ようこそ間違った教室へ   作:あもう

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短編 Cクラスの始まり。

次の日、俺はD……では無くCクラスの教室へ向かった。

 

見てみると机が一つ増えていた。なるほどここか。それにしても皆から注目を浴びる。まぁ当然なんだけどさ、学校設立以来『二度目』のクラス移動らしい。

 

「それじゃ改めて、よく来たなCクラスに、歓迎するぜ。」

 

龍園が言葉を述べるとクラス中から拍手が巻き起こる。すごいカリスマ性だ。

 

「クラスの詳しい説明は放課後してやるよ。」

 

それだけ言い残して龍園は席に戻る。

 

「さて、SLTを始める、がその前にDクラスから天野君がCクラスに来てくれました。自己紹介をお願いしようか。」

 

「わかりました。」

 

俺は教室の前へ出る。早くもCクラスに居心地の良さを感じ始めた。

 

「俺の名前は天野「はぁぁぁぁぁぁぁぁあ!なんだよそんなんずるじゃねぇか!」お願いします。」

 

俺は自己紹介を隣の元クラスから邪魔される。クラスを移動しても俺に不快感を与えてくるあたりやはりあいつら天才か?

 

間違えた天災だわ、トリニティーだわ、デドダムだわ。

 

「すまないが隣のクラスの不良品共がうるさかった。もう一度お願いできるかな。」

 

坂上先生もこめかみをピクつかせている。この人苦労人だよなぁ……

 

「わかりました。それじゃ改めて、俺の名前は天野聖 聖人の聖の字を書いて読み方が「ふざけてんの!!なんで私たちが……!」します。」

 

またも邪魔された。早くも坂柳理事長は俺が書いたうちの何個かを実践してくれたようだがそれにしてもうるさいな。

 

「すまない……自己紹介は帰りのSLTで頼んでもいいか?」

 

「わかりました。」

 

本当はちゃっちゃと済ませたかったのだが顔を赤と青にしながら頭を抱える坂上先生にそんな事を言える訳もなかった。

 

そして放課後

 

「改めて自己紹介します。俺の名前は天野 聖、漢字は聖人の聖を書いて読み方はセイントです。俗に言うキラキラネームってやつですね。趣味は読書とアニメとカードゲーム。Cクラスに来たのはDクラスとAクラスにいる綿白神ってやつに復讐する為です。Cクラスでは龍園の右腕らしいです。どうぞよろしく。」

 

俺は改めて自己紹介した。龍園の右腕ってセリフにみんな脅えてたけどそれ以外は大丈夫そうだ。良かった。

 

「右腕っつーか最低でも右腕だな。お前ら、このクラスでは天野は俺と同等の扱いをしろ、いいな。」

 

龍園の発言に更に周りが畏怖の念を与えてくるが知らん。

 

「んじゃまずはうちの幹部から紹介するぜ。こいつはアルベルト、うちのぼ」

 

龍園がクラスのヤツらの説明を始めようとした。それとちょうどかぶさったタイミングで教室の扉が空く。入ってきた主はDクラスだ。しかし意外だな。11人しかいない。他の奴らは平田が説得でもしたのだろう。まぁ11人中5人は六馬鹿なのでお察しだが。というかむしろ須藤は良く成長したな。

 

「おい!どういうことだよ。健が払わなかった分のポイントを恐喝として訴えるって!!俺ら同じクラスだったじゃねぇか!」

 

そうやって声を荒らげるのは池。こいつは成長しなかった様だ。

 

「それにどういう事でござるか!来年からプール無しとは!天野殿は男でござろう!?」

 

更に声を荒らげるのは外村、だって泳げないもん俺。

 

「それよりもDクラスだけ制服のデザインと色変えるなんでどういう事!スカート前よりも短くなったじゃない!この変態!」

 

そう言って声を荒らげるのは篠原、スカート丈は正直どうでも良くて色変えて不良品判別しただけなんだが。

 

「龍園!お前裏切りやがったな!俺は今日Cクラスへの裏切りがバレて平田に公開処刑されたんだぞ!」

 

そう言い声を荒らげるのは幸村、自業自得である。

 

「お前みたいな犯罪者にクラス移動出来る権利ある訳ねぇだろ!」

そう言って声を荒らげるのは山内、関わりたくもない。

 

「あなた、クラス移動出来るポイントなんてあったのにDクラスに協力しないなんて……どういうつもり?」

そう言いこちらを睨むのは堀北。こいつは全てが不愉快の極みだ。

 

他にも何人かギャーギャー騒いでいる。

 

「黙れ、不良品共。」

 

龍園が一言脅すと六馬鹿改めて5馬鹿は逃げていった。他の奴らもしぶしぶという様子で去っていく。蝿以下のクズが目障りなだけだ。

 

「あらあら、天野君がCクラスに移ったという話は本当のようですね。」

 

見ればDクラスだけでは無い。坂柳派閥に一之瀬達、葛城も来ていた。

 

「あぁ、悪ぃが恨みっこなしだぜ?」龍園は獰猛な笑みを浮かべながら坂柳、一之瀬、葛城を見ながら言う。

 

「にゃははー、これは驚いたね、移動したいのは知ってたけど来るならうちのクラスだと思っていたよ。」

 

「龍園…侮れん男だ。」

 

リーダー達が思い思いに意見を言う。一之瀬の言う通りBクラスが普通なら筆頭候補だろうが…復讐出来ねぇだろそれ。

 

「Bクラスじゃ復讐出来なそうだしAクラスは綿白神がいるから仕方ないだろ。」

 

俺はそれだけ言い残してCクラスの面々とその場を去ろうとした。だがそう上手くも行かない。

 

「綿白神さんが退学したらAクラスに来るつもりはありませんか?天野君。」

 

「え?」思わずえ?と言ってしまった。坂柳からの思わぬ提案。驚かないわけも無い。

 

「退学した時考えるよ。」

 

俺はそれだけ言い残しその場を逃げる。Cクラスの面々の1部とカラオケルームへと向かった。

 

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「取り敢えず例の偽物のラブレターは燃やしといたぜ。」

 

「ありがとう。」

 

俺はとりあえず礼を言う。この場にいるのは俺、伊吹、金田、アルベルト、石崎、龍園、椎名の7人だ。

 

「取り敢えず裁判系統に関しては俺の方でやっておいていいか?」

 

「構わない。ひとまずはお前に任せる。」

 

一先ずは放置でいいだろう。

 

「そう言えば龍園、明日Dクラス『だけ』抜き打ちの特別試験が行われる事が予告される。」

 

俺は龍園にDクラスの『復讐』として用意した坂柳理事長への書面の一つの話をする。あれから坂柳理事長とは連絡先を交換して逐一書面で頼んだ情報を貰っている。ちなみに一年担任教師と校長の土下座撮影会は来週だ。

 

「ほう?詳しく内容を聞かせてくれよ。」

 

興味津々に龍園が聞いてくる。急ぐなよ龍園。

 

俺は頼んだフライドポテトを1本齧りながら説明する。

 

「試験の内容は簡単、誰も退学せずにクラスポイントを50ポイント失うかクラスメイトを誰か一人切るかわりに50ポイント得る2つの結果しかない単純な試験だ。」

「なるほど、まぁお前の事だからなかなかえぐい作りになってるんだろ?」

 

龍園が楽しそうに言うが残念ながらそんな事も無い。

 

「まぁそんな事ないぞ。試験の内容はクラス内で不要だと思う人間を教師も含めて一人につき一人書く、そしてそいつを退学させてDクラスにクラスポイント50ポイントを得させるか、それともそいつは残させてクラスポイント50減らさせるかを一年のAクラスからDクラスの全ての教師も含めて好きな方に投票する。それで多かった方になる。が、」

 

「…が?」

 

龍園はニヤニヤしながら聞いてくる。そんな期待するような事はしていない。

 

「この試験の面白い所は3つ。1つ目は、誰が賛成もしくは反対を選んだかと誰が誰を退学候補に指名したかを選べるってところ。2つ目はクラスポイントが0でもマイナスとしてこの50ポイントは溜まるということ。そして最後に……退学が決定した生徒は全校に通知されプライベートポイントを全て失う、がその生徒は夏休みが終わるまでこの学校に居続ける、退学するのは二学期の初めってことだな。」

 

それを聞いた龍園は笑い出す。

 

「クハハハハ、最高かよお前、つまり退学が決定した奴はそこまで行かせたクラスの奴らを毎日恨みながら同じクラスに居させるわけか。最高じゃねぇか。」

 

楽しそうだなこいつ。

 

「まぁその試験が明日にある。俺らの投票は来週だろうよ。」

 

「楽しそうだなぁ……退学候補になったやつは俺様直々に煽ってやるとするか。」

 

龍園のその言葉に石崎が身を震わせる。

 

「まぁ何はともあれ来週を楽しみにしといてくれ。」

 

「あと俺からも話がある。夏休みに行われるであろう特別試験についてだ。豪華客船で南の島にバカンスなんて絶対嘘だろ、お前はどう思う?」

 

どうやら龍園はもうそこまで気づいているらしい。

 

俺は少し悩みつつも原作知識の一辺を見せることにした。

 

「雰囲気的には南の島で1つ、豪華客船で1つあるだろうな。南の島は泳ぎが必要になるかもな。」

 

俺は恐らく龍園が行き着いているであろう所まで話しておく。

 

「だろうな。俺らCクラスはそれら試験でAクラスの坂柳派と手を組んで葛城派を潰す事になった。お前のさぞかし大嫌いな綿白神派もいるが綿白神本人が権力と財力を振り回すだけのガキだからな……そっちは取り敢えず放置しておく。」

 

「あいつは生き地獄を見せたいな。」

 

それにしても坂柳派と手を組むか。中々面白い事を考えるな。

 

「そう言えば、その投票の日の放課後に一年担任教師と校長の土下座撮影会なんてのがあるけどお前も来るか?」

 

「クハハハハ、行かせてもらうぜ。」

 

そういった龍園の顔はいつになく楽しそうだった。

 

その後俺たちは他愛もない話をしながらカラオケをして帰るのだった。

Dクラスを

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