「ふぅ……。よしッ」
深呼吸で心を落ち着かせる。
俺が突っ込むと同時に飛んでくるのは、過去最大級の攻撃。
焦ったら終わりだ。
(焦るな…。今は避けることだけに集中しろ…。)
「シロ、いぐぞ」
「……んっ!」
「ガアアァアアアァアアアァアアア!!!!!」
““纏雷[黒]″″‼︎‼︎
一瞬にも満たない速度。
俺と龍が動いたタイミングは完全に一致。
先ほどの流星群の倍…いや、数千倍の熱線が空間を埋め尽くすッ!
「オオオオオオッ!!!!」
追尾式じゃない、確実に避ければ被害は無くなる!
雄叫びを上げて、更に速度を上げた!
(熱量も威力も量も、全てがさっきの比にならねぇッ!!)
迫り来る熱線を当たるギリギリで避け続ける。
これは…見えるが体が持つか…?
纏雷に全てをかけてる。反転術式を使うのは無理だ。
だが、今回の纏雷は白雷じゃなく黒雷。
亜音速に近い速さを出せるが、その分呪力消費量がえげつない。
持って一分半だ。その一分半以内に流星が蔓延る空間を脱出する!
(ッ!見えた!)
うっすらと見える砂埃。
俺はそこへ方向転換。地面を踏み締めて再加速…そして……。
「………!抜けたッ!シロ!今だ!!」
「…んっ!…“煉獄“!」
紅く光る巨大な魔法陣。
そこから放たれる煉獄の魔力砲。
焔々と燃え盛る劫火に身を焼かれ、抉られ、龍は悶え苦しむ。
ヘビモスへ放った時よりかは弱体化はしてるが、今のあいつを倒すには十分なほど体力を削れた。
龍の攻撃が止んだ今俺はすぐさま纏雷を解き、準備していたとっておきを発動する。
バリッ!!
俺と龍の間を一本の黒雷が伝った。
これは何か。
シロが油を溶かし俺がその本体を殴っていた理由。
体力を削るのは勿論のこと、俺にはもう一つの思惑がある。
電荷操作だ。
本体を殴ることで、俺の持ってあるプラスの電荷を体内へ移動さし、蓄積させる。
極限まで溜まった電荷に、俺の持っているマイナス電荷を地面への放電をキャンセルしつつ龍の頭部へ移動させる。
どこへ行こうと、どんな攻撃をしようと、どうやって防ごうとしても…。
それは防御不能、相殺無効、必中必殺。回避不能の一撃。
────故に空を切り裂き轟く、正真正銘の雷である。
「グァォォォォ!!!!!」
頭部へ狂いなく炸裂させた正真正銘の雷。
俺の普段使っている雷は“限りなく雷に近いもの″だ。
俺の攻撃が届かなくても、不純物だらけの油がどれだけ電気を通さなくても、この雷だけはその道理を貫通する。
「ハハッ…。流石に疲れた…。」
いかがだったでしょうか。10話でこの龍との戦いが終わるのはキリがいいですね!
あとこの龍のモデルなんですが、「ゴグマジオス」です。
油っていうより重油の方が良かったか……?