ようこそ間違った教室へ   作:あもう

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地獄の入口

「起きてセイントくん、先生来たよ」

 

 

 

目覚ましにはなんとも心地よい平田の声で目が覚める。周りには俺を見る訝しむ目線の数々。まぁあんな大事件の犯人にさせられているんだ、仕方ないが

 

 

 

ガラガラガラガラ ドアを開ける音がする。音的におそらくつまりとかはなさそうな新品の音である。入ってきたのはポニーテールの先生、恐らくあれが茶柱だろうな。

 

 

 

「私はDクラスを担当することになった茶柱 佐枝だ。普段は日本史を担当している。この学校には学年ごとのクラス替えは存在しない。

 

卒業までの3年間、私が担任としてお前たちと学ぶこととなるだろう。

 

これから1時間後に入学式が体育館で行われるが、その前にこの学校の特殊なルールについて書かれた資料を配らせてもらう。

 

以前に入学案内と一緒に配布はしてあるが、再度見ておくように。」

 

 

 

やっぱり原作通りなようだ。それにしても周りからの目線が痛い。冤罪なのに何故だろう。

 

 

 

「また、今から配るケータイ式の学生証にはプライベートポイントというポイントが振り分けられており、ポイントを消費することによって敷地内にある施設の利用や売られている商品の購入が可能だ。

 

まあ、クレジットカードだと思えばいい。

 

敷地内で買えないものはなく、また学校内でもそれは同様だ、2年前制度の変更があり、一部買えるものが増加しているが基本的には変わらないだろう。

 

新しく追加されたものには現状答える事が出来ない。」

 

 

 

いきなり原作で無かった所が来た。買えるものの増加?なんだそれは今話せないということはクラスの争いに関係する何かなんだろうが·····わからん。早くも原作ルートからズレ1である。

 

 

 

「それからポイントは毎月1日に自動的に振り込まれることになっている。例外である約1名を除き、お前たち全員に10万ポイントが平等に至急されているはずだ。なお、ポイントは1ポイントにつき1円の価値がある。それ以上の説明は不要だろう」

 

 

 

例外である約1名とは一体誰だろうか·····また原作からズレ2である。これは俺のせいなのか?

 

 

 

それにしてもさっきから視線が痛かったが、10万という額に驚いたらしく視線は茶柱先生の方に向く、そのままずっと向いてくれ。

 

 

 

「意外か?最初に言っておくが、当校では実力で生徒を測る。倍率が高い高校入試をクリアしてみせたお前たちにはそれだけの価値があるということだ。若者には無限の可能性がある、その評価のようなものだと思えばいい。

 

ただし、卒業後はどれだけポイントが残っていても現金化は出来ないので注意しろ。仮に百万ポイント……百万円貯めていたとしても意味は一切ない。

 

ポイントをどう使おうがそれは自由だ。男子だったら最新鋭のゲーム機が売られているぞ? 女子だったら様々な服屋があるぞ?オカマだったらメイク屋も多いぞ?

 

自分が使いたいように使え。逆に使わないのも手だな。もしいらないのならば友人に譲る方法もある。

 

……ただし、苛めはやめろよ? 学校は苛めに敏感だから、もし発覚したらそいつには厳重な処分が下る。では、良い学生ライフを過ごしてくれ。

 

あ、それともうひとつ、天野に関しては例の事件で国から正式に損害賠償金が出ているがこの学校に入った後だったのでプライベートポイントに換算してある。このポイント額分に関してだけは卒業後に現金化が可能だ。」

 

 

 

ん??俺なのか???それにしても損害賠償って事はこの学校は大企業からの圧力は無視しているのだろうか·····いくら国営とはいえ無視出来るはずもないのだが·····

 

 

 

先生から支給された端末には2億10万プライベートポイントが入っていた·····マジかよ·····

 

 

 

 

 

「以上で今日の入学式を終わりとする。天野はこの後私と来るように」

 

ある種の死刑宣告を受けた俺は大人しく茶柱先生について行くことにした。余命宣告かもしれない。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここだ·····」

やけに重苦しい空気の中、俺が案内されたのは職員室の隣、生徒指導室だった。

 

 扉を開けて中に入ると、そこには机と椅子と時計とコピー機、奥にもう一つ扉があった。

 

「あの扉の奥には何が?」

 

「給湯室だ。だが安心しろ、聞き耳を立てている者はいない」

 

 ガチャリと開けて向こう側を見せてくれた。コーヒーを沸かすようであろうコンロと台所にありそうな銀の流し台とちょっとした棚のある普通の給湯室だろう。給油室を見るのは初めてだから知らんけど

 

 

「聞かれて困るような話をするんですか?」

 

「正直そうだな·····」

 

 先生は給湯室に近い奥側の椅子に座り、僕は出入り口に近い手前に座った。いつでも逃げる準備はしておくべきだろう。なんか睨まれてるし

 

「さて、話が2つほどある、1つ目はお前に与えた2億プライベートポイントだが、今回は特例で渡したがあまりにも2億という額は大きすぎる、

それゆえ上からの通達で1年時に5000万プライベートポイント、2年次に1億5000万プライベートポイント、3年時に2億プライベートポイントまでの使用が許可される。

つまりお前は今年はあの中で5000万プライベートポイントまでしか使用してはいけないということになる。理由は今は説明出来ないがおそらく5月になればわかるだろう。」

 

「わかりました。」

まぁそりゃこんだけのポイントがあればずるし放題だし仕方ない。損害賠償は払わなきゃいけないがポイントを使わせたくないのだろう。

 

「すまない、そして2つ目だがお前の例の事件についてだ、我々から言及する事は無いが、5月の頭に冤罪であること、そしてそれを正式に国が認めた証拠をクラスに掲示して学校全体がみれるようにするがいいか?5月なのは1つ目と同じ理由だ。」

 

「わかりました。」これに拒否権などあってないようなものだろう。諦めか·····

 

「話はそれだけだ·····帰っていいぞ」

 

茶柱先生は肩の荷が降りたように脱力している。

大変だなこの人·····

「ありがとうございます。」

 

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給油準備室を出ると目の前でおそらく星ノ宮先生であろう人が待ち構えていた。

 

「さえちゃん、初日からクラスの子と2人で何話してたのかなぁ〜?」

 

圧倒的ユルユル感、間違えなさそうだ。それにしてもなんか顔色悪いような·····

 

「また二日酔いかちえ、こいつは例の事件の生徒だ。話すよう坂柳校長から指示されている。」

 

「ふーん·····じゃあ君がせ、セイントくん?セイント、セイ、セイントって·····ブハッハハ」

明らかに若い女の人がしちゃいけない笑い方と先生として笑っちゃいけないところな気がするんだが·····まぁいいや

 

「こら、人の名前で笑うなちえ」

茶柱先生がクリップボードで星ノ宮先生の頭を叩きながら言ってくれる、ありがたやありがたや

 

「待ってさえちゃん·····私昨日死ぬほど飲んだからそんなに叩かれると·····オェェェ」

 

茶柱先生に叩かれた事により星ノ宮先生の口から出たテレビでキラキラさせられる物体が全力で顔面にかかった。

 

キラキラネームとドロドロフェイスってか?笑えねぇよ

 

「あ、ごめんセイント君·····」

「すまない天野·····」

 

先生方から謝罪が来るがもう遅い。顔にキラキラは噴射されてしまった後なのだ。

 

「恨みますからね先生方·····」

俺はキラキラをぶつけられたドロドロフェイスで先生達を睨みながら、近くの洗面所に向かうのだった。

Dクラスを

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