世界で1人の呪術師は世界最強   作:はるなが

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どうも四話目です。



第四話 奈落の底の地獄

 

 

「……ん…。……ッ!ここは!!」

 

ふとした瞬間に覚醒する意識。

目を覚ますとそこはただの暗闇だった。

かなり深いところまで落ちてしまったのだろうか。

 

「たしか…。」

 

ハジメと一緒に落ちてしまったんだよな…。

ハジメを助けたい一心で………。

 

 

…………いや、嘘だな。

何もできない自分が嫌で、傍観者になるのが嫌でこの行動を取ったんだ。

 

多分この深さでは救援は来ない。最強のパーティですら65階層までが限界ならここには誰も立ち入らないだろう。

 

 

「ひとまず何をすればいいか…」

 

俺はその場から立ち上がり、周囲を見渡す。

少しだけ明かりがある方へ行ってみると、そこに一匹佇んでいたのは足が異様に発達したウサギ。

 

「何だ…こいつ」

 

と、その瞬間。

視界からウサギが消えた。

右ッ!!!!!

 

本能的に左に避けると、頭のあった場所へ物凄い勢いの蹴りが飛んでくる。

 

「え…?」

 

だがその横を通過したはずの蹴りは再び眼前へ迫っていた…

死………

 

グチャリッ

 

その蹴りは俺には届かない。

代わりに大きな熊が先ほどのウサギを喰らっていた。

 

目の前で大きな食物連鎖を見ている気分。

眼前で繰り広げられる豪快な食事はすぐに終わり、標的は俺に変換される。

 

「ひっ…!!」

 

その凶悪な視線を向けられ死を実感する。情けない声を出し逃げようとするが、腕の感覚がない。

それに視界がいつもより狭い気が…。

 

「ッ!」

 

遅れて片目と腕に激痛が走る。

 

「ぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

 

今まで生きてきて食らったことのない痛み。

目には熱した鉄の棒を突きつけられ内部をぐちゃぐちゃにされているような痛み、腕からは断面が空気に触れるだけで激痛。痛みで頭は回らず、血がドバドバと流れてくる。

 

喉が潰れるほどの声を上げた。

だがそんなもので痛みは止まない。ズシンズシンと熊が近づいてくるのが分かる。

 

俺はそこで倒れたまま自由に動くこともできずに、迫り来る死を受け入れるしか無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぁ……ぁぁ」

 

あれから何日経っただろうか。時間の間隔などとうに消え去った。

だが、ひんやりと伝わる地面の冷たさが生きていると実感させる。

 

「ま…だ…ぃぎで……」

 

声を発するだけでも痛い。

不幸中の幸いのようだがあの後熊には食われなかったのだろう。

その証拠としてある今こうして生きている。なら…

 

「ぃぎ…るじ…かない゛…。」

 

それを邪魔するやつは全員皆殺しだ。

熊もウサギも、ここに呼び出したアイツらも!

俺が生きるのを邪魔する奴は全て敵だ。

 

俺は全力で敵を殺す。

 

 

 

そのためにはまずは腹ごしらえだ。

俺は目の前に運良く転がっていた、あのウサギの肉を喰う。

 

前メルド団長に習ったことは全て無視だ。

今はこの為に俺の命を賭ける。

 

「…ぉえ……まず…」

 

腐った肉の匂いは強烈であり、その味もなかなかまずい。

だがそんなのは関係ない。

 

俺は貪るようにその肉を喰う。

その時……

 

「ぁがっ!!!!!」

 

体に強烈な痛みが走る。、

腕と目が持っていかれた時とは別の痛さ。

まさに「遺伝子を組み替えられ、別の生物へ変わる」くらいの激痛。

 

「ぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」

 

体が壊れていく…。

骨は砕け、肉は千切れ、内臓は潰れ…。

地獄の痛みが続き、意識が薄れていく中…。

 

 

 

 

 

────確かに掴んだ力。

俺はその力を全力で駆使する。

壊れていく体は時期に破壊が止み、体の破壊された場所がどんどんと治っていく。

 

「ゃ……とだ。反転…術式っ!!」

 

死にゆく体を脳が本能的に回避しようと、無意識下で反転術式を使用する。これが俺の考えだった。 

I度目の転生で刻まれた術式回路を魔物の肉を食べ、遺伝子を書き換えると言うものを利用し、この世界に適したものへと変換することで無意識下に反転術式を起動する。

 

「なんとか…うまく行ったな。」

 

正直成功率はくっそ低い。

自分が直感で思いついた策と言うのもそうだが、メルド団長は「魔物の肉を食べたものは肉体が人から魔物へ遺伝子改造を強制される。体は次々に破壊されて行く。当然生き残った者はいない」と言っていた。

 

魔物の肉を食べて、体が完全に破壊される前に反転術式を使用し、壊れた側から直していくという、超高度な技術を要するからだ。

 

 

 

 

ゆっくりと起き上がり体を動かす。体は治ったが、流石になくなった腕と目は回復しないか…。

それに何日間倒れていたかわからないが、平衡感覚がほぼない。

最初はふらふらしていたが、それに関しては数分して体が慣れてきた。

 

「取り敢えずまた飯だ。術式を使えるようになったならこっちのもんだ。こっからは自由にやってやる。」

 

そんなことを言ってたら早速出てきたあの熊。

俺の腕と目を持っていきやがった野郎だ。

だがその攻撃が分からない今、無闇に突っ込んではいけない…。

 

「ここで殺さなきゃトラウマが植えつけられるだろうしな。ここで殺して前に進むためにも。」

 

 

俺は術式を起動させる。

 

パリ…

 

 

起動させると同時に、俺の周囲を白い雷が包み込む。

前よりかは弱体化されているが今はいい。

 

俺の基本は雷操術。

色で分けられた雷を自身の呪力から生み出し、自在に操ることができるのが俺の術式。後付けの能力で雷や電気と言ったもの全てを操作出来る様になっている。

 

もちろん自在に操るというのは攻撃に使用可能であり、体に纏わせて身体能力を常に倍増させることが可能。

 

一見どこにでもある術式に思えるが、使用者の考え方次第でその術式は一変する。

例えばの話、電気と同じ性質の呪力を持つ俺は海水に入ると勝手に呪力が流れ出る。

これは弱点でもあるがこれを応用すると、「塩素ガス」「水素爆発」

を起すことができ形勢を逆転できる。

 

 

「……よし。」

 

深呼吸をして心を落ち着かせる。

前の感覚を取り戻しながらゆっくりと目を開け………。

 

 

「ッ!!!」

 

飛んでくる何かを避けながら、一瞬で熊の懐へ潜り込む。

 

(へぇ…。)

 

俺は横目で熊の攻撃にによってできた跡を見る。

その跡は大きな爪のようなもの。

 

ここからはある程度予測はできる。

 

(あの爪から見えない斬撃を生み出してるな。)

 

おそらく発動条件は手を振る。

 

だが懐へ入られたらお得意の斬撃を生み出せないだろ。

単純に技能の勝負。

 

俺は白雷を操作し、熊の頭部へ雷撃を炸裂させる。

弾けるように頭部は飛び散り熊は即死した。

 

地面に飛び散る頭蓋に、噴水のように噴き出る血飛沫がその場に雨を降らせ血の池が生まれていく。

 

恨みが晴れスカッとする気分になるかと思ったが、そんなことは無かった。

 

「……一旦落ち着こう。」

 

俺はひとまず落ち着いて、ステータスプレートを取り出す。

何故ここでこれを取り出したか。

それはこの、レベルの為である。

 

前見た時、性別の横に表示されていたレベル1と言う表記。

なら敵を倒し経験値を得ることで、レベルが上がっていくのは必然だろう。

 

「…はは、ビンゴ!」

 

俺は更新されていたステータスプレートを見て歓喜する

 

 

 

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百鬼ハル 

17歳 男 レベル1→10

 

天職:呪術師

術式:雷操術[+全電気系統操作]

技能:雷[+白雷][+黒雷][+赤雷][+紫雷]

   魔力変換[+呪力]

   呪力変換[+魔力][+電気]魔力操作(極)

   呪力操作(極)電荷分離 電荷操作 

   電荷蓄積[+プラス][+マイナス]

   纏雷[+常時身体能力超強化]

   剣術[+斬撃速度上昇]

   [+神速抜刀]真武術[+弱点看破][+弱点特攻]

   [+見切り]反転術式 領域展開  呪霊可視化 言語理解

筋力:10→200

体力:10→500

耐久:10→300

敏捷:10→600

魔力:10→200

魔耐:10→200

呪力:?→500(後天性天与呪縛+1000)

 

後天性天与呪縛:体の一部を代償に、呪力量が増大する。

 

========================

        

 

呪術師だった頃の能力がほぼ戻ってる!!

だけどこれは予想外だな…。ステータスも10倍以上上がってる。

 

メルド団長の言っていた通りなら、俺は今人ではなく魔物になっている。

そのため、人間が行き着くステータスを超え、大幅に凌駕している

 

これはレベルを上がる甲斐がありそうだ…。

 

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