世界で1人の呪術師は世界最強   作:はるなが

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どうも8話です。小説書くのって楽しいですよ。カナーリ


第八話 相棒

 

 

シロside

 

また裏切られた。…いや、裏切られては無い。私が勝手に期待して、勝手に裏切られてただけ。私は全く学習をしない。

 

もう誰も信じることができなさそうだ。

 

「……ハル……」

 

今もういない人の名前が口から漏れる。

何で答えれなかったか。

 

「そんな……の。」

 

見ず知らずの自分を、危険を犯してまで助けてくれた。

例えそれが利用価値があるからと言っても、命をかける理由はない。

ハルは無意識かもしれないけど私は気付いた。大切な誰かを守る気持ち。

 

出会って数時間。たったの数時間だ。

私が生きてきた中で一瞬に過ぎない時間で、

 

───私はハルが好きになってしまった。

理由はわからない。けれどこの気持ちには嘘をつけない。

 

「……答えられないよ……。」

 

力無く座り込む私を中心に、魔法陣が展開される。

そんなものに私は反応できず、そのまま光に包まれるだけだった。

 

 

 

 

ハルside

 

シロと別れてから俺は下へ潜っている。

レベルはまだ上げれるはずだ。

これからのためにも上げておいて損はない。

 

「ここは…」

 

第100階層

 

ここは俺が落ちてきた場所から第100階層目。

オルクス大迷宮は全100階層からなる迷宮だが、俺が落ちてきた場所からとなるとオルクス大迷宮は確実に100層以上となる。

 

中は神殿のような作りになっており、滅茶苦茶広い。東京ドームくらいあるんじゃないか?

 

その真ん中にある魔法陣。あれはやばい、本能的に拒絶反応を起こしている。

 

「ふぅ…………。」

 

深呼吸で落ち着きを取り戻し、目の前の魔法陣へ目を向ける。

 

バリッ!!

 

黒い稲妻が迸り魔法陣が起動する。

 

「………。」

 

段々と姿を表してくる。

魔力の圧が尋常じゃない。魔力だけで押し潰されるぞ。

 

「……?」

 

大きな魔力の波に紛れて、小さな魔力の波が現れる。

周囲を見渡すがその奔流となる魔法陣は見当たらない。

 

気にせずに前の敵へ集中する。

 

出てきたのは巨大な龍。だがそれが龍なのがどうかはわからない。

体表から何かを滴らせ、その滴らせた何かは地面に着くと遅れて爆破。

四本足のはずだが、背中から伸びる二つの手のような脚。翼もあるようだ。

 

 

明らかにやばい。

俺がその場で止まってる時、迫り来る何かのブレスに対して回避が遅れる。

 

「ッ!!くっそ!」

 

ダメージはそんなにない。厄介なのが、これは「油」だ。

つまり…俺の雷は通じない。

相性が最悪だ。

 

 

追撃が来るかと思い、避ける準備をした。

だがそれは何故か来ない。

龍は他へ視線を向けて、喉に熱を溜めている。

 

あの熱量にこの魔力の圧縮量。

この場所がこの一撃で壊滅するレベル。

 

 

「……??」

 

何かを狙ってるのか?

龍が向ける視線の先を見る。

 

「………アイツッ!!!!」

 

見えたのは透き通る銀髪に小柄な身体。

見間違えるはずがない。

 

「…………」

 

シロも龍に気づいている。あれを喰らうとやばいのは、誰でもわかるだろう。何故逃げない?

…………まさか避ける気ないのかっ?!

 

龍のためていた熱が放たれる。

細い豪熱線だが喰らうとシロは永遠に熱に苦しめられる。最悪死ぬんじゃないか。……だがそれがどうした?

利用価値の無いものは捨てるもの。シロにも言ったじゃないか。

あいつに俺に対しての利用価値は無い。助ける義理もない。

 

龍の気がそっちに向いている今攻めるべきだ。

……。

 

パリッ……。

 

「………何やってんだろうな。こんなリスクまで犯して。」

 

 

 

 

俺は今出せる最速を出してシロの元へ向かった、

当たるまで1秒…。

 

 

…0.1秒…

 

 

 

0.01秒ッ!!!

 

「とったッ!!!!」

 

シロを雑に抱き抱え、その場から更に加速。

地面を踏み抜き、白く燃やす。

 

0.01秒後には踏み抜いた衝撃ではなく、あいつの豪熱線が着弾し爆ぜる。

その威力は想定通りえげつないほどの威力だ。

 

熱線の衝撃と熱波が控えめな場所へ移動して

シロを地面へ下ろす。

 

 

「…ッ!何やってんだ!!」

 

「……ハル…?」

 

すると突然、シロは泣きながら抱きついた。

 

「……ぅ…ぇっ…。ハル…」

 

「お前あれ食らおうとしてたろ。お前でも分かるはずだ。あの熱線はやばいくらい。」

 

シロは反応しない。ただ嗚咽を漏らしているだけ。

 

「……何で食らおうとした。」

 

「……生きる意味が無いから。ここから出ても戻る場所なんてない。出たとしても捉えられて…。」

 

「………生きる意味が無い…ね。」

 

何故俺はシロにこんな事をしているかはわからない。

今まで隠していた俺の中にあるシロに対する気持ちが原因ならここで見放すと、自分の最大の後悔となる。

 

「なら俺の故郷へ一緒に帰ろう。生きる意味なんて難しいこと考えるな。人生なんてそれを見つける為にあるようなもんだから。」

 

「……!!」

 

「だから、俺と来い。シロッ!」

 

「………ハル!」

 

返事は更に強く抱きしめる形で俺へ伝わる。

返事を聞くや否や、すぐさま駆け出して攻撃範囲外へ移動する。

 

「シロ、よく聞け!あいつは豪熱線を放った前と後に必ず隙ができる!

威力が馬鹿げた分、反動がでかいんだろう。そこを突くぞ!」

 

「………ん!」

 

注意すべきは豪熱線、ブレス、後はあの背中から生える手のような脚。

くらいか……。

 

呪力で強化したいが電気と同質だから意味が無い。

やるなら魔力で強化だ!

 

「フンッ!!」

 

ゴォォォォォンッ!!!!

寺の鐘を鳴らしたような音が響き渡る。

硬いッ!!硬すぎる!

油が身体表面に冷えて固まって頑丈な鎧になってるのかッ!

 

「シロッ!」

 

「…ん!“剛熱″」

 

シロが唱えると炎の渦が8方向全てから噴出され、龍の身を焼き尽くす。

この威力でも龍本体にダメージは入らない。

だが、表面の油は別だ。熱で溶けたと油は下へ流れ落ち爆破する。

 

俺は溶けてあらわになった龍の体を直接殴る。

 

「ガアアアアアア!!!!」

 

「よしっ!通るっ!」

 

冷え固まった油が強固だが、それを退かすとただの皮膚と肉だ。

シロが油を溶かし、俺が直接ダメージを与える。これを続けたら勝機はあるぞ!

 

だが流石の龍も黙ってはやられない。

その場で暴れ狂い、手のような脚を地面へ打ち付け地面を砕く。

破壊力はヘビモスに引けを取らない。

 

「シロ、降りて地面で攻撃を続けてくれ!」

 

「わかった…。ハルは?」

 

「俺はあの槍みたいなのを取り出して、それをあいつにぶつける。」

 

地面へシロを下ろして加速し、背中に突き刺さってる巨大な槍を引き抜く為、身体へのぼる。

 

「うおっ!!」

 

すげぇ滑るッ!前に進めん。

最初に溶かし過ぎたか!

 

「“創造″」

 

シロが唱えると同時に溶けていた油が瞬時に固まり足場となる。

 

「助かるッ!」

 

止まっていた脚を再び走り出す。

手のような脚から気合いでよじのぼり、そのまま背中は向かう。

幾本もの痛々しい棘を避けながら、槍の元へ辿り付いた。

 

「くそ!固まってる!」

 

深々と突き刺さる槍は油のせいもあり中々抜けない。

 

「ふんぬぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」

 

ベリッと剥がれてくる油。

いけるッ!

 

「フンッ!!!!」

 

グジャグジャッ!!!

肉を削りながら出てくる槍。それだけでも龍は大ダメージ。

俺はその場で飛び上がり、

 

「ッ!!!」

 

筋力15,000と纏雷で5000プラスされたステータスをモロに込めて、

思いっきり下へ投げつける。

 

亜音速で下へ向かう槍は易々と体を抉り、背中から胸にかけて完全に貫く。

 

「ガァァァアアアアアアアアアアア!!!」

 

雄叫びを上げ、突き刺さる槍と共に地面へ激突する。

だがこれだけでは終わらない。

 

いきなり龍があの豪熱線をシロへと撃つ。

 

「!!!」

 

ノーモーション!?

いや、それは無い!!確実に溜めはいるはず…どこで…。

 

「まさかッ!!」

 

シロが放った剛熱を吸収した?

それしか無い。

 

「オオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

全力でシロの元へ行く。

逃げる時間が無いっ!!

防ぐしかッ!!!

 

「し………」

 

迫り来る常識を超えた熱量を持つ光芒。

俺は全ての魔力を注いだ腕でガードするしかなかった。

流石に無謀だったか、俺の意識はそこで飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか。
楽しんでもらえたら幸いです
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