リリィバーンズレッド   作:ハルホープ

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同時期に始まったユイナ先輩イベとグランエプレイベの両方でモグラ叩き戦法が出てきたの草


コラボ先のキャラとは大抵いつの間にか仲良くなってる

「それにしても凄かったですね、月歌さんたちのライブ!」

 

「無許可のゲリラじゃったから、今頃こってり絞られてそうじゃがのう」

 

「ほんと、破天荒といいますか、不思議な方たちですこと」

 

 食堂でのShe Is Legendのゲリラライブの後。騒ぎを聞きつけてやってきた生徒会の面々に連れていかれた月歌たちを見送った(?)梨璃たちはライブの感想を言い合っていた。

 

「あちゃー、噂の謎の6人組のライブは終わっちゃったかー」

 

 そこに現れた百由。

 

「百由様? ライブに興味があったとは意外じゃのう」

 

「本当に興味があったのはあの子たちの方……おっといけない」

 

 わざとらしく口元を手で抑える百由。

 

「ぐろっぴ、あと一年生諸君! 先輩命令よ! さっきのライブの映像を撮ってる子を探してきて、私にも見せて!」

 

「また突飛なことを言うのぅ」

 

 呆れたようにため息をつくミリアム。一方楓は思慮深げに顎に手を添えてから頷く。

 

「……分かりましたわ! 梨璃さん、参りましょう! 名指しで一年生と指定された以上、夢結様にも今の私達は引き裂けませんわー!!」

 

「あ、ちょ、ちょっと待ってくださーい!」

 

 そうして一年生組が去っていったのを見届けた夢結は髪をかきあげると、改めて百由と向かい合った。

 

「それで、私と梅だけ残したということは……あまり嬉しくない情報のようね」

 

「さすが夢結、察しがいいわね」

 

 ライブ映像……というより月歌たち6人に科学者として興味があはのは事実だろうが、だからといってわざわざ一年生たちだけ散らせたのは意味深過ぎる。

 

 

「一応オフレコでお願いね。あのガールズバンドたちについてちょっと話があるのよ」

 

「やっぱりアイツら、結梨と同じなのか?」

 

 能天気に見えてその実周りをよく見ている梅もまた、梨璃や夢結と同じ心配をしていた。

 

「当たらずも遠からず……というには当たりに近いかしら? 少なくとも普通のリリィではないわね。まず検査結果から伝えると……」

 

 

 

 

 

 

 

「どうしよう……」

 

 雨嘉は一人で人気のない校舎裏を歩いていた。なんか流れで手分けしてライブ映像を探すことになったのだが、雨嘉の交友関係的に一柳隊以外の人から話を聞くのは一瞬で終わってしまった。

 

 実際のところ交友関係の広い梨璃や二水辺りがライブ映像くらい簡単に手に入れてそうではある。が、だからと言ってすぐ帰るのはなんだか申し訳ないと、外回り中にサボる営業マンめいた思考でとりあえず彷徨っていた。

 

 

「めぐみ?」

 

 そんな時雨嘉が見つけたのは、一人でどこかへと向かうめぐみ。雨嘉は一瞬迷った後、彼女を追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

「ちっ、なにを黄昏れとんねんウチは……柄じゃないっちゅーに……いや、むしろこっちが素なんやろか」

 

「めぐみ? その、おつかれさま。ライブ、良かったよ」

 

「雨嘉?」

 

 ベンチで黄昏れていためぐみに声をかけた雨嘉は、そのままめぐみの隣に座る。

 

「理事長代行に怒られなかった? その、いきなりだったから」

 

「あのオッチャンも別に怒ってるわけちゃうかったし、まぁこれからはちゃんと許可取れ言われただけや……流石に次が来る前に帰るはずやけどな」

 

「帰る、か」

 

 めぐみには……月歌たちには帰るべき場所がある。まだまだ謎の多い彼女たちだが、多分長い付き合いにはなれない。だから……聞けることは今のうちに聞いておきたかった。

 

「ねぇ、どうしてめぐみはよく私と話に来たの?」

 

「んなもん身内だけで端っこに固まるより、出先の連中とも仲良うしといた方がええやないか」

 

「い、いやその、めぐみみたいな明るい子は、私より他の子と話してる方が楽しいんじゃないかな、って」

 

「はっ、別にウチが誰と話そうが……」

 

「それに、なんだか月歌たちの中でめぐみだけ、たまに辛そうな顔をしてるのが気になって」

 

 その言葉を聞いて、開いていた口を閉じるめぐみ。しばらく黙った後、重苦しく口を開く。

 

「なんやろな……自分が昔のウチみたいだったから、っちゅうのはクッサイやろか」

 

「え?」

 

「ウチが明るい言うたな……多分それはそう見えてるだけや」

 

「あの、でも、初対面の私にもサイキック見せてくれたり、人見知りせずに話しかけてきたり……」

 

「から元気や。あとはまぁ、初対面の時だけやたら愛想の良い奴とかおるやん? ソイツみたいなもんや」

 

「それは……少し、分かるかもしれない」

 

「せやろ?」

 

「めぐみは、それでも、変われるように頑張ってるんだね」

 

「どうやろな……変わろうとしてるんやなくて、ただ、あの言葉に……」

 

 そこで言葉を途切れさせてから、手をかざして近くの葉っぱを揺らすめぐみ。

 

「せや、ウチはあくまで向こうの救世主だっちゅうねん、こっちのことなんかあの人は教えてくれへんかった」

 

「あの人?」

 

「ウチが救世主。みんなはまだそれに気づいてへんだけ」

 

「え?」

 

「ある預言者に言われた言葉や。その言葉に支えられて……今も頑張れとる」

 

「めぐみ……」

 

「昔のウチは勉強も運動もできんくて、それがコンプレックスのくせして自分が何者でもないのは我慢できんような……そんなしょうもない奴やった」

 

 姉や妹と比較して、ヘボリリィとして諦めてしまった雨嘉。諦めて卑屈になるのが楽な人もいれば、そうでない人もいる。

 

「けどな、その預言者にウチは救世主や言われて、周りの凄いサイキッカーが一斉にウチに畏まって……そっからや、ウチが空元気でも明るぅ振る舞うようになったのは」

 

 めぐみは諦められなくて、そうしているうちに本質は変わらなくても、無理にでも前を向いて歩けるようになった。

 

「ただ、その人の予言から少しでも離れたような場所だと、途端に自信がなくなってまう」

 

 しかし、無理をして一人で前を向くのと、周りに支えられて前を向くのは、違う。

 

 

「めぐみ……」

 

「自分と同じや雨嘉。ウチはウチに自信が持てへんのや。こんな、水浮かせたり葉っぱ揺らしたりするだけのサイキッカーに、何ができるっちゅうねん」

 

 自虐するように笑うめぐみ。

 

「……ねぇ、そのこと、月歌たちには?」

 

「アホ言うなや、こんなん月歌やタマの前で言えるわけあらへんがな……自分がウチと似てたからつい話してもうただけや」

 

「めぐみ、聞いて!」

 

 雨嘉は急に大きな声を出したかと思うと、サイキックを使うためにかざしていためぐみの手を握る。

 

「な、なんやねん、急に」

 

「私も……君と同じだった。自分に自信が持てなかった。ううん、ただなれるからって理由だけで流されるようにリリィになって戦ってたから、私のほうがずっとヘボだったと思う」

 

 驚いてサイキックが止まり、浮いていた葉っぱがバサバサと落ちる。

 

「でも、神琳や梨璃……みんなが私を信じてくれたから、こんな私でも自信を持っていいって言ってくれたから、だから私も、もう少し前を向いて、頑張ってみようと思った」

 

 雨嘉は、おどおどとした態度の中にも芯がある。強さがある。それが……やっと分かった。

 

「弱さを認めることは、悪いことじゃないんだよ」

 

「ウチは……そういうん無理やねん。救世主ごっこでもして強がってないと、闘えないねん」

 

 絞り出すような声で否定するめぐみ。

 

 

 

「訂正するわ雨嘉……自分はウチと同じなんかやない。弱さを認めて、前を向いて、自分なりの自信と強さを持っとる」

 

 雨嘉に握られた手を無理矢理振り解くめぐみ。

 

「あの言葉に支えられて強がっとるだけのウチとは大違いや」

 

「私は……」

 

「ウチが哀れに見えるか?」

 

「そんなことない! そんなこと……ないよ、めぐみ」

 

「ハ、とにかく放っといてくれや。ウチは……ウチのことで精一杯やねん。こっちでまで救世主やれるほど、器用やないねん」

 

「こっち……ねぇ、ひょっとしてめぐみたちは」

 

 その時、サイレンが鳴り響く。

 

「ヒュージ警報!?」

 

『大きな翼を持つ、未確認のヒュージが接近中!! 指定されたレギオンは直ちに……』

 

「部外者のウチらが関わることやないな……ほな、な」

 

「めぐみっ!」

 

「雨嘉さん! 一柳隊に招集がかかりました! 急ぎましょう!」

 

「あっ、う、うん!」

 

 

 めぐみと別れて梨璃たちと合流する雨嘉。

 

 

 

 

 

 

 

「またあの特殊なケイブ反応? それに、その後に現れたデータベースにないヒュージ……これは、あのガールズバンドたちに協力してもらう必要があるかもしれないわね」

 

 百由は再び検出された異質なケイブ反応を確認しながら独りごちる。

 

 

 

 特殊なケイブを通ってきた翼のヒュージ……その正体は大型キャンサー、ニードルバード。

 

 新たな天国を燃やす赤が、この世界にやってきたのである。

 

 




通りがかった時によく一緒にいるキャラがいつの間にか仲良くなってるヘブバン方式は妄想の余地あって良し。
4章前半で五十鈴っちがシャロのこと口説いてんのとか好き。

アサリリはパッと見関係なさそうなキャラが同中だったりするのが関係性オタクに刺さる。
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