アラガミちゃんちゃん猫ちゃんちゃん   作:偽馬鹿

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古戦場なので更新が停滞します。


しかもそれは少女という純真無垢なそれであった

「おー……」

「にゃー……」

「おおー……!」

「なあああ……」

 

暫く経ち、完全に立ち直ったアリサから離された。

アリサは名残惜しそうにしていたらしいが、まあ流石に完全復活したゴッドイーターに付きっ切りというわけにもいかない。

猫なのだが。

 

 

 

そして、そんな猫が新たに就いたお仕事が、シオの教育係である。

 

 

 

しかし……教育係とはいったい何をすればいいのか。

すいーっと放たれるオラクル弾を追いかけつつ、私は考える。

 

いや、身体が勝手に動くのだ。

猫の本能、仕方がない。

 

その様子を楽しそうに見ているシオ。

こら、あんまり無駄使いするとお腹が空きますよ。

まあそれをやめさせる方法がないわけだが。

 

 

 

コンコンと、ドアをノックする音。

力の入れ方からしてソーマだろう。

ドアが開くのを待って、ソーマが入るのと入れ替わりに外に出る。

猫にも聞かれたくない話だってあるはずだ。

 

 

 

そして、先日考えていた強化案だが、どうやらペイラー榊の方が強化案について考えてくれていたようだ。

非常に助かる。

 

強化案については4つあった。

一つは前足につける爪。

もう一つは口にはめる牙。

更に一つは背中に背負う砲台。

最後の一つは首輪から展開するチャクラムのようなもの。

 

個人的には全部乗せたいところだが、私と神機との相性が良いものが見つかるか、という問題があった。

まあその辺りは考えてある。

実用化できるかは不安だが。

 

今のところ候補として考えているのはチャクラムだ。

何故なら、首輪であれば常時付けていても怪しまれにくいという点がある。

何に怪しまれるというのか、という意見もありそうだが、一応私は特殊なアラガミである。

怪しまれる可能性は排除したい。

 

 

 

というわけで、チャクラムの案に右足をバシンと叩きつけて意思を示す。

すると、即座に私と適合しそうな神機のコアをリストアップしてくれた。

仕事が早い。

 

とりあえず適当なものを見つけようと肉球で探していると……ふと、気になるコアを見つけた。

本来であれば何の変哲もないただのオウガテイルのコアだ。

しかし、その特筆事項に『目の辺りに傷があった』という文字。

もしかしたら、私が初めて戦ったオウガテイルかもしれない。

 

 

 

私はふと思いついた。

このオウガテイルには、私のオラクル細胞が混ざり込んでいるのではないだろうかと。

そう思い、こいつに肉球を当てて意思を示したのだった。

 

 

 

「ええっと、この子に神機を与える? 正気?」

「科学者に正気を問うなんて」

「はいはい、科学者は正気じゃ務まらない、でしたっけ?」

「にゃあ」

 

謎の会話。

そして謎の器具。

その器具に固定された私。

うむ、何か嫌な予感するね。

 

首が固定されているので、ぐいぐいと動かして声の聞こえる方を見ると、割と頻繁に顔を見る少女の姿。

確かリッカちゃんである。

そのリッカちゃんとペイラー榊が言い合いをしながら機械を動かしているのだ。

うーん不穏。

 

「じゃあ始めるよクロ。痛いかもしれないけど、頑張ってね」

「うわ、本当にやるんだ」

「そうとも。これは彼がやりたいと言ったことだしね」

「……猫って喋ったっけ?」

 

がしゃこん。

あ、待ってちょっと心の準備が。

 

「はいスタート」

「ぎにゃああああああ!?」

 

 

 

 

 

 

 

そんなコントを経て、私は神機を手に入れた。

鬼車……それが私の神機の名前だ。

 

くるくると首の周りを回転させたり、飛ばして追いかけてキャッチしたり。

壁にぶつけてバウンドしたところをキャッチしたり。

とにかく色々試してみた。

立ち回りを考える必要はあるが、新たな戦術を生み出せそうだ。

 

「凄い……本当に戦闘できるんだ……」

「夜な夜な外に出てアラガミと戦っているみたいだしねぇ」

 

ペイラー榊には私の行動はバレていたようだ。

とはいえ私に不利になることではないだろう。

今度からは気付かれないように外に出る必要もないし、楽になるだろう。

 

 

 

「にゃあふ」

「なんだろ、もしかして感謝してくれてるのかな?」

「彼は素直だからね、きっとそうさ」

 

笑うペイラー榊に釣られるように笑うリッカちゃん。

いい子である。

その子をだましているような気がしてならないのは罪悪感もあるが。

 

 

 

とにかく、今日も今日とてお出かけだ。

早く強くならなくては。

その思いが日に日に増していくようだった。

 

「つよくなりたい? なりたい?」

「にゃ……?」

 

背後から誰かの声がする。

振り返ると、そこにはソーマに付き添われたシオがいた。

なんだろう、いつもと雰囲気が違う気もする。

 

「つよくなる、したい? それ、クロのしたいこと? ほんとのこと?」

「……」

 

そうだ。

そうすればツバサを守ることができるんだ。

そうすれば……あんなこと、二度と起こさないのだから。

 

「ちがう、ちがうね。クロのしたいこと、きっとつよいがひつようない。だいじょうぶだよ」

「―――――」

 

それは……そう、なのだろうか。

私だけではよくわからないことだった。

 

だが、そういう考え方もあるのだと分かった。

私はいつの間にか強くなること自体が目的になっていたのかもしれない。

そういうことだろう。

 

 

 

……そうかもしれない。

私はいつの間にか、強くなることに固執していた。

それはツバサを守れるようになるのに必要なのだと思って、ずっと強さを求めていた。

 

だが、それにこだわる必要はないのだ。

力だけが全てではないと、シオは言っているのである。

 

 

 

「にゃあ……」

 

そうか。

それはまあ、そうなんだろう。

想いや願いが力となる世界だ。

そういうこともある。

 

 

 

だが、それでも。

力が欲しいのだ。

ツバサを守る為に、守れると確信できるだけの力が、欲しい。

 

「そっかーほしいかー。むつかしいなー」

「にゃん」

 

そうだ、むつかしいのだ。

だから放っていてくれてもいいよ。

力を貸してくれるつもりだったのだろうけど。

それはとても偉いことなんだけど。

 

「そっかー。シオえらかったかー?」

「なあふ」

「そっかー」

 

だけどこれは私の問題だから。

シオは気にしなくていいよ。

 

だってシオも、色々大変だろうから。

 

「そうだなー。シオもたいへんだ。ソーマあそんでくれない」

「……」

 

無言のソーマ。

私くらい一緒に遊べとは言わないが、そこそこ遊んでやればいいのに。

それが保護者としての責任だぞ。

 

「せきにんだぞー。ちゃんととれよー」

「何をだ……」

 

それはもう、好感度とか色々だ。

 

 

 

それから暫くして。

アリサと橘サクヤが失踪した。

指名手配までするとは凄い力の入れようだ。

 

とはいえ私には何もできないわけだが。

私にできることと言えば、強くなって強くなって強くなることだけだ。

猫だから、可愛くなるのも仕事かもしれないが。

 

それはそれとして。

ヴァジュラとの正面戦闘は難しい程度には強くなった。

行動パターンを熟知してこれだ。

うっかりしたら喰べられてしまうだろう。

 

だから焦ってはいけない。

ゆっくりしっかり強くなっていく必要がある。

 

それと同時に、急がなければならないという切迫感もある。

 

 

そう、シオとの別れがもうすぐだ。

 

 

 

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