウの顔面に噛みつき、ガリガリと爪を喰い込ませていく。

相手の腕のリーチ的に私には届かない。

 

勝った。

食べた。

強くなった。

これの繰り返しだ。

 

私は少しづつ、少しづつ強くなる。

そしていつの日か……なんて甘い考えだろうか。

 

 

 

とはいえ私には強くなるという選択肢しか存在していないわけで。

地道な努力ではあるが、これを続けるしかないのだ。

続けた先に何があるのかは分からないが。

 

……いや、考えたくないだけかもしれないが。

 

 

 

はぐはぐと猫缶を食べながら考えていると、急に全身を抱きしめられた。

ぎゅーだ。

痛くはないが、驚いた。

 

「クロ! 今日はね、ちゃんと任務こなせたんだよっ」

 

何だか最近上機嫌なアリサ。

なるほど、聞くところによるとこれまでできなかったことができるようになったことが気持ちの向上につながっている様子。

それは良い傾向だ。

 

ごろごろとよかったねーという感じを醸し出す。

可愛い笑顔である。

まあツバサの方が可愛いけどな。

いや、これは贔屓目か。

 

 

 

それはともかく。

 

 

 

うんまあ、情が湧くよね。

これだけ無防備な姿を見せられたら、誰だってそうなる。

私もまんざらではない。

 

とはいえ私の本来の目的としては、強くなることだ。

そして、ツバサを他のどんなものからも護れるような存在になることだ。

 

……本当に、そんなものになれるかは怪しいが。

 

 

 

アラガミにおける上位種は感応種辺りだろうか。

そうなれば、私にもある程度の力が手に入るのだろうか。

猫の分際で。

ツバサを守り切れなかったこの私にも。

 

……まあいい。

 

ひとまず中型種の内の一体、コンゴウとの闘いは完勝できたのだ。

まずは自分を褒めてもいいだろう。

 

 

 

「ふん、ふんふふん……」

 

随分と機嫌がいいアリサ。

どうやら、神薙ユウに褒められたのが嬉しいらしい。

やはり子供だ。

大人である私が守ってやらなくてはいけないのではないだろうか。

 

……そのための力はないのだが。

 

力力力。

私の進もうとする先にはいつも力が付きまとう。

どうにかして、一足跳びに力を手に入れる手段はない物だろうか……?

 

 

 

……焦るな。

まだ私には時間がある。

この世界が終焉を迎えるのはまだ先だ。

危機を迎えるのは結構早いが。

 

 

 

……まずいな。

 

 

 

リンドウがいなくなり、その腕輪のビーコンで探査した結果、例のアラガミを発見する。

そして腕輪を使って情報を得た橘サクヤがエイジスに侵入するのだ。

 

いや、その前にシオを見つけるのが先だったか。

ああくそ、中途半端な知識で困る。

アラガミの名前なら簡単に出てくるというのに。

そう、例えば神機の種類だって簡単に……。

 

 

 

……待て。

そうか。

 

別に私の本体だけを強化する必要はないではないか。

外付けのパーツを強化するのも、強くなるための手段。

そう、私専用の神機を作ればいいのである。

 

 

 

……どうやって?

 

 

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